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一番のウッカリ大賞は俺の気がしてきた。
二日目なのに一日目とか言ったしな。メモでも独り言でも。
いろいろとすまん。
[目を凝らし、闇に溶け込みそうな紫を視界の端に見つければ、そのまま飛び去る。慎重に高度を高く取り追跡体制に入り、小屋へ入っていく所を確認した]
あいつ……こんな所に……住んでたんだ。
……気づかれてない……よね
もし気づかれてても、その時は……その時……かな
[小屋の外で見張っていると、かけられた低い声。それが自分に向けられたことに気づくまで数秒かかる。息を殺して潜む]
[扉を開けたのは小柄とは言いがたい影。
外から内ではその光の差に慣れず、探る目を向ける。]
………俺だが。酷い顔だな。
[寝ずの番の痕の残る青年の顔を見、不躾に呟く。]
−回想−
[かける声に反応はない。位置を知られたくなければ当然だろう。
―――ならば、]
………引きずり出すまでだ。
[躊躇いなく近づく。]
[寝不足の頭で、反応が一拍遅れ、]
…ここで、名前なんだっけとか言ったら、怒られるかな?
いや、アンタなら病人の居る前で騒いだりはしなさそうだけど。
酷い顔なのは、お互い様じゃないかなあ。
そんな顔になってまで働いて、此処には何のご用事で?
[緩慢に肩を竦め。けれど、其処には先日のような敵意は無く]
見つかった……?
[今の絶望的な状況に気づいた。近づいてくる足音。今まで感じたことのない、死の恐怖。背中を多量の汗が流れていくのがわかる。脈打つ鼓動が凄まじい音になって耳に鳴り響く]
……婆様……力を、貸して
[瞼を閉じ、精神を集中する。体の奥から湧き上がる力。瞼を開いた奥には、縦に細まった真紅の瞳。その紫紺の「虚」を見極めるため近づこうと、手を振りあげてただ正面から*突撃していく*]
−施療院−
[青年の常より鈍い反応に眉を少し顰め、鼻を鳴らす。
彼の言う通り、病人のいる所で騒ぐつもりはない。
先生もカレンも怒らせると酷く厄介だ。]
……スティーヴだ。と答えたら満足か。
まあ、それはどうでもいい。
カレンに届け物と、アヤメ…エリカの様子を見に来た。
[都合の悪い事はまとめて無視し、要件を簡潔に述べる。
入り口を塞ぐ青年を力ずくで退けるには気力も体力も惜しい。]
ああ、そうか。確かにそんな名前だったかも。
悪いね、どうにも…男の名前は覚えが悪い。
[用件を聞けば、すい、と足を2、3歩後ろに下げ、道を空ける]
…そんな顔だと、あやめサンやカレンちゃんに叱られるよ?
アンタはあやめサンを叱れる貴重な人なんだしさ、倒れられるとホント困る…。
[言葉尻に混ざるのは欠伸。先程までの椅子に膝を立てて座る]
−回想−
[気配を辿り、隠れ潜む少年へと手を伸ばす。
だが鷹の爪が届くより早く、獲物は自ら飛び込んできた。
真正面からの突撃を体で受け止める。]
……いい根性だ。だが、甘いな。
[襟首を掴み、片手で高く吊り上げる。
手に布の濡れた感触。覗き込む深紅の瞳は縦に細い。]
お前。なんだその目は……?
[いぶかしむ声に、掠れた声が耳に入る。
酷く力を落とした声に眉を寄せると、急に重みが増した。]
[男の名限定で物忘れの酷い青年に鼻を鳴らし、その後を付いていく。
忠告と願い、そして欠伸の混じり合った言葉には黙って頷く。]
………エリカか。
お前はここで寝ずの番をしてたのか。
[問いよりも確認の口調で呟き、ベットの側に立つ。
少女の瞼は閉じられ、金糸雀色の瞳は見えない。]
…………聞きたい事がある。
もし意識があるなら、そのままでいいから答えてくれ。
結界樹に翠流の気配を二つ感じたと聞いた。
それは虚に近いものだったか…それとも違っていたか?
[問う声は酷く静かに、低く響く。]
─回想─
[カレンたちから伝えられた言葉に顔色が変わったのは、複数の理由から。
幼馴染の失踪、結界樹の内に、という話。
それと、翼の疼きを重ねれば、導き出された結論は]
……また……護り損ねた……。
[翼の疼きは、『虚』の力が振るわれた事への反応。
つまりは、ジョエルが『虚』の力により、結界樹に封じられたという事]
(……ダメだ……今のままじゃ……)
[四翼と共に力を抑えている今の状態では、すぐ近くの者に対してしか護りの陣を巡らせられない。
それならば、と考えていた所に投げられたのは、カレンからの苦言と施療院へという言葉>>170]
……嫌だ、って言っても仕方ないね……飛べそうにないし、さ。
ごめん、世話かけるね。
違う……?
……そんな……
[瞳は元に戻り、ただ失望の色が深く刻まれ。わずかに流れ込んだ抑えられし負の心に耐えうる力はなく、気を失う。ひらり白い羽が一枚、地へ舞い落ちた*]
[短い謝罪は、一度ならず二度までも背を借りる事になった幼馴染へ向けたもの。
彼とて、カレンたちからの報せには衝撃を受けているだろうに、と思いつつ。無意識、掴まる手には先ほどよりも力がこもったやも知れず]
[施療院にたどり着き、カルロスから話を聞き>>181、こちらの知る事も伝える。
さすがに、ここではラウルも大人しく、その点では安堵されていたかも知れないが]
……そう、かい……。
まったく……自分が悪いワケでもないだろうに、あの子は……。
[エリカが自分に謝っていた、という話に、苦笑して。
寝てる間にちょっかいかけたら承知しないよ、と突っ込みを入れつつ、具合を診るから来い、という育ての親である薬師の言葉に従い、病室の一つへ]
……やっぱり、このままだとマズイ……かねぇ、せんせ?
[病室で、疼く翼胞を診せつつ、問う。
こちらの事情を知る、数少ない人物はそうだね、と言い切った。
せめて、普段から四翼を用いなければ、との言葉に、零れ落ちるのは嘆息]
ま、今のまんまじゃどうにもなんないし……わかったよ、使うようにする。
[今は、両親の言いつけを守る事よりも大事な事があるから、との言葉に薬師は無言で頷いたろうか。
無理をおしでないよ、との言葉を残して出て行ったその気配が切れると、背を診せるためにずらしておいた小袖を直し、小さくため息をつく]
……兄さん、ローディ、頼むよ。
[言うまでもないだろうけどね、と呟きつつ。
包み込む疲労に導かれるまま、*眠りへと落ちた*]
[眼が開きかけるも、眩しいか、また閉じた。
さらにその上から、覆うように、
ゆるりと持ち上がった腕額に乗せられる]
―――……、
[違う、と否定の言葉は短く。
先を続けようとして、咳が出た]
ん、まあ…そう言うことになる、のかな。
起きた時に一人だと、また無理をするんじゃないかって。
…そう、思ってさ。
[エリカを見る眼差しには、庇う様な色を混ぜ。
静かに、低く響く声には、微か咎める視線を向けど、口を挟むことは無い]
−回想−
………面倒な。
[短く呟き、気を失った子供を横抱きに抱える。
このまま放置して海風に当てておくのは流石に気が引けた。
そのまま小屋に入り、ベットに転がす。
出されたままのましろの翼が目にまぶしいくらいに白い。
それに反して、背の布はうす汚れ濡れた色をしていた。]
…………。
[無言のまま古びたシャツを出し、翼をこちらに凭れさせて着替えさせる。四翼用のスリットは大きく、出したままの翼もなんとか通す事が出来た。
もう一度ベットに転がし、汚れた服を手に外へ出る。簡単に洗い、外へ干した。海風が朝までに乾かすはずだ。]
リディちゃんと、…ジョエル、か。
[翠流の言葉に、二人の顔を思い出す。初めて、ジョエルの名を口にしたのが今ということに気付き、表情は渋い]
…まさか、アンタさ……。あの2人、疑ってんの?
朝から、冗談キツイな…。
[水鏡の中の光景は、いまは施療院に変わり、そこに運び込まれた者、付き添う者の姿を順に映し出す]
女には本当にマメだな、あの馬鹿は。
[寝ずの番を勤めるカルロスには、そんな身もふたもない感想をぼそりと。それでも、いくらかいつもよりは、声は和らいでいたかもしれない]
〜回想〜
夕食会は楽しかった。
……まぁ顔を出してくれない人もいたし、本来の目的はその顔を出してくれなかった人の中にいたのだけれど、逆にそれが私にほっとさせたのも事実だ。
オーフェンは私に似すぎていた。
彼の両親はどうしたのかわからないが、私の両親が亡くなった事故は私の力の暴走だった。
気づいた時には家は燃え上がり、目の前には血と墨でぼろぼろになった両親が、リディアは悪くない。リディアは悪くない。と、囁きながら私の頭は頬を優しく撫でながら逝った。
何故罵らない?
何故恨まない?
何故訴えない?
一言でも私を憎んでくれればそれだけで心は軽くなっただろうに。
……でも、お父さんもお母さんも何も言わなかった。
だから御婆ちゃんの家に引き取られた時、私は自責の念で失語症になっていた。
一年位か? 部屋から一歩もです、引き篭もっていた。
恐らく……その様子は人に怯えていたオーフェンと同じだったのだろう。
時間が経過し、生命体の根幹である生きる事を渇望するようになった私は、絵を描きながら御婆ちゃんの本屋を手伝い始めた。
その時、配達に向かった森のはずれにあるあばら家で、私はオーフェンに会った。
そして外からそんな様子をみた感想は、ただ『気持ち悪い』だった。
生理的嫌悪感。
本能と感情が入り混じったそれが全身を駆け巡り、多分だけれど私の瞳には侮蔑と軽蔑の感情が色を浮かべていたと思う。
そして同時にこうも思った。
『あ、ここでオーフェンを助ければ私は少しだけでもお父さんやお母さんは偽善者ってなじってくれるだろうか?』
そうとう歪んだ感情だと思う。
でも、事故以来燻っていた私は、そう思う事で、事故の清算を少しでもしたかったのかもしれない。
それから強引にでもオーフェンに話しかけるようになった。多少の強引さは、失語症から復帰した私の性格として認知されていたので大した軋轢もなかった。
ただ、この性格は自分にあっていたのか、ジョエルの職務第一頑固さ第二みたいな性格とは徹底的に合わなかった。
もちろん、内面であって表面上はある程度は仲良くという感じは一貫して演じていたが。
[微かな、本当に微かな声を耳に、勢い良く立ち上がる。
咳き込む様子に眉を顰め、上体を起こして背をさすった]
大丈夫か…?あんまり、無理して喋るな。
何か、飲む物持ってくるから…。
[スティーヴに視線でその場を任せ、早足で部屋を出て行く]
[アヤメの様子が目に入ると、思わず嘆息]
お前はまったく人のことは言えない。俺もだが。
ああ、クローディアにだけは、これ以上何もさせない。例えここに虚の力が及ぼうとも。
[その可能性は少なからずあると思っていた。虚を清める力を持つのは巫女のみならず、この結界樹そのもの。結界樹の力と巫女の祈りが今は強力な護りの陣となっているが、虚の力が強まれば護りの力が及ばぬかもしれない]
−施療院−
[ベットに横たわる動きを黙って見下ろす。
否定の声は掠れて細い。だが確かに耳に届いた。]
……そうか。
もういい、ゆっくり休め。
[咳き込む様子にそう告げて、カルロスに目を向ける。
咎める視線をまっすぐ見返した。]
…なるほどな。
だがそんな顔で側にいられたら安堵して休めまい。
…………お前も少しは休むんだな。
[皮肉か忠告かわからぬ響きで告げて、扉へと向かう。
だが出て行く直前、振り返ってカルロスを見た。]
……ケイジを、お前の【主】を、どう思う?
まァ……
俺は、なにも、しりませんよ?
付き人殿が封じ込められたことも、いま初めて知ったくらいですからね
[飛び立つ姿を見送った。狐の下に笑みを引いて。]
[とりあえず、そんな内面の感情がごちゃ混ぜになっている状況で食器を洗っている時、台所の窓の外に長老のところで働いている使用人の人が立っていた。
何度か本の配達でお目にかかっていたので、すぐに何事かと外に赴くと、次の瞬間私の意識は暗転していた]
う……ん。
[どこからか聞こえてくる聞き覚えのある呟き声に、...の意識は混濁した状態のまま覚醒した]
こ、こは?
かぶき者 ケイジが「時間を進める」を選択しました
かぶき者 ケイジは、少年 ネロ を投票先に選びました。
くの一 アヤメが「時間を進める」を選択しました
くの一 アヤメが「時間を進める」を取り消しました
[全く見覚えのない空間に、柔らかい草のようなもので作られたベッドのようなものの上に横たえられていた体を起こすと、声が聞こえてきたと思われる方へ飛んでみた。
すると、そこには姿が見えなくなっていたクローディアと、水鏡のようなものを覗き込んでいるジョエルの姿があった。
とりあえず、ジョエルは置いておき――]
クロちゃん! クロちゃんクロちゃんクロちゃ〜〜〜ん!
[祈りをしているクローディアに飛びつくのだけは雰囲気から強制的に停止する事に成功した]
[エリカの弱った様子を見れば、眉を顰める。思わず水面に手を伸ばし、その手に触れようとすると水鏡が揺れて映し出されていた光景は波紋の中に消えた]
すまない…
[彼女の痛みのほんの一端ではあったが、知っているのは恐らく己だけだというのに。届かぬ手のもどかしさに、拳を握った]
[休めとの言葉には、視線を逸らし答えない]
動き続けていた方が、自分は楽だったりするからね…。
[呟く言葉は自嘲にも似て。冷たい水を注ぎ、部屋の近くへ。
問われた言葉に、酷く不快さを顕にした]
どう…って。だ、い、き、ら、い。としか言えないが。
そう言うことを聞きたいわけじゃないだろう?
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