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―宿屋/個室―
[他の部屋と中はさほど変わらない。
違っているところといえば他より机が少し大きい事。
机の引出しの中に彫刻用の道具がいくつか残されている事。
此処でお世話になった時にこの宿で作った翡翠の一輪挿し。
一輪挿しには月下美人の華が彫刻されている]
――…。
[口を開けば弱音が零れそうになる。
滅入りそうになる言葉を避ければ吐息しか残らない]
[ベアトリーチェが描かれたスケッチブックを見詰め
女はその紙をそっと、撫でる。
ふるり、また首を振るい、新たなページを開いた。
深い呼吸を繰返し、お守りの玉を握る。
とくり、とくり。
規則正しい鼓動は生きている証。
覚悟を決めたように、スケッチブックに向かいペンをとる。
其処に描くのは6年前に知り合った美術商の伴侶。
白い紙に描かれた彼女の姿は普段と変わらぬ姿。
動かぬのが不思議とも思えるその絵に余計なものは一つも無い]
――…は、
[張り詰めていた糸が切れる。
抱いた思いは複雑に絡み合い自身にも把握しきれない]
覚悟、を
[決めなくてはいけない。
ライヒアルトやエーリッヒの言葉が思い起こされて
覚悟をと思いながらも未だ迷う心]
……、っ
[こわい、とくちびるのみで綴り置いたペン。
女は顔を両手で覆い、肩を震わせた**]
生き残る、術。
[ウェンデルの囁きを鸚鵡返しに紡ぐ聲]
ウェンとシンが生き残る術は――…
[生かす為に偽る覚悟。
嘘を吐く事に酷く抵抗があるけれど
見定める者の一人は残っていて
何れ見つけられてしまうのでは、と思う。
だから、自分が庇う事を考えて]
彫刻師 カルメンが「時間を進める」を選択しました。
[食事は胃にも優しく、体を温めるスープを作り振舞って。
団員や、ウェンデルからベアトリーチェの話を聞けば、
青年にしては珍しく、壁を叩いて苛立ちを示した。
その後、ゲルダを伴って部屋の掃除>>36へと向かい。
聞かされた事>>37に頭痛を覚えた。]
……ねぇ、ゲルダさん?
ほいほい自分の能力言っちゃっていいの?
もし俺が人狼だったらゲルダさんが真っ先に狙われるけど、それでもいいの?
[少し困ったように告げて。**]
それでもいいなら、手伝って?
[と、手を伸ばした。]
先を越された、なんて。
[部屋に戻ろうか考え始めた頃、ウェンの囁きが聞こえた。
繰り返した囁きには驚きを通り越して呆れの響きが宿る]
分かったわ。私も大人しくしている。
[声に滲む怒りを煽るのはよくないと思えるくらいまでは落ち着いてきていたので、食堂で共有する情報として渡されるまで詳細を問いはしなかった]
[アーベルが振舞うスープは予め少なめに装ってもらい
気持ちばかり口にする。
食べなくては体がもたない。
わかっていたが結局必要と思われる半分も食べられなかった。
声かけを願うは掃除がはじまる前。
夕餉までには食堂に戻る心算だったが
それまでに心を決められるか否かは自身にもわからない]
[ウェンデルの報告も受けると、衝動は更に高まった。
注視している者がいたら、手で隠しきれない唇の端が少し震えているのも見えただろう]
そう、それで。いいえ、でもおかしいわね。
自衛団の方はそれも知っていらっしゃったのかと思ったのに。
団長さんのお話があった日、ベアトリーチェさんとよくお話していらっしゃったから。でもそれなら選ばれませんわよね。
[聞き耳を立てていたのか、見張り役の団員が窓の外で居心地悪そうに身動いだ。団の総意ではないと言いたかったのかもしれない]
どちらにしても、今日はもう誰かを選ばなくても良くなってしまったのですわね。
アーベルさん、湯を使わせていただいていいかしら。
身体が冷えてしまっているようなので。
[掃除に向かう前のアーベルに風呂を借りたいと頼んだ。
芯から温まれば不調も消えるかと思ったが、そう楽にはいかなかった。身の内深く、毒のように回るものはすぐには消えない]
― 宿屋/個室 ―
[笛の音が何処からともなく響いていた。
穏やかな音色に手が緩む。
暫らくその旋律に耳傾けていれば
肩の力がゆっくりと、抜けてゆく]
勿体なくも愚かなことね。
危険が減ったのはありがたいけれど。
[甘く響く欲の色に、身体がゾクゾクとする。
欲しい。けれど今すぐ口にしたら止まれない。本能のどこかが囁く]
ええ。ええ。次こそは。
[熱の篭った声で囁きながら、気分を変えようと席を立つ]
[常に鍵をかけていては、何かがあると暗に告げるようなものだ。
鞄には別に鍵がかかるようになっているから、中の空気が凝らないように窓すら少し透かしてあった。
部屋の床には一本だけ、黒い髪も落ちている。
淡茶の髪も当然のように幾本か見つけられるだろうけれど**]
カルメン?
[内と外から暖を取って息をつく]
また忘れているわ。あなたもね。
[その覚悟を推し量れるまで復調はしておらず。
名前が抜けたのは自分たちのことを案じるあまりだと受け取った]
……失われたからと言って、止めるわけにも行かない、のよね。
[手をかけた者の判別が出来なくてもやらなければいけないと。
誰に言うでもなく独り言つ。
その声は酷く冷静で、感情の籠もらないものだった]
[ゆるゆると、頭の中で何かが解けて行く。
けれどエーリッヒはそれに気付かない。
誰が人狼なのかを知る術は持たない。
持たないからこそ、取れる手段は限られる。
やらなければ、そんな想いが頭の中にするりと舞い込み、意識へと染み渡って行った]
[護りたいものはある。
あるけれど、優先順位はどんどん下がって行く]
[人狼を探さないと。
人狼を殺さないと。
そうしなければ、村が滅んでしまう]
[外では暮らしていけない自分の身体。
死ぬことは厭わないのに。
殺されることは厭わないのに。
居場所を取られまいと、村を護ろうとしていて]
[そのためには親しい者を手にかけることすら。
厭わなくなってきていた]
アタシは、一旦帰るわね。
また明日来るわ。
[宵へと足を踏み入れるような時刻。
部屋を借りる心算も無かったから、食堂に残っていた者達にそう言って席を立つ。
夕食も自宅で済ませる心算で居た]
[宿屋を出る前にブリジットの頭を一度撫でて、「じゃあね」と笑みかけてから外へと出る。
ひんやりとした空気が身体を包み、前が開いていたコートを手で握るようにして閉じた。
その頃にもなればリスも大人しくなり、冷える空気に触れぬよう、ポケットの底で丸くなり暖を取っている。
自住居穴へと戻った後は、食事を取って静かに休息を取るのだった]
─ 翌朝/自住居穴 ─
[その日の目覚めは穏やかな空気に包まれていた。
リスが、何も騒がなかったのである。
目覚めはいつも通りの時間。
リスは餌を求めてエーリッヒの周囲をうろちょろと動き回っている]
……今日は静かなのね、パラッシ。
[指の腹でリスを撫でようとすると、餌を強請っているのか指先をカシカシとして来た]
……………………。
[あまりに平和な光景に逆に脱力して、のろのろとした動きで起き上がると朝食を先に用意する。
支度を整えるといつものようにコートを羽織り、自住居穴を出て行った。
向かうのは勿論、皆が泊まる宿屋]
[夢を、見た。
父も母も共に暮らす頃の、北の寒い村にいた頃の夢。
笑う2人に一生懸命話す自分がいる。
柔らかい笑みを浮かべる二人がいる。
いつしか、穏やかな調べが遠く山の向こうから聞こえる。
ひどく心落ち着くような、美しい笛の音色のような。
両親は山の方を指さして、ニコニコと笑う。
いつしか目に見える全てはくにゃりと曲がり
円を描いて真ん中に渦となって吸い込まれていき
―――ゆっくりと目が覚めた時、枕は湿っていた]
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