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[どこに行くともなくぶらぶらと歩き出す。
テーブルクロスに刺繍する図案を考えながら歩いている女は当然ながら、宿屋の前ですれ違った旅人の姿など目にはいっていない。
どこに行くか悩んで――ふと海辺のほうへと足を向けた。]
あー……、んー……
[意味をなさない声は考え事をしているときの癖のようなものだった。]
おう、おやっさんの飯ならなんでもうまいから。
あるもんでいいぜー。
今度はー…そうだなあ。
ちょっくら細工屋に用があってきたんで、長居になるかも。
[言いながらフーゴーの手元を見、飯ー飯ーと待っている]
─宿屋─
[入って来た賑やかな声。
そちらを見たのはぶち猫の方]
まあ、商売やってる以上は、そうだけどねぇ。
客、て言っても、ライ兄さんだったんだけど。
[優しい、という言葉には、うん、と頷き一つ]
お、確かに見た事ないなぁ、これ。
旦那お得意の、異国料理?
[それから、並べられた料理に、どこかわくわくとしながら手をつける。
普段、自炊が当たり前な事もあり、人に作ってもらう機会にはいつもこんな調子だった]
─宿屋─
寝た切りも不安だが、動いて発作が起きちまうのも心配だしなぁ。
無理ねぇ程度でやるなら良いんだが。
よし来た。
そんじゃあ帰る時忘れずに持って行けよ。
ああ、おめぇも食いたいなら持って来るぞ。
[クロエに言いながら、カウンターではデザートを入れるための容器を探し始める。傍らでヴェルトがカットフルーツを食みながら店の中をキョロキョロ見回していた]
―宿屋―
うん?
[名前を呼ばれて顔を向ける]
おぅ、ユリアンじゃないか。
儲かってるか?
[ククッと笑う。
各地の酒場で会う風来坊は面白い奴という認識]
今はこっちに流れてきてたのな。
ここで会うとは思わなかったけど。
―広場―
[変わり身早く素っ気無い態度を取られては肩を竦めたが、特に何も言わない。
墓穴を掘るつもりはなかった]
……ふぅん、成程ねぇ。
じゃ、折角の再会邪魔しちゃ悪ぃし、俺はそろそろ帰るとすっかね。
[端的な説明で関係を理解したかは怪しいが、何処か不自然な笑みを浮かべつつ、男は荷物を抱え直す。
こちらにまた興味が向かないうちに、という警戒もあったかも知れない]
それじゃあ、名前が売れるのも良し悪しねぇ。
でも、読んでもらえているのは純粋にうれしいわ。
[肩をたたかれたなら、にっこり笑い、ようやく腕から解放して]
あぁびっくりしたわぁ。
そうよねぇ…でも、それなら逆になぜ…?
[親戚かなにかだろうかと首をかしげて、少女を見る]
そうよー。知り合い。
むしろ、初恋の相手?
[うそかまことか、口をついてでたことば]
■名前:ヴィリー=アルダー Willy=Alder
■年齢:29歳
■職業:真珠細工職人
■経歴:生まれてこの方この島から出た事の無い生粋の島育ち。
父が漁師で母が真珠細工師だったが、二人とも既に他界。
以降母の跡を継ぎ真珠細工を営んでいる。
口下手で人付き合いが上手い方ではないが、人嫌いではない。
■希望縁故:正負どっちでも受けて立ちます。
無茶振りどんと来い。
─宿屋─
[飯を急かすユリアンには、はいはい、と軽くあしらう様に声を向けて]
ん、そうか。
んじゃあおめぇのも長期で部屋取っておくな。
支払は先払いでも後払いでも好きにしろ。
[その辺りが適当なのは常連が故の気安さからか。アーベルに対しても支払に関しては同じように告げることだろう。
帳面に二人の宿泊予定を書き込むと、厨房へと入り料理を作り始める。煮込みの良い匂いを漂わせた後に出て来るのは、今日のお勧めであるマチブースとダールにアイランドークを合わせたワンセット。ユリアンの居るテーブルに運ぶとその前に並べた]
ほれ、待たせたな。
―宿屋―
ああ、学者の。
[島の人だったか、とクロエに相槌を打った。
想像しているのは彼一人が買い求めに来ている姿]
いいスパイスが入ってたんだってさ。
でもこの味、当地でもそう食えないレベルだな、うん。
[美味い食事は心を穏やかにする。
共に食べている相手が楽しんでいれば尚の事だった]
─宿屋─
そうなんよねぇ。
店の事は、今は大体ウチができるから、そっちで無理はしないと思うんだけど。
[零れるのは小さなため息。
けれど、それは続けられた言葉に掻き消えて]
うん、ありがと旦那っ。
あ、モチロン、ウチも食べたいよぉ?
[にっこりと笑ってこう返す。
きょろきょろしているヴェルトに向けて、ぶち猫が挨拶するように、にゃー、と一鳴き]
作家というのは、
本――物語を書くことを職業としてる人のことだね。
[リディの疑問には、
まるで辞書に書かれている言葉をそらんじるように説明を。]
ああ、ウェンデルさんはフーゴーさんの所には
行かれないのですね。
[そして、去ろうとする神父見習いに、ひとつ頷く。
フーゴーの名を出したことで思い出したように]
ルーミィさんも、行かれるなら一緒に行きましょうか。
[マイペースに言葉を紡いで、足を一歩踏み出し]
……拾ったんです。
[リディとの関係を問われれば、何度目になるのか、
あまりに端的過ぎる言葉を紡いだ後、
初恋云々には冗談だと思えばこそ触れぬまま、
宿に向かって歩き始めた。]
[それなりに身長はあるものだから、どうしても少女をみおろすかたちになる。
ゆえに、長いすその服に気をつかいつつ、ひざを曲げしゃがみこんだ]
作家っていうのは、ものがたりを書くあたくしみたいな人間のことよ?
童話とか、読んでもらったことはあるかしらぁ?
[自衛団員は書類を受け取るとチェックを簡単に済ませ、不備が無いのを確認して帰っていった。
作業が中断されてしまったので、続きをするべきかどうか迷いとりあえず時計をみる。
もう良い時間だな、と思うが食事を作るのも面倒くさくなってしまった。]
…おっさんの所にでも、行くか。
[そういうと簡単に上着を羽織って港前広場にあるフーゴーの酒場へ向かった。]
……みゅう。
[ヘルムートから話しかけられると、怯えた子供のようにライヒアルトの背中に隠れ、ふるふると首を振った。
その反動で、鈴がチリンと一度鳴った]
─宿屋─
気苦労が絶えねぇな、おめぇもよ。
[零れた小さな溜息に苦笑を漏らした。続く笑みと言葉には一つ頷いて]
おぅ、そんじゃおめぇの分も出して来るとするかね。
[用意したデザートを入れる容器はカウンターに置いたまま。ユリアンの料理を持ってきた時にクロエにそう返答し、再び厨房へと。
挨拶するようなぶち猫に気付いたヴェルトは、大きな嘴を下げぶち猫を視界に入れ。挨拶を返すように、がー、鳴いた]
ああそうだ、おめぇの猫……えーと、名前なんつったかな。
そいつにも何か食わせるか?
[持ってきたヨーグルトのデザートをクロエのテーブルに置きつつ、未だ名前を思い出せぬままのぶち猫へと視線を向けた]
…あらぁ、教会にもどられるの?
うふふ、こんどあそ……おいのりに行ってみようかしらぁ?
[それでも一応は気にいっているようで。
別れのことばの代わりに手をふった]
─宿屋─
うん。
買い物自体は、ライ兄さんじゃなくて、兄さんの連れの子のだったけど。
[そういや、結局あの子どこの子なんだろう、と考えたのは一瞬]
へぇ、そうなんだぁ……。
アーベルが来てたおかげで、得したかなぁ。
でなかったら、絶対食べ損なってるもん。
[楽しげな口調で言いつつ。
アーベルに呼びかける青年に、やや遅れてこんばんはー、と挨拶を]
/*
今回も幼馴染スパイラルが発動するんじゃろか。
そこまで多くも無いか。
[←幼馴染とかのレベルに居ない地元民]
( ゚∀゚)o彡°さーいねんちょう!さーいねんちょう!
ギュンターと幼馴染とかやっとけば良かったかn
物語を、書く。
童、話。
[ライヒアルトと、ヘルムートの説明にノドの奥がひっついたように繰り返してみた]
……。
[そして、頭の中の闇を探るように考え込み、小さく呟く]
……人魚、姫。
[それは、この島では他の場所よりも更に有名な童話の一つ。
周りが海に囲まれていること。それから、人魚姫の最後が泡になって消えるところから、泡石───または、涙石と呼ばれてこの島の名物ともなっている真珠のことを連想させるからでもあった]
おーおーやっぱりアーベルか!
こんなところで会えるなんて思ってなかったぜ。
[言ってよく見れば奥にも顔が並ぶ]
っと、邪魔した?
[けれど悪気は一切ないような素振りで、黒髪の女性にどーも、と一声。前方から良い匂いが漂ってくると、待ってましたとばかりにがっついた]
ん、随分洒落た飯だなおやっさん。
あ、俺はいつもの角部屋で。
[もごもごさせながら]
―海辺―
[この島唯一の港でもある入り江へと知らぬ間にやってくる。
断崖絶壁に囲まれたこの島で唯一、砂浜らしきものがあるのもこの場所だった。]
んー……テーブルクロスなあ……
海、貝殻、真珠……
[連想ゲームのようにブツブツと呟きながら、砂を踏みしめ、ふと目に付いた桜貝を拾う。]
んー……あんまりごてごてしてなくて、さりげないの。
料理の邪魔をしない……けれど、お茶を飲むときは楽しめそうな……
[暫し考えながら、浜辺を行ったり来たり。
月が空に昇る頃までうろうろしたあと、自宅へと戻るのだった**]
アル先輩につれていってもらえるなら、うれしいわぁ。
[べにを引いたくちびるが、孤をえがく]
…ひろった……?
[端的なことばから、頭のなかで想像――妄想にちかい――が繰りひろげられる。
作家の性ゆえにか、めずらしく沈黙がすぎる]
─宿屋─
おっさん、飯と酒、くれ。
あと、ここに泊まってる客に頼まれてたの、ついでに持ってきた。
お代はもうもらってるから、部屋に届けてやってくれ。
[そう言うと、フーゴーの前のカウンターに虹色に光るブローチを2,3個、客の名前の書かれたメモと一緒に置いて]
─宿屋─
ここから南の方にある国の料理だ。
おめぇはそっちの方までは行って無いんだったか?
[知ってる料理だったか、と訊ねるようにユリアンに言葉を向ける。角部屋と聞けば了承の意を向けて]
分かったから食いながら喋るな。
[行儀悪いぞ、と突っ込んでおいた]
宿に行くのか。
そいつぁ丁度よかった。
[ヘルムートをちらと見てから、ライヒアルトに]
俺は、先にガキ共を寝かしつけてからな。
今日はちゃんと飯食わせねぇとだし。
ま、気をつけてな。
色んな意味で。
[そんなことを言いながら見送る]
あぁ、祈りならいつでも来て構わないぜ。
……祈りならな。
[ヘルムートにはあくまでそう言うのだった]
─宿屋─
[苦笑と共に向けられた言葉に、ほんの少し眉を下げ]
……ん、ああ、ツィン?
そだね、そんなに高級なものはいらないけど。
それこそ、料理して余った魚の切れ端とかでもじゅーぶんだよ?
[猫について問われたなら、そちらを見やってこう答える。
……多少、ぶち猫が不満げなのは、気にしていない]
―宿屋―
へえ、あの静かな人が連れ子?
所帯なんか持ってたんだ。
[子のニュアンスを取り間違え、思いっきり勘違いをした。
考え事をされても一瞬では気づかない]
ハハッ、役に立てたか。そりゃ良かった。
そうだな、普段は家で食べるだろうしな。
たまにだと一層美味いと感じるよな。
[船生活では食べられるものも限られている。
簡単なものしか作れない身としては何か共感ができそうだった]
─宿屋─
[カウンターへと戻った頃、店の扉が開き見知った顔が現れる]
よぉヴィリー。
飯と酒だな。
ん……ああ、この客か。
了解だ、届けておく。
[カウンターに置かれたブローチとメモに目を通し、了承の意を向ける。それを一度カウンターの下へと片付けて]
飯はいつもので良いのか?
今日は珍しいもんも食えるぞ。
案内といっても、直ぐそこですけれど。
[拾ったという言葉に、沈黙を作る後輩が、
何を妄想しているかなど、鈍い男が気がつく訳もなく。
忠告をくれた神父見習いには、
分かってないように首を傾げて見せた。
歩く学者の後ろに、少女はひっついていたのだろうか。
だとしたならば、自然に歩調は常よりも落とされて]
……人魚姫も、童話ですね。
童話を読むならば、教会が揃えがいいかもしれません。
[リディの零した言葉に、同意のようなものを返しながら、宿の扉を開いた。]
フーゴーさん、お勧めを1つと。
後の二人が望むものをお願いします。
[リッキーにも挨拶をしながら、やはりマイペースに歩みを進め、
席のひとつに腰を*降ろすのだった*]
人魚姫がすきなの?
[この地方の特性ゆえとは気付かずに尋ねかえす]
あれはかなしい、そしてせつないおはなしよねぇ…。
ひとことでいうのは簡単だけれど、あのひたむきな想いのうつくしさに、何度泣いたことかしら。
[手を組んで夢みる乙女のポーズ]
─宿屋─
別に、邪魔とかはない思う……けど?
[悪気なく向けられた一言には、ちょっと首を傾げてこう返し。
勘違いしてるらしいアーベルの様子に、あ、と短く声をあげ]
んー、てぇいうかぁ。
色々と、込み入った事情があるみたいだけど。
本人に聞いた方が、早いかもねぇ。
[来る、って言ってたし、と付け加えつつ、こうまとめた]
うん、外でご飯、っていうのも、ホントに久しぶりだしねぇ。
それに、賑やかだから、ね。
[親子二人と猫だけの食卓は、やはり静かなもので。
そういう意味でも、味わいが違うのやもしれず]
[フーゴーから珍しいもの、と言われると僅かに目を瞬かせて]
たまには、変わったもんも食ってみたい。
それ、頼む。
あぁ、でも、酒はいつもので。
[リッキーに酒を先に運んでくれるよう頼み、酒場の隅の席へ向かい。
知り合いに声をかけられれば他愛の無い話も*するだろう。*]
―宿屋―
アンタも神出鬼没だからな。
はぁ?…あぁ。
期待に添えなくて悪いけどね。
彼女は雑貨屋のクロエ。従妹なんだ。
[邪魔かというユリアンに苦笑して手を左右に振った]
流石にいい時間か。
大繁盛だな、リッキー。
[忙しく給仕する手伝い青年に笑いながら、入ってきた客と目が合えば軽く会釈をしたり]
─宿屋─
おお、そうだった。ツィンだ、ツィン。
どーも思い出せなくてなぁ。
[歳かね、と苦笑を漏らしながら額にぺちりと手を当てる]
切れ端だけってのもちと可哀想だな。
とは言え揚げ物は油が多いからあんまり食わせん方が良いだろうし、塩漬けは塩分が濃そうだしな。
カカビアの煮崩れしたの拾って来るか。
[あれこれと考えて行きついたものを口にし。
再びの来客には]
いらっしゃい。
今日は大盛況だな。
そっちの二人は何が良いかい?
[ヴィリーの希望も合わせて注文を聞くと、リッキーを引き連れ厨房へと向かった]
[ライヒアルトが歩き出したのならば、その後を追うように歩き始め、ヘルムートの言葉を聴くと、ちょっと首をかしげた]
……?
よく、分かんない。
[分かんないという言葉は少女の常ではあるが、今回は少しばかり様子が違った]
ひたむきな想いってうつくしい?
想いは、想い。
それだけだよ。
それに、悲しくも寂しくも無い。
多分、会いたかっただけ。
[自分の言葉に納得するように大きく一度頷いて]
……うん。会いたかっただけ。
[チリンと鈴が鳴った]
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