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― PC室前 ―
[ぎゅうと一之瀬>>74に抱きしめられて、緩んだ涙腺からぽろぽろと水が零れ落ちる。
マリーが死んだことを悲しむより、自分の生で死なせてしまったという罪悪感と誰かが殺していっているという恐怖のための涙だった。
真崎>>75が確かめるように言葉を重ねるのには、小さく頷き]
……っ、う、ん……マリーさん……は、階段、のところ、に……
[切れ切れに答えて、休め、といわれても、休める心境ではなく。
でも一緒に、という言葉は声にならなかった。
川島>>73に応える一之瀬>>76の声を聞きながら、涙をこらえるように唇をかみ締めるだけで。
罪悪感に囚れた桜子はPC室内へと促されるなら、素直に移動して――血にぬれた手や足をどうにかするのは、もう少し落ち着いてからになるのだった**]
― 学長室 ―
――…なんて句、残してくンだ。
学長にはまだ導いていくべき生徒がいる、だろ。
なんでそんな覚悟するんだ……、なんで……
指導者が、生徒をおいていくな、よ……
[学長が望んでこうなった訳ではないと分かっている。
生徒である自分たちを大事に思っていてくれていたのだと
残された言葉から知れるのに――。
導き手を失った哀しみからそんな言葉が零れ落ちた。
三年の諏訪佑一郎にとって学長は大きな存在だったのだ]
うん、言わなかった。
とっても、落胆したような、襲われるのが怖いみたいだね。
それと吊らないでって、
[霊能者と思ったからこそだろうけどねと、ボクは心の中に]
彼女のこと、生かして、あげたいな、できる限りはね。
[なんでだかわからないけど、ボクはそう皆に言っていた。
霊能者を騙ることについては特にとがめられることはなく、ユリから返った返答に]
代償…か…。
[ボクの力にそんなものはない、けれどもそれはある意味いいことなのかもしれないとは心の中だけに。
少なくとも殺した事実を自分のとどめ、罪を感じることができるのだから]
─PC室前─
う、ん。解った…あ、あの、真崎君…気をつけて、ね。
[桜子を抱きしめ、青褪めながらも踊り場へ向かおうとする慎太郎>>75の身を案じ声をかけた。
春陽も共に行くのならば、同じように気をつけてと言うだろう。
二人の姿が闇に溶けるまで見送った後、足元に広がる硝子の破片に気をつけるよう声をかけながら桜子をPC室の中へと連れていった。]
ごめん、キユリちゃん…お水、汲んでこれなかったの。
…大丈夫?ごめん、少しだけ待っててね?
落ち着いたら、お水、汲んでくるから…
[室内に入れば、先程よりも具合の悪そうな様子の友梨>>78が目に入り案じたものの、桜子を放っておくわけにもいかず。
申し訳なく思いながら彼女にそう謝った。]
]
―パソコン室―
[学長に報せると慎太郎が口にした時、ほんの少し黒目が揺れた。
それでも歩みは止めず、先程よりも更に近くで止まった]
……分かりました。
[続かない言葉を無理に促すことはしない。
聞かずとも既に予測はついていた]
おれも見てきますから、中にいてください。
……その格好も、どうにかしないとだし。
[蛍子たちに重ねて向けた声は、慎太郎からの問いの返答にもなった。
後の言葉は桜子に向けてのもの。
彼女らの承諾を得てから、慎太郎と共に知らされた場所に*向かう*]
─PC室─
…身体が参ってると、心も引きずられちゃうんだよ。
だからね、桜子ちゃん。少し、休もう?
[桜子が望むところに腰を落ち着けさせ、せめて血が見えぬようにと毛布をかけた。
つらそうにしている友梨にも同じように毛布をかけるだけはしたものの、桜子が落ち着くまでは彼女の側についていた。
恐怖や後悔に押し潰されそうなのは自分も同じだけれど、今この場で動けるのは恐らく自分だから、そう思い気丈に、努めて柔らかくふるまった。
そして桜子たちが落ち着いたら、手や身体についた血を落としたりPC室前に散らしてしまった硝子の破片を片付けたり。
行けそうならば、今度こそ友梨に言ったとおり水を汲みに行く*かもしれない。*]
演劇部 ケイコが時計を進めました。
― 学長室 ―
[廊下であった春陽から混乱をしていたと聞いていたから
呼びかけに反応を示さぬ春>>80に疑念を抱くことはなかった。
零れた問い掛けに一瞬柳眉を寄せ小さく頭を横に振る]
……ボクにも分からないよ。
学長が殺されなきゃいけない理由なんて……
[響が殺されたときもその理不尽さに憤りを感じたけれど
明確な答えが得られるはずもなく]
――…春。
[赤にへたりこむ友の目の前に差し出すのは長い指先。
彼が視線を上げれば差し伸べられた手の向こうに覗く薄い色の眸がある]
ボクじゃ、助けにならないか?
まぁ、頼りないのは認めるけど。
真崎さん、霊能者なんだ?
[幼馴染から知らされた話、その説明からボクもほぼ間違いないような気がして]
それじゃあ、彼がボクのライバルになるんだね。
[どこか楽しそうな様子で、やっぱり笑顔で言っていそうな雰囲気を漂わせながら]
生かして、大丈夫なの?
[友梨の声に被せるように、懸念を紡ぐ。
幼馴染みからの問いかけ>>*0には、結局*答えないままだった*]
― 学長室 ―
此処に居たら鼻が利かなくなる、だろ?
春、……行こう。
歩けないなら、肩を貸すから。
[宿直室で春が言った言葉を真似て血に濡れた友に誘う言葉を掛けた。
限界を迎えた春の様子をみていると自分が確りしなくてはと思う。
頼られるとほおっておけなくなるのは元々面倒見が良いせいか。
彼を其処に置いておくという選択肢は無かった]
― 学長室 ―
[ふと思い出したように机の上の走り書きを手に取る]
学長。
[ポツと呟き一度物言わぬ学長へと視線を向けた]
残したのは伝えたいから、ですよね。
それなら、ボクがこれを皆の所に運びます。
――…いいですよね。
[尋ねへの返事は当然聞こえないのだけど
勝手に持ってゆくのは忍びなかったのかそう紡いで
手にした紙を小さく畳みズボンのポケットへと入れた**]
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