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[ぐわんぐわん揺すっていたら、果たしてベッティは意識を取り戻しただろうか
まあ、仮に気を失ったままなら、そのまま引き摺って会場に向かうだけなのだが
それについて他から大丈夫か聞かれても、「大丈夫大丈夫」とひらひら手を振っていたことだろう]
[そうしていると、なにやら空からスプライト襲来
そうしてスプライトとナタルの会話を聞いていたが]
お? 今回は儀式の場でナタルの舞見れるのかー
それは楽しみだ♪
[にこにことそう呟く
そうして白銀の道を駆けて行くナタルを手を振って見送ると]
さぁて、じゃあ私たちも行こうか
ビーチェちゃんも、ほら。一緒にナタルさんの舞、見よう
ちなみに、今なら涼しい冷房完備だよ
[にこっとビーチェに微笑むと、手を差し伸べた
なお、冷房ってのは、もちろんベッティのことですがなにか**]
[撫でつけられた髪を手櫛で梳いて、常のように纏める傍ら、ナタルとスプライトの方に横目を向ける。
彼が一瞬素に戻った時にはそっと目を逸らしたが]
ほォ、これは見事な。
[玉座まで伸びる光の道には感嘆を捧げ、駆けて往く姿を見送る。
ちなみにベアトリーチェにナタルの性別を言わなかったのは、単に失念していたのだとか]
嗚呼、楽しみだ。
[舞が見れると、それぞれが呟くのには頷いて。
やがて集団が動くのに合わせて、足を*進め始めた*]
─大祭会場・出店前─
[ベッティ達の様子に首を傾げてはいたが、ナターリエの提案>>56やベアトリーチェに訊ねられると>>62]
もっちろーん。
乗って乗ってー。
[にっこにこで一旦地に伏せ、ベアトリーチェを背に乗せた。
それからマテウス>>68に気付いて挨拶するように渦巻き尻尾を一度ぱたり。
可能ならきちんと挨拶も済ませる。
いつも通り間延びした自己紹介だったけれど]
あれぇ、ベッティ大丈夫ー?
ベッティも背中乗るー?
[気絶してしまったベッティを起こそうとするリディ>>75>>98に訊ねかけて。
問いに答えが返ったなら、「分かったー」と言って言われた通りにするだろう]
[ちょっと前後するが]
[黒江を治療するマテウスの様子に、へぇと感心の声を漏らす]
おっちゃん、見た目によらず治癒持ちなのか
顔すっごい厳ついのに
[なんてこと言ってみたり
そして、体を起こした黒江には少し申し訳なさげに近づくと]
あ、うん。クロエさん、ごめんね
まさか、あそこまでダメージ食らうとは
うん、やりすぎた。ごめんね
[そう言って、ぺこりと頭を下げた**]
大祭会場の中央、『月の玉座』。
銀と月長石によって築かれた祭壇は、いつもの静寂とは打って変わったざわめきの内。
そのざわめきを制するよに、リン、リリン、と鈴の音が響く。
『我らが女王と王のお出まし。
皆、静粛に、静粛に』
先にも報せを伝えた声が響き、鈴と喇叭の音が響く。
声と音が静寂を呼び込んだ、直後に『月の玉座』の前に光の珠が舞い降りた。
金と銀、二色の光は弾け飛び。
金色の蝶の翅を持つ黒髪の王と、銀色に透き通る翅を持つ金髪の女王へそれぞれ形を変える。
女王の手には薔薇色の宝珠。
それは月の光受け。
きらり、きらりと煌めいた。
『廻る刻の節目の訪れ』
『刻は廻り新たに変わる』
『我ら祈らん』
『我ら願わん』
祭壇の上にそう、と置かれた『秘宝』──『妖精珠』へ向けて、言葉が紡がれる。
宝珠はそれに応えるように、薔薇色の光を周囲に散らした。
『数多の界の平穏を』
『数多の界の悠久を』
『数多の界の繁栄を』
『我らが祈り、願い紡ぎし無限の宝珠』
『我らの想いを、数多の界へ……!』
女王の紡ぐ、澄んだ祈り。
それに呼応するように、薔薇色の光が輝きを増し、そして、『月の玉座』周辺一帯をその輝きが照らし出す。
降り注ぐ月の光と、溢れかえる薔薇色の光。
光は薔薇色の宝珠に込められし強大なる力を微か、帯びて。
光の乱舞は力強く、美しく。そして艶やかに空を飾り立てた。
──リン、リリン。
二色の煌めきが鎮まった後、再び鈴の音が周囲に響く。
『楽師は楽を、舞手は舞を。
月に、空に、数多なる恵みへの感謝の刻を、いざ紡がん』
鈴の音の、後を追うのは王の宣。
控えていた楽師たちがそれぞれの楽器を取り上げて。
月の玉座に、響き渡るは妙なる音色**
――月の玉座近く――
すげぇ……
[果たして男は 後ろの人に見えぬようにならぬよう
巨躯を出来るだけ縮め 前の方で 薔薇色を
王を 女王を 見詰めて居た。
言葉は それ以上 出ない。
ただそこにある 光と空気 そして大きな力に
感嘆のため息を 零す。]
─月の玉座─
……ったく……そりゃあねぇ、前に来た時、次はできたらやりますよ、とは言ったけど。
[ぶつぶつと文句を言いつつ、長めに伸ばした髪を結い直し、陽を模した飾りを一つ括りつける。
腕には細い輪が幾重にも重なった銀の腕輪を通し、その間に細い銀の飾り帯を張り渡す]
……ついでに言うと、前回はサボったんじゃなくて、これなかっただけだってのに、まったく。
何がどうしてどうなれば、こうなる。
[そう、文句を言う間に支度は終わり。
儀式の始まりを告げる、鈴と喇叭が響きわたった]
ん、始まるね。
[それでも、儀式の間は居住まいを正し、女王の紡ぐ祈りの言葉を静かに聞いて。
二度目の鈴と王の宣>>#3に、ふわり、控えの場から祭壇前へと飛び出した]
─回想・大祭会場 出店付近─
うん。
お兄さんも、いっし…わぁ!?
[黒江から似た者同士と言われ、まだちょっとおどおどしながらも微笑みと共に頷き返したものの、リディとベッティが急に黒江の後ろに出てきたので驚き。
音が聞こえそうな程に固まった黒江と、音が聞こえる程勢い良く地面に落ちたベッティを見ておろおろ。
そこにまた知らない男の人が近寄ってきたので、ナタルの影に隠れながら服の裾をぎゅっと握った。
けれどその男の人が黒江達を介抱してくれているらしい様子をみると、ちょこっと顔を出して、じぃ、と見つめ。]
お兄さん、葉ノ介お兄さん達の、お友達?
私ね、ビーチェって、いうの。
葉ノ介お兄さんも、ベッティお姉さんも、大丈夫?
いたいの、ない?
[マテウスから返答はあったかなかったか、どちらにしても黒江やリディ達の反応を見れば大丈夫そうだと判断し安心するだろう。]
あ…エーリッヒちゃん、ありがとう。
んしょ、んしょ…うん、これで、エーリッヒちゃんと、いっしょ。
[こちらの願いを快諾してくれたエーリが、乗りやすいように伏せてくれたその背によじ登り、ふかふかの毛に半ば埋もれるようになりながらその背に落ち着く。
黒江達について大丈夫そうという言葉をナタルからも聞けば、一緒に玉座へと行こうとして上から聞こえた声にきょとんと見上げ。]
お姉さん、ギシキ、出るの?
[スプライトとナタルのやり取りを聞き、ナタルに首を傾げ問い。
向こうで会えるから、と聞けばうん、と頷いた。]
エーリッヒちゃんもお姉さんたちもいっしょだから、だいじょうぶ。
お姉さんも、きれいだからギシキ、出るんだね。
[いまいちよく解ってないものの、自分なりに解釈してナタルの服の裾を離し。
ナタルが白金の光で道を作りあげるのを見れば、きれいと目を輝かせた。
その道に飛び乗って駆けていく背を見送ると、リディから改めて玉座へ向かおうと手を差し伸べられたので、エーリの背に乗ったままその手をぎゅっと握って嬉しそうに微笑み返した。]
うん、お姉さんたちと、いっしょ、行く。
わぁ…ね、ね。
お姉さん、あれ、なぁに?
[普段群れから出ることはないので見るもの聞くものがほとんど初めてのもので。
エーリの背中からみえる高さは自分の普段の視界と違っているので、余計珍しげに辺りを見回しながらリディ達にあれこれ聞いたりして玉座へと向かう。
ベッティが一緒にエーリの背に乗るなら、その涼しさに心地良さそうにするだろう。**]
─回想・了─
……我は極光の地に住まいし、『敏捷なる者達』の一。
今宵、舞を奉ずる命を受け。
月と空と数多の界へと舞を捧ぐ者。
妙なる楽の調べと共に、皆様、しばしのお付き合いを。
[まずは、壇上の女王と王に丁寧な一礼を。
それから、集まる者たちへと礼をしながら口上を述べ。
ひら、と振る手で楽師に合図を投げた後、ゆるり、月下で動き出す。
しゃら、と鳴るのは鈴と腕輪。
翻るのは、黒と銀の飾り帯。
風に流れる金の髪、その軌跡、追うよに散るのは白金の光。
始める前の悪態ぶりはどこへやら。
いざ、始まったなら、やはり舞手としての意識が強くなるのか。
黒と銀、そして金の揺らめく回転の後、たん、っと高く足を踏み鳴らし。
す、と天へと向けて手を差し上げる表情は、物凄く楽しげなものだった]
まあ、舞うのはある意味本分だからかまやしないんだけど。
……どうもなぁ、『アレ』の近くでやるのは、好きじゃないんだよなぁ。
[そんな事を思いつつ、ちら、と視線を向けるのは祭壇の上の『秘宝』。
特に何か意識したわけでもなければ、何かやったわけでもないのだが。
何故か『妖精珠』の力とは引き合うらしく、その存在を察知するのは容易くて]
……あー、あいっ変わらず、力、強いこと。
[その重さがわりと、うっとおしかったりするのは、知られざるお話]
─月の玉座─
[舞が終われば、儀式も終わり。
王が宴の始まりを告げる声が響くわたる──ものの。
そんなん聞いてないのが大半なのは、きっと言わずもがなな事]
……ふうっ……取りあえず、これでお役ご免、と。
[女王と王に再度、礼をした後、呑気な口調で呟いて。
さて、知り合いはどこだ、と周囲を見回した]
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