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[ナターリエの訪問を受けたとき、渋る様子は見せなかった。
ただ、行き先がヨハナの部屋と聞けば、不思議そうに問いかけ、起こった出来事を聞き、沈んだ素振りを見せた]
…そう、ですか。
[それから、遅れて部屋へと向かう。
ライヒアルトの死を知れど――実のところ、外の異変には先に気づいていたが――立ち止まることは、なかった]
[痛みに意識が向かい、ナターリエの宣言は耳を素通りした]
[詳細を聞かぬまま、刃をベアトリーチェに突き付ける様子を目にする]
やめ……。
[言いかけて、視界が揺らいだ]
[今は片目であることと、石がぶつかった時の衝撃は少なからず影響が出ていて]
[ナターリエのハッタリは見抜けていないが、ただ少女を護ろうと思考が働く]
[気が急いても、身体はなかなか言うことを聞いてくれなかったが]
[相変わらず。
眼差しはゼルギウスを捉えている]
貴方は何故、彼女を護ろうとするのですか。
彼女が人狼ではないと信じるからですか。
彼女に好意を抱いているからですか。
/*
ベアタ吊りの流れなんじゃろか。
その場合ウェン君襲撃してくれないかしら(爆
壊れて無差別に人襲おうとして殺されたいww
―ヨハナの部屋―
[守護者、そう語るナターリエの横顔を、少し距離を置いた翠玉が眺める。
乏しいはずの表情は、僅かな悲しみを帯びていた。
守護者というものに対する理解は乏しかったためか、ただ、石の直撃した音を聞いて]
痛そう。
[的外れな呟きを]
安心しろゼルギウス。
痛い事は何もない。
人ならな。
[ベアトリーチェを気遣う薬師に、微笑んでつげた。
怪我には気付いたが、悪いなと一言謝罪したのみで、それ以上は無視を決め込む。]
薬師様は、先に自分を労わられても良いのではありませんか。
[庇いに行くことは分かっていたから、その腕をつかもうと手を伸ばす]
切れてはいないですけど。
一応痣くらいにはなるかもしれませんから。
[逆の手で小さな薬箱を取り出し、問いかける]
痛み止め、必要でしょう?
[ウェンデルの声は耳に届いていただろうか]
[ナターリエに刃を突き付けられるベアトリーチェを見つめたまま]
あの子は、弟と、同じ。
病を患って尚、生きようとした、弟と、同じ…。
俺は、あの子を護らなきゃ、ならないんだ。
い…やだ…。
これ以上 俺から 奪うな…!
[うわ言のように呟く]
[顔には怯えの表情]
[不安に真紅が揺れる]
[人狼かどうかなんて、二の次だった]
[力の入らぬ身体]
[ゲルダの引っ張る力に難なく捕らえられる]
[けれど問いに答える余裕まではなく]
[真紅はベアトリーチェを捉えたまま]
…特殊な術を用いているのは、確かなようですね。
[ナターリエが刃を向ける様を見た。
しかし、護り手の力にそんなものがあるのかと、窺う瞳に疑いは色濃い。口も手も、それ以上は出さなかったが]
[ゼルギウスの言に、眉根が寄る]
………そのようなもの。
貴方が勝手に、他者に自分の思うものを投影しているだけでしょう。
[ゲルダにあっさりと捕らえられた彼に歩み寄り、頬に手を伸ばす。真紅を金色に向けさせようと]
貴方は彼女を見ていない。
過去の幻影に囚われ、惑っているだけ。
……大切に想っているのも、勘違いではないんですか。
[言は今までになく、強く、厳しくなる。
非難の色合いが混ざった]
/*
こ。
こ。
これ。
は。
くろねこから中のひとに向けて愛を叫ぶところだな!
誰か拾ってくれるといいなー、て思ってたんだああああ!
幻魔のロザリオは滑っちまったからな……orz
/*
あ ああああああ
それをウェンデルに言われたらああああ
最後まで狼側に居ようと思ったのに>x<
宙ぶらりんに戻すかなぁ…。
[ぬけがらを巡る自衛団。
向ける視線は、他人事風に。
見慣れた、見慣れない光景。
猫はいない。
無事なのか。
そう、思った時]
……家主殿。
[出てきた姿。
小さく、呟く。
器失して初めて。
声が、揺らいだ]
[偶然とはいえ、ゼルギウスに痛手を負わせたのは幸いだった。ゲルダらに阻まれ容易に来れない。ヨハナも今は、そう簡単には動けないだろう。]
みんな、お前と同じ思いだよ。
これ以上奪われたくないのは。
[短く返す。
ウェンデルの物言いたげな、だが無言を貫いた事に心の内で感謝しながら。
他に止めるものが現れる前に。
銀の刃を一旦離し、勢いをつけてベアトリーチェの胸元へ――]
[名を呼ぶ声が聞こえた。
好きに呼べ、と言ったら、ライと呼ばれるようになった。
友と同じ呼び方。
だから、自分は名を呼ぶまい、と決めた事を。
ふと思い出して]
…………。
[運ばれるぬけがら。
拾い上げられる十字架。
一度も、見せはしなかったが、自分の物であるのは伝わったか。
中に戻る背を、見送り。
しばし、佇む]
貴方も、置いていかれる側の人なのね。
[これまでの丁寧な言葉ではなく、語りかける口調は悲しみを帯びて。
薬を掬う手の動きはいっそ優しい]
うん。一緒。
あたしも、もう…いやなの。
[石の当たった場所に、薬を塗りこんで。
それが終われば、何事も無いように薬箱を閉じる。
ウェンデルがゼルギウスに何かをするとして止める理由も無く]
……ヴィンデ?
[猫の声が聞こえる]
上か。
[認識し、行こう、と思えば、猫に振るわれる刃。
器の縛無き身には、そのからくりは容易に見て取れて]
…………。
[猫の傍ら、ただ、佇む。
成すべき事。
*見届けるを果たすため*]
[弟と重ね合わせ、ベアトリーチェに抱いていた強迫観念]
[それが当たり前と、心には強く根付いていた]
[はずなのに]
[頬に手が触れ、真紅の見つめる先を逸らされる]
[次に捉えたのは、弟と同じ色を持つ青年]
[真紅が見開かれる]
[過去が脳裏を過り]
[困惑が表情を彩る]
ちが……お、れは……。
ほんと、う、に………。
ぃ、や…だ、見、捨て……。
おれ…を、おい……く、な…!
[言葉に否定しようとして]
[含まれた非難に絶望し縋ろうとして]
[自分がどうしたいのか]
[何もかもが混沌に飲まれて]
[ウェンデルにもまた、弟を重ねて居ることに彼は気付くだろうか]
[精神は恐慌状態へと陥っていく]
そんなものに、振り回されるなんて。
そんなものが、全てと思うなんて。
愚かだ。
[咲きゆく朱い花。
熱が上る。
眼差しの温度は、低い。
心も。]
……貴方は、誰を見ているんですか。
[覗き込む。
真紅の奥に映るものを見ようとするように。
金色の底に何が在るか、今の彼にはわかるまいか]
同じ思い…なら、何故…俺からは奪おうと…!
[ナターリエとゲルダの言葉には、噛みつく様な声を上げる]
[傷を負った場所は丁寧な処置により痛みは軽減され]
[しかし衝撃は時間が経たねば治まらぬために暴れるようなことにはならず]
弟は、俺の全てだったんだ!
[ウェンデルの言葉に声を張り上げた]
[同時に瞳を覗きこまれ、真紅を見開いた]
……ウェインツェル──……!
[目の前の青年ではない名が唇から紡がれる]
[それが弟の名であることは想像に難くないであろう]
[見開いた真紅から、滴が零れ落ち、頬を伝う]
[囁きは心の奥底まで響いて]
[頷くこともせず、厭う素振りも見せず]
[身体を強張らせたまま、真紅はウェンデルを見つめたまま]
一緒だけど、違う。
貴方は、置いていかないで、って言えるのね。
[睫毛が密やかな思いを映して、揺れた]
…。
[言葉にすれば幾らの文字を紡いでも形を取らず。
それでいて、想いであるならば、たった一つだと知っている。
そんなものが胸の底を過ぎっていく]
[ゼルギウスの噛み付くような声には、ただ]
薬師様ならば、その答えは自らの内側にあるのでは。
[抑揚に乏しい声で指摘をするも。
どこか独白めいたそれは、届いたか否か。
いっそ狂っているような様から、翠玉の眼差しを外す。
捕まえていた、その手も解いた。
そんなことをしなくても、真紅の瞳は既に。
金の色に囚われているようだったから]
[置いていかれる事を厭う声。
暗き翠は静かに、見つめる]
……その願い。
わからないとは……言えん。
[腕の中で息絶えた少女に。
蒼花と、鼓動の源を喰らわれた友に。
そう、叫んだから。
そして、自分もまた。
双花の姿にに友を思っていたのは、否めなかったから]
……けれど。
過去は、過去、だろう?
[小さな呟き。
猫は主の気配を感じるか。
触れられぬそのぬくもりに向けるのは、*淡い笑み*]
薬師 ゼルギウスは、墓守 ナターリエ を投票先に選びました。
だいじょうぶですよ、ゼルギウスさん。
[気遣うような視線を見せるような彼に、微笑んで見せる。]
[ただ見る人によっては、その微笑の下にちょっとした不機嫌が隠れているのが分かっただろう。]
[この人にとって、わたしは誰かの代わりなの?いらいら。]
あなたなりのチェックね。
自分の存在という大駒を使ってまでの。
あのナイフ、人ならば効かない、人狼ならば傷つける。
…どうにかできるかな。
でも、やらないと。
[ベアトリーチェの声に刃が動きを止める。
何をするきだろうか。
だが腕から伸びた刃の切っ先を、彼女が握れるように渡す。
注意ぶかく探りながら。]
[差し出される刃を受け取るべく手を伸ばす。銀の鎌。きれいな刃物。]
[わたしの体が逃げよう、離れようと叫ぶのを、必死に押さえ込む。]
[表面上、何事でもないかのように、鎌を受け取った。]
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