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[私は透ける壁へと手を着いて、壁の向こうを覗き込む。
半透明の硝子に囲まれた通路とその奥に――聳え立つ機械の塔]
何故…このようなものが森に?
そはまるで、寝物語に聞きし【鋼の獅子王】の…
[零れた声を掬うように、無限の輪が私の周りを巡る。
淡い菫色を揺らしそれを追えば、透ける壁に沿い内へと通じる道へと空を滑る。天と壁を囲まれた、逃げ場なき道へと]
…行けぬ。
私は…そちらには行きとうない。
[頭を振れば長き白金が乱れ、緩やかに肩を覆う。
壁から離した手で身体を抱き、私はその場から後ずさった]
…森が見えるな。
木々が見えると安心する。
[どこか冷たい印象を感じる機鋼の界の中、ゆるりと揺れながら進む無限鎖を目の端に捕らえつつ、周りを見渡す。
透明なガラスに手を触れれば、想像通りの感触が手を冷やした。
無限鎖は強制するつもりもないらしく、ふらりと横に逸れればそれを許すかのように着いて来るように思え。
吹き抜けにそびえる塔の周りを回るように、その透明な硝子の壁が続く道―外周区画というらしい―を、足音を立てつつもゆっくりと歩く。]
何か……なんだろ
ココって誰か居るトコな訳?
[むくりと起き上がり、塔を囲む外周区画をぐるりと巡るように歩き出した。
遠回りでもいずれ屋敷へ着くのだろうからと、環は諦めたように漂っている。
丸い硝子を嵌め込んだ小さな目玉のような――カメラがその様子を音もなく、気配もなく*見ていた*]
──
■名前:リディ
■種族:魔族?
■属性:生命
■職業:無職
■年齢:外見15歳/肉体年齢約200歳
────────────
精霊界に住む魔族。
現代雷撃王と翠樹王の子供。
時々、人間界へ遊びに行くこともある。
反抗期。
/*
残念なことに 中の人は 今 あんまり時間がとれないのです
メモにも でられません
だって、けせるものなら、みれるけど。
*/
[透ける壁に阻まれ、緑の天蓋は途絶えている。
私は半身を捻り、麒麟と成りて天へと駆け上がった。
光を受けた白金の毛並みがうねり、長い尾が緩やかに翻る。
そのまま――天の青を渡りこの地から出ようとして、私は唐突に現れた星空の天蓋に目を見張った。
そは透明な壁に隔てられ、出でる事は叶わぬと私に知らしめる]
な…なに、ゆえに…?
此処は、何処なりや…。
[私は絶たれた望みに首を垂れ、緩やかに地へと落りる。
その半ば、上より半透明の通路に人影が見えた気もしたが、動転していた私に気を払う事は不可能であった]
[塔のまわりを半周ほど歩くと、屋敷を見つけた。はからずも真っ直ぐ屋敷へ着いたことになる。屋敷の中へ]
誰かいるのー?
何この紙
……オトフリート?
って確か……
[紙を一枚めくる]
何これ、リディの名前があるし!
[紙を一枚めくる]
げ、
何でライデン!?
< とことこ。ぴたり。
あらあら、なんでしょう。この先、ついてこいっていいますけれど >
…? これ、なに?
< 鎖が答えをいうわけなんて、ありません。
とうめいな、しきり。猫は困って、ぺたぺたと壁にふれました。 >
連れ戻しに来たとか?
てゆーか帰るつもり無いし、超うざいし。
逃げなきゃ……ていうかここ、どこ。
[散策開始]
何か落ち着かないってゆーか、なんてゆーか……
< とうめいな かべで あそ…いいえ、たしかめていた猫は、目にしっかり好奇心をあらわしていました。だけどもその手はとびらをつかみ、おもいっきり音をたててあけてしまったのです。
びくぅっ
と、なんだかものすごく おどろいて、猫は一気に、きょりを とりました。
近くに、ふしぎな、花のかげ。
おおきな樹からぶらさがって…
声がしたのは、そんな花からじゃありませんでした。 >
< 首をふるふる、横にふって >
おれは、ちがうよ。
ここは、どこだろうって、おもって。
それ
< 鎖をゆびさし >
に、ついてきただけ。
< 挙動不審、なんて、思ってるって、しりません。 >
…逃亡?
< もしかしたら、かの女がみたページの中に、猫のことも書いてあったかもしれません。
それは――
■名前:エーリッヒ
Erich
■種族:獣人(羽根のはえた猫)
■属性:流水
■職業:野良猫
■年齢:35歳(人間換算17,8歳)
――――
人の来ない森林に住む猫。
ずっと人と旅をしていたが、15年程前からそこに住む。
特筆することもなく、猫。
なんていう ものでしたけれど >
…腹減ったな…。
[呟きつつ、くるりと首を巡らせる。
声が聞こえた気がしたが、それはどこからだろう。
ふよふよと浮かぶ無限鎖に目をやれば、東の方へと誘いおうとしているのだろうか、くるくる回りながらもそちらを差す。]
ああ、草だ。
[ピィ!と肩で羽を広げて鳴く小鳥の頭を指で撫でながら、草原へと足を踏み出した。
さく、と水分を含んだ土の感触を足が伝えてきて心地よい。
人から見たらのしのしとも思うだろう擬音を背負いつつ、草原を揺れる鎖についてゆっくり歩く。
その両の瞳は、ひとつの大きな屋敷に入る鎖を捉えて少しだけ見開かれた。]
捕まったら連れ戻されて怒られるし。
[ユリアンの意志をよそに、勝手に確定事項扱いである]
てゆーか、なんだかわかんないんだったら探検いこうよ。ここに住んでるんじゃなきゃ良いでしょ?
それともどっか行くとこあるわけ?
< 猫はちょっと――ということにしておきましょう――鈍いようですけれど、かの女のことばに、なんとなく親のことをかんがえました。
もしかしたら、もしかして? >
おかあさんと、おとうさん?
< くびをかしげます。
だって、つれもどされて、おこられるっていうと、家族しか浮かばなかったのです。 >
たんけんは、いいけど。
おれも、いかなきゃいけない、わけじゃ…ないと、思うから。
でも、しんぱい、かけたら、だめだよ。
< かの女にとって 余計なお世話 でしかないかもしれません。 >
……なにそれー!
[図星だったようだ]
超つまんない。
つまんないこと言わないでよー!
あんなやつらもう知らないし!
アンタも一人でどっか行って野垂れ死ねば?
[フンと息も荒く、来た道を戻ろうととってかえす]
あ、え。
ええと
< なんだろう、猫はちょっと困ったようでした。 >
つまんないって、えと。
あ、まって。
< なんとなく 一人で置いておいたら まずいかも。
なんて思った、とはいえません。 >
どこ、いくの?
おれは、
< ずっとしゃべってなかった、そのせいで、口がうまくまわりません。
猫は困って、なんども くちびるを しめらせました。 >
ええと。
おれは、エーリッヒ。
迷子、なったら、だめだよ
< ちょっとおどおどしてしまうのは、
かの女の“げっこう”が、こわいからじゃなくて。
しんぱいで。
でも、猫は、かの人のたちばに なったことが ないから。
どうやってあらわせば いいんだろう。
そんなふうに、思っていたのです。 >
[呼び止められて振り向いた。不満げにエーリッヒを睨んでいたが、唇を舐める様子が可笑しくてすぐに笑った]
なんかぺろぺろしてて犬みたいだし。
ていうか既に迷子なんですけどー。
< かの女がわらって、猫はすこしほっとしました >
犬、じゃないよ。
おれは、猫だから
……この、わっかに、ついてっても、迷子?
[柔らかな下草に首を横たえ、耳を立てて身体を休める。
その姿を通路から無機質な目が見ていたなんて、知る由もなく。
──
■名前:ナタ・リェ(那多烈)、音としてはナターリエと聞こえる
■種族:獣族(麒麟族・索冥(さくめい))
■属性:天聖
■職業:機織
■年齢:外見20歳、肉体年齢100歳弱
────────────
人間界の東方、険しい山々に囲まれた隠れ里で静かに暮らしている麒麟の一族。
偉大な者が生まれる時に祝福に訪れる他は、ほとんど里を離れる事が無い。
10年程前に物資交換に人里に下りた所を捕らえられていた為、人間と鎖に怯える。
──
私の情報は仮初めの宿へ伝わり、本を模した何かに記されゆく]
[驚きは鼓動を早めさせる。
私の身体に潜む針を、血の巡りに乗せて運んでしまう。
私は緑に身を横たえ、心を静める。
この身が死すれば穢れと成りて、この地を穢してしまう故に]
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