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そうですか。
[手に触れてくる感触に、僅か目を細める。
小さく震えていた手は、やがてゆっくりと解かれる]
ミリィは容疑者だったかもしれませんが。
死者までを疑い手荒に扱うようなことはしませんよね?
…静かに眠らせてあげてください。
せめて彼女だけでも。
[自衛団員に告げて、冷たくなったミリィの手を取る。
すみません、と呟きながら手にした薬液を注ぐ]
同じです。数日ならもちます。
それだけあれば恐らく…解決するでしょう。
ふぅん、猫の目が色を変えた、か。
それが本当ならただの猫ではない。
つまり共に在るアーベルも何かしらあるかもしれない、ってことか。
何かを知ってて隠している、か。
この間ゲイトに突っかかってた時も、何か含みがあるようには感じられたな…。
真なる視る者は奴の可能性が高いわけだ。
[二人からの話にあれこれと考えて。
本能が告げた警鐘は間違っていないようだと確信する]
/*
いえ、表ではもうCOしたつもりなので。もろにじゃないですが。どうせなら引っ掻き回して「霊能ローラー」に近いことを狙ってみようかなとか。
ただ、問題は。その動機が私に薄いこと(爆
いきなり居なくなったからね。
え…。
[きょとんと見上げるような気配。]
そう、だったの?
[修行に来ていたのはもちろん知っていたが、自分の為に居てくれるという話を聞くのは初めてだった。
驚いたように目を瞬かせて。
せめてと、気配だけは傍らに添った。]
[開かれたままの扉の前。一度止まってユリアンを振り向き]
……。
私には聞こえる。残骸の欠片が。
呼び声が、影の片鱗が。
そう、例えば――自衛団長殿の声が。
[変わらず曖昧に紡ぐが、最後の呼び名は鮮明に]
御伽に伝わりし、声を聞く者。
死人の声を聞きたる者、それが私だ。
変容が起きた時には皆に結果を伝える。
自身で以て決めた通りに、伝えよう。
ノーラと女将は、死んでいる。
[相手も既知である事実と]
ミリィも、死んでいる。
/*
…ではなく。
やっぱりもっとハッキリ出さないとだめですか(汗
まあ私の行動というよりも。
一番はイレーネの「ご主人様」を否定しなかった部分から後にあったりするので。…アーベル以外にはなってない、ですね(滝汗
それなりに小出しはしているのですが。今夜中になにかやっておかないと。むむ。
……そうじゃなきゃ、何度もお前のところに足を運んだりしない。
[伝う言葉には少し照れが入っていただろうか。
普段ならば面と向かって言う事は無い。
言う必要も無かったために。
寄り添ってくる気配には嬉しそうな気配を乗せ、こちらもゲイトに対し包み込むような気配を送る]
[自警団長の声。
それは既にこの世には居ない者。
その声が聞こえるとなれば]
…死人の声を聞く者…。
[反芻するように呟き。
そして続く名前に瞳を見開いた]
ミリィ、も?
…異形じゃなくて、異形にやられたのでもなくて。
じゃあ、何で死んだんだよ…!
[誰かが手を下したとでも言うのか。
不意に浮かぶのは、ミリィと親友である少女の顔。
何事も無ければ良いのだが、その身を案じ不安が過ぎる]
[オトフリートの震えが収まったのを確かめてから、手を放した。
自警団へ彼が向ける願いは、自分の願いでもあり。
それが叶えられるようだとすれば、ほっとしたように、青い顔にやっと小さな笑みを浮かべるだろうか。
薬を塗る様子をぼんやりと、眺めながら。
数日で終わる、には果たして終わるのだろうかといった不安の色を浮かべた。]
…おじさんとおばさんと、早く会えるといいね。
[ぽつりと呟いた。]
何処で死んだかはわかる。自分の家で、だ。
何故かまではわからない。
ただ、静かだった。
それまで止められていた物を届けはしたが、……
[そこまで言うと扉の奥へと消えていき]
何故そう言えるか、ですか?
それは私も幾つかの伝承を知っているからです。
長くても10日までは掛からない。
それだけの間に起きてしまうという事件なのですよ。
空気が篭らないようにしておけば、どうにかなるでしょう。
…それに、私はミリィが人間だということは分かっています。
医者ですしね。何かの力を使われている時ならともかく、力を失って亡くなった後までも騙されはしません。
[それは嘘ではない。だが真実でもない。
本当は、真偽を最初から知っているのだから]
…すみません。少し休ませてください。
流石に…堪えてます。
[溜息というには大きい息を吐いた]
【―――日常を、いまだ持ちたるものは、非日常によって殺される。
長く生存できるのは、非日常に染まったもののみ。
されど、非日常に染まったものは、容易く日常に戻ることは許されていない。
世界とは、かくも難しけり。
世界とは、かくも悲しきもの也】
…ミリィの、家。
原因は分からない、けど、死んだのは──。
[本当なのか。
その言葉は口からは出ることなく]
静か、って。
止められてた物って…?
[訊ねるもブリジットは奥へと消えていく。
問いの答えを貰うために追いかけようと思ったが、その奥からアーベルが赤に染まって出てきたのを思い出し、思わず踏み止まった]
えっと、金銭的に安いからとか、慣れてるからとか、体の相性がいいからとか、そういう理由だと思ってた。
[何気に色々微妙な事をさらりと言うも。
照れの含まれる穏やかな声が、表で見せるものに近い気がして、それもまた嬉しく思えた。
包まれる気配はとても心地よかったが、生身のエウリノに触れたい気持ちも呼びおこす。つまりは、ちょっと物足りなかった。
それでも、空間の距離の意味をなさない赤い世界で、薄くとも触れ合える事は、以前の何倍も意味があるように思えた。]
……。
[そこにあった物を見下ろす。広がる赤。ノーラとエルザの残骸。視線は真っ直ぐそれに向きながらも、宙を見つめているように。拳を、ノートなどの束を、握り締め]
呼ぶ。それは。天からの物か。
地からの物か?
糸か穴か。どちらでも――そう、どちらでも!
呼び声には違いない。そうじゃないかい、女将。
違うかね。それも有様。
再び進み出した腐食は全身をも覆うか。
それならば。――恐ろしい事だ!
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