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[キャロルに頷いて一度茶葉を取り換える。お湯を少量注ぎ蒸らしてから、更に注いで抽出。その間にカップを温め、頃合いになった紅茶を注いでキャロルへと差し出した]
どうぞ。
…ロッテ?
何だかラッセルの呼び方と似てるわね。
[変わった呼び方をする少年を思い出し、小さく笑いが漏れた]
[名乗る青髪の少女──ニーナの所作をじーっと見つめる]
…ニーナ、だったかしら。
貴女、もしかして目が…?
[ハーヴェイが手を引く様子。椅子を触ってから座る様子。それらをしばし見つめ、つい思ったことが口に出た]
……気持ちが悪い。
[乱れた呼吸の合間から声を絞り出し呟くと、横倒しに倒れ伏した。
ひんやりとした硬い床の感触を頬に感じたその直後、あっさりと意識を手放した。]
[シャーロットの呟きは聞えたのかどうか。
きょとり、と翠も瞬く。
ハーヴェイの声に同じく窓の方へと視線を投げ]
そうでしたか。
私も最初は花に囲まれておりました。
そして歩いているうちに此方へ。
何かに呼ばれて?
ああ…。
[ラッセルの声に視線を戻すと、小さく頷いた]
……そんなに、念を押さんでも。
他人の事には、さして興味などない。
余計な覗き見はしないさ。
[困る、と繰り返すイザベラに呆れたような声で言い、手帳を受け取る。
書き込まれた見取り図と、先にふらついた時の間取りと。
それらを重ね、朧気に構図を把握してゆく。
左右異なる動きをする眼にはやや、奇異なものを感じながらも、それを指摘はしなかった。
外見の指摘は、自身にもある種鬼門と言えるが故に]
ふ……ん。
わりと、広い……設備も、それなりにしっかりしてそうだな。
[小さな声で呟いた後、ありがとう、という短い言葉と共に手帳を返す]
[傍らの椅子に、少女が座る]
[そこにあった逡巡は、省みられることが無い]
ありがとうございます。
[チリン]
[差し出された紅茶を受け取り、手元に置く]
[告げられた名に、眼差しはあかの髪の少年へと向く]
彼は、何と?
[少女の笑う口許に眼を留め、女は問うた]
ああ。
ま、主がいるなら、何かしら言ってくるだろうさ。
[ニーナに返して。
シャーロットが彼女に向けた問いに、蒼氷を一つ、瞬かせる]
[黒ずみ錆びついて見える門が空けた隙間に口笛を吹く]
よっしゃ、乗り越えずにすんだぜ。
これで今夜の雨風は凌げるな。
さーて地下にでも酒の一本くらい転がってりゃいいが…ゲッ!
[にまりと髭面を歪めて扉を開く。予想より軽い錠の感触と開いた隙間から見えた陰気な顔に濁声が上がった。蝋燭の灯りに照らされた番人が扉に近寄り、大きく開けて中へと目線で促す]
あー…入れってか、なら邪魔すんぜ。
で、ちぃとばかし体温めんのに酒が欲しいんだが。
ああ、ああ、場所さえ言ってくれりゃ手を煩わせやしねえよ。
ええ、よく見えないんです。
でも、どうしてだったかは忘れてしまいました。
[青い色――シャーロット、と名乗ったひとに顔を向けました。
他者の目には、焦点のずれた鈍色の眼が映ったことでしょう。
どうしてわたしがその色を知っているのか、それもまた思い出せませんが。]
呼ばれて、ねぇ…。
だったら誰が呼んだの、って話にもなるんだけど。
夢なんだったらさっさと醒めて欲しいものだわ。
[ラッセルの仮定について出るのはどこか苛立ちにも似たもの。考えても答えは導き出せず、全て分からないことだらけ。気分が良いものでも無い]
[差し出した紅茶に伸びる手と連動するように鳴り響く鈴の音。紅紫の瞳がそちらへと向かう。続き訊ねられるキャロルの言葉には]
ロッティ、ですって。
そんな風に呼ぶ人なんて居なかったから、なんだかおかしくて。
それはそれは、私とは違うのですね。
[手帳を受け取りながら]
私は、他人に興味ありますよ。とても。
暇を潰すなら、他人見ているのが一番です。
どうです?面白いですよ。
[イザベラがメモを取る>>172内容を、男は知ることがない]
[前後の流れから判るようなものだが]
名前がわかるということは――
完全にないわけでもないがな
ああ、確かに外が騒がしい
あの中を誰か通ってきたのか
[向くは彼岸の花が見える窓]
[そばへと足を向け、窓枠にもたれる]
[聞こえる二人のやり取りに、クツクツと低く喉を震わせた]
[それからやってきた人々に、黒紅の片目を向ける]
[暫くの間、男はそこから動くことはなかったが、名乗りだけは軽く、先に済ませた]
…本当に、同じなんですね。
[周りの語られる境遇は、どれも同じ。
それはわたし自身にも言えることで、小さく呟きました。]
全く同じ者同士、なんているもんじゃないだろ。
[イザベラの言葉に軽く返して、肩を竦め]
俺は、他人に入れ込むのは遠慮したい方だからな。
だからって、あんたが他人を眺めるのを、どうこう言いはしないが。
[声がする方へと向けたためか、ニーナの視線はズレては居たがこちらへと向いて居て。覗く鈍色の瞳には光が宿っていないように見えた]
そう、なの…。
見えないとなると、移動もそうだし何をするにも大変そうね。
初めて来た場所でしばらく過ごすことになるけど、大丈夫かしら?
[右手は興味本位にニーナの目の前でぴらぴらと振られた]
ハイハイ地下ね、わかったわかった。
仕事の邪魔して悪かったな。
[この地の場所すら尋ねもせず、番人の気が変わらぬ内に急ぐ。角を一つ曲がったところで吐いた息は酒臭い]
さーって酒だ酒だ。
古臭いが城の地下ってんなら葡萄酒かなんかあるだろ。
――新しい客人のようだぜ
[言葉を落として、男は窓から離れ、広間の戸に手をかけた]
[迎えに行くわけではないが、他がどう捉えても男は気にしまい]
[戸の向こう、廊下は、冷たい空気が流れていた]
フフフ……。それは結構なことです。
[ニーナの前で手を振るシャーロットの様子を無言で
指し示し、押し殺したように笑う。]
クク……こういうのがですね…クク…。
面白いんですよ。とても。
[陶磁器の中、あかの色彩を揺らし、口に含む]
[ニーナと名乗った少女に注目は集まっていたが、気にする様は無く]
[女は唯、手の裡にあるものを愉しんでいる]
ロッティですか。
名を変えて呼ぶのが好きでいらっしゃるのでしょうか。
[首を傾げ、女はまたあかを一口*嚥下した*]
新しい客人?
[広間の扉へと向かうクインジーの言葉。その動きは視線で追うだけとなる]
まだ集まってるのね、ここに。
今度はどんな迷い子なのかしら。
[気にはなったがクインジーの後を追って広間の外へ出ることも無く。その背が扉の奥へと消えて行くのをただ見送った]
[ニーナの答えに軽く睫を伏せて。
シャーロットの言葉に小さな溜息を吐く]
分からないことばかりですね。
[一度座ってしまうと立ち上がるのに気力が足りず。
人の動きを目に入れ、交わされる会話を耳にしながら、鮮明にならない思考を*巡らせていた*]
さてな
[シャーロットの言葉に、男はそれだけを返した]
[部屋を出る前に向いた視線はハーヴェイへ]
治療はしたか?
[問いかけたが、それに答えは求めていない]
[誰とも言わぬ、視線を向けただけであり、男はすぐに外へ出た]
[足音がする]
[他の者との会話に集中していたためか、イザベラの様子には気付かない。気付けばまたむくれていただろうから、少女にとっては幸いだったかも知れない]
そうね、クインジーのことはクーって呼んでたし、イザベラのことはベルって呼んでたし。
そう言う風に呼ぶのが好きみたい。
[紅茶を愉しむキャロルにそう答え、自分もクッキーを一つ口へと運んだ]
ぐえっ!
[先へ先へと酒精の切れかけた男の気は急いて、足元に転がる何かに躓いた。濁声と硝子のぶつかり転がる音が響く]
…いってー、荷物何ざ廊下に転がしてんじゃねえよ。
ったく……あ゛?
[飛んでった蝋燭を取りにいく為に足元の何かに蹴りを入れ、その感触に顎を開ける。胡乱な目で足元を見、屈んで形を確かめる]
人…か? しかも生きてやがる。
[新しい客人、という言葉に一瞬、視線を広間の入り口へと向ける。
だからと言って後を追うでなく、窓辺へと寄りその向こうに広がる緋を見やる]
……関係、なかろうが。
[向けられた視線と、問いと。
それには素っ気無い呟きだけを漏らす。
右手は確りと、紅の滲む辺りを*掴んでいた*]
[ちらちらと視界を過ぎる肌色が何だか分からなくて、指先を伸ばしてみました。
触れることができたなら、それが手だと分かるのでしょう。]
色は、見えますから。
慣れれば、大丈夫だと思います。
[こくりと一つ*頷きました。*]
[完全に見えていないものだと思い込んでいたために、伸びて来たニーナの手が自分の手に触れたことに驚きの声を上げる]
わっ。
何だ、完全に見えないわけじゃないのね。
うーん、色だけ見えると言うのも不思議な話ね。
目が見えないと言うよりは、視力が弱いってことかしら。
[伸びて来たニーナの手を両手で包み、軽く握手をするようにしてから解放する]
番人
[すぐに見える灯りの元に居るアーヴァインに声をかける]
[新しい客人は地下へと男は聞いた]
――地下?
そこまであるのか
[足音が遠ざかっていった方向を見る]
[番人にはそれ以上言葉をかけなかった]
[男は手に灯りを持つことなく、そちらへと向かった]
/*
明日の朝開始ですね!
寝て起きたら役職が決まってるわけですね!
ところでだいぶ普通に行動してる私なんですが、本当に良いんでしょうか(滅
記憶が朧げ、ってどこまでなんだろう。
[放置しかけたところで返る呻き声に舌打ちし、体を揺する]
おーい起きろー。
気付けはねーぞー。
[気の抜けた声を上げながら意識の有無と首筋の脈を診る。濃藍の青年と焦茶の男はどちらも闇に馴染んで見え難い]
あ゛ーどうすっかなー。
やっぱ気付けを取ってくるのが先だよな…おっと、
[薄灯りが見える]
[闇の中を動くのは慣れているのか、男の足取りに迷いはない]
[薄い燭台に導かれながら、隻眼の男は床を踏んだ]
[どこかへ向かうにしては、その灯りの場所は変わらない]
[相手が押さえた足音を捉えるだろう頃に、男は声を投げた]
――何をしている
手が必要ならば貸すが?
[泉に反射する緋色の群れを、足音ひとつ立てずに歩く。
周囲に響くのは、ざわりと揺れる花の音のみ。]
――……ああ。
[溜息をついた刹那、男は跳躍する。
彼はその動きの名を全く覚えていない。
しかし、其れは確かに「グラン・ジュテ」と呼ばれる跳躍ではあった。
――彼にその「理由」となるべく理由は無い。
しかし緋色に突き動かされたかのごとく、男は暗闇の中で一心不乱に踊っていた。まるで、祈りを捧げるように。]
んー、行き倒れを拾ったってところかね。
手は喜んで借りるぜ。
ここら辺に倒れてるから踏むなよ。
[動揺の欠片もない声に振り向かずに話し、四つん這いでナサニエルを超える。転がった蝋燭を拾うと高く掲げた]
うっわ、顔色悪いなー。
やばいんじゃねえの?
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