職人見習い 裕樹は、携帯電話片手に、きょとんと*瞬いた。*

細工物屋 玲は、扇子をひらりひらり。薄墨色の花びら舞い上げる。

青年 聡は、人の気配に起きた。欠伸、一つ。

細工物屋 玲は、風呂敷包みを樹の上の青い影に掲げ、首を傾げた。

細工物屋 玲は、遠回しに肯定してゴザの上に座り、不意の叫び声に瞬く。

読書家 瑞穂は、宣言した直後に人が降って来てびっくりした。

細工物屋 玲は、桜の木の下、薄墨色に僅か埋まった金の髪を扇子でさす。

細工物屋 玲は、読書家 瑞穂に頷き、扇子を帯へと戻す。視線は再び青年へ。

細工物屋 玲は、風呂敷を解き三段重ねの重箱を開く。色とりどりの細工物。

読書家 瑞穂は、延々独り言を呟いていたが、広げられた色彩に目を見張る。

細工物屋 玲は、読書家 瑞穂に練りきりを懐紙に取り、黒文字を添えて勧めてみた。

読書家 瑞穂は、大股で歩み寄り両の手を差し出した。目が輝いている。ください。

職人見習い 裕樹は、右見て、左見て、もっかい右見て。

細工物屋 玲は、読書家 瑞穂の両の手に懐紙を乗せ、青年の返事にも口元に笑み。

職人見習い 裕樹は、いっそ爽やかに結論づけた。

細工物屋 玲は、青年 聡へも和菓子一つ懐紙に乗せ、黒文字添えて渡す。

読書家 瑞穂は、いそいそ。

職人見習い 裕樹は、次の瞬間には、桜の下に向けて歩き出していた。

読書家 瑞穂は、未亡人 綾野その場に正座してもぐもぐしながら振り向いた。食事中は静かだ。

読書家 瑞穂は、未亡人 綾野　貴様は誰だ！　[すぱーん。なかったことにした]

細工物屋 玲は、読書家 瑞穂に目を細め、かけられた声に振り向き首を傾げる。

物識り 八重子は、のんびりと桜の大樹を見上げている。

職人見習い 裕樹は、細工物屋 玲にへんにゃり笑いながら。隣で誰か殴られた気がする。

細工物屋 玲は、職人見習い 裕樹と重箱を見比べて。赤毛の少女の申し出に笑み。

細工物屋 玲は、物識り 八重子へと手を振る。空色の袖ひらりひらり。

職人見習い 裕樹は、そんなことを言いながら、ちゃっかり座り込もうとしている。

細工物屋 玲は、職人見習い 裕樹の返事に膝をずらして場所を開け、盆に茶碗や棗の準備。

小説家 榛名は、桜の木の側に、人を見つけて、「あぁぁぁっ！」

細工物屋 玲は、赤毛の少女を見送り、小さく「さよなら」

青年 聡は、突然聞こえた声に、「んあ？」とそちらを振り返り。

職人見習い 裕樹は、読書家 瑞穂をお見送りしつつ、玲の空けた場所に座る。

職人見習い 裕樹は、同類の気配に振り返った。

細工物屋 玲は、再びの叫び声へと視線を流し、首を傾げる。

小説家 榛名は、べちゃー

小説家 榛名は、転んだ。

物識り 八重子は、小説家 榛名に目をぱちくり。あらまぁ。

細工物屋 玲は、職人見習い 裕樹に頼み、おばあさまの次の分の抹茶を立てる。

職人見習い 裕樹は、に頷く傍ら、榛名が転んだのを目撃。はたり。

小説家 榛名は、カタコトだった。

小説家 榛名は、微妙に服が汚れている。ついでに転んだ膝小僧も。

少年 翔は、公園の片隅で、桜近くの喧騒を眺めている。

細工物屋 玲は、昼から夜へと変わる着物の袖揺らし、空色に映える桜見上げ。

小説家 榛名は、職人見習い 裕樹の視線に目を向けた。じー。　　　なかまのかおり。

職人見習い 裕樹は、小説家 榛名の視線にシンパシーのようなものを感じつつ、孝博を見た。

細工物屋 玲は、小説家 榛名にも手招きし、目を覚ました元死体未満に首を傾げた。

少年 翔は、風に吹かれて目測を誤り、靴は狙いを大きく逸れてった。

少年 翔は、手招きしてくれた青年に恩を仇で返す形で落ちていくのを見た。

細工物屋 玲は、青年 聡に落ち行く靴を見ながら、「晴れ時々靴」と独りごち。

研究生 孝博は、時々…後じゃなくてよかったー。となぜか安堵している

職人見習い 裕樹は、研究生 孝博や玲に答えつつ、靴の軌跡をのんびりと目で追う。

細工物屋 玲は、さり気なく重箱に蓋を翳し、和菓子の被害を避ける。

青年 聡は、ぱかん、とちょっといい音が響いたかも。

青年 聡は、にっこり笑いつつ、翔にこいこい、と手招き。

職人見習い 裕樹は、落ちた靴を拾い上げつつ、翔を見て首傾げ。

少年 翔は、笑い声に釣られた。

小説家 榛名は、涙が出てきた。笑いすぎて。

自治会長 銀一郎は、いきなり大声を張り上げた。

自治会長 銀一郎は、ぐるっと身なの顔を見回した。満足げに頷く。

少年 翔は、心の中で呟いた。人の話聞けよくそじじい。

職人見習い 裕樹は、自治会長 銀一郎の大声にも相変わらずの態度のまま、翔の言葉にぽつり。

少年 翔は、職人見習い 裕樹の呟きは聞こえないフリしながら、聡の前へ。

小説家 榛名は、袖でごしごし涙を拭って、見上げる。

小説家 榛名は、なんとなく立ち上がらなきゃいけないと思った。

細工物屋 玲は、研究生 孝博に抹茶茶椀を渡し、自治会長に袖を振った。ひらりひらり。

職人見習い 裕樹は、ちなみに靴はまだ手の中にあったりする。

小説家 榛名は、せーくらべ。

少年 翔は、小説家 榛名と目を合わせない。自分より高い位置にある目なんて見ない。

小説家 榛名は、少年 翔を「ちっちゃー」な子と思った。声？出てるの気付いてない

職人見習い 裕樹は、青年 聡と翔を尻目に、玲から承った菓子を各方面に配り始めた。

研究生 孝博は、お茶を飲んで和んでいる。靴の件は視界に入れていない

細工物屋 玲は、研究生 孝博の下ろされた手を見、バンダナ青年の手の靴に視線を逸らす。

細工物屋 玲は、重箱の蓋をそっと元の位置に戻しておいた。

少年 翔は、ちっちゃー　の声に、ぴく。

職人見習い 裕樹は、細工物屋 玲に頷きつつ、手の中の靴を見て。

小説家 榛名は、少年 翔をじーっと見た。

細工物屋 玲は、桜見るよに上向いて、幾度か瞬き。抹茶の緑に薄墨ひらり。

細工物屋 玲は、研究生 孝博へ少し潤んだ眼差しで頷き、睫毛伏せて茶碗に唇を寄せる。

自治会長 銀一郎は、配られた菓子を片手に空を見上げる。

青年 聡は、少年 翔の小声はきっちり聞こえているっぽい。にこにこ。

細工物屋 玲は、小さく舌を出して呟き、騒ぎをゆったり*見守っている*

職人見習い 裕樹は、全く悪気のなさそうな笑顔で、翔をみた。

小説家 榛名は、ぴょこぴょこと、木に近寄った。

職人見習い 裕樹は、少年 翔に靴を差し出しながら、にっこり。

細工物屋 玲は、おばあさまの褒め言葉に、睫毛伏せたまま微かに頬を上気させた。

小説家 榛名は、ぺとぺと木の肌に触った。かたい。

自治会長 銀一郎は、ばくばくもぎゅもぎゅと豪快に菓子を食している。

物識り 八重子は、自治会長 銀一郎の豪快な食べっぷりを微笑ましげに見つめている。

小説家 榛名は、手を離し、食べられていく和菓子を見る。

職人見習い 裕樹は、などといいつつ、頭に手を伸ばして撫でようとしている。

小説家 榛名は、研究生 孝博の声に、きょとんとした。じー。

研究生 孝博は、小説家 榛名に、つられるように、茫洋な眼差しを向けた

少年 翔は、メモを貼った。

職人見習い 裕樹は、青年 聡の声にのんびり返しつつ、翔から手を離す。聞こえたかは謎。

少年 翔は、当然のように、「馬鹿と何とかは」という言葉が浮かんだ。

職人見習い 裕樹は、青年 聡をのほほんと眺めつつ、銀一郎に茶を提供。

少年 翔は、あきれるしかない。

職人見習い 裕樹は、にこにこ。全く何も考えてなさげな笑み。

職人見習い 裕樹は、少年 翔とはまた別の意味で国の行く末を嘆いた。*らしい。*

未亡人 綾野は、メモを貼った。

細工物屋 玲は、ようやく茶碗を干して、ふうと一息。薄墨はらりはらり。

細工物屋 玲は、青年 聡を見上げ、登る過程で枝を離れた花びらに手の平を差し出す。

細工物屋 玲は、執事 呉羽の笑みと挨拶に手を上げ揺らす。空色と薄墨*ゆらりはらり*

細工物屋 玲は、メモを貼った。

細工物屋 玲は、空色の袖で目元をこすり、樹の幹に頭を*ことん*

細工物屋 玲は、けるに首を傾げて誘い、上から降る声にもう少し角度を深めた。

細工物屋 玲は、榛の漢字を理解していない様子で、ぱらり*扇子を広げた*

細工物屋 玲は、ゆるゆる花びら扇ぎ、やがて樹の幹にもたれて*うとうと*

職人見習い 裕樹は、細工物屋 玲＝れーちゃんらしい。

職人見習い 裕樹は、仔猫を見つけて、木の枝で戯らし始めた。*

青年 聡は、下から聞こえる声に、ゆるく瞬き。

歌姫 琉璃は、靴？と手を伸べたままに首を傾げて。

少年 翔は、*ぽーっとしている*

職人見習い 裕樹は、仔猫を抱えてくるりと振り返る。

小説家 榛名は、聞こえてきた歌声の方を見た。

小説家 榛名は、メモを貼った。

研究生 孝博は、メモを貼った。

小説家 榛名は、未亡人 綾野にもお辞儀した。

小説家 榛名は、少年 翔が見ほれて動けないのに、どうも目ざとく気付いた様子。

少年 翔は、研究生 孝博に猛抗議。

執事 呉羽は、メモを貼った。

職人見習い 裕樹は、全く状況を解せぬまま、仔猫と共に戻って来た。

少年 翔は、敬語が抜け落ちているのに気づかない。

小説家 榛名は、少年 翔が何か言ったような気がして、きょとんと首をかしげた。

少年 翔は、腕を組んで、*憤慨の表情*

細工物屋 玲は、ゆめうつつに首傾げ、賑やかな声に耳傾ける。

職人見習い 裕樹は、茶虎仔猫の前肢を上げて、新たな顔にご挨拶。

細工物屋 玲は、ぼんやりした声音で、目元をこする。扇子膝からぱたり。

自治会長 銀一郎は、ずずっと茶を啜りながら若い衆を眺めている。

職人見習い 裕樹は、青年 聡＝あっちゃん、榛名＝はるちゃん、更に猫はにゃーすけらしい。

職人見習い 裕樹は、仔猫を地面に降ろし、お腹をわさわさ。猫はごろり。

職人見習い 裕樹は、細工物屋 玲の声ににへらと笑いつつ。

職人見習い 裕樹は、仔猫を再び抱き上げて、榛名の前に。

小説家 榛名は、職人見習い 裕樹によって目の前に差し出された猫に、手を伸ばす。

歌姫 琉璃は、メモを貼った。

職人見習い 裕樹は、執事と言いたいらしい。そして呉羽＝呉さん。

職人見習い 裕樹は、仔猫は聡にきょとんとしつつ、榛名に撫でられごろごろ。

職人見習い 裕樹は、細工物屋 玲にはそう答える。仔猫はくしゅん、とくしゃみを一つ。

細工物屋 玲は、研究生 孝博に頷き、ゆきから、あき、長い髪の女性へ眼差し移ろう。

細工物屋 玲は、職人見習い 裕樹とにゃーに口元で笑み、瑠璃を見てから、ひろに手を伸ばす。

職人見習い 裕樹は、執事 呉羽に。多分不法侵入。

自治会長 銀一郎は、メモを貼った。

細工物屋 玲は、メモを貼った。

細工物屋 玲は、空の茶碗を受け取り、湯で流し茶巾で拭き、もう一服点てる。

職人見習い 裕樹は、青年 聡に答えて、仔猫と目を合わせる。互いに首を傾げたり。

細工物屋 玲は、執事 呉羽の礼にゆるゆる首を振り、ひろに茶碗を渡すべきか*迷い顔*

研究生 孝博は、細工物屋 玲に、お茶をいただいた。「ありがと」

職人見習い 裕樹は、屋敷に肝試しに来ていた子供に、お化けと間違えられたとか。

職人見習い 裕樹は、青年 聡にのんびり返し、仔猫を膝にのせてまったり*戯れる。*

執事 呉羽は、長々と成される自治会長の演説を相槌を打ちながら*聞いている*

自治会長 銀一郎は、あまり他の人が聞いてるかどうかは気にしていないらしい。

小説家 榛名は、猫にまったりしすぎた。

小説家 榛名は、そしてやっぱり猫を見る。じー。うっとり。

小説家 榛名は、八重子おばあさん、またねー！と手を振った。

未亡人 綾野は、メモを貼った。

研究生 孝博は、メモを貼った。

小説家 榛名は、メモを貼った。

未亡人 綾野は、メモを貼った。

歌姫 琉璃は、メモを貼った。

歌姫 琉璃は、少年 翔の台詞にくすくす笑っている。納得した模様。

少年 翔は、……だが、ボケが多すぎると独り言ちた。