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[妙に楽しげなアヤメの様子に、やれやれ、とやや大げさに息を吐き]
……そりゃ、どんな相性なんだよ?
つうか、俺は建具屋じゃねえってのに。
ちゃあんと直ってるねェ。
大したもんだ、うんうん。
[しげしげと眺める。
カルロスの溜息は気にしない。]
立ち話もなんだ。
中へ中へってね。
壊れて良いものならば其れでも良いだろうが……
……相性とは話が異なる気がするのだが……?
[僅か、首を傾げるように]
[何が壊れたと問う前に答えは返る]
扉……?
[見遣るも見事に修繕された扉に瞬き数度]
……直したのか。
随分と……
[扉に手を伸ばし、開く]
……見事な修繕だな。
まあ、あちこち流れてる最中に、建具屋やらなにやらの手伝いしてた時期もあったんでな。
[見事な、という言葉に何となく苦笑しつつ]
ま、冷えてきたし……紅茶でよけりゃ淹れるが、飲むか?
飯は、ちまい料理人がカレー煮てた……な、確か。
[どこまでも軽い口調で言いつつ。
空を見ているシャロンにも、中入ろうや、と声をかけ、中へ]
[扉を潜って]
[真っ先に目に映ったのは]
……犬?
[首を傾げ]
[一度振り返って二人が入ってくるのを見てから扉を閉じる]
紅茶か……頼んでも良いだろうか?
[食事に関しては言にせず]
[空いている椅子の傍に荷を下ろし]
[外套を脱いで椅子の背へ]
お、わんこ起きてたのか。
[青年を見つめる犬の様子に軽く言って。
頼んでも良いだろうか、との問いにはああ、と頷く]
ま、自分が飲みたいってのもあるし、それなら全員分まとめて淹れちまえって事だから、気にしなさんな。
[にや、と笑ってこう言うと、すたすたと台所へ]
[犬は大人しく撫でられてくれて]
[何故か笑みは止まらずに]
……ああ、なら、遠慮なく。
[台所へ向かう男の背に声を投げて]
[擦り寄ってきた犬を飽きることなく撫で続ける]
[声をかけられても、しばらくは空を、星を眺めた儘に。]
[瞳に浮かぶは何の感情か。]
…あぁ。中に。
[然し二人が入っても、星を眺めるのは止めず]
[尾が揺れる度に床と触れて音を立てる]
[柔らかそうな毛並に誘われるように]
[ゆるりと犬を抱くようにして]
[溜息のような]
[体内に篭る熱を吐き出すような]
[深い呼吸を吐き出した]
……ああ、気持ちが良いな。
[ぽふり]
[顔を埋めて目蓋を閉じる]
犬が好きなのか。
[やってきたばかりの青年を見て呟き。]
[犬の首を傾げる姿には 犬 な の に 器 用 だ とか思ったかもしれないが約束を踏む犬なので特別顔に出すことはなく。]
[自分はふらり部屋の中]
…クロゥディ
[本を手にした儘、眠る妹に口元を和ませ]
[湯を沸かしてカップとポットを温めて。
温めたポットに茶葉入れて、しっかり沸騰した湯を注ぎ、素早く蓋をして蒸らす。
時間を計り、茶葉が開くタイミングをきっちり読んで、中を軽くかき回し、濃さを均一に。
茶漉しを使って葉を濾しながら回し次ぎ。
白いカップの内に浮かぶ、茜色]
いっちょあがり、と。
[なんでそんなに手際がいいのやら、と突っ込んでも多分答えない]
[ぴんと立つ耳]
[其れに気付いてそぅと離れ]
……驚かせてしまったかな。
すまなかった。
[見当違いの回答と]
[ぽふり、頭を撫でる手]
[かけられた声に視線を向け]
[其処で漸く、先程追ってこなかった姿が在るのに気付いて]
……そうだな。
どちらかと言うならば好きな方だろうか。
[一段落した所で耳に入ったのは、慌てたような犬の声]
っと……なんかあったのかー?
[問いかけて犬が答えるとは思わぬものの、何となく問いを投げつつ、用意した一式を持って部屋へと戻る]
…そうか。
[そっとクローディアから離れマイルズとパトラッシュに近づき]
ぼうっとしているようだが、大丈夫か?
[それからカルロスの声にさあ、と首を傾げ]
[顔を舐められ擽った気に小さく笑う]
[外気に冷やされ表面は誤魔化されていた熱は]
[恐らく室内では容易く肌に出ているだろう]
[気付かれているとは知らずに]
……どうかしたか?
[そう、犬に向けて問い]
[そうして漸く]
[旅人の視線が自身に向いていることに気付く]
[罰の悪そうな苦笑、ひとつ]
[返したのは其れだけ]
……どした?
[自分を見上げる犬の様子に一つ瞬き。
……それから、その頭に手を乗せる青年を見やって、わずか、目を細め]
……調子悪いんなら、ムリせず休んだ方がいいぜ。
ムリしても、いい事なんざなんにもねーぞ?
[口調だけは、冗談めかしたものではあったけど]
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