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…リヒト、すぐ傍まで来てるから。
[コエをかけるかどうかも迷ったが、
急に顔を出して気がそがれないように合図だけは送って。]
[伸ばした手はゲルダの手を握り。
紡がれる言葉ににこりと笑んだ]
僕は前にゲルダ達に心配して貰って、助けて貰ったから。
今度は僕が助ける番だよ。
[ベッティの釘刺しに返す言葉を聞けば、笑んだままベッティへと視線を向ける。
一緒に行こう、と言うように]
あ〜。うん。
誰に占い師だよって伝えようか悩んでて。
ちょうどユリアン君がいたから。
[崖を見詰める妻を、心配そうに見詰めながら、嘘はなく告げる。]
妻と子が生きる道の為に、
利用できてたのかなぁ……―――。
うぅん、出来てたかどうか、現状だと悩む、ね。
[ぺしょんと凹むのは、ユリアンとミハエルに対する罪の意識でなく、最愛の人の現状を見て。
生き残る―――そこに己の名は入ることはない。]
―少し前―
[案じるようなコエには、ええと頷き。]
そっちも気をつけて。
………置いて、行かないでね。
[不安が零れて、そう願った。]
いいわけは……ねぇよ……。
[ゲルダの言葉に、返すのはそう、小さなつぶやくような言葉]
簡単にあきらめられるなら、なんも悩みもいらねぇしな。
乙女の悩みはいつだって優先事項だからな、
それでも、アーベルの気持ちもなにも、無視していいわけじゃねぇだろ。
[確実な道を取るなら迷わず殺すべきだ。
それを理解しながら不確実な道を選んだ。
一日に処刑するのは一人きり。
若し、アーベルが自分を殺すなら――
少なくとも彼女とその子は夜を越す事が出来るのだから]
宿屋の娘 ベッティは、修道士 ライヒアルト を投票先に選びました。
[辛うじて、右手は銀を掴む、けれど。
振るうに躊躇いが先行したのは、告げられた言葉のため]
この……バカ、はっ……。
[家族を知らぬ幼馴染。
両親を失い、その孤独の一端には触れた、けれど。
自分にはまだ、伯父と従妹がいたから、完全にそれを理解する事はできずにいて]
……っ!
[迷いは牙を避ける暇を逃し、牙が首筋を捉える。
覚えのある熱に、顔が歪んだ]
……っき、しょ!
[それでも、このまま止まる事はできない、と。
強引に引き剥がそうとしながら、抜いた銀でライヒアルトの左の肩に切りつけた]
中
投票はアーベル固定でいいや(
……襲撃どうしよう。
アーベルが通れば何処襲撃しても問題ないけど、
一番の問題はリヒトが吊られた時の事か……
その時こそアーベル襲撃したいんだけど
被ると一日伸びるという罠。
……そこまでくるとコミットでもいい気もするけどさ……うぇん。
―――…僕は武器なんていらないよ
…必要なのは其れじゃないと思うから
でも、アーベルに何かあったら、
其れで納得出来るのかい?
乙女の悩みはそれよりも大事なもの?
[磨き抜かれた銀の食器セット。鈍い光を見詰めながら、
幼馴染の彼女にそう伝えて。]
…ん、早く行こう、ミハエル君!
[二人で手をつないで、外へと駆けて行く。
早く走れはしなかったけれど、其れでも転ばぬように二本足で立って。]
― →外へ ―
/*
余談ですが。
今日のデフォ投票は。
……ライなんですよ。
占いはゲルダ。
占いがベッティだったら、ランダ神のあいは完璧だったよな、と思う。
…何処、だろう
ミハエル君、宿の外回りは探したのかい?
[どこから手をつけていいものか解らず。
手をつなぎ傍らの少年へと問いかける。]
[アーベルに何かあったら、その言葉に心は揺らぎ]
よくねぇし、納得もできねぇさ。
[自分にとっての一番はアーベルだから、悩みの先はほかならぬアーベルのことだから]
好きだから、大事だから、何より一番に思うから、悩むんだよ。
[今すぐ彼の元に、かなうならばずっと傍に、
けれどもアーベルのことを尊重するならば、彼のことを思うからこそその考えを覆し自分を押し付けることもできず]
はじめからすんなり決められるなら、こんなところに、今いねぇしな……
[自然と涙がこぼれて、出て行くゲルダを見送るように言葉は届いたかどうか]
―宿屋 厩舎―
……アル、ライ。
[物陰で音を聞いていれば、二人がもみ合っているのは解っていた。
危険も知っていた為、飛び込んで止めるという事はできなかったが。
そこにふいに―――顔を出して、名前を呼んだ。
幼い時から、変わらない呼び名を。
それでも止まらないだろう事はわかっている。
それでも。
同胞には、傍にいることを伝えてはいたが―――。]
[と、紅の眼はアーベルに感染を促そうとするリヒトを捉えるか。]
…、……―――。
[聴こえる赤の聲と共に、それに関して想うことはある。
狂人であるヴァイスルヴは、それを願ったことがあったかなかったか。
あったならば、この身故に死ぬ確率が高いことで止められたのだろうが。
おそらくは、求めることはなかった筈だ。
自らの身が持たないだろうことは白銀が一番よく知っていた。]
[手を離さぬよう、それでいてゲルダを支えるようにしながら]
外回りは見てないや。
…そうか、宿には厩舎とかもあったっけ。
[思い出したように施設の名を紡ぎ。
行ってみる?と言うようにゲルダを見上げた]
[アーベルの首筋に牙が埋まる。
傷口からは滴る赤が舌先に甘さを伝えた。
躊躇いの理由をリヒトは理解していない。
躊躇わせる為に紡いだ言葉ではなかった。
彼になら言っても良いかと思っただけ――]
――…っく、ぁ。
[元々力は込めていなかった。
だからアーベルの抵抗に金目の男の身体は退き
肩へと振りかざされた銀が青年の服を切り裂く。
白い肌が覗き薄く一筋の赤が滲んだ]
――…アーベル!
[人の姿の儘、名を、呼んだ。
怒りよりも哀しみが、強い]
[本心では連れて行って欲しかったのかもしれない。
そんなことを口にすることはないが、最後にかけられた言葉にただただ悩んで自分は]
大切にか……
[悩んだ末に]
あいつら、二人だと、心配だからな、だから行くんだぞ。
[そう誰もいない食堂で言い訳をしながら、自分も送れて食堂をでていくだろうか]
[手に伝わったのは、浅い手応え。
距離が開いたのを覚ると、その場にがくり、と膝をつく。
引き剥がす際の勢いのためか、僅かにずれた襟元から、左肩の爪痕が覗いた]
……ちょ、これ……きっつ……!
[身体が熱い。
今新たに得た因子と、ずっと抱えてきた因子。
反応して、活性化するそれらを押さえ込もうとする、呪いの血。
身体の内に巡る力の強さは、思っていたよりも、強くて。
器が耐えられる可能性の低さが、やけにはっきりとわかった]
……ん、の……。
バカ、ども、がっ……。
[今にも崩れそうになる、けれど。
耳に届いた、名を呼ぶ二つの声に。
息を切らしながら、蒼を向けた。
蒼に宿るのは、少しだけ寂しげな。けれど、毅然とした、いろ]
――…イレーネ
[肩を押さえ名を呼ぶもう一人の幼馴染に目を遣る。
銀が触れた箇所が熱を帯びていた。
痛みに柳眉を寄せる]
失態、だな。
お前さんにゃ一番見られたくない、有様だ。
[自信家で、何処か飄々としていて
頼りになる同族の者であろうとしていたのに。
けれどこれは自らの望みと甘さが招いた事だと理解もしていた]
― 厩舎 ―
[導かれるままに辿りつく場所。
二人は確かに其処に居た。
幼馴染二人、銀を持つものと――牙を剥くもの。
互いを奪い合わんとする男達の姿。]
二人ともっ!!!なに、をっ、してるんだい…!
やめなよ…!!!
[あらん限りの声で叫ぶ。
其の刹那、イレーネの姿が見えたかどうか。]
[紅の視界にユリアンの姿も、自然映ることになるか。]
ん。だって、私、嘘つくの苦手なのだもの。
[あえて謂わなかった、謂えずにいた理由を告げる。
困ったように、眉を八の字に下げるのは、
やはり嘘が下手だから信頼できなかったのだろうかということと、
それでも枷くらいにはなれていたのかという想いと]
今回の件がなかったら、子どもが自立するくらいまでは
一緒に生きれるかなぁとは思ってたよ。
でも、思ったより……――身体が持たないって判ったから。
実際に持たなかったから、
せめて、私の死が2人の……3人の為になればって……―――
[紅玉に映る光景に瞼を一瞬閉じた。
リヒトの様子に、何もできないことを口惜しむように。]
[ミハエルが先ほど探した中で言われていない場所といえばこの近くでは厩舎が思い立ち]
行って見るか。
[最後のゲルダの言葉が自分に突き刺さるような感覚を感じながら、
そこにつくのは皆に遅れてのことになるだろうか]
――…莫迦はお前もだ。
どうせ狙うならもっと楽なとこにしろよ。
[殺されて遣る心算なんて無かったけれど。
アーベルを誘ったその時から、
危ない橋を渡っている事は理解していて。
頑固な奴だから言ってもダメなんだろうと思っていたけど
一縷の望みを捨てられずにいたのも確かで]
雑貨屋 ゲルダが「時間を進める」を選択しました。
―――ライ!
[名を呼び顔を出した刹那、片方は切りつけられ片方の牙は外れた。
その光景を見て、切りつけられた片方に、先ず真っ先に名を呼んで駆け寄った。]
………銀の……!
[刻まれた傷は極浅い。
なのに酷く熱いのは、そういう事に他ならない。
それでも極少量―――
見られたくないと言われれば、緩く首を振る。]
失態だなんて………
大丈夫、これくらいなら――
[そう名を呼ぶ同胞につげ、何とか進行を抑えようとその傷の上に手を当てた。
コエが聞こえて、そちらを見上げれば、寂しい、だけど強い青色を見た。
その色に、こちらは悲しげな目を向けて。]
……そうか。
[深く息を吸って吐く。
実際には出来るわけないが気分的に]
その気持ちは、分からないとは言わない。
[死んでからだが、クロエが襲われると理解した時に同じように思いはした。強さは父となる者の方がずっと強かったかもしれないが]
俺も、騙すのは得意じゃないし。
それで何度損したことか。
[平静であろうと軽口のように返したが。
それも新しく厩舎に増える者達を見れば効果を発揮できないだろう]
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