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―翌朝 少し前―
手負い…。
ベルお兄ちゃんを襲った人狼。怪我、してる?
[広間へと向かう前に聞こえたユリアンの言葉>>108に、確認するように口にした。]
家事手伝い ローザが「時間を進める」を取り消しました。
―屋敷・二階廊下―
[部屋を出てすぐ、温室からでてくるローザを見つけて]
おはようございます。ちょうどよく探していたところでした。
[挨拶の礼の後には、気遣わしげな微笑みを浮かべて]
お気分は大丈夫でしょうか?
昨日は…いろいろと大変な様子でしたので……
[その様子は苦しそうに見えたこともあり、気遣わしげな様子はその後さらに深まった]
―前日/外―
[屋敷を出て、男は橋のあった場所へ向かった。
赤い布がはためく向こう岸を見遣り、目を細める。そこには少しだが変化があり]
ふむ……誰やら気づいたらしい。
しかし、到底間に合いそうにはないな。
[男は小さく頷く。
気づいたのがつい最近の事なのか、何かの妨害にあったのかは定かではないが、向こう岸に積まれている資材は未だごく僅か。
更にここから橋を掛けるとなれば、1日2日では当然終わらないだろう]
…… ともかく。
気づいたのであれば、これの役目はもう終わりだ。
[そうして血のように真っ赤な目印は、男の手によって回収された]
[クロエの手が頬に触れる。
見えているその行動に感触やぬくもりは知れない。
額に降り注ぐ優しい雨は彼女の涙。
そのあたたかさも、感じる事が出来ない]
クロエ、……泣かないで。
俺の事でキミが苦しむのは、哀しい。
[止め処なく溢れる涙と濡れる漆黒。
見上げる蒼は困ったような色を滲ませていた。
滑り落ちる鞘>>76は彼女の細工があしらわれたもの。
無くなったあの時から密やかに探していた品。
大事な物を彼女に届けるはずが、
今は彼女を泣かせてしまっている]
覚悟していた事、なのに――…
まだ、覚悟が足りなかった。
[泣かせたくないと思っていた相手の涙に
ズキズキと胸が痛むのを感じていた]
― →前日/個室―
[個室の暖炉に火をくべて、その前に雪で濡れた赤い布を下げる。
椅子に腰掛け、両目を閉じて、やがて約束していた人物が部屋を訪れるまでそうしていた]
入りたまえ。
[扉を開き、中へと招き入れる。椅子に座る事も促したが相手は如何したか。
向けられた唐突な問い>>81に]
…… 私は私の使命と目的の為に行動している。
[紅の混ざる瞳を真正面から見詰めて、男は言った]
……まあ、今日の件に関して言うならば。
見出す者を表舞台に出そうと思った。その一点に尽きる。
その際に“彼女”の名を出したのは、何か問われた際に理由を付けやすい為だ。
[最初に調べたと言った一人について、まずは口にする。
厳密にはもう一つ理由があったが、それについては触れない]
あの後見出す者の元まで伝わったのかは解らないが……皆の前で名乗り出た様子も無く、私の元にも来なかった。
なので人狼を見つけた事にすれば、流石に出て来ない訳にはいかないだろうと考えた。
[細工師が己の部屋を訪れていた事を、男は知らない。
織子を選んだ理由まで問われるのなら、考えていた事>>3:167をそのまま述べて]
これで良いかね。
[少なくとも嘘を吐く事は無く、それで一応でも納得を貰えたなら一度、口を閉じた]
ところで、君は如何したいのだね。
[目を閉じた青年>>82に対して、これまた唐突に問いを投げた]
行動し、与えられるものに甘んじるか。
それとも…… 抗いたいという気持ちはあるかね。
[その変化に気づいているのか、ただ無言で見詰める。伏せられた瞼の向こうの色を見透かすかのように。
答えが如何あれ、その時は頷くのみで、部屋を辞する彼を見送る事になる]
―個室―
[翌朝、外からの悲鳴が響く頃>>73。
すっかり乾いた赤い布を机の上に畳んで置き]
叶うならば、渡しに行きたいところなのだが。
[男は小さく呟いた後で、個室を出た]
―2階・廊下―
それならばいいのですが。
[昨日の争いをこちらは気にしていると様子もなく]
ローザさんは自分の力に自覚は?
[突然の質問に戸惑わせたかもしれない、向こうがよくわからないという様子を示すのなら、
見出す者の話、そのうちの死せる者の方の話を伝えた]
そういえば、アーベルさんが今度は人狼に襲われたみたいですよ。
[最後にそう、付け加え、目を一度伏せる]
[死者は眠らないのだと、旅人は思っていた。だが、気付くと意識の飛んでいる時間があって、それは人が眠る時間とほぼ一致している。だから旅人がそれに気付いたのは、生者達と同じく、クロエの悲痛な叫び>>73を聞いた時]
…アーベルさん、だったか。
[旅人にとって、それは必然の出来事であり、誰が襲われたのかは、やはり関係のないことだった。けれど、遺体に取り縋って泣く娘の姿を見れば、二人の間にあった繋がりはいくらか察する事が出来て、ゆっくりと頭を振る。死者となったアーベルの姿が、その傍に見えたなら、近づくことはやめて、そっと姿を消した]
細工師 クロエは、家事手伝い ローザ を能力(占う)の対象に選びました。
―翌日 外―
そ、か。
[ユリアンの言葉>>116を聞いて、覚えるように口内で繰り返す。]
ユリお兄ちゃん。ありがと、教えてくれて。
それを目印にすれば、きっと。
[少女は笑みを浮かべて礼を口にして。
少女が次に紡いだ言葉は、狩人に何を思わせただろうか。]
―→現在 広間―
[アーベルの遺体をユリアンに任せ。
(他の人も居れば、その人にも任せた。)
クロエとともに広間に戻ると、
クロエを暖炉の傍にあるソファに座らせて。
少女は簡単なスープを作りに厨房へと引っ込んだ。]
/*
て、書いてるうちにアーベルがいた件wまあいいや、齟齬でるほどではないだろう。
毎度の事ですが、何故かこのシリーズでは縁故取らない方向で動いた挙げ句、墓下で、ぽつーんするのが常態となりつつありますww
/*
ベアトの作る料理は、{5}
偶数:美味しい 奇数:まずい
ベアトの作る料理の見た目は、{1}
偶数:いい 奇数:悪い
一応やっておこう←
/*
ライヒがやたらに気遣ってくれてるなあ。
いいんだよ、どうせ俺だからね。忘れられても大丈夫、大丈夫。
と、言いつついいチャンスだから遊びに行こうw
― 朝・広間→外 ―
[昨日は、広間の掃除などをする面々を見守った後も、“抜け殻”が寝かされている部屋に戻らず。
人が居なくなった広間の隅っこに座り込んでいた。
母を早くに亡くしたからか、根本的に寂しがり屋で。
撫でたり撫でられたりぎゅーしたりというふれあいが好きなのも、人と関わっていたいからだ。
死んでしまった今は、部屋で寝る必要もないし、部屋に戻る必要性も感じないから。
朝になればまた誰か彼かが来るだろう広間に留まっていた]
ん…クロエさん?
[眠る必要はない筈だが、いつの間にか寝ていたようだ。幽霊の癖に。
目が覚めたのは、アーベルを探しているクロエ>>67が飛び込んできたとき]
なにか、あったの?
[厨房へと向かうクロエに問いかけるが、その声が届くことはない。
何も出来ない事を寂しく思いながら、なんとなくクロエについてまわった]
─ 外 ─
…あ、……ぁ…
[遺体に縋るようにして泣き続けるうち、
指先の感覚は冷えてとうに無くなった。
感覚が全て鈍くなってしまったような気がする。
幾度呼びかけても。
幾度懇願しても、蒼い瞳が開くことはない。
大好きだった彼の声が、耳に響くこともない]
……──────…、
[何度呼んだだろう。
既に呼びかける声は、音になってはいない。
しんと降り積もった雪と同じく、静寂のうちに溶けゆくのみ]
なるほど……
[自覚のことについてはそう応えて、少し考える様子を見せてから、アーベルのことに驚く様子の後に]
お互い、皆ついていないということですよ。
従うのも、従わないのも苦しい。
[今のローザにはいまひとつ理解しにくい話だったかもしれないが、後に伝わることになるだろうか]
クロエさんと会いましたら、また話が動くと、そう思います。
[微笑みかけてから]
私は、自分の部屋にいますので。
[そう告げて礼をし、その様子と言葉は部屋を出たライヒアルト>>121にも聞こえただろうか。
そちらにもおはようございますと挨拶を交わしてから個室へと戻った]
……───、が、
目……ひらかな…、…
[訴えるように途切れ途切れに口にした言葉は、
ひどく意味を取り難い。
頬も唇も冷え切っていて、上手く言葉も紡げなかった。
ただ、少女が光景を目にすればその意味するところは明白だろう]
[己の個室を出て最初に向かったのは、昨晩命を落とした織子が寝かされた部屋だった。
他にしたのと変わらず、祈りを捧げた後で]
『一人でも多く助かる』と……君があんな事を言える人間だとは思っていなかった。
すまないな。
[小さな声で、遅い謝罪を向ける。
髪に飾られた銀の花に視線を向けて、それからその部屋を出た]
───────…っ
[傍らに添ってくれる気配に、思わず腕を伸ばして抱きしめた。
クロエには少し珍しい振る舞いだ。
ミリィらとは違い、クロエは普段こうしたことをしない。
ただ、今は恋しかった。
アーベルと、恐らくはもっとも近しき対となる存在が、
人狼ではない信じられる唯一の存在が、
───人が、ただ恋しかった]
― 屋敷内/ライヒアルトの部屋 ―
[新たな犠牲者の傍から離れると、旅人はあてどなく屋敷の中を彷徨う。昨夜思い出したギュンターが、どこかに居ないかと探す気持ちも、少しばかりあった。探して何を言おうというわけでもなかったが]
おや…?
[出入自由な身なのを良い事に、個室もふらふらと覗いて回っていたら、見覚えのある布が畳んで置いてある>>121のを見つけた]
彼は影の護り手、だったよなあ?
[その男が、布を回収してきたとすると、ここに救助の来る事を阻むためなのかとも思ったが、それなら急流に捨ててしまえばいいわけで、わざわざ持って帰って綺麗に乾かす意味が判らない]
[再度廊下へ出たのは、シスターが部屋へ戻ろうとするのと同じ頃>>127だった。
その相手の姿>>124も見とめたが]
おはよう。
[いつもと変わらぬ様子で挨拶を告げるのみ。
そのまま階段の方へ向かうべく、踵を返した]
─ 前日/ライヒアルトの部屋 ─
……役割と、目的?
[投げた問いに対する答え>>118に小さく呟く]
なるほど……そこは、推測どおり、ってわけか。
あの二人をそれぞれ選んだ理由も……なるほどね。
[見出す者を表舞台に、という言葉>>119は推測の立てられていたもの。
二人を選んだ理由も、違和を感じるものではなかったから、特に疑問を重ねることもなく]
ん……答えてくれて、ありがと。
……少なくとも、ライヒさんと無理に対立する必要はない、っていうのは、わかった。
[使命と目的、という部分に引っかかりは覚えるものの、そこまで問うつもりはなかった。
問うた所で答えが得られるのなら、最初に説明のひとつもあるだろう、と。
そんな考えがあったから]
ライヒさん。
風ってさ。動き出したら、とまんないよな?
だから、俺は……『ラファール』は、前に行くだけ。
[『突風』を意味する異国の言葉。それが何を意味するかは伝わるか、否か。
静かに言い切った後、開いた瞳は感情薄れた静かな翠]
さて、それじゃ、長々とお邪魔しました。
[一礼して、部屋を辞す。その姿に、迷うような様子は浮かぶ事はなかった。**]
― → アーベルの遺体そば ―
[クロエの後をついて橋のあった辺りまで行き、そこからまた戻る際。
泣きそうな顔をしているクロエに気付けば、ついその肩をぽんぽんしようと手を伸ばして、また素通りしてしまう。
何もできず、声も届かない事が、寂しい]
………ベルさん、どこだろう?
[アーベルにあえれば、クロエを慰めてくれるだろう。自分の声は届かなくても。
そう思って、また歩き出すクロエについていく。
けれど、その先で見つけたのは、食い荒らされた“アーベルだった物体”で]
………………!
[アーベルの亡骸の肩を掴み嘆いているクロエの数歩後ろで立ち止まった娘は。
新たな犠牲者を知り、くしゅりと泣きそうに顔を歪めた]
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