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―森―
[小さなため息とともに、目を閉じた]
――。
あの子をこれ以上―…。
[呟きの後、再び歩き出す。
声のする方へ、『祈り子』の力を感じる方へ]
― 泉 ―
[再び目を開ければ泉がすぐ近くにある]
封じが解けた今なら
私の記憶も取り戻せるのかな。
[置き去りにしたのは自分。
十年分の記憶も大事なものであったはずなのに
抱えたままでは苦しかったから手放して]
――――。
[恩人であり医師であるそのひとも
思い出させようとはしなかったから
そのことに甘えてそのままにしてきたけれど]
[手放したままではいけないと思う。
向き合うべきなのに向き合えなかった十二年。
強さなんてないけれど
本当はこわくてたまらないけれど
膝をつき、泉へと両手を伸ばす]
― 森の中 ―
テレーズ姉さんもソーヤも悲しませたくなかったから...だから...
[だから眠らせたのだ、と、そう告げながら、ポラリスも同じように眠らせればいいのか、と思案する]
[もうそんな力は残っていないかもしれないけれど、それで...終わりになるなら、最後の望みは、叶う...かも]
─ →森中 ─
やるだけやっても、良くならないことは確かにある。
お前の身体は人に比べて弱いのも確かだ。
だがな。
端から諦めていたら良くなるものも良くはならん。
お前は、何も出来んと口にするほど何かをしてきたか。
[エリィゼの横を通り、クレム達の元に向かう。
引きとめようとするならそこで足を止めるが、そうでないならクレムとポラリスの中間まで歩いていって、正面からクレムに向き直り]
医者は患者の手を取るのが仕事だ。
患者が手を差し出してくれるから、医者は仕事が出来るんだ。
手を差し出すこともせず、正面から向き合おうともしないで、どうせなんて言葉口にするな。
これは私のものだから
返してもらうよ。
[記憶を封じたのは『魔』の優しさか『祈り子』の優しさか]
ごめんね。
それから、ありがとう。
[泉からさがしあてるは懐かしいもの。
両手に掬ったそれを包み込んで胸元へと宛がう]
─ 森の中 ─
……ばっかやろ。
[ぽつり、紡いだのは幾度目かの言葉]
悲しませたくないって、なんだよ。
そんなんで、こんなにされて、誰が喜ぶんだよ、馬鹿。
それだったら、一緒にいて。
ちゃんと、考えてる事話してもらえた方が、よっぽど嬉しいに決まってんだろ……!
[言いながら、ぎゅ、と拳を握る。
何もできないのが、もどかしい、けれど]
いつの間にか、何もできないうちに、いなくなられてる方が。
もっと、ずっと、辛い事くらい、わかれ、馬鹿……!
[気配を追ってゆけば、泣いているポラリスへ近づこうとしているクレムが見えた。
困ったような表情で黙ったまま、首を振った]
どうしたら、その嘆きを癒せるのでしょうね。
[ぽつり、と呟いた口調は、普段とは全く違う気配のもの]
― 森の中 ―
[不意に、枝の折れる音がしてそちらを見ると、やはり追いかけてきたらしいヒューゴがそこにいた
怒っているように見えるのは、クレムが自分の時間が短いと嘆いたせいだろうか?
だけど、子供には難しいことまではわからなくて、そのまま視線を二人へと戻す
ゆっくりと、クレムがポラリスへと歩み寄るのを見て、不意に不安を感じて]
……クレムお兄ちゃん、だめ!!
[少しだけ近付いて、制止の言葉を投げた。
止められるなんて思わない、けれど、止めなければ封じられてしまうから]
/*
こう、クレムが封じられそうになったら体張って止めに行こうとするリィが浮かんでですね(
自分が(一時的でも)眠ることで時間稼ごう、とか。
流石に、最終日想定なんで出来ませんが(
あ、そろそろクレム投票に変えておこう(ぇ
旧家の子供 エリィゼは、青年 クレム を心の中で指差しました。
青年 クレムが時計を進めました。
青年 クレムが時計を進めるのをやめました。
― 森の中 ―
ねえ、クレムお兄ちゃん
本当に、今まで辛いことだけしかなかった、かな?
[コエ、ではなく、声に出して]
リィは、お兄ちゃんとお話できるの、楽しかった、よ?
それに、お兄ちゃんが、もしいなくなっちゃったら、リィ、悲しいもん
リィに言った「忘れないで」って、そういう意味だったの?
[人間ではない己が出るよりも、人間どうしで解決できるならその方がいいのかもしれない。
はるか昔の思い出が胸をよぎって、ふ、と口を閉じた。
胸の内からは、宿主が己に激しく呆れている気配が伝わってきて、
それはそれで辛いのだけど]
[クレムが他に気付いたことでポラリスも集まって居た人達に気付く。
ヒューゴの言葉、クレムを止めようとするエリィゼの声、聞き覚えのある声なのに他者を思わせる口調。
伸ばした手が宙を彷徨う]
みんな……
[それぞれを見た後、視線はクレムへと戻る]
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