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……ジジイから話は入って来るから。
[その聲はどこか忌々しげだったか。その手の情報が早いのは職業柄。エーリッヒに関しては、疑いの内容が内容だけに厳重に注意されたのだった]
力の、現れ方?
なんだよ、役に立たないな。
[理解していない様子に悪態をつく。休んでおけと言うコエには、大人しく承諾の意を向けた]
……ちゃんと休めるかどうか分かんないけど、そうしとく。
…ああ、一つだけ聞かせて。
あのじーさんを殺したのは、アンタなのか?
[騒ぎの発端となった事件について訊ねた。もしそうじゃないとしたら……、そう考えて不安になったために]
ふゥん、そっかぁ。
ソレを覚えてて尚、動悸だの息切れだの起こすような真似を?
[声は通常の数段低い。
左手で襟元を掴んで引き寄せる]
何だったらあたしが今すぐ眠らせたげてもいいんだが?
[その傍らで右手は手刀を作っていた]
商品。
商人さんなんですか。
じゃあつかっちゃって、すみませんでした。汚してはいないはずなんですけど。
[先ほどの鏡を思い出して、首を傾げる]
綺麗な鏡でしたし、贈り物にしたら喜びそうですよね。
そういうものを、たくさん仕入れてらっしゃるんですか?
――珍しい本とか、あったりします?
―集会場・広間―
あいや、それはそれだ…
[ローザの笑顔にぴきん、と引き攣りながら言葉を返す。
ソファに倒れこんだ自衛団員を見て、ちょっと前の挙動不審な奴だと思えば]
なに、やってるんだ…?
[まさか自衛団員も容疑者の一人だったとも、無残な死体を目にしているとも知らず、ただ首を傾げた]
―広間―
幸運なのは良いことだわ。
ね。ありえないわよね。
[ウェンデルには微笑み返し、ソファーに沈むダーヴィッドを見てローザと頷きあう。
ふと頬に手を当てた。少し紅潮してきている]
ワインのせいかしら。
飲みすぎたつもりはないのだけど。
[様子を窺うように広間を見回すと、オトフリートたちのやりとりなんかも見えたりして]
他にお話が無かったら、部屋で休んで来ても良い?
すぐに調べることがあるのなら協力するけど。
[自衛団員に問いかけ首を*傾げた*]
いや、その。そういうつもりでは。
[低い声に、どう答えたものか、と。
思案する表情は引きつりがち。
構えられた手刀には、一瞬固まって]
いや、そこまでしなくても、いいから。
休む、うん、ちゃんと休みます。
だから大丈夫、大丈夫。
[必死で訴え、それから]
……それ、に。
もしかすると、他に理由があるかも知れんし、ね。
……できれば、その予想は外れてて欲しいんだが。
[ぽつり、と付け加えられた最後の部分。
それは、ヘルミーネもぎりぎりで捉えられるか、という程の小声]
……とにかく、まあ、なんだ。
ギュンターさんの話も一段落したようだし、上に行って休むから。
……この手を離してくれると、とっても嬉しい。
[それから、一転いつもの口調に戻って訴えかける。
いや、いつもよりかくかくとしてはいるのだが**]
[しかし憧れの人を目の前に、何一つ言えない情けのない態である。
ちらと視線を向ければ、なにやら取り込み中のご様子。
もちろん邪魔などするわけがない。]
本当に。
僕は運が良いらしくて、この村に来る時も色々な方に親切にしていただきました。
だから、安心して良いですよ、エルザさん。
[あとは話を聞くなり、何なり。
しかし今日は、どきどきするばかりで、憧れでもある心の神に思いの丈をぶつけることは*出来ないだろう*]
いい意味でも悪い意味でもな。
[人気という言葉にはそう返して]
よろしくな、ハインリヒ。
出来のいい生徒か…。
そうだな。
[先ほどの玄関での件があるので素直に頷けなかった。
けれども笑顔を向けられると、笑って返して同意の意を示した。
続いたウェンデルの言葉に]
いや、ウェン。ああ、そう呼ばせてもらう、が気にすることじゃない。
送りたい相手がいるなら安くするぞ?
[贈り物にしたらというウェンデルに笑いかけてから]
珍しい本か…、今手持ちの商品には目新しいそうなものはないが、
希望の本があれば今度仕入れてくるぞ?ああ、来冬になるけどな。
/*
んー。
二階の図も、作るようかしら。
そこら厳密に決めなくてもいいとは思うんだけど。
とりあえず、ねよう。
占先は、焦らず決めますか。
デフォのエルザは、なんかありさげにも見えるんだけど、どーなんだろか。
まぁ、なんとなく光景が目に浮かぶな…。
[そう呟くように言いながら]
役立たずとか、奴隷商とか、俺なんかすごい言われようなんだけど……、さすがに若干傷付くぞ…。
[ちょっとコエの調子は落ちていたかもしれない。]
ああ、あのじーさんか。俺が殺して食った…でいいと、思う。
[返答は若干曖昧なものだった]
たまに、そういうことあるんだよな。
満月近いと…、ああ、そうだ一つは月が関係するんだったかな。
[思い出したようにそう告げてから。
悲しそうな口調で]
俺だって別に殺したかったわけじゃないんだけどな…。
[ウェンデルに期待の眼差しで見られて]
まぁ、いきなりただではいかんからな。
気が向いたら声かけてくれ。
[くしゃりとウェンデルの頭を撫でた。
なんとなくそんな気分になったから]
んー、なんか疲れたから俺部屋に戻るわ。
なんかあったら教えてくれ。
[この場に殺人犯や人狼が本当にいるのなら、一人になるのは無用心だったかもしれないけど。]
じゃあな。
[広間を後にする様子は、普段より少しぼーっとしていたかもしれない。]
―集会場・広間―
俺の教え子に…変な本、売りつけないでくれよ?
[ウェンデルが珍しい本をとエーリッヒに聞いたのを聞いたとき、
脳裏に浮かんだのは、さて、どんな類の本か。
およそ教鞭をとる人間とは思えない想像は口にはしなかったが、つい開いた口から言葉が漏れた]
じゃァ如何言うつもりなんだい。
[ともすれば何らかの誤解でも招きそうな至近距離で睨め上げる。
否、雰囲気からそんな甘いものではないことを察することはできるだろうが]
…理由?
[それだけ近い距離だったから、昔馴染から零れる微かな声も辛うじて拾い、訝しげに繰り返す。
返答はあっただろうか]
[広間を去る前のこと]
変な本ってどんな本だよ……?
[聞き返せば、相手が返答に困るだろう事を推測しての問い返し]
まぁ、あんまり教育によろしくなさそうな本とか、無茶な要求だとさすがに仕入れてこないから大丈夫だ。
その辺は安心してくれ。
じゃあ、俺は行くぞ。
[手を振って自室へと*戻っていった*]
本当だろうな?
[ともあれ休むとの言に、構えていた右手をゆっくり降ろす。
と思いきや形を変えて、所謂デコピンをかました]
まァ、あんまり無茶するようなら…
ユエを頂くからな。
[勿論その際にはこってり絞ることは前提の上で。
足許の猫を見、妙な脅し文句を加えた後で、漸くオトフリートを解放した]
―集会場・広間―
あのねえ、ローザちゃん…。
俺がそんな酷い奴に見えるかい?
[両手を広げて首を振る。
ただ、本当に彼女がいたとしてもやっぱり同じような振る舞いをするだろうけれど]
おーけいおーけい、今彼女の心の声が俺に聞こえたよ。
許可するってさ。
…刺激的な夜に挑戦してみる?
[煙草を口から外してローザの方へ顔を近づけた。
ふわ、とワインの匂いがして、ぱちぱちと瞬いた]
…って、なんか変だと思ったらずいぶん飲んでんじゃねえの?
大丈夫か?
[問う声は心配げな響きを含んでいた]
だって、その通りじゃないか。
ボクは何も知らない。
知るための唯一の相手がこんな曖昧な情報しか知らないなんて。
[憤慨にも似た聲。言い分はかなり理不尽なものではあっただろう]
……なんでそこも曖昧なのさ。
肝心な部分の記憶が無いってこと?
───満月。
[月が関係すると聞いて、息を飲んだ。今は月が満ちる周期だからだ]
……自分の意志とは無関係、なんだ……。
[人狼とは全てそのようなものなのだろうか。そう考えて、聲のトーンが落ちる。ふる、と首を振る気配を乗せると]
───まだ信じられはしないけど、こうやって声が聞こえる以上、否定はし切れない。
ジジイは人狼を探すって言ってるけど、ボクらはこうして人の姿をしてる。
事を起こさなければ、何もない、よね?
アンタを突き出すことも出来るけど、記憶も曖昧なら、立証もしにくいし。
やり過ごすのが得策だと思うんだけど。
[そんな提案を聲に乗せた。それが実行に移せないと言うのを知るのは、まだ先の話]
あーあ。
ッたく、今日は疲れたね。
[両腕を伸ばし、軽く首を回す。
疲労度で言えば先程まで詰め寄られていた昔馴染の方が格段に上であるに違いない]
ま、あたしも休むとするよ。
[未だ残る者にはひらと手を挙げて、某方向からの熱い視線にはついぞ気がつかぬまま、女は広間を*去った*]
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