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[聞こえて来た声と気配に、物思いから立ち返り]
ん……構いませんよ、と。
[呪印を見られる事に抵抗ないとは言わないが。
今更という意識もあるので、軽くこう返し]
[彼の仔の言葉に、私は羞恥も忘れ目を丸くする。
「笑って…」
私は今、笑っていたのであろうか。
彼の時より、笑みを浮かべる事なく過ごしていた私が――]
そなたがそう想うなれば…わたく…しも、
[うれしい、と小さく紡いで。彼の仔への感情を、素直に心に描く]
[腕の内の、心の中の。
温もりが私の想いを溶かし――仄かに笑みが浮かぼうか]
おやま。
[マイペース、というかなんというか、な青の青年の様子にくすり、と笑んで。
近くに止まる白梟が、ばさり、挨拶するよに羽ばたき一つ]
お。
…あ、そういえば。探してたんだ、ヴィンター。
[後からたた、と来た白い猫を肩にのせてゆっくりと湯船のお湯がざば、と淵から溢れるのも構わずに沈みつつ、オトフリートと白梟を見つけて挨拶をする。
そして、あ、とヴィンターに指を指した。]
[入る勢いがよすぎたか、]
[枷の重さで沈みかけて][→浮上]
[首を左右に振って][水を払い]
[羽ばたきの音に瞬く]
[口許まで湯船に浸かったまま、視線を上げた。]
「笑うの、大事って、時空竜も言ってたよ」
[そう言って、やや、首を傾げ]
「でも、『無理に』はダメって」
[そうだよね、と。
確かめるような言葉は、無限鎖へと届こうか]
……て、なんですか、唐突に。
[対して返るは、呆れたよな声]
[白の猫の――金の髪の青年に変わった彼の猫の言葉に、私は別の意味で気をやりそうになる。倒れずにすんだは、倒れれば彼の仔を傷つけるという思いが働いたが為]
あ、わ…わたく…しは……その、もう入りましたが故に…!
[髪を撫でる手に、私は恐怖とは別の感情で身を縮こまらせる。
確かに彼の猫とであらば、獣型なれば問題ない…やも知れぬが]
[青年の姿で言われれば、嫌が応にも頭に上った血が冷静に考えさせてなどくれぬ]
や、どうも。
[後からやって来たマテウスにも短く挨拶を]
……て、相方に、何か?
[それから、不思議そうに瞬きつつ、こう言って。
呼ばれた白梟も、きょとり]
[時空竜の言葉を素直に伝える彼の仔に、私は一つ瞬いて。
仄かな笑みは、霞のように消え失せる]
…えぇ。そうやもしれませぬ。
[白金の腕時計が伝えてきたコエの近さに、私は驚きの声を投げる]
オト、殿…もしや、お戻りでしょうか。
[彼の仔を露天風呂にやっても良いかと問えば、それもまた唐突に響こうか]
あ、いやたいしたコトじゃないんだけどさ。
確か魔法とか使えたよな?
なんかこの閉鎖とかなんだかって状態を、魔法で色々調べてもらったりできないかなーとか思ってさ。
[魔法については「自分が使えない事」「白梟が使える事」しか知らない為、もっと大きな術でも使えるだろう竜の前で相棒に頼んでいる事実とかは全く知らない。]
おっと。
[話しながら、アーベルの腕を取ろうと手を伸ばし、浮上したのにほっとして手を引っ込めた。
間違いなく湯船の湯のカサを増やしたのは自分だし]
[表情の変化に、セレスはきょとり、と瞬いて]
ああ、戻ってるけど。
[寄らなくて悪い、と口調は軽く]
……セレスをこっちに?
別に、構わないけど?
[唐突な言葉に戸惑いつつも、構いはしないので、あっさりと了承を返す]
[猫の青年は、乱れた髪を見て軽く梳いてくれたろうか。
とかく辞退は伝わったようで(もしくは既に入ったと伝えたが効いたのか)、白い猫へと変わり先行く二人を追ってゆく]
[ばさり。
再度羽ばたきつつ、白梟は青の青年を見つめて首傾げ。
それから、マテウスの問いに、反対側に首傾ぐ]
「……生憎と。
相方に叶わぬ事は、私にも」
[返した言葉は簡潔]
……閉鎖に関しては、機鋼王自らが施したもの。
それ自体に干渉する方法は基本的にないんですよ、と。
[百を数える頃][三者の話を他所に]
(この辺りの事は先日学んだらしい)
[湯船から上がり、身体を洗い始める]
[覚えが好いというより][妙に規則的な動作]
嗚呼、…いえ、それは構わぬのです。
[…御無事であれば。そう呟いて、私は瞬く彼の仔を撫でる。
表情には、自然と穏やかな安堵が浮かんでいたろうか]
[なれど続いた言葉に、私は真っ赤になって顔を手で覆った。
蓬髪が頬を肩を隠すものの、腕の中の仔からは丸見えで]
……そう、ですか…ではその……お願いいたしまする…。
[何か言いたげな彼の仔の背を押し、白き猫の後へと促してゆく。
勿論、私は手前で引き返す心積もりで]
[行かぬと言うて良かったと、心の底から思ったなどと…。
時の竜に懐く未だ幼き仔へ、誤解を与えぬ説明など出来ぬ故に]
< ナターリエの様子は、猫にとってはちょっとびっくりするものでした。
すごく首を横に振るのですもの。痛いんじゃないかと、心配になります。 >
わかった。
だから、おちついて?
< 髪をなでて、からまった髪を、やさしく梳いて。
それなら、見にいこうかな。
猫はそう思って、人の姿から、かわりました。子どもは、どうするのかしら。 >
そうか、そうかぁぁぁ。
なんとかするべきか?するべきなんだろうなぁ。
ん、さんきゅー。
[お湯をばしゃ、と波打たせながら湯中で足を組みつつ、白い梟とオトフリートの中間あたりに礼を言った。
(多分ふたり纏めて言ったつもりなのだろう)
アーベルが体を洗うのを横目で見て、うむ、とひとつ頷いて湯船の淵に手をかけて上を仰ぎ見る。
湯に写る月が、ゆれて割れた。]
軽い調査だけだったから、危険はないって。
[危険の可能性、その片鱗は掴んできたが]
ああ、さすがに、任せたままは悪いしね。
[そちらの状況はわからないから、言葉が途切れがちな理由も気づかずに。
セレスは、赤く染まった顔にやや、怪訝そうにしつつも、何も言わずに]
…だいじょうぶ?
< もう一度、にゃあとないて、猫は、ナターリエを見ました。
ところで、猫はやっぱりちょっと疲れていて。
あるいてゆく途中で、ふぅらふら。
せかいが ゆれたので、廊下のすみっこで、おやすみすることにしたのですけど、
それはまた、 *ちょっとあとの話* >
[広間から逃げるように、私は彼の仔の背を押し白き猫の後を追ってゆく。
勿論、私は手前で引き返す心積もりで]
[もしも白の猫が立ち止まったなら、代わりをお願いするだろう]
[従魔は二人のやり取りをどこかきょとりと見ていたもの。
露天風呂に行くように、と促されれば、興味もあってか、逆らう事なく]
「……あ」
[それでも、先に行く白猫がちな伏す様子には、驚くよな声上げ立ち止まり]
ん、だなぁ、このままでは居られないよなぁ。
…洗ってやろうか?
[ざばりと湯から上がると湯船の湯ががっさりと減っただろうか。
上がろうとするアーベルには「ちゃんと拭けよー」とか声をかけつつ、ふと見た白梟。
泡立てたタオルを見せて、聞いてみた。]
[先を行っていた白き猫の足取りが乱れたのを見、私は不安げに見つめた。
疲れていたかの猫は気付いていないのか、そのまま廊下の隅で休むように伏せる。
声上げて立ち止まる彼の仔を一撫でし、静かに側へ近づいてゆく]
…エィリ殿…御休みなされますか…?
[囁きに返るは肯定の鳴き声か、穏やかな寝息か。
私はその背を優しく撫でて、邪魔せぬよう彼の仔を促し離れゆく]
[湯のかさが変わる瞬間、呪印が目に入ったかも知れない。
その大半は、既に痕に過ぎぬのだけれど。
幾つかは、未だ生き、力を強く制している]
ええ。俺も、このままじゃ頼まれ事を果たせませんし。
[ため息混じりにこう言って。
首を傾げる白梟に、世話になってもいいんじゃ? と声をかける。
白梟は首を傾げた後、そちらへ向かうか]
[掛けられた声に振り向く]
わかった。
[小さく頷いて][小さな返事]
[滴を残さぬようよく拭いてから脱衣所へ]
[言われた通り][前合わせの布][東方の布を着る]
[纏った着物はそれなりに形にはなっている様子]
[片手片足の枷は不釣合いではあったけれど]
[元着ていた衣服を手にして、館内へと足を向けた。]
[伏した白猫の様子を案じつつ、従魔は促されるまま、先へ。
湯殿に近づき、時空の気を感じたなら、どこか嬉しげに、早足になるだろうか]
[彼の竜の言葉に上手く返せずに、私は短いコエを投げる]
…いえ。
セレスを、お願いします。
[やがて彼の仔は嬉しそうに早足に。私は少し後れて続く]
キレイな羽根だなぁ。
[嬉しそうに、石鹸を良く泡立てて丁寧に白梟の体を洗う。
傷つけないよう、人間に触れるよりも細心の注意を払って。
丁寧に丁寧に洗ったならば、ふとオトフリートの体に施されている印に目をやるが、
なんとなく聞いてはいけないのかな、と自分からは聞かずに大変そうだな、だけ思い。
自分も体と頭を洗い終えたら、再び湯船に漬かって*湯の量を増やした*]
[早足になる彼の仔に、私は少し後れて付いて行く。
青の青年に少年が足を止めれば、私の脚も止まり]
……。
[二人の様子を、心配そうに見守る]
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