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少年 ティル は、研究生 エーリッヒ を占った。
次の日の朝、自衛団長 ギュンター が無残な姿で発見された。
そして、消え行くもの。
運命の輪が回りだす。
紡がれるのは、如何なる結末への道筋か……。
現在の生存者は、治癒術師 ミリィ、青年 アーベル、研究生 エーリッヒ、職人見習い ユリアン、噂好き ヨハナ、少年 ティル、学生 リディ の 7 名。
[薄茶猫は掌に差し出された石に鼻先を近づけ、ふんふんと匂いをかいだり前足でつついたりと検分に忙しい]
おやまァ、なんだいなんだい。
せっかくきれいな首輪を貰った所だってのに。
光物が好きなんざ鴉みたいさねェ。
[飼い主の声にも検分は続き、やがて満足したのか飽きたのか前足を地に降ろして尻尾を揺らした。とりあえず、とるつもりは無いようだ]
まァ、それはともかく。
サイズはぴったりだったさね、いい仕事してるじゃないか。
ツィムト、ちゃんと礼ぐらい鳴いてみたらどうだい?
なのですよねぇ。
ずっと、妖精の力に護られてきた土地ですから、それが失せてしまうのは色々と良くないと思うのですよ。
[こくこく、と頷いて]
行った方が良いかも知れませんねぇ。
ずっと森にいるエーリが、その変化を感じているなら、それは何かの報せかも知れませんし。
ふうーっ!
[離れたエーリッヒの手から逃れて、一声唸る。耳はわしゃわしゃされてすっかりくしゃくしゃ、ついでに、いつの間にか出ていた尻尾もすっかり毛が逆立っていた]
[ツィムトの検分の様子を面白そうに眺める。
その間は手は出さなかった。
そのうち完了したのを見て取れば、ポケットの中に石をしまう。
それから明後日の方向を向いたのをいいことに、頭に向かって手を伸ばす。
いつかのようにわしわしと撫でたなら、首元の鈴も音を立てるだろうか]
良くない、ねえ……
でも、人間いつかは独り立ちするんだしさ。
いつまでもあると思うな、ってね。
[何処かずれた返答。肩を竦めてみせた]
んじゃ、行きますか。
本物がいるなら、いざというときの実験もしやすいし。
[何の実験をするつもりなのか。
言葉と共に毛を逆立てる猫妖精を見やってから、歩みだした]
えーと、じゃあ、夕食作ってほしそうな家を探してくるね。
[またねと雑貨屋から出て、どこへ行こうかなときょろり。]
どちらにいこうかなてんのかみさまのいうとおり
[指はあっちこっちあっちこっちとむいて、最後に止まったほうへと歩き出した。]
[森の方だから、人はそんなにいないけれど、ちゃんと道ゆく人に声をかけられた。]
うん、良いよ。
だけど代わりに。そう、材料!
ありがとう、おばちゃん。おいしいムニエル作って持ってくね。
エーリ君にもちゃんと食べさせないとだし。
うんうん、食べさせる。安心して!
―まだ木のまばらな森の入り口―
[疾走する少女は、森の入り口に生える白樺の木に抱きつくようにして止まった。]
ここから先は、騒がしくしたら逃げられちゃうかもしれないもんね。
[乱れた息を、森の空気を吸い込んで整える。]
……まぁ、そうとも言いますけど。
[何か違うような、と思いながら呟いて]
んん、実験??
[一体なんの、と思いながらも、後に続くように歩き出す。
ちょこまかと、歩き方が忙しないのはいつもの如く]
[薄茶猫はちゃんと視界の端で手が伸びてくるのを見ていたが、一応は撫でられてやる事にした。
しかし、撫でられた弾みで首もとの鈴が涼しげな音を立てると、いきなり態度が豹変]
これ、ツィムトおやめったら!
[「ヴシャー!」とか声を立てて撫でてくる手に猫パンチを放つ。派手に動く度に音が鳴るのだから、悪循環なのだが]
[その老人が、環に足を踏み入れたのは何時だったやら。
不運だったのは、かれによって呼び出された妖精らが、まだ傍にいたことだろう。
遊び相手に欠いていた悪戯ものたちは、手を伸ばして、“引き込んだ”。
その先は人の世でも魔界でも妖精の国でもない、狭間の場所――]
ええとね、それならよろしくお願いします。
うん、家にもってってくれれば大丈夫だから。
ちゃんと回収するよ。
[にこにこと笑った。]
明日はね、ヨハナおばあちゃんのリクエストだから他の人が希望してもダメなんだ。
でも、明後日の予定ないから、おいしかったら誰かに教えてくれると嬉しいな。
――んん、なんでお金持たないのかって?
内緒。
[ひらひらと手を振って、また森へ向かう。]
[もう秋だけれど、村から森まで駆けてくれば当然のように体は火照る。
渇いた喉を、近くの小川で潤し、体を冷やした。
嵐の名残を感じさせない水は澄んで甘い。]
[大人しく撫でられるものだから、こちらも油断していたらしい。
迫り来る猫パンチ。
咄嗟に手を引くが、予測していなかっただけに反応は遅く。
ぴ、と手に一筋の朱。
大した傷ではなかったが、少しは痛いらしい。
軽く眉が寄る]
いや、ほら。
とりあえず放り込んでみるとか。
[さらりと、とんでもないことを言った。
異論反論は無視して、目印などはなくとも、さくさくと森を進んで茂みを越える。
円を描く茸の元まで辿り着くのは、造作もない。
生憎そこには、誰の姿もなかったけれど]
[何か聞こえた気がして、水面を揺らす足を止めた。
じっと、辺りの物音に耳をすます。
川のせせらぎ、木の葉のざわめき、鳥のさえずり。
そして、誰かの声。]
―― 森 ――
[ぴくぴく、ぴきーんっ!]
き、き、聞こえたにゃ!おまえは極悪人にゃーっっ!!
[エーリッヒを指差してふるふると、尻尾逆立ちまくってます]
……取りあえずで放り込むって。
いくら妖精でも、それは大変なんじゃ……。
[でも、妖精だから大丈夫かなぁ、なんて。
ちょっとだけ思ったのは内緒です]
……いない、みたいですねぇ……。
やっぱり、詰め所に戻ったのかしら?
[仕掛けた本人ともなれば、起こった事を知るのは容易くて]
《ごくろうさま?》
[けらり、悪戯っぽさを滲ませて言う。
かれらが来たことで妖精は散ってしまってはいたけれど、声は届くだろう]
[一矢報いた薄茶猫は、血気に逸り追撃を加えようとする]
ツィムト! いい加減におし!
[いつものように手っ取り早く止める為に首根っこを掴もうとして、首輪に指がかかった。なんだか蛙を踏み潰したような声があがる]
すまないねェ、まだ鈴に慣れないみたいでご機嫌斜めなんだよ。
きらきらしてるから嫌いじゃないはずなんだがねェ。
ははは厭だな冗談に決まってるだろうに。
[思いっきり、棒読んだ。これ以上ないくらいに]
……ふむ。なん、かねえ。
[虚空に視線を滑らせてから、地面に落とす。
枯れた茸の内側の、青々とした草。
光を受ける露とは異なる、きらきらとした煌きが散っているように見えた]
誰?
[もうひとつ、聞こえた声に問いかけた。
『人間』の声は、森の木々に吸い込まれるばかり。
それを聞く人ならざるものはいただろうか。]
[やられた片手の傷、親指の付け根辺りに口を当てて血を舐め。
空いたもう片方の手をひらひらと振った。
気にするなという仕草。
それより首絞め状態の猫が気になるらしい]
……猫君も、落ち着くですよぉ。
[無理かなあ、と思いながらもティルに声をかけ。
それから、妖精の環を見やる。
違和感……というか。
妙に、落ち着かない感触が、そこから感じられた]
[しばらく、じいいいいとエーリッヒを睨んでいたが、やがて、ぷいと再び顔を背けて、ぺたぺたと耳と尻尾を引っ込める]
落ち着いてる、よ。
[ミリィの言葉には、そう答えて、慎重に、茸から離れた位置をくるりと一周]
やっぱりへーん。
[ひらひら手を振るユリアンの様子に安堵したものの、続いた言葉に婆は目を剥いた]
いや、いくらなんでもかすり傷一つで縊れってのはちょィと…
[まだ遠く離れた場所、
人の声は風に乗っても、かれの元には到底届かない。
けれど代わりのように揺らぐ水面。
緑に濁った澱みが形を変える。
――あなたこそ、だぁれ。
そう問い返す声もまた、楽しげに]
[一瞬聞こえたうめき声は、あの元気な自警団長のものではなかったか。
けれど、呼びかけに返る言葉はなく。
冷えて行く足を慌てて水から上げた。]
ねえ、誰かいるの?
何か、あったの?
大丈夫?
[小さく震えながら、森の木々に問いかける。
返る答えは無い。]
あわわわ、ちょィと生きてるかい?
[ぱっと離した手から薄茶猫はふらふらと離れ、ぐってりしながら飼い主に非難を込めた視線を向けた]
まあ、遊んでても仕方ないな。
[さらりと切り替え、茸へと一歩近付こうとして、
……なんだか背後から視線を感じた気がした。
振り返る]
んんん、どうしよっかな。
森の中にきても、特に誰かに会うわけじゃないし……
もう一度崖崩れのとこでも見に行こうかな。
[はふと小さくあくび]
……んん、そうだ、水取りにいかなきゃ。
雑貨屋のおじちゃん、ちゃんと毎回いってくれなきゃダメじゃんね。
どうしよう、取るもの。
……
[腰にくくりつけたままだった竹筒を手にした。]
うん、これだった。たしか。
[何だか誤解が生じたらしい。
(幾らからかうのが楽しくても)流石にそんなことは言わないと、ふるふる首を振った。手も振った。
そうしているうちに漸く気付いた飼い主により、ツィムト解放。
ほうと息を吐いた]
……落ち着いてるなら、いいんですけど。
[呟くように言いつつ、環を良く見ようと近づこうとしたら、肩の鳥がばさり、と大きく羽ばたいた]
リ、リーリエ?
どうしたのですか??
[いつになく落ち着きない様子に、きょとりとしつつ、問う。
鳥は、何かに威嚇するように羽ばたきつつ、くるる、くるるる、と高く鳴いた]
[くすくすくす。
小さな笑い声が尾を引いて、水の中に溶け込む。
面白そうな子がいるよ、
そんな報告に気付くのは、影に気を取られていたせいで遅れる]
《面白そうなの?
それはよかった、って言うべきなのかな》
[そうやって思う存分猫を撫でていたが。
ふと、手を止めて。
辺りを見渡す。
彷徨った視線は、石の入ったほうとは反対側のポケットに注がれた]
あれ、どうしたの、リディちゃん?
[なんにも気にせず歩いていたら、向こう側からはだしで駆け寄ってくる少女の姿。]
危ないよ、はだしだと。
怪我しちゃうよ?
[彼方を見つめたまま、数秒、固まっていた。
影は去りきらず、ちらちら此方を気にしている。
意識を引き戻したのは、高く鳴く鳥の声]
あ、アーベルさん!
[相手が見知った人間であると気づくと、ほっとして立ち止まった。]
こ、声が……。
ギュンターさん、だと思う。
声がしたのに……誰も、いなくて。
[自分が聞いたものを説明しようとして、上手く言えず口ごもる。]
あー
[エーリッヒの見た影を、猫の目も捕えた。多分、人間達より、はっきりと]
やーっぱ、封じられちゃったのかも、守護妖精。
[猫妖精の国には、猫妖精王がいる。だから森の妖精王は、猫妖精の上司ではないのだが、姿くらいは妖精のよしみで知ってるわけで。ついでにその親馬鹿っぷりも伝え聞いていたりもする]
……今、見えたの、って。
[昨日も見たような、と。
思うのと、鳥が飛び立つのは、さてどちらが早かったか]
え、え?
リーリエ!?
[いつも大人しい鳥の様子に、思わずおろおろと。
そうこうしている間に、白の鳥は影へと一直線に飛んで行き。
決まったのは、それはそれは見事な鳥キック]
[軽い飼い主不信っぽい猫に婆は手を出さず、誤解したユリアンにすまないねと頭を下げた。
そうして撫でられるがままの猫とユリアンを見ていて、ふと辺りを見回す様子に首を傾げる。釣られて見たが何も無い]
どうかしたのかい?
[視線をユリアンに戻し、反対側のポケットを見ている様子に問いかける]
[猫妖精の一言に、影がぴっくんと反応するのが見えた。
すささささっと移動しようとした瞬間、鳥キックを食らってもんどり打って倒れる]
……なんだ、あれ。
[呆気に取られた顔]
ギュンター、ええと、ギュンターさん?
おれは見てないけど。
エーリ君とか、見てるかな?
でも、声をきいたなら、近くだよね。
んんん……何か、あったのかな。
[悩む表情]
だいじょうぶだよ、リディちゃん。
きっと、おじーちゃんはびっくりさせようとしてるだけだよ。
だから、ほら、足、怪我しちゃうから。靴、履こう?
うめき声だったの。
小川の、ほとりで。
何か、あったのかもしれないけど。
どこにも見当たらなくて。
[つっかえつっかえそれだけ話す。
不安げな顔で小川の方を*指した*。]
[何やら眉を顰めつつ。
ポケットに手を突っ込み、取り出す小瓶。
何か中でキーキー言ってるのが聞こえるかも知れない。
よく見れば、それは翅付きの少女――典型的な“妖精”の姿をしているのだが]
……ええと。
[素で困った。
鳥は、倒れた影に突っつきで追い討ちしていたり]
リーリエ、とりあえず、落ち着きましょ?
[一応、このままでは危険と思い。
そちらに近づき、白い鳥を両腕でしっかり抱え込む]
……ええっと。
大丈夫……です、か?
[鳥を引き離した所で、そーっと声をかけてみた]
お前が言うのか。
[転がる猫妖精を見ながら、ぼそり。
追い討ちをかけられているのは、見た目には三歳児程の子供。それにしては、妙な違和感。鳥の攻撃が中断されたところで子供は立ち上がり、その正体ははっきりわかった。――妙に整った、顔だ]
……あれって、もしかして。
[その姿は、文献にも伝わっている]
/*
襲撃関係話してるリディは赤かのォ?
…と、なるとイキナリ意味ありげに白い石渡されてたユリアンも赤っぽくなるのか。
まァ、村人COしておるし、猫に検分されて困るなら石も見せんじゃろうて。うむ。見ても何も分からんしなァ。
とりあえず、狼1じゃから、イキナリ吊られ防止にCOしてくるの待ちかのォ。
うめきごえ。
……うん。わかった。それなら、探す。
だから、リディちゃん、ちゃんと靴をはくんだよ。
ええと、今は、痛くないようにしててね。
[ポケットからメモを取り出し、すらすらと図形を描く。]
[告げた言葉は、かすれるように消えて。]
/*
瓶詰め妖精!
タッジーマッジーを思い出した。
動きの悪い狂人でごめんなさい狼様。
もとから妖精の言葉が聞こえる子にしておいた方が機動性は高かったな。
何か願いがあって妖精を使役しているのだろうから、誰もいないときに妖精に話しかけてみるか。
エーリヒと直接話せる方向へは今の所どうもって行っていいのか謎です。
[くふくふくふ、と、まだ可笑しそうに笑いながら、草の上にあぐらをかくようにして座り込む。こちらを向いた影を見て、エーリッヒの言葉を聞くと]
妖精王だね!
[実に楽しそうに、きっぱりと断定した]
…おやまァ、コイツは驚いたねェ。
どうしたんだい?
いやそれよりも随分と怒ってるようだがなァ…
[薄茶猫は瓶の中で怒りに震えてる翅に、前足の爪わきわき]
……
あ、うん、大丈夫。
エーリ君のところにいこう。
そっちにいけば、きっと。
[見つからないとはいえなかった。]
[リディを靴の元へ運んで、それから、森を歩くことになる。]
[痛そうな足を治療するように願った彼の耳に、ピアスは一つもなくなった**]
[立ち上がったそれは、大丈夫か、の問いに、鷹揚に頷いて見せた。
……が、やっぱり身長のあれこれで、威厳はあんまりなかったりする]
ええと……。
[誰何しようとした所に、ティルの断定が耳に届いた。
腕の中の鳥がちたちたとするのを、ぎゅう、と押さえ込みつつ]
妖精王?
ええと、それじゃ、やっぱり。
[自分の推測は、正しかったのかと。
当たっていても、嬉しくないのだが]
飯泥棒を、現行犯で。
[ヨハナに貰った籠の中に潜んでいたのを捕まえたらしい。
飯泥棒扱いが不服らしい妖精は頬を膨らませた。
が、猫が怖いのでさっきのようには暴れない。
瓶詰なので逃げられないし]
……はあ。
[ティルに気のない声を返して、繁々と眺める。
ふんぞり返って、後ろに転びそうになっている――どう見てもお子様を]
で、王様が何の御用?
守護妖精を解雇でもしに来たのか?
[そんなことを訊ねてしまったが運のつき。
よくぞ聞いてくれましたとばかりに語り始める姿に、しまったと思ったときには、既に遅かった。いや、事情を知りたいなら、聞かなければならないのだろうけれど]
やっぱり、面白くなってきたにゃ♪
[不謹慎にもそう呟いて、妖精王を楽しげに見つめる。やがて、その口から語られるとんでも迷惑な話にも、笑顔は変わらず、話の終った頃には、そこから姿を消している**]
おやま。現行犯じゃ言い逃れできないねェ。
貰った恩はちゃんと返すのが妖精と人の間の約束事ってもんさァ。
[昔からの風習を守る婆にとって妖精は良き隣人。だが裏を返せば、ちゃんと手伝わない妖精にやるミルクも菓子も無い主義だ]
ほゥれ、頬なんて膨らませてたら可愛い顔が台無しだよ。
何で暴れてたか話したらどうだい?
[猫に怯えている様子に気付けば、にんまり笑顔で猫を手招く]
[何やら、やたらと妖精王に威嚇する白い鳥を宥めつつ、妖精王の話を聞く。
……聞いてる内に、段々と頭が痛くなってきたのは、気のせいにしておきたいのだけれど]
……はぁ。
つまり、何者かに守護妖精様が封じられて。
その犯人を、逃がさないために、封じの陣を張られた、と。
そういう事なのですねぇ……。
んん、それって、もしかして。
その『犯人』を捕まえるまで、ボクたち、村から出られないって事です……?
[伝わる伝承と、自分なりに感知・解析した結界の特性を重ね合わせて問う。
……妖精王はあっさりそれを肯定し、その様子に鳥がまたちたちたちた]
はあ……困りましたねぇ。
[事情は大体飲み込めたものの。
守護妖精を封じ込めた犯人を探さなくては、と言われても、正直困る]
……ボク、探査系はほんとにダメなんですけど。
[むぅ、と眉を寄せたまま、暴れる鳥を*ぎゅう、と抱きしめ*]
それって本当? 胡散臭いなー。
[妖精を研究しているものならば、その王に直接会えたというのは本来ならば喜ぶべきなのかもしれないが、生憎とそんな好奇心ばかりが目的ではないようで、見つめる緑は半眼になる。
……何より、王が“これ”であったという所為が大きいのだろうが]
本当は、うっかり自分がやっちゃったとか、守護妖精が役目厭になって雲隠れしただとか、実は楽しそうだから適当言ってるとかじゃないのか?
[そんな問いは肯定されるはずもないのだが、やはり信用していない、と言った態]
[妖精さん、叱られてますますむくれながらも、可愛いと言われて若干機嫌を直したようです。
猫はやっぱり怖いのか、手招かれる様にびくびくしていますが。
曰く、守護妖精様が封じられて、妖精王様がこの地にいらっしゃったと聞いて、何か役に立てないかと来たのに、こんな所に閉じ込められたのだとか。
妖精語が解せるなら、そんな話が咄々と語られるのが聞こえるだろうし、分からないなら、何故か理解できるらしい隣の彼が解説を入れた。
ミーハーな乙女の妄想も語られたようだが、以下略]
[そんな話の最中、少女を連れてやって来た居候に、手を挙げる。
落ち着きを欠いたリディアの様子に何事かと訊ね、その口から紡がれたギュンターの名と、“声”という単語に*目を瞬かせた*]
《――ってことらしいな。はた迷惑な話》
[人の言葉で為す会話の裏、器用に紡ぐ声は、妖精のことばとは言えど、かれの作った妖精の環に関与したものにしか聴こえない。まるで、澪が引かれたかのように。
はた迷惑だなんて、他者の事は言えないけれど]
《でも、面白い鬼ごっことは思わない?
あの偉そうなのに一泡吹かせられたら、尚更》
[悪戯っ子を煽るような物言い。
妖精としての本能からと、目的のために炊き付けるのと、両方だ]
…えェと、なに言ってるんだい?
おや、判るのかいユリアン!
[妖精語なんて婆に判るわけが無いから、素直に解説を求めて話の核心部分だけが伝えられる形に。
絶対に話が盛り上がった乙女の妄想は以下略されて非常に残念だが、ユリアンにはきっとおそらく幸い]
妖精王の手伝いとは殊勝な心がけだねェ。
是非とも頑張っておくれ。食べちまった分もしっかりなァ。
[右往左往してる妖精にツィムトの青い目も右左に動く。脅しているつもりは猫には無いが、飼い主にはそれなりに]
[そうして水辺を棲家とする妖精から先の出来事を聞く。
かれらのことばが分かるという人間に対しての興味を抱くと同時、口止めをしないといけないかとも、ちらり考えた。
それが誰かであるかを知るのは、まだ先らしいけれど**]
[ちなみに何故分かるのかは彼自身分かっていない。
妖精曰く、波長が合ったんだとか何とからしいが。
きゃーきゃー言いながら飛び回っていた妖精さん、不意に動きを止め。
ぴ、と小さい指先で方角を指差した]
…森?
[そっちに妖精王の気配があるから連れてけ、ということらしい。
どうしたものかと、色々聞かされて少し疲れた顔でヨハナを見上げた**]
…森、だねェ。
[妖精が指した方向を見て、ユリアンの声を肯定する]
どっちみち行く予定だったさね。
案内してくれるなら行こうじゃないか。
[疲れたユリアンと対照的に元気よく、薄茶猫を抱きかかえて森へ向かう。こんな村に住んでいても妖精をじっくり見ることはめったに無いとばかりに、婆の目は興味本位に輝いていた*]
エーリ君も見て無いの、ギュンターおじいちゃん。
……ところで、その人、妖精?
[落胆の声のあと、まじまじとそれを見る。]
すごいな。不自然な体にいても平気なのか。
ギュンターおじいちゃんがどこにいるか、知らない?
[膝をついて、視線をあわせる。]
[答えは何にせよ、とりあえず立ち上がり、エーリッヒを見た。]
[リディには聞こえないように声を落とす。]
リディちゃんが言うから、少し探してもらったんだけど、見つからなかったんだ。
あんまり不安にさせたくなくて、見つからないって言ってないけど。
ここにも、村にもいないなら、どこにいるのかさっぱり検討がつかないんだ。
……この妖精さんが関係してたり、え、王様なの?
[さすがに少し、驚いた声が出た**]
/*
そういえば。
乙女の妄想って、一体……。
元中身的には、200年たってもゆりりんはゆりりんだろうなあ、と思っているのですけどねぇ。
不意討ちであっさり捕まるところとか。
[アーベルに問われて、音量を幾らか抑えつつ、ギュンターと別れるまでの事を話す]
……もし関係あるとしたら、ひっぱたいてでも止めとくべきだったんかな。
そんな大事とも思ってなかったんだが。
[表情にまでは出さずとも、声色は幾らか暗くなる]
エーリ君、暗い。
[見上げて、きっぱり。]
暗くなっても、良いことはないよ。
エーリ君がそんなふうになってどうするの。
後悔しても良いけど、先じゃあ、どうしてたら良いかなんて誰にもわからないんだよ。
起きちゃったことは変わらないんだから、これからどうするか考えなきゃね。
一番最初は、エーリ君がそんな声にならないことだけど。
あ、でもそんな状態でいたら、ピアス一つずつ買ってくれるならそのままでも良いよ。
……仮にも王って言うんなら、わかんないのかねえ、犯人くらい。
[訪れたばかりだしこの地は妖精の気配が強いからと言い訳を口にする見た目三歳児を見下ろす。役立たず、と漏らした呟きには流石にむっと来たようだが、知らんぷり。
元々気まぐれな妖精は、何も教えてやらんとばかりに、つんとそっぽを向いてしまった]
[判り辛いよう紛れさせたのだから、当然と言えば当然の事。ひっそり隠れた悪戯妖精達は、してやったりと笑っているに違いない]
[そんなことをしていると、横合いからの声。
前半だけを聞けば、尤もだと頷いていたかもしれないが]
買ってやる理由がないだろうに。
[眼を眇め、呆れ顔。
親指で中指を押さえ、青い髪に隠れた額の前に持っていき、ぴんと弾いた。*でこぴん*]
いたた、ひどいよエーリ君。
そんなの辛気臭いのがうつるからに決まってるじゃないか。
[むぅと手で額を押さえる。]
で、知らないの? 王様。
……教えて欲しいな。
無理?
[じーっと見た。そっぽむいている姿を。]
やっぱ王様に見えないよね
[呟きが聞こえたのか、王様はもっと機嫌が悪くなったようだ。]
―森―
おやまァ、皆して集まってどうしたんだい?
それにその子は…?
[妖精王への問いも第三陣ともなれば当人からは答えが帰らず。そっぽ向いてるずんぐりむっくりな姿を無遠慮に眺めながら婆は説明を求めた。
その場の面子から返った概要に、興味半分心配半分で唸る]
ふゥむ、そりゃまた面倒な事になったもんさね。
こういう時こそ団長さんにしっかりして欲しいもんだがなァ…。
どっかで怪我してるなり手掛かりがあるかもしれんし、茸取りがてら森の中を探してみるかねェ。
─森─
[妙に不機嫌な鳥を宥めている間に人は増え。
挨拶するも、気はそぞろ]
……リーリエ、妖精王様が嫌いなのですか?
[何となく呟いた。
鳥は首を傾げた。
何となく困っているようにも見えた]
ヨハナおばあちゃん。
多分……
[近付いて、このへんには居ないと思うよと伝える。]
[それからミリィと鳥の様子に、鳥につられて首を傾げた。]
[悩みながら、妖精王を見る。
あちらこちらからそっぽを向いた妖精王も、こちらを見た。
こちらというか、正確には、腕の中の白い鳥を見たのかも知れないが。
何故か始まる、睨みあい。正確には、鳥が睨んでいるだけのような気もするが]
……それにしても、手がかりになるようなものは何もないのでしょうか。
ただ、探せといわれても、困ってしまうのですよぉ?
[鳥を宥めるように撫でつつ、一応問いかけてみるが。
機嫌を損ねたからか、それとも本当に手がかりは何もないのか、返って来たのは自分でどうにかしろと、そんな趣旨の言葉で。
その返事に、鳥はまた、物言いたげにぱささ]
[鳥にあわせるように首を傾げるアーベルに気付き、そちらを見やる]
……なんだかリーリエ、落ち着かないのですよぉ。
今までは、こんなこと、なかったんですけど……。
[困ったように言いつつ、羽ばたく頭をぽふぽふと撫で]
うーん、リーちゃん?
どうして落ち着かないんだろう……
変なことでもあるのかな。
動物って、さといっていうし。
んん……言葉しゃべれないもんね。どうしよう。
何かしってるのかもしれないけど、わからないし。
[もう少し修行を積めば、意思の疎通も円滑になるのだが、それはさておき]
妖精王様にだけ、反応するのですよねぇ。
他の人は突っついたり蹴ったりしない子なのに。
[何せ猫ですら、敵性判断はしてないような鳥である]
でも、何かは感じているのでしょうねぇ……。
この子も、それなりに魔力は持ち合わせてますし。
少しは移って大人しくするといい。
[アーベルの抗議は切り捨て、やって来た老婆と見習いの青年には簡潔な説明を。
それから薄茶の猫やら白い鳥やらが、妖精王と名乗る赤子を睨むさまを、少し離れた位置から見る]
腹減って気が立ってるんじゃないか。
[すっかり冷めたパンを千切ってみたり]
偽者……?
[その可能性は、あんまり考えていなかったので、思わずまじまじ、と妖精王を見た。
さすがにというか、妖精王、憤慨したように否定しております。
そして、鳥は何故か、疲れたようにくるる、と鳴いた。
何かを否定しているっぽいのは何故なのか]
だって本物なら何かしっててもよさそうじゃない。
こんな意地悪なこと、いくらなんでも王様がするなんて思えないよ。
[憤慨していても、むぅとして言った]
……リーちゃんどうしたの?
これが、村の人たちを脅かす不審人物ですか……。
[多少なりとも見知った人間が集まる場所にいれば先の心細さもだいぶ消え、怯えていたことを誤摩化すように、物珍しげに不審人物を眺め回した。
まだ少し不安だから、アーベルさんの背後から。
その手に棒でもあれば、つんつんとつつき回したかもしれないが。]
ユリアンさんの絵、やっぱり似てるなぁ。
パン、食べるんですか?
主食はなんなんだろう?
[初めて見る生き物を物珍しげに眺める。
パンをちぎる青年に激高する様が面白くて、くすくす笑った。
その目には少しずつ好奇心が戻っている。]
そうですよねぇ。
……もしかしたら、ほんとに何もご存じないのかも知れませんけど。
[さらっと言った言葉は、もしかしたらイタイ所を突いてしまったのかも知れない。
妖精王、思いっきり、目ぇそらしました]
リーリエ、どうしたのですかねぇ、ほんとに。
御飯はちゃんと食べてるから、お腹空いてるって事はないと思うんですけど……。
[くったりとした様子に、よしよし、と撫でてやる]
リディちゃん、大丈夫だよ。
こんなに人が居るから、怯えなくても。
[にこにこと笑った]
へー、みんなじゃあもしかして、不審人物って自称妖精王を見てたんだね。
絵ってことは、そうだよね。
[それから、エーリッヒの言葉に、こっくりと頷いた。]
本物でも偽者でもなにかあるんじゃないかなって思うから、いいんじゃない?
変だから、いやなんじゃない?
[鳥の様子を見ながら、そんなことを言った。]
[何が起きても積極的に止めることもない。]
[*傍観の姿勢*]
[その生き物が白い鳥に牽制される様を見ていると、自身も調子に乗って手を伸ばした。
柔らかそうなほっぺたをつついてみる。]
あ、ちょっと可愛いかも。
放り込む……ですかぁ。
んん……どうなんでしょうねぇ、それ。
[エーリッヒの言葉に、ちょっと首を傾げる。
止めるつもりは、あんまりないらしい]
…あァ、なるほど。
あのずんぐりむっくりなんはこの子だったんだねェ。
[リディの声にユリアンのツィムトの検分中に見た地面の落書きの意味がようやく判って一つ頷く]
おやおや、パンだけじゃ流石にねェ。
妖精は食べもんにゃ案外うるさいからなァ。
事態の収拾頑張ってくれるんなら、もうちっと美味い菓子ご馳走してもいいんじゃが。
本物でも偽物でも、不審人物には変わらないんじゃないかなぁ。
[アーベルの言葉を真似るようにして呟いた。]
放り込むって、崖にですか?
蜂蜜たっぷりのパンは妖精の好物、って言うからね。
[甘い黄金色を塗りつけたパンのかけらを放ると、つつかれていたお子様はしっかり反応した。見事にキャッチ。おお、と拍手した]
失礼な。
オットーさんのところのパンは美味しいんだよ、ヨハナ婆。
[悪戯ものたちは地に染み付いた妖精の気配に紛れてそう遠くない場所にいるらしく、老婆のことばを聞きつけて、妖精王を相手にするなら、ごちそうが欲しい、なんて言いだす]
《あんまりわがまま言うと、パンもあげないよ?》
[かれの言いように、不満そうに木々を揺らしてざわめかせる]
…偽者じゃあないと思うが。
[ぽつり。
妖精王に向けて黄色い声を上げている妖精入りの瓶を、片耳塞いで遠ざけつつ。
妖精界では体型とか関係なさそうです]
流石に崖に放り込むのは。
[リディの疑問の声に振り向く。
風が吹いたか、揺れる木の葉が音を立てて緑が舞った]
そこの環の中、何か起こるかなって。
[茸の作った円を指し示す]
あァなるほど。蜂蜜つきパンならそりゃいいさね。
オットーさんのなら尚更だよ。
[しっかり反応した妖精王の様子を見て、エーリッヒにそりゃ失礼と肩を竦めた。笑うまで行かないのは、アーベルから耳打ちされた団長の行方が気になるからだ]
[正直な話。
何が起こるか、なんて、かれにも分からない。
本来、異なる界に繋がるはずの路が、おかしな風に捻じ曲がっているのは確かなのだけれど]
[妖精王を見ている無口な彼は相変わらず無口だが。
「妖精王ってこんなんなのか」という何とも言えない複雑な気持ちが、ありありと表情に浮かんでいる]
[ざわり、風のざわめきに紛れてまた声が聞こえる。
楽しそうなくすくす笑い。キイキイと強請る声。
そして、聞き覚えのある]
[蜂蜜つきのパンをしっかりキャッチした妖精王に鳥が向けるのは、何故か疲れたような視線。
どこか諦めたように見えるのは気のせいか、何か理由があるからかは定かではないものの]
……一応、本物で間違いない……のかしらぁ?
[瓶の中で黄色い声を上げる妖精の姿に、ぽつり、と呟いてみたり]
そこの、環……?
[地を指し示す青年をまじまじと見る。
瞳はゆっくりその指先から柔らかな草へ。]
あ、あー!
これこの間の。なんですか、これ?
[そういえば、遅く帰ったことを咎められたから、この不思議な環のことを母さんには聞いていない。]
おや…あらまァ。
[黄色い声と猫の動きに釣られて振り向いた先、ユリアンの表情に婆はちょっとばかり気の毒そうな目を向けた。名前の由来を考えれば同情の気持ちが湧かずにはいられない]
ふゥむ、妖精が本物って言うなら本物なんだろうねェ。
ちょィとお待ち、坊。
輪っかに放り込んでどっか行っちまったら、村を覆ってる封印ずーっとこのまんまになるさね。
仮にも王の封印ってなら、ちっとやそっとじゃ解けやせんじゃろ。
[王を輪の中に放り込むなんて言葉が聞こえて、抗議の声を上げる妖精さん。
彼女にアレの何処がいいのか、などと聞いたら最後、それこそ小一時間ほど妖精王の魅力とやらについて語り出すだろう。
…結局はその異様に整った顔に収束するのだろうが。
騒ぐ妖精さんとは全く対照的に、彼は妖精の輪に視線を向ける]
え? ……ああ、そうか。
リディアは越して来たばかりだから、詳しくないんだな。
[手をパンに夢中な見た目三歳児の首根っこへと移動させつつ、リディアの問いに、はたと気付いて、ひとり納得したように頷いた]
これは妖精の環って言って、一般には、妖精の宴の跡って言われてる。
小さな妖精たちが、輪になって踊ったんだってね。
今回は、それにしてはどうにもおかしいみたいだが。
あー……。
[止めに入ったヨハナの指摘に、惚けた声を上げる]
ですねぇ、確かに。
まだちゃんと確かめてはいないですけど、結界の構成式はかなり複雑みたいですし。
……かけた本人以外が解くには、相当大きな力が必要になる気がしますねぇ……。
[そちらの方面には、一応特化しているので、そのくらいは読める。らしい]
/*
うーん。前村を読んで来た方が良かったかも。
ユリアン・フェーダが村でどのような位置づけなのかがよく分かってない……。
この村のユリアンの由来はそれで。
レーゲンボーデンはいつどうやって作られたんだろう。
―― 森のどこかの木の上 ――
[いつの間にやら、人の環から外れて、なにやら弄り倒されている気配の妖精王のことも気にせずに、高い木の枝に座って足をぷらぷら]
ふんふんふん♪
そも、妖精の国は時の流れが違うと言うしなァ。
王の気が向いて戻ってくる頃にゃ、わたしゃもういないさね。
[ぶら下げられた妖精王とぶら下げてる青年を見て、困った溜息]
《……うるさいのがいるなぁ》
[意識は見習い職人の青年の許の、小妖精へ。
ことばが理解出来たとしたって、かれのぼやきは、彼女自身の声に掻き消されてしまうだろう]
[威厳の欠片もない妖精王の姿に、生まれて初めて守護妖精に同情の気持ちが沸く彼であった。
それは兎も角。
漸く止んだ黄色い声の元に目を向けると。
瓶詰妖精さんはじぃっと輪を見つめています]
お、おおー。
[まだピンと来ていないような声で首を傾げる。]
これに、この不審人物さんを放り込むと何かあるんですか?
あたしが踏んじゃった時は何もありませんでしたけど……環になって踊ってくれるとか?
……ふむ。
[色々な抗議の声はさっくりと無視するものの、婆の台詞には考え込む様子を見せ]
また、面倒臭いんだな。
それで、妖精王サマは、この事態に対してどうしてくれるわけ?
[やっぱりそっぽを向かれた。
ので、手を離した。
べちゃと地面に落ちる、妖精の国の王]
[思い留まったエーリッヒの様子に、ちょっとばかり安堵の息。
妖精の輪が普通で無いことがよく判らない婆にはリディが輪を踏んだ事に対する驚きは薄く、むしろ落とされた妖精王に驚きを取られて近くに寄った]
ありゃま、大丈夫かね?
しかしまァ、坊や村のもんの気持ちも判っておくれ。
守護妖精がいないだの結界だの…団長さんの行方不明だの、気も立つってもんさ。
それにさね、わざわざ妖精王が村までお出ましになったからには、期待もしたくなるってもんだ。どうにか機嫌を直してもらえんかねェ?
[背後のエーリッヒを振り向き首を傾げる。]
ええと。
あたしにはみんな何を言ってるのかよく分からないです。
[高くて良く聞き取れない妖精の言葉も、言語は分かるけれど、意味のよく取れない不審人物の言葉も。]
大丈夫かと聞かれれば、この通りお腹が減った以外は元気ですが。
[べちゃり、と落ちた妖精王の姿に、あららぁ、と声をあげ。
妖精の環を踏んだ、というリディをまじまじ、と見やる]
……触れても、何もない……と、いう事なのかしらぁ?
あ、ええと。
無闇やたらと触らない方が良いと思うのですよ。
気がつかない影響とかも、あるかも知れませんし。
[茸をつつくリディの様子に、ちょっとわたわたとして]
……でも、ほんとに何ともないのですかぁ?
[ないならないで、それに越した事はないのだけれど。
やっぱり、ちょっと気になるらしい]
……まあ。
わざわざ実験せずに済んだ、ってことになるかな。
本当に影響がないのかは、わからないが。
[お腹が減ったという少女に、残りのパンを、要る?と差し出した]
[そこはそれ、年の功というやつで妖精王をおだてて機嫌を取り、なんとかしてもらえないだろうかと水を向ける。
さんざん蹴られたり突付かれたりぶら下げられたりした後ではそれなりに効果はあったらしく、妖精王はふんぞり返って偉そうに口を開いた。周りに蜂蜜が残ってるのが、いまいち決まっていない]
……なァるほどねェ。
怪しそうなんを別の結界に放り込んでもらえるんじゃな。
で、その怪しそうなのはどこにいるのかさね?
[返事が無い。
なんだか無闇に整った妖精王の顔が引き攣ってる気がする]
帰りが遅くなって母さんに怒られた以外は何もありませんでした。
あとは……えーとえーと。
[リディに重ねて問われると頭を抱えて考え込む。
エーリッヒにパンを差し出されると顔を上げ、少しだけ困った顔で首を傾げた。
パンはしっかりと受け取る。]
……それは、怒られますよぉ。
女の子が一人で遅くまで出歩けば、心配されるものです。
[かくいう自分の事は棚に上げていたりするのだが]
あららぁ、ええと、そんなに悩まなくてもよいのですよぉ?
落ち着いて、ゆっくりと。
後からでも良いのですから、ね?
[頭を抱えるリディの様子にそちらに歩み寄り、宥めるように肩を叩く。
ついでに、気持ちを鎮めるごく弱いまじないもかけてみたり]
[矢継ぎ早に問いかけたのは拙かったかと、少女の事はミリアムに任せ一歩引く。
妖精王はと言えば、老婆の飴が効いているようだから、其方も置いておくことにした。別の意味で、芳しくない気はしたが。
腕を組んで口許に手を当て、周囲を眺める]
[肩にあたたかな温もりを感じると、小さくそちらに寄った。
ぐるぐると迷う瞳はひとつに落ち着き。
肩に触れる少女に笑顔を見せる。]
はい。難しいことは考えないで後回しにします。
宿題と一緒のコツですね!
[余り自慢にならないことを爽やかに言った。]
《ああ。混乱させたなら、ごめん。
でも、その様子だとやっぱり聴こえるみたいだね。
あの環のせいかな、面白い》
[ことばの通り、楽しげにかれは言う。
悪戯ものとは違う話相手が出来たことが嬉しいようで]
[向けられた笑顔に、落ち着きを察してこちらもにこり、と微笑む]
そうですねぇ、考えすぎてもわからない事は、ちょっと置いて置く方が良さそうです。
……でも、宿題では、そのままにしちゃダメですよぉ?
[爽やかな例えには、やんわり突っ込み]
[ついに一筋の汗がたらりと伝った所で、妖精王は逆切れの如くお前達も探せばいいとか言い出した。ちゃんと見つけたならそちら優先で結界に放り込んでくれるらしい。
あまり苛めてまた拗ねられても困るので、そこら辺で追及を緩め]
あァ、わかったよゥ。
ただの婆に何か出来るとも思えんが、探すだけは探してみるさね。
お前さんも王なら王らしく、しっかり頑張っておくれさねェ。
[猫を降ろして前掛けから布を取り出し、妖精王の口元を拭う。
ついでに頭を撫でる様は妖精王にお願いと言うより、孫扱いっぽい]
リディちゃんが平気なら、おれも踏んでみよっかな。
[だけども、現状保持を求めているのを聞いて、やめた。]
[それからヨハナが聞き出したことを、頭の中で整理する。]
[流石にちっちゃい声で呟いた。]
王様が一番怪しい気がするけど。
……あ、エーリ君、おれもパンが欲しい。
[とりあえず見上げた。]
[頷いてパンを食べるリディの様子に、こちらは大丈夫かな、と思いつつ。
ちら、と視線を向けるのはヨハナと妖精王。
ちなみに、白い鳥は飛び出さないようにと片腕でしっかりと抱え込んでいる]
はぁ……。
探すにしても、手がかりとか。
せめて、何のためにか、でもわかればいいんですけどねぇ。
[その辺りの情報を、妖精王に求めるのは無理かしら、と。
思っていても、一応、口には出さない]
―― 森のどこか ――
Purple, yellow, red, and green♪
The king cannnot reach it, nor yet the queen♪
[歌いながら、とんとんと枝を伝って地面の上に]
やっぱり、あいつも、アレが欲しいのかな?
[くすくすくすと笑いながら、駆け出そうと、して]
[再びキーキー言い出す瓶に目を向ければ、こちらも妙に偉そうな態度の妖精さん]
…こいつが証明してくれるそうだが。
[曰く、今地上でうようよしている奴等は無理だが、結界に取り込む一瞬くらいは正体を見破れる。偉大な妖精王様が間違うなんてあり得ないが、そうまで言うなら自分が視てやろう、と。
そんな大言が翻訳される傍ら、ふん反り返る妖精王の顔が引きつったままなのには全く気付いてないらしい]
あ、泥棒猫……じゃなくて、ティー君どうしてるんだろ。
大丈夫かな?
[猫つながりで思い出した]
またたびとか森の中にあるけど。
さすがに近付いたりはしないよね。
[が、妖精を見ていた目は、エーリッヒの答えに思わずそちらを向く。]
エーリ君、かなり食べたでしょ。
酷い。酷いよ!
エーリ君の食いしん坊!
[まるで子供]
……証明?
[ユリアンの言葉に、そちらを振り返って、きょと、と一つ瞬く]
ええと、その妖精さんには、何かを見抜く力がある、という事ですかぁ?
[それはそれでよい事だとは思いつつ。
間違ってた場合、凄く気まずいんじゃないかしらぁ、と思ったのは、一応、秘めておいた。うん]
[飼い主にまた抱き上げられる前にと、薄茶猫はするりと足元を離れる。そしていつものように白い鳥を狙おうと目をやり、抱えられてるのを見て興味をなくしそっぽを向いた。
そのはずみに目が合ってしまったアーベルに「ミ゛ァゥ゛(なんだよ)」と不機嫌そうに鳴く。
丁寧に磨かれ透明度を増した青みを帯びた石の首輪と硝子の小さな鈴は可愛らしいが、目付きと態度の悪さは相変わらずだ]
[この道はいつか来た道〜と、思う余裕も無く、妖精の環の周りに集まる人々の間を駆け抜ける。その後からどどどと土煙をあげて、特大イモ虫が通過していったとか]
はいはいはいはい。
[アーベルの抗議は聞いちゃいない。
思いっきりスルーした]
宿を貸すとは言ったが食事の面倒見るとは言ってないし。
/*
そちらが霊能さんですかぁ。
……ええと、占いはどこでしょう?
というか、守護先どうしましょうねぇ……。
初回は、狙われそうにないところに合わせないと。
[しょんぼりしたところで目が合った猫に、不機嫌そうにされた。]
んんん。
……猫君、似合ってるよ。
[かわいらしい首輪に、にへらと笑った]
またたび、おいしかった?
……て。
ええっ!?
[首を傾げていたら、何かが通り過ぎて行った。
が。
通り過ぎて行ったものは、あんまり見たいものではなかった]
……い、今の。
錯覚、ですよ、ね? ね?
[誰にともなく、必死で同意を求めてみたり]
[走って走って走って走って、実はすでにゴギー婆さんが土の中に消えてしまったことにも気付かずに]
みぎゃー!みぎゃー!
ごめんにゃさいにゃーーーーっっ!!
[どうやら、嫌な思い出があるみたいです、はい]
おや、そうなのかい?
それならツィムトに食べないよう良く言い聞かせとかないとねェ。
[ユリアンの翻訳と鈴におびえた妖精にそう言って、降ろした飼い猫を探す。その目の前をティルと巨大芋虫の追いかけっこが通過して、思わず口をあんぐり]
…ゴギー婆さんに怒られるとは、らしいというかなんというかねェ。
[果実を守る芋虫妖精がいきなり襲うとは思わずに、そんな感想]
[疑い向けられて膨れる瓶詰妖精さん。
だが恐らくその指摘は正しい。
と、横切る小さな影。
その後に続く巨大な虫。
びっくりしたらしい彼の手から、妖精入りの瓶が落ちて転がった]
[しょんぼりしながらエーリッヒに返す――]
そりゃそうだけ
[ぴたり、止まった。]
[さっき言ってた猫が、猛ダッシュで走ってきた。]
……普通の芋虫じゃないだろうな。
うん。
[腕を組んだまま頷き、転がっていった方向を見やった]
ここに住んでいる妖精とも思えなかったが。
錯覚錯覚錯覚。
[ぶつぶつぶつぶつ。
何やら、自己暗示モードに突入したらしい]
何も見てない、見てない、見てないのですっ……。
[正確には、見た事を認めたくない、かも知れない。
幼い頃から見知った相手であれば、この反応の意味はすぐにわかるだろうが。
とにかく、イモ虫毛虫の類だけは、どうにも苦手だったりする]
錯覚じゃァないなァ。
わたしゃまだそこまで耄碌しとらんよ。
[ミリィの希望をあっさりと否定し、ひき潰されかけて慌てて逃げてきた飼い猫に目を向ける。さすがに驚いたらしく、転がってきた小瓶にも襲いかかる事なく前足だけを伸ばして恐る恐る突付いてる程度。
妖精さんからはピンク色の肉球がガラス越しに迫って見えてるので結構怖いかもしれないが]
あー。
ミリィ、大丈夫か?
[何処か遠くに言っているミリアムに近寄り、芋虫の通った跡は視界から遮りつつ、目の前で手を振ってみた]
うん、見てないな。見てない、見てない。
[お子様扱いで、頭を撫でようと手を伸ばした。
のは、固まった直後の事]
…おや、ゴギー婆さんはこの森にゃ住んでなかったのかい?
ずっと小さな頃から言い聞かされていたんだがねェ。
[エーリッヒの声に不思議そうに青年を見上げる。
一目見てあれが果樹園を守る妖精のゴギー婆さんとわかった程度にはよく耳に馴染んだ名だが、実際に見たのは初めてだ]
[暫く唖然としていたが、近くの茂みに分け入り。
飛ばされた先で頭でも打ったらしく伸びている妖精王を引っ張り上げた。
指差し示しつつ、こいつどうする?と首を傾げた。
瓶詰妖精さんは瓶詰妖精さんで、落ちた衝撃で気絶しているようです。
迫り来る危機(肉球)にも気付かずに]
……ふぇぇ。
[なんかもう、色々とテンパっているらしい。
ようやく出たのは、今にも泣きそうな声]
なんで、あんなのがいるですかぁ……。
今まで、見た事ないですよぉ……?
[基本的に、悪さしなければ遭遇しない妖精だからというのはさておいて。
苦手なものの巨大化版の通過は、色々とショックだったらしい]
…あらま、あそこまで苦手とはなァ。
ちょいとツィムトおやめったら、おやめ。
それは食べちゃいけないよ。
[言っちまったのは仕方ないとミリィはエーリッヒに任せ、猫に弄ばれてる小瓶の妖精さん救出にかかる。
どのタイミングで気絶したのかは知らないので、なんだかぐったりしてる様子に目を剥いた]
あわわわ!
ちょィとユリアン! 妖精が…!
こっちかな。
[なんだか大変そうだった人たちは置き去りにした。]
……うーん、まあいいや。てきとうに行こう。
おー
[やる気なさそうに呟いて、]
あ、きのこだ。
食べられ……ないな。これは、多分、わらいだけ。
[あたりを見物しながら、進んでゆく。]
俺も、じっちゃにはよく聞かされたけどね。
[ヨハナの声に顔だけを向け]
渡って来たっていうなら別だけど。
そもそもああいうのって、もっと西に住んでるんだよ。
それに、ここって仮にも「妖精に祝福された村」だから、悪戯をするような妖精は早々いられないらしいんだ。居心地悪いのかな。
子供を脅すための、話にすぎないんじゃないか。
[眉を寄せて、憶測混じりといった様子で言う。
何にせよ、あれだけはっきりした形で見えるのは珍しいだろう]
[面白い……のだろうか。
楽しげな声響きは普段聞く彼の声とは違っていて。
これがどういう意味なのか問いかけようと口を開いた。]
あぁ、もう、泣かない、泣かない。
[宥めるように、ミリアムの頭を撫でる。子供ならばともかく、もうすぐ大人になる少女に対しては正しい対処なのかは置いておくとして]
……さあ、わからないけど。
これも、守護妖精の封じられた件と、関係ある……のか?
[問いかけようとして、ようやっと、妖精王も被害にあっていたことに気付いた。ユリアンが摘み上げているのを見て、もう片方の手で、手招いた。
右手の怪我は完治したのか、熱の気怠けさも既にない様子]
おーい、ティー君?
……困ったな、寝てる。
でもどうしてこんなところで。
もしかして寝てるんじゃなくて、倒れてるのかな。
[少し悩んで、その先へ行こうとして、ぶつかった。]
[慌てた声に目を覚ました妖精さん、迫る猫の肉球に驚いてきゃーきゃーと瓶内を逃げ回ります。
鈴の音が遠ざかるのにも気付かないくらいとても元気です。
片やぶら下げられたまま未だ気絶している、誰にも気に止められない妖精王。
白目に半開きな口が何だか不気味です]
[言おうとしていた言葉も思考も、全て目の前を通り抜けて行った怪異に持って行かれる。]
り、竜?
[地を疾走する巨大な長虫に、出て来たのはそんな言葉。
その前を悲鳴をあげて駆けて行った少年の存在は奇麗さっぱり忘れ去られている。]
……いたい。
何、これ。
ううん、あんなはやかったし、ぶつかったのかな。
[つんつんとティルの頬をつついてみた]
仕方ない。
待とう。
運ぶのは骨が折れるし、仕方ないよね。
[頭を撫でられ、少しは落ち着いた。
冷静だったら、子ども扱いに何かしら騒ぐところだろうが、今はそこまでの余裕はなく]
……守護妖精様が、封じられた、影響……。
守りの力が、弱まったから、という事、かし、ら?
[とりあえず、思い付きを口にする事で思考整理をしようと切れ切れに呟いた]
[エーリッヒの手招きに従ってそちらまで歩いて行き。
妖精王を突き出す。
本人は意図していないが、目前に迫る妖精王の顔は大層恐ろしく映るだろう]
[後を追いながらも、背後の騒ぎも気になるようで、ちらと背後を振り返った。
その脇を薄茶猫が追い越して行く。
猫の鈴がちりんとなれば、それに呼ばれるように猫を追って。]
あらま、生きてたわな。
[はっと気付けばキャーキャー言ってる声が聞こえて、婆はようやく狼狽から立ち直った。
突き出される妖精王の顔からなんとなしに妖精さんの視界を遮りつつ、ユリアンに瓶を差し出す]
ほれ、落しものだよ。
怪我が無いか聞いとくれ。
なのかね――
だとしたら、村も見に行かないと危ないか
[も。
言い終わる前に、突き出された妖精王の顔に、今度は彼が固まった。
ミリアムにとっては背後の出来事であるのは幸いと言えるのか]
んん、どうしよう。
どうしたらいいとおもう?
[猫に、猫の扱いを聞いた。]
ここでまってたら、起きるかな。
――あれ、リディちゃん? ついてきたの?
/*
ちなみに妖精さんは某アの人の村用に考えていたキャラのアレンジだったりします。
エインセルです。
ちょっと頭の足りない子です。
[少女を身軽に追い抜いた猫は、一足早く二人に近づき様子を伺う。
アーベルにて招かれると、警戒しつつもぎりぎり手の届きそうな範囲へと近寄った。マタタビとか褒められた事は覚えていたらしい。
青年と透明な壁と気絶した少年を胡乱気な目付きで見上げて一声。「ナ゛ァゥ゛」]
《……ゴギー婆、お手柄だけど、やりすぎっ》
[恐ろしいよりかれにとってはおかしくて、笑い出しそうになる]
《せいせいしたって?
そりゃ、そうだろうけどねえ。
捜すほうも……まあ、婆さんにゃ向かないか》
[揺れる猫の尻尾を追ってぱたぱた歩く。
ついでに、辺りに生えるキャットニップをもぎ取って、尻尾に合わせて振り振り。]
あれ?
芋虫さんは?
[長虫の後を追って行った筈のアーベルを見つければ首を傾げて辺りを見回した。
見回した後、ようやく足下の猫少年に気づく。]
[こちらはこちらで、ゴギーに驚いた弾みで、瓶詰妖精さんのことは忘れていたらしい。
エーリッヒが固まるのを余所に、空いた手で瓶を受け取る。
キーキーと文句を言っているらしい声に眉を顰めながら、無事らしいと頷いた]
[虚ろな妖精王の顔を見ずに済んだのは、多分、幸い。
それでも、ゴギー婆さんの通過に比べれば、ショックは軽いだろうが]
……村……見に行った方が、いいのかし、ら。
[あんまり行きたくないようだが]
守護妖精様が、封じられた事と関わりがあるなら。
今の、は、封じた者が呼び出した……とか、かしら。
芋虫、いなかったんだよ。
……あ、叩いちゃダメだよ、猫君。
ティー君が起きたら、叩かれちゃうよ?
[ぺしぺししているから、思わず注意]
[顔を背けるエーリッヒに首を傾げ。
一旦引いて、妖精王の顔と御対面。
…やっぱり顔を背けた。
地面に落としてしまわないのは、多分最後の良心]
……あれは、森や果樹園にしか出ないらしいから。
多分、そっちの方が安全。
[後半には首を傾げて、答えを求めるように妖精王を見ようとし
て、やはり直視出来なかった]
肝心なときに役に立たないな、こいつ。
[環に落としておくべきだったかと、本気で思った]
[ユリアンに瓶詰め妖精さんを渡し、無事を聞いてほっと笑う]
いやしかしなァ…何と言ったらいいものか。
探すにゃ自衛団の手も借りたいところじゃが、坊の言うように妖精が普段居つかないとかの話や…妖精王のそんな姿見せるのもあれじゃしのゥ。
[目を背けはしなかったものの、婆の評価もそれなりに酷い*]
あまり大事にせず、こっそりと探した方がいいのかねェ。
んん、とりあえず起きるまでまとうか。
猫君、誰か呼んでこれたりするかな?
[猫に尋ねて]
リディちゃん、ええと、そうだね。
少し運べるか、試してみる?
それとも待ってる?
[少女に力仕事をさせるのはなぁと、思ったようだった。]
……猫君、あとでマタタビあげるね**
[それで封じられたのなら、楽だったのに。
閉じ込められるのはごめんだけれど、順序が変わるだけだから。
そう、ことばにしようとして、声の聴こえる少女の事を思い出す。
さて、どうしたものだろう。
面白くはあるけれどと、内心首を捻った]
んー、こっちに来たとおもったんですけど。
向こうに戻っちゃったりとかした訳じゃないよね。
……向こうでは何か楽しいことでも起きてるかなぁ。
[自分が背にして来た人たちを思い出して、少し後ろを振り返った。
ティルに向き直ると、アーベルと薄茶猫の隣にしゃがみ込む。
前足の代わりにキャットニップでぺしぺしぺしった。
主に猫少年の鼻の辺りを。]
……起きないですね。
[ツィムトはアーベルの制止を可愛げの無い目つきで一瞥しただけで、ぺしぺしぺし。爪を出してないからいいだろみたいな態度。
途中からちょっと楽しげに尻尾が揺れてるのは、ティルの家屋侵入の件でとばっちりで怒られた恨みが云々。
目を覚まさないのと飽きたのとで暫くすれば止めて、代わりに少女の手で揺れるキャットニップに目が釘付けになるのだが*]
そうなんですかぁ……。
[出る場所が限られる、という言葉に、ほっとして息を吐く]
でも、何とかしないと、危ないかしら……。
果樹園は、これから、忙しいですし。
さっきの調子で走り回られると、大変かもです。
[ようやくいつもの調子に戻り始めたようで、口調も落ち着いてきた]
妖精王様にも……わからない、みたい、ですねぇ。
[ちらりと見て、それ以前の問題なのは、さておいた。
ちなみに、白の鳥は役に立たない、との評価に同意するようにくるるる、と一鳴き]
寝てる訳じゃないのかなぁ。
[目を覚まさない少年を見て、首を傾げた。]
運べるかはちょっと難しいですが、転がすなら出来ます!
……駄目ですかね?
運び手が必要なら、あたし呼んできます…けど、どこに運ぶんでしょう?
[アーベルと猫を交互に見て首を*傾げた*。]
……大事にせず、ですかぁ。
ですねぇ、守護妖精様が封じられたとか、観光課さんたちには大打撃かも知れないですし。
[なんでかんで、主要産業の一つが観光な田舎の村。
そのネタ元とも言うべき守護妖精の不在は、多くの観光客が足止めされている現状、色々とマイナスイメージになる可能性は高く]
……でも、どうやって探せばいいんでしょ?
[結局、疑問はそこに*行き着くらしい*]
[どうしたものかと息を吐く。
半ばエーリッヒの言う通り、捨てようと思い始めていたかも知れない。
と、漸く気付いたらしい妖精王。
じたばたと暴れた挙げ句手から逃れ、改めて振り返れば、取り巻く視線は何だか冷たかった。
それを見た妖精王、1歩、2歩、後退りし…逃げ出した。
きらきらと後を引く涙。
が、数歩行ったところでべしゃっとこけた]
[落ち着いて来たらしいミリアムを、最後に一度撫でて]
わからないなら、ここにいても仕方ないし……
まあ、適当に動くかね。
[面倒臭いけど、仕方ない。
そう呟いて、口許に手を当てた。
とは言っても宛てはなく、結局、至るのはミリアムと同じ疑問。
こける妖精王を見やる目は、実に冷ややかだった**]
/*
妖精を使えなくても、描写をするのはおっけ?
別に妖精を使う必要は無いのですが
赤で話を動かしているのがエーリヒだけで申し訳ない気が。
とりあえず、ユリアンは霊で確定として占い師どっちだろう。
[ちなみに瓶詰妖精さんは未だに文句を垂れるのに夢中で、そんな妖精王にはさっぱり気付いていなかったりした。
ミリィの言葉に]
コレも、探せはしないからな。
[軽く瓶を爪弾き。
コレ扱いに憤慨する妖精の声に、片耳を塞いで*溜息*]
[少女がこの事を口にすれば、かれは捕まってしまうかもしれないけれど。
今の状況は楽しいし、いざとなれば封じてしまえばいいか、なんて考えて。
口に当てた手の下で、唇が弧を描く]
《……リディア、聴こえる?
楽しいことと、お宝には、興味あるかな》
[妖精王やら猫妖精やらのごたごたが一段落ついた後。
不意に切り出したのは、“願いの叶う天使の像”の話。
捜す人手は多いに越したことはないのだし。
それなら、他の者にも教えれば利用出来るだろうか。そんなことを、思った**]
せめて手がかりがあれば、違うんだが。
そもそも、なんのために――…
[つらつらと思考していたところで、こちらに来る人の気配。猫妖精を運ぶのを手伝って欲しいとの内容に、溜息を吐いた]
追われてたの、あいつだったのか。
……ほっぽっといてもいい気がするが。
[そんな呟きは、落ち着いた老婆や治療術師に聞き留められたなら反対を受けそうだ]
まあ、何かあっても寝覚め悪いしなぁ。
[仕方ないか、と首に手をやり骨を鳴らした]
特別手当てが必要なさそうなら、診療所まで運ぶのも面倒だし、うち貸すけど。
[意見を求め、視線を周囲に巡らす。
逃亡未遂の妖精王は、もはや意識の*外*]
[最後の一撫でには、落ち着きが戻りつつあった事もあって、むぅ、とむくれたように眉を寄せ。
探せはしない、と言うユリアンの言葉に、残念そうな視線を妖精さんに向けた]
目的……守護妖精様を封じた事と関わりがあるなら、そこを基点に考えてみてもいいかもですねぇ。
何か、縁のあるもの……とか?
[こてり、と首を傾げた所にもたらされたティルの事。
ゴギー婆さんのインパクトに飲まれて、目に入ってなかったせいか、思わずきょとり]
放っておくとか、良くないですよぉ。
とりあえず様子を診てからかしら。
大きなケガしてるなら、設備の整った診療所の方が良いのですけどねぇ……。
[んん、と言いつつ眉を寄せる。
妖精王の存在は、既に*思考の外*]
転がしたら怪我しちゃうよ。
多分、これにぶつかったんだし
[軽く拳を握って、宙を叩く。]
[さっきぶつかったのがこれ]
すごいスピードだったし。
そうだね、ええと、お願いするね。
起きるかどうかためしてみるから。
[猫は役に立たないようだ。]
こわかったのかな?
もう大丈夫だよ。
[わしゃわしゃと頭を撫でた。]
ちゃんと怪我も手当てしてもらおうね。
[ぱたんきゅうしているティルが起きないかなと、人が来るまで、撫でている**]
縁……か。
んん、歴史書でも辿るかな。
[ひとまずは怪我人の確保とミリアムを連れて、リディアの案内でティルの元へ。猫耳尻尾には今更驚くべくもない]
……頭ぶつけたかもしれないし、撫でないほうがいいんじゃないか。
[アーベルへの突っ込みはとうに遅いだろうが。
ミリアムが具合を診るのを後方から眺め、暢気に欠伸]
……大丈夫だよ、猫君だから!
[突っ込まれて、真顔で返した。]
[ちょっとの間は、なかったことにした。]
じゃあミリィちゃんお願い。
軽い治療が終わったら、目、覚めないし、ちゃんとどっかで寝かせてあげなきゃね。
こういうと何ですけど、村そのものに何かに狙われる要素があるとは思えないのですよねぇ。
[妖精伝説と祭りを除くと普通に温泉地な訳で。
こんな騒動の元になるようなものは、正直思いつかなかった]
あららぁ……ダメですよぉ、揺さぶったら。
頭を打ってたら、大変ですから。
[似たような突っ込みを入れつつ、目を回したティルの様子を診る]
……軽い、脳震盪かしら。
一応、軽いまじないはしておきますねぇ。
あとは、ゆっくり休ませてあげれば。
んん、診療所までだと遠いかしら。
エーリの所でお願いしても、大丈夫?
ボクは、雑貨屋さんに行かないとならないから。
[施術を終えた所で、首を傾げつつ問う。
……どこかの茂みが動いたなんて、*気にしてないない*]
平和だしな。
[首肯と共に承諾の肯定を返す]
……と、いうか、遠い近い以前に、布でも被せないと、村まで連れてけないだろ。
[一応気にしろと暗に諭して、未だ意識のないティルを担ぎ上げる。流石に首根っこを掴みはせず、肩口に少年の頭が来た。猫の耳が些か邪魔だ]
ついでに調べものもしますかね。
[他の皆はどうするのかと訊ね、小屋に向かう**]
あ、エーリ君。はこぶの手伝う……
なんかおれの力がないと言われてるみたいだ
[抱えた様子にむぅと唸った。]
ティー君が起きるまではついててあげよう
エーリ君にも紅茶をいれるね。たんと甘いの。
[もちろん茶葉は、あるものを使うけれど**]
……布?
[言われた意味を一瞬理解しあぐね。
それから、猫耳にああ、と声を上げる]
それじゃ、そちらはお願いしますねぇ。
[いつもと変わらぬ暢気な口調で言って。
それから、立ち上がって見えない『壁』に手を触れる]
んん……。
やっぱり、複雑な式なのですねぇ……。
[感心したように呟きを漏らすと、*村へ向けて歩き出した*]
[アーベルに促されるまま来た道をもどる。
自分が踏みしめた木の葉の音に混じり、聞こえるのは不思議な誘い。]
楽しいことって何?
エーリヒさんは、何者?
[聞きたいことはいくつもあったけれど。
人の子の呟きを聞くのは悪戯好きの妖精だけ。]
[悪戯ものは言う、悪戯こそが楽しいのだと。
人の子の言葉を伝え聞いて、かれは言う]
《ゲーム。
かくれんぼに追いかけっこ、それから宝探し。
勝ったら、願いが叶う。
……わかりやすく言ったら、妖精かな。
今は人の身、借りてるけどね》
[紡ぐことばはあいまいなものばかり。
もっと知りたければおいでと、誘いをかけた**]
そうじゃなァ、困ったもんさね。
そも封印されたままじゃ観光客も来れんからなァ。
[観光を気にするミリィに同意し、妖精王をちらりと見る。なんだか涙ながらに駆け出してこける姿に、こりゃダメだという目を追い討ちでかけていると、もぞもぞと茂みに消えていった。残されたのは涙で湿った地面]
ちゃァんと約束は守るんだよー!
[このまま妖精の国に帰るとかされると困るので消えた茂みに念押ししておいて、やって来たリディの話を聞く。キャットニップに釣られ、ついてきてたツィムトも捕獲した]
おんや、猫の子がかい?
よっぽど驚いたのかねェ…いや、わたしゃ行っても役に立たんからここでわかれるさね。
研究生 エーリッヒは、少年 ティル を能力(襲う)の対象に選びました。
研究生 エーリッヒは、職人見習い ユリアン を投票先に選びました。
―森のどこか―
[ティルの様子を見に行く皆に火箸を振り、猫を連れて森を歩き出す。さすがにオウド・ゴギーと好き好んで遭遇する気はないので、森に一直線に引かれた這いずり後と垂直方向に向かった]
しっかし、生きてる内にゴギー婆さんを拝めるとはねェ。
ちょィと村の子供等にも見せてやりたい気がするのゥ。
小生意気言う口も大人しゅうなるじゃろ。
[果樹園の番人オウド・ゴギーは悪い事をする子供にしか姿を見せないのだからと、婆は気軽に森を歩く。年を取って痛む腰をかがめる代わりに火箸であちこちの茂みを揺らし、食べられる茸を見つけては背負った籠に放り込んだ。薄茶猫は茂みから驚いて飛び出す虫などを楽しげに前足で突付いたり、縄張りに新しい匂いが無いかの検分に忙しい]
……あったのか?
[唸るアーベルに向け、さっくりと一言]
紅茶は甘ければいいってもんじゃないだろ。
[味にはそれなりに煩いらしい。
仮にも森番、力はあるらしく子供一人を抱えて小屋まで戻ると、寝台に寝かせた。今現在は、アーベルに貸している部屋ではあるが。普段は使われていないその部屋は、随分と殺風景だった。
先の宣言の通り、調べものがあるからと、自室に戻る]
─通り─
それじゃ、ボクはこれで。
もし体調が悪いようなら、ちゃんと診療所にも来てくださいねぇ?
[雑貨屋の主にこう言って、店を離れる。
村は、変わらず平和なようで、色んな意味でほっとした]
……一応、自衛団さんの詰め所に行った方がいいかしら。
でも、無闇に騒ぎ立ててしまうのも、問題ですしねぇ。
[どうしましょう? と言いつつ肩の鳥を見、それから、診療所へと歩いていく]
御師匠様がいらっしゃれば、伝承について伺えるのですけれど……。
どうしたらいいかしらねぇ……。
失礼な。
おれも男だよ。ちゃんと力あるよ。
でも人を運ぶのはちょっと無理だっただけだよ。
[ぶーたれて文句をいう。]
リディちゃん、どうする?
ティー君みてる? それとも、家に帰るなら送っていくよ。
[このときのアーベルは、借りている部屋にティルが寝かされることになるなんて知らない**]
―森―
[息切れしたのか大人しくなった妖精さんは、結局瓶詰のままポケットに収納。
誰かが倒れたと聞いて瞬くも、向かう人手は足りそうだと判断し、仕事に戻ることにした。
そう言えばツィムトに引っ掛かれた傷は、大したこともないのでそのまま放置してあるが]
― →通り―
そういや、詰め所に籠を取りに行かなきゃなァ。
……団長さんの事も気になるしのゥ。
[若い者たちの手前、口には出さなかったが長い付き合いのある爺さんが心配でない訳がなく。火箸で落ちている栗の毬を突付きながら溜息を付く]
ユリアンの瓶詰め妖精さんも探せないらしいしなァ。
本当に困ったもんさね。
だいたい、こんな村で人を隠して一体何の得があるのやら……ん?
[彼は何故、ここにいる自分の声が聞こえるのだろう。
不思議に思うけれど、もっと不思議なことはいくつもあって。]
願い事?
[彼の声に重なって、小さな笑い声が響く。
それは恐ろしく、でも惹かれる呼び声。
木々の影に見え隠れする気配に誘われるように頷いた。]
それにしても、やっぱりわからないのは、動機ですねぇ……。
この村に、それだけのものって、あったかしら……。
自然と温泉と伝説と……後は?
[ぶつぶつと呟きながら歩いてゆき、ふと足を止める]
……細工物?
[普段は硝子細工工房くらいしか訪れないためつい忘れがちになるが、宝石細工やら何やら、そういった職人も地味に多かったりする訳で]
あらぁ? ええと……。
[なんか、引っかかった。らしい]
[アーベルに言われるまま、駆け足で皆の元に戻り、また彼らを連れてくる。
見習い治療師の治療を珍しげに見物すると、アーベルの問いにはいと手を上げた。]
あたしも紅茶が飲みたいです!
お菓子……はさすがに期待しないけど。
[運ばれて揺れる猫妖精の尻尾を見、となりの青年を見て首を傾げる。]
アーベルは、あれ見て驚かないんですか?
や、あれとかあれとかあれとか……いっぱいあったけど。
ツィムト、静かにおし!
今、なんだか大事な事を思い出せそうな気がするんだから――…
[「フゥ゛ゥ゛ー!」と唸る飼い猫を叱りながらも、やはり気になって振り返る。目に入ったのは耳を寝せ薄茶の毬栗状態で威嚇するのツィムトと、でっかい芋虫ことオウド・ゴギー。
その巨体が持ち上がり、押しつぶすように影が落ちてくる]
ぎゃああああぁあーーー!
[猫も飼い主も逃亡まっしぐら]
……細工物。
守護妖精様も、確か……。
[人として生きた間は、細工職人だった事をふと思い出し]
んん……その辺りが関係あるのかしら。
守護妖精様の造られたものなら、力とかは有りそうだし……。
[小さく呟いた時、肩の上に乗っていた白い鳥がふと顔を上げ、ばさり、と一つ羽ばたいた]
え……っと、これだったかな。
[雑多なものが並んだ棚から、一冊のノートを取り出して捲る。書の写しやら人々から聞いた話やら、様々なものを書き留めたもの。それを手にして、部屋を出ようとしたところで]
……。
[何かが聞こえた]
―森番の小屋/猫妖精の枕元―
[幸せそうな寝言を聞くとその口にすっかり萎れたキャットニップを突っ込んでみた。
台所からは紅茶の良い匂いがふわりと漂ってくる。]
いい夢見てんのかなぁ。
むしろあたしが夢を見てるような……。
[自分の頬を引いてみても、痛いのか痛くないのか分からない。]
やっぱり夢なのかなぁ。
[今度は猫の耳を引っ張ってみた。]
……リーリエ?
[またも落ち着かない鳥の様子に、軽く眉を寄せる]
ほんとに、おかしいですよぉ、リーリエ。
さっきも、あんなにムキになって……。
[さっき=妖精王への連続攻撃の事らしいです]
―通り―
[店に向けて足を進める。
村はいつもと特に変わりはなく見え。
自分の店が見えてくる頃、立ち止まる背中を見つけて]
…何か?
[何かあったのかと尋ねようとし。
白い鳥が羽ばたくのに瞬いた]
―小屋・部屋―
そうだね。
驚かないかな。
[約束どおり、ミルクと砂糖を入れた紅茶を作って、エーリッヒとリディに差し出した。]
[自分はといえば荷物を開けて、ピアスをふたつ取り出すと、耳につける。]
夢じゃないと思うよ
[振り返るとリディが耳をひっぱっていて、面白そうに笑ったのだった。]
[何か悲鳴が聞こえるのはその後のはなし**]
[老婆の足にしては驚異的な速さで、獣道を避け木々の間を駆ける。ゴギー婆さんがその巨体で通れない隙間を抜けるごとに籠の茸が零れたがそんな事は言ってる場合ではなく、なんとか小屋が見えるところまで走って叫んだ]
坊! 居るなら戸を開けとくれ! …早く!!
[がたり。無意識に立ち上がると椅子が音を立てた。
目覚めた猫少年が何か吐き出してるような気がするけれど気にしない。]
ま、また何か?
[台所でお茶を入れるアーベルの背に声をかけて、興味津々で外へと。]
─通り─
[ぽふぽふと、小さな頭を撫でて宥め始めた所に声が聞こえて、そちらを振り返る]
あ、ユーリ。
なんだかまた、リーリエが落ち着かないのですよ。
何か、あったのかしら……?
[尋ねられ、何かそれらしきものがあるかと辺りを見回すが。
彼の目では特に見当たらなかったか、首を傾げ。
伺うように鳥を見た]
[小屋への呼びかけ方と声から、外にいる人物の察しはついていた。
ただ、彼女がそんな声を出す何があったのか、それを見逃すまいと目を見開く。
少し怖いから、体は扉に隠れたまま。]
偉い、坊!
[タイミング良く開いた扉に速度を緩めず小屋の中に転がり込む。間髪いれず薄茶の塊が飛び込むのを見]
――閉めとくれ!!!
[その少し後ろの影に体勢を崩してこけながら、叫んだ]
学生 リディは、少年 ティル を投票先に選びました。
[二人分の視線に、鳥、困ったようにくるる、と鳴いた。
言葉が通じないのは良し悪しだが、この場合はどうなのか]
……いきなり色々あったから、落ち着かないだけなのかも知れないですけどねぇ。
[森の騒動などは当然知らぬわけで、暢気にこう結論付ける。
知ったら知ったで、固まるかパニックを起こすかの二択とも言うのだが]
て、危ない。
[覗き込むリディアはそのままでは衝突事故に遭いそうで、手を伸ばした。
その腕を掴んで引くのと老婆が転がり込むのはどちらが早かったか]
みゃっ?!
[飛び込んで来たヨハナの様子と、なんとなく背後に感じた気配に、思わずベッドの上で飛び上がって、壁に貼り付いた。耳と尻尾の毛が思い切り逆立っている]
ゴ、ゴギーばあちゃん、にゃ!?
/*
んー。
ここからあちらまで移動するのは考えにくい、かしら。
そうなると、最至近距離守護ですねぇ。
……いきなりここには来ないと思うのですけど。
来るとしたら、むしろ、こちらでしょうし。
治癒術師 ミリィは、職人見習い ユリアン を能力(守る)の対象に選びました。
お、おばあちゃん大丈夫?
[ふわり、金色や白や赤色の茸が森番小屋の中に舞う。
何かキラキラ光っている気がするのは胞子だろうか。
正面衝突を回避してくれたエーリッヒに礼を言うと、茸の中心で倒れる老婆に寄る。
膝ついて、心配そうに手を伸べた。]
《ゴギー婆。
俺のほうにまで被害及ぼすと、分け前減らすよ?》
[好きにしてはいいといったものの、森に物理的な被害を齎して欲しいと頼んだ覚えはなく。かれらの身勝手は、今に始まったことじゃないけれど]
あーあ。
[老婆の手助けはリディアに任せて、ノートを小脇に抱え、茸を拾おうと腰を屈める]
……また、出たの? ヨハナ婆、恨みでも買った?
[遠くの喧騒など知らず、難しい顔で鳥を眺める。
こちらとしても好んで見たいものでもないだけに、森にいなくて良かった、というべきか]
だけなら、いいが。
[結局は分からずに、やがて首を振った]
[猫耳をぷるぷるさせながら、茸の中に倒れているヨハナを見て、ドアの方をまた見る]
でも、気配がするにゃー
[よっぽど嫌な思い出が(以下略)]
あ、あれ、エーリヒさんが?
[礼の言葉とともに問う言葉は、騒ぎに気を取られた人々に聞こえたかどうか。
そういえば、先にもゴギーばあさんと呼びかける声を聞いた気がする。
だとすれば、この騒ぎを起こしたのは彼で、でも、先ほど正面衝突から助けれくれたのも彼で。
……混乱して来たので背を向けて老婆へと駆け寄った。]
[村に戻ってきたのは、雑貨屋に行く用事があったから、というのもあるが、実はゴギー婆さんとの遭遇を避けたかったから、なんてのもある。
かも知れない]
とはいえ、それはそれで、この状況をどうにかしないと、ずっと落ち着かない事になりますし……。
そのためにも、何か……。
[ここでふと、先ほど考えていた事に思い至り]
そう言えば。
ユーリは何か……特別な力のある、細工物のお話とか、聞いた事あります?
[守護妖精に関する部分をすっぱりと落としているため、話題はかなり飛躍して聞こえたかも知れない]
[転がる毬栗猫も、外の様子も気になったけれど、一番気になるのはやはり老婆で。]
怪我は無いですか?
ごめんなさい。
あたしが邪魔な場所にいなきゃ……。
で、でた…! ゴギー婆さんが急に!
そんなわけ無いじゃろがっ――、っだーーー!!!
[ちょっとずれた会話のティルとリディに突っ込む間もなく、エーリッヒの言葉に憤慨して身を起こしかけて、腰を押さえ悶絶]
こここ、腰が…いでででで
《……そ。
オウド・ゴギーなんて呼ばれてる、芋虫の婆さん。
ゲームの手伝いして貰ってるんだけど、加減知らないらしくって》
[悪びれた様子は一切なく、少女の背へ向けて言う。
とは言っても、人の言葉とは違って、それは明確に何処から聴こえるとも言いがたいものだろうけれど]
[直後、耳を押えた]
……や。
それだとやっぱり、暴走してるってことかねえ。
紅茶でも飲む?
腰は、冷やしたほうがいいのかな。
少年 ティルは、噂好き ヨハナ を投票先に選びました。
[頷き、空を見上げる。
魔力を持たない身には、特に何事もないようにしか映らないが。
ふと、投げられた問い。
やはり唐突に思えたようで、少しばかり瞬き。
はたと何かに思い至ったかのように、側にある店のほうを見た。
少し待て、と手で示して、中へ]
にゃーっ!
やっぱり極悪人にゃーーーっ!!
[生贄と言う言葉に涙目でベッドの下に潜り込んだ]
きっと、ゴギーばあちゃんもお前が呼んだに違いないにゃっ!!
わ、ウェーバーさん!?
[腰に手を当てうめく老婆におろおろ。
アーベルに助けを求めるように視線を向けるが、先の会話を思い出せば何となく目をそらした。
猫少年よりも老婆の方が重いだろうなと思ったことは口にするつもりは無い。]
えっと、あっと……ミリィおねーちゃん呼んで来なきゃ!
[立ち上がり、再び扉の方へと。]
[空を見上げる様子に、自分も空をちらりと見る。
結界を操る術にだけは昔から長けていたためか、そこにはうっすらと壁らしきものが見えた]
……え?
あ、はぁい。
[仕種から、待て、の意を読み取り。
きょと、としながら、店へと入る背を見送った]
仮にも寝床を貸してやったのに、その言い草は酷いな。
[猫妖精に向けるのは、やはり笑顔。
開け放たれた扉の先で、ベッドの下に潜り込む少年を見た]
呼べるっていうんなら、可愛い女の子か何かのほうがいいけどねえ。
[数秒の間見つめていたが、ふっと視線を逸らして、軽い物言いをした。散らばった茸を拾い集め、籠に戻す]
あーっと。
まだいるかもしれないから、気をつけろよ?
[外へ行こうとするリディアを積極的に止めることはなかったが、忠告だけは発す]
[暫くして店から出る、片手には硝子の天使像。
勿論水晶であるという本物など見たことはないから、伝承を元に想像して作られたものではあったが]
…思い付くのはこれぐらいだが。
[職人の間で知らない者はいない話。
祭りの為の品の一つであったレプリカを示す。
彼自身は不本意の作であったらしく、密かに眉を顰めてはいたが]
[引っ張られそうなことに気付いたのか、尻尾がしゅるんとベッドの下に引き込まれ、代わりに猫の目が、視線を逸らした青年の背をじーっと見て、ぽそり]
虹の天使にお願いするといいにゃ。
[ベッドの下に隠れたままの表情は見えないだろう]
いでで…お前さんがいなくても同じさね。気にするでないよ。
[止まりきれずに壁にぶつかるかしたに違いないとリディに告げて、エーリッヒの言葉に唸るように頷く]
腰は温める方がいいんじゃが紅茶は貰うよ。
その前にこの籠を下ろしてくれると助かるがなァ。
[茸を集めて入れる様子に半分だけ身を起こした状態で頼む]
噂好き ヨハナは、治癒術師 ミリィ を投票先に選びました。
[見せられた硝子の天使像に、上がるのはわぁ、という歓声。
どこか渋い表情には、気付いていない様子]
綺麗ですねぇ……。
ええと、これ、お祭りの時にもあったですよね。
何かを模して造ったって……なんでしたっけ、虹の……。
お待ちリディ、まだ外に居るかも…いででで!
[再び唸りながら前屈みに唸る。毬栗状態で転がっていた薄茶猫はようやく硬直が解けたらしく、体を震わせて伸びをした。
ベットの下から聞こえる声と光る目に、薄茶猫の瞳孔が太くなる
「ミ゛ャァゥ(お前…?)」]
[猫妖精の台詞は果たして届いたか、答えを返す事はなく]
ああ、そうだったっけ。
何分、腰を痛めたことはないから。
[ヨハナの頼みに、自分で下ろせないかと苦笑しつつも、今は邪魔なノートを卓上に置いてから、老婆の背負う籠を下ろす。
ぱらりとページが捲れて、そこに走り書きされた文字は――"Regenbogen" ]
……ん。
本来なら、悪い子を懲らしめるためのものだよ。
今はちょっと、様子が違うらしいが。
[少し間を空け、リディアにはそう答えた]
水晶細工、レーゲンボーデン。
…妖精王の力で、願いが叶うとか。
[途切れた言葉を継ぎ。
幼い頃から聞かされていた伝承をすらりと述べ、口を閉じる。
表情が微妙なのは元からのコンプレックスだけでなく、妖精王の実物がアレだったのもきっとある。
そうして、これが何か?と首を傾げた]
リディちゃんは気をつけてね?
おばあちゃん、大丈夫?
[それから騒ぐティルに一言。]
エーリ君が運んでくれたんだから、指さしちゃだめだよ?
職人見習い ユリアンは、少年 ティル を投票先に選びました。
レーゲンボーデン……ですかぁ。
[継がれた言葉と、伝承に、瞬き一つ。
肩の白い鳥が物言いたげに尾羽を揺らしたのには気づかず。
首を傾げられ、ええと、と言いつつ周囲を見回す。
特に、こちらの話を気に止めている人はいない。らしい]
……理由をね、考えていたのです。
今、村に起きている出来事は、何を目的にしてるのか、って。
それで、守護妖精様に由来のものとか、力のあるものとか、そういうのが関わりあるのかな、って思って。
願いが叶う、水晶細工……なんだか、凄く、狙われそうですよねぇ。
じゃあ、悪い子じゃないから平気ですね!
[話の半分だけ聞いて大きく頷く。]
とりあえず、注意して行ってきます!
[最後にもう一度だけ、老婆に心配そうな視線を向け扉を閉じた。]
すまないねェ、坊。
若いってのは羨ましいこった。
[籠を下ろしてもらって何とか一息つき、痛みが走らないようにそろりそろりと顔を上げる。そして少女に答える青年の声に頷いて、顔を顰めた]
…あァ、坊の言う通りさね。
樹の上の林檎は鳥に、虫の付いた栗と毬は森に、わたしゃ長年ちゃァんと森と人の取り分を守っとる。それで襲われるんなら人間は何も採るなって事さ。
そりゃァ、ちょィとおかしいとしか思えないねェ。
少年 ティルは、学生 リディ を投票先に選びました。
[息を切らし走れば、流れて行く森の葉影に声が聞こえる。
人には聞こえない囁き。
これがあの芋虫の声かは分からないけれど。
そして自分の声は届きはしないのだけど。]
ウェーバーさんを驚かしちゃ駄目だよ。
脅かして良いのは……。
[思い浮かんだのは、鳥にいくらつつかれても平気だった姿。]
あの、不審人物さんとかで。
約束を守る人間には、妖精は対価を払うもの。
……まあ、悪戯好きなのもいるんだけど。
[呟きの一瞬、見やったのはベッドの下。
すぐに戻して音を立てて閉まる扉を見た]
[要約すれば悪い子でなくても襲われる、なのだが姿は既にない]
そそっかしい子だねェ…いい子なんだが。
あァ、アーベルもすまないねェ。
ちィと年甲斐もなく走って腰にきただけじゃから、休めば…たぶん大丈夫じゃよ。
[かがんだ姿では卓上のノートの文字は当然見えず、腰をさする]
うん? ああ、構わない。
何か手がかりになれば、と思って持ってきたもんだし。
[主に妖精に纏わる、村の伝承や歴史を集めたノート。
祖父にすら、見せたことのないものではあったけれど]
―村/治療院前―
ミリィおねーちゃん?
[閉じられた扉に向かい声かけるけれど、返事は無い。
困った顔で辺りを見回した。
分かれたとき、彼女はどこにいくと行っていただろう。]
年寄りを脅すなんざ、悪戯で済まされる話じゃないさね。
ぽっくり逝ったらどうしてくれるんだい、まったく。
[どう見ても頑丈な心臓を持ってそうな婆は、閉まった扉を見て溜息]
逃げ足が速いことを祈るしかないねェ。
[尻尾を伸ばした薄茶の猫と、どんな意志の疎通があったのか、ごそごそとベッドの下から這い出して、床の上に胡座をかいた。いつの間にか、尻尾と耳は引っ込められている]
ねえ、ヨハナは、虹の天使のことを知ってる?
おいら聞いたんだ、この村には守護妖精の力のこもった、天使がいるって。
[きらきらと好奇心一杯の猫の目でヨハナを見る]
ヨハナおばあちゃん、無理しちゃだめだよ?
[にこっと笑った。]
[治療は、少しは無理しないでほしいからか、あんまりする気がないようだ。]
手がかりになるようなのあるの?
まだ読み返しはしてない?
[エーリッヒにたずねながら、手を伸ばす。]
[指で表紙をなぞった。]
[あの妖精王に本当にそんな力があるのかとちょっぴり思ったことは伏せておいた。
説明を聞いて、納得したと一つ頷き。
やはりリーリエの様子には気付かないままで、空を見上げた。
戻した視線は手元に向かい]
…それなら、探したほうがいいのか?
[目的がそれなら、手に渡れば危険かも知れない。
だが伝承が伝わるだけで、肝心の場所は誰も知らない。
眉を寄せつつ]
天使様がお迎えに来てくれるかもね。
[追い返してしまいそうだ、などと思いながら言って、己へのアーベルの問いかけと、老婆へのティルの好奇心を前面に出した問いかけを聞いたのは、ほぼ同時]
いや、読み返す前に、これだったから。
……守護妖精の、ね。
ああ、それなら――そこにも書いてある。
[アーベルが手に取るノートに何だろうという目を向けたが、かけられた問いに視線はエーリッヒへ流れる]
そりゃ助かるねェ。
…ちィと汚しちまいそうなのが申し訳ないがなァ。
[必死で逃げてきたのでなかなか大変な姿だ]
そっか。
じゃあ、一緒にみんなで読む?
[エーリッヒの言葉に、首を傾げた。]
守護妖精の天使か。
綺麗なんだろうね。
妖精は綺麗なものが好きだし。
[妖精王に対する感想については多分以下同文なので略。
一応、力ある存在であり、結界に直接触れた事でそれを編み上げたものであるのは、理性の上では認識しているのだが]
……んん。
安全な場所に隠されているなら、そのままでもいいのかも知れませんけど。
もし、本当にそれが狙われているなら、放っておくのは良くないですよねぇ……。
とはいうものの。
そちらを探すにも、手がかりらしきものは全くないのですよねぇ……。
[エーリッヒの言葉の方は、先刻のお返しの用にスルーして、ヨハナににこにこ笑顔を向ける]
すっごく綺麗な天使なんだって。だからおいら見てみたいって思ったのさ。
それに、ほら、守護妖精の力を受けてるなら、もしかしてお願いすれば、守護妖精を封印しちゃった奴を見つけてくれたりしないかな?
天使とまで言われるものなら、見てみたいな。
でも、どういうものなんだろう?
虹のってことは、虹の色なのかな。
宝石なのかな、違うのかな。
治癒術師 ミリィは、学生 リディ を投票先に選びました。
《人間の子供に助けられ、妖精の祝福を送られた村。
其処には守護妖精が住まい、村人達は加護を受け平和に暮らす。
その村の何処かには、虹の天使が眠るという。
そして、それは、所有者の願いを叶えてくれるという――
だっけな》
―通り―
ミリィおねーちゃん見ませんでした?
ウェーバーさんが、森で、腰を痛めちゃって……。
[道行く人に説明しながら、治癒術士見習いを捜す。
そう言えばと、近所のおばさんが指したのは一軒の店の前。
そこに、目指す姿を見つけると顔を輝かせて走り出した。]
ミリィおねーちゃん!
でも、守護妖精って封印されちゃったんなら、
その天使も、封印されちゃったっていうことはないのかな?
教えてほしいとは思うけど。
へえ。
いい案じゃないか?
まあ、見つかればの話だけど。
何処に安置されてるのか、わからないって話だしさ。
[にんまり笑顔に向ける笑みは先程と変わらず――
否、それより深いものを湛えていたと気付いたのは向けられた当人くらいだろう]
……あららぁ?
[自分を呼ぶ声に気づき、そちらを振り返る]
リディさん、どうしたんですかぁ?
[こてり、と首を傾げつつ、暢気に問いかけた]
そりゃァ、虹の天使の事くらい知ってるさね。
守護妖精さんにゃ、若い時分にゃ素直に憧れたもんだからねェ。
[腰の痛みも少し忘れて、楽しげな笑みが浮かぶ]
なんでも妖精祭りで恋の叶う花冠を手に入れた守護妖精さんが、真っ白い雪の中で燃えるような髪をした娘と恋の炎に焦がれたなんて浪漫さねェ。
そして村に残されたのが願いの叶う虹の天使、というわけさ。
[伝説も200年越しの噂話のようなもので、文字として伝えられたもの以外の詳細は背びれ尾びれのついた古代魚状態]
[口許に手をあて、眉を下げ。
困ったものだと言わんばかりに、頷いた。
ミリィを呼ぶ声が聞こえ、そちらに振り返る。
目を瞑ったのが天使像の所為とすぐには気付かずに、首を傾げた]
へえ、そうなんだ?どこにあるのか、村の人にもわかんないのか。
ヨハナも知らないの?
[くるくるくるんと猫の目を丸くして]
あ、もしかして、妖精王なら知ってるかも?
虹……?
[硝子に集まる光は虹を帯びて地に。
硝子人形を持つユリアンの足下、虹色に輝く影が落ちている。
その色の美しさに急いた足が一瞬立ち止まった。]
恋の話なんだ。
虹の天使って。
妖精と人間の恋か。
大変だったんだろうね。
[またぺらり。]
エーリ君もこれ、調べるの大変だった?
[問題が違う]
探すべきものはわかっても、手がかりや方法がない、というのは、困りますよねぇ……。
[はあ、と一つため息をつき。
それから、足を止めたリディの様子に、不思議そうに瞬いた]
どうか、したんですかぁ?
……主に、話が逸れて大変だった。
[アーベルの問いには、ヨハナを見ながら答える。
妖精の伝説そのものより、想いを馳せる人々の空想話のほうが長い事もざらだった]
/*
そういえば。
レーゲンボーデンって、何のために造ったのかしら、ゆりりん。
[考えてないのかよ。
考えてませんよ。
展開と、気が向いたら考えましょうw]
なるほど。
女の人が好きそうな話だもんね
[ヨハナへと視線を滑らせた。]
[きっとこういう感じだったんだろうなぁと思ったようだ]
……だって、あれ本当に王様?
[ティルにはそんなことを言った。]
百歩譲って王様だとしても、なんだか情けないし。
きっと知らないよ。
自分達で探すしかないのかな、やっぱり。
[虹に見とれていたから、ミリィから返事が返って来たのに少しおくれて反応する。]
あ、ウェーバーさんが大変なんです。
えっと、また、ゴギー婆さんが出て。
その所為で腰を痛くしちゃってるみたい。
[行っているうちに気がせいて来たのか、ミリィに駆け寄る。]
[今は疲れてお眠な妖精さん、森小屋にいたならきっと目を輝かせて語っていたに違いない。
惜しむらくはヨハナに言葉が通じないことか。
こちらの彼はミリィと同じく、足を止めたリディに首を傾げ]
[ティルの笑顔に婆は目を細め、思い出すように視線を宙に向ける]
なんでも水晶で出来た天使らしいねェ。なんで虹と言うのかはわたしゃ知らないだが…随分ときれいな物だと聞いたさね。
そうじゃなァ…それも一案かもしれん。
守護妖精さん自身が封じられとるのに、虹の天使でどうにかできるかはちィとわからんがなァ。
しかし、どこに安置されとったかのゥ……うゥむ。
[小声で]
うーん、随分と昔に団長さんに何か聞いた気がするんだけどなァ…
ヨハナの御婆様が?
え、あの。
また、でた、の、です?
[ヨハナが大変、なのは認識したのだが。
その元凶が何かを聞いたら、動きが止まりました]
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