情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
青年 アーベルは研究生 エーリッヒに投票を委任しています。
治癒術師 ミリィ は 職人見習い ユリアン に投票した。
青年 アーベル は 職人見習い ユリアン に投票した。
研究生 エーリッヒ は 職人見習い ユリアン に投票した。
職人見習い ユリアン は 研究生 エーリッヒ に投票した。
噂好き ヨハナ は 研究生 エーリッヒ に投票した。
研究生 エーリッヒ に 2人が投票した。
職人見習い ユリアン に 3人が投票した。
職人見習い ユリアン は村人達の手により処刑された。
治癒術師 ミリィ は、噂好き ヨハナ を守っている。
今日は犠牲者がいないようだ。何かの介入か、それとも……?
現在の生存者は、治癒術師 ミリィ、青年 アーベル、研究生 エーリッヒ、噂好き ヨハナ の 4 名。
うみゅみゅみゅみゅ〜〜〜
[なんか抱きしめられたり引っ張られたりしている、さすがに伸びていられずに目を開けた]
い〜き〜な〜り〜〜〜にゃ〜に〜〜するにゃ〜〜〜
[恨みがましそうに言いながら、涙目]
ふうん?
確かに逃げられはしない。
でもその間にまた誰かがいなくなるかもしれないのに、ずっと待つ気?
若者は年寄りほど気が長くないの。
[薄く、笑った。
手の内で微かに音が鳴る。彼の瞳によく似た、緑を宿した石]
/*
明日来れないかもとか言ってたし、今日終わらせるつもりなのか?と思ってこの投票先。
しかし吊られてよかったと言うべきところだろうか、ここは。
/*
今回は村人でお気楽にのはずが、いつの間にやら全力モード。
ありゃりゃ?
でも他に疑いそうな者、叱ってやりそうな者いないんじゃもん。
……て。
あれ、って。
[昨晩の話を思い出す――いい予感は、しない。
悪戯妖精より何より、今日もきっと歓声をあげているのであろう、妖精さんに導かれるかのように、光球はふわふわり]
青年 アーベルが「時間を進める」を選択しました。
[奇妙に緊迫した空気に、どうしたものかと悩んでいた矢先、肩の鳥が羽ばたいた]
……リーリエ?
[は、とそちらを見やる。
直後、空に舞ったのは]
あ、あれ……妖精王……様?
[昨日も見た、金色の光球]
人にあえてこんなに嬉しいのって初めて!
[猫妖精の抵抗の言葉が聞こえているのかいないのか、満面の笑みのまま、引っ張ったり撫でたりしていた手が、突然出て来た光に止まる。]
あ、あれ?
[ふわり、舞う光球には何か見覚えがある様な。]
[光球ふわ、ふわり。
舞い降りる先は──]
て、あの、あの???
[軌道がどう見ても。
瓶詰め妖精さんコースなんですが]
……ユーリ、危ないですっ!
[条件反射か、先ほど書いた呪式を発動させようとするものの。
こういう時は、間に合わないもので]
[多分、きっと、間違いなく。
皆の言い合いなんて、聞いちゃいない。
いきなりスピードをあげて、向かった先は職人見習いの青年。
もしかしたら、守護妖精と同じ名を持つから恨みが何たらなんて考えたのかもしれないが、真実は妖精王の胸のうちにしかない。
昨晩と同じく、一瞬にして事は起こった。
――しゅん、と一人と一匹を包み込む光。
その瞬間に妖精さんが何を思ったかも、彼女の胸の……いや、傍にいた青年には、聞こえたかもしれない]
年寄りだって先は長く無いさね。
じゃが、妖精王の結界からほいほいどっかに放り出せるとも思えんしなァ、案外近くに封じられてるだけの気もするんじゃよな。
[思い起こすのは昔の伝説。
そしてエーリッヒの薄い笑みを顔を顰めて睨む]
それは楽観論じゃとしても、天使天使と頼るのもなァ。
待つんじゃなく、天使でもなく、犯人捜す方に労力掛けた方がいい気がするのさ――…
[逸れた視線に婆の視線も光球へ向かい、口を開けたままぽかん]
おいら、「人」じゃにゃいけどにゃ…
[妙なところにぼそりと突っ込みいれつつ、なんかもう色々諦めかけたところで、光を見た]
にゃにあれ?
[そして、その機を狙って――
彼の手の内で、石に亀裂が入った。
炸裂する緑を帯びた眩い光。
ぱらぱらと粒子が舞いあがり、惚けた老婆に纏わりつく]
な、なんか思い出した様な。
[揺れる光球に、それに包まれ空を舞った記憶が蘇る。
あれは楽しかった……ような気がするが、その所為で今は一大事だ。]
あれは、良くないものだよ!
可愛い女の子を攫って閉じ込める人さらいの人魂だ!
[未だ戸惑いながらも、ヨハナの厳しい視線の先を追い。
が、声に釣られてその視線は上へ。
懲りない妖精さんの歓声は響くらしく、片耳塞ぎながら]
また――…
[何か言い掛けて。
ミリィの声に、その軌道に気付いて目を見開くが。
魔力のない彼に為す術があるわけもなかった]
なんでユリアンを…
[惚けていた婆に緑の光が纏わり付き、はっと鋭い目を光の元――エーリッヒの隠れた手元へ向ける]
――おやめ、エーリッヒ!
可愛い女の子は、いきなり可愛い猫に貝殻投げつけないと思うにゃ。
[リディの主張には目を細めて、すっぱりきっぱり突っ込んだ]
[ぽかーんとしていると、肩の鳥が甲高く鳴いて、ばささ、と羽ばたいた]
……リーリエ?
[只ならぬ様子に、はっと振り返る。
目に入ったのは、ヨハナに纏わりつく、光の粒子]
……Macht von der Verteidigung, Anfang!
[それを行ったのは、条件反射か、それとも、『言葉』を結んだ相方の鳴き声に動かされてか。
呪式の発動。それに重なる、澄んだ鳴き声。
ふわり、舞い散る青銀色の光が、老婆を護るようにその周囲を包み込んだ]
[で。
消えたように見えた、どう見ても可愛くはない十代後半の青年は、異空間の同じ場所に現れ。
…というより、落とされた。
べしゃっと]
可愛くない猫には投げても良いんだよ!
[抱きしめたままだった猫の耳を引っ張ると、光球を見上げた。
その視線が、老婆の厳しい声に引き戻される。]
誰が可愛くにゃいにゃ!てゆーか、耳を引っ張るにゃーー!
[じたばたしながら叫んだ所で、落っこちた青年を見る]
あ、落ちた。
[引き戻され地上に向いた視線を可愛い妖精ごと、可愛くない青年が遮って落ちて行く。
落下する迄しっかり見た。]
あ。
[痛そうだ。
もしかすると、自分がこうなった記憶が余り無いのは、あの落ち方をした所為ではなかろうか。]
[本気で叱る時くらいしか呼ばぬ名を呼んで、それはしてはいけない事だと伝えようとするも、ただの婆にはそれ以上は何も出来ない。
怒りながら哀しむ皺だらけの顔が、まっすぐに森番の青年を見る]
……なんじゃ、一体何が…?
[ミリィの声と羽ばたく音、包み込む青銀色に困惑が混じる]
[そして、ヨハナに纏い付いた光とそれに抗う青銀色の光を見る]
ふみゃ…やっぱりタダモノじゃなかったにゃ、箒の魔女。
[しぱしぱしぱと面白そうに尻尾がぶん回される]
……っと。
[制止の言葉にも動きは止まらず、引き落とそうと光を繰る。
されどそれは異なる色の光に阻まれて、ポケットに突っ込んだままだった手を、弾かれるように引き出した。手から砕けた緑が散り落ちた]
ちぇ。
やっぱり、そっちからやっておくべきだったかな。
[とん、と後ろに跳び、距離を取る]
《ゲームオーバー、にはまだ早いんだけどな。
……ねえ?》
[そっと呼びかける先は、繋がりを持った悪戯もの。
――此処ではない、自分のふるさとと親しい場所に棲むものたち。
本来の目的は全く異なれど、懐かしい存在ではあった]
可愛い妖精さんと、ユリアンさんいらっしゃい。
[痛いと呟く青年に、取りあえず歓迎の言葉をかけてみた。
こちらの世界に人が増えるのは何はともあれ嬉しかったから。
猫少年の呟きには、何が起こっているのかいまいち分かってない無い様子で目を瞬く。
けれどその向こうに、老婆の悲しげな顔が見えると顔を曇らせた。]
……弾、けた?
[はあ、と。
ため息と共に呟きを漏らす。
明らかに、自分だけの力では止められなかったと。
それだけは、理解できた]
……と、いうか。
エーリ?
[跳びずさり、距離を取る様子に困惑しつつ、名を呼んで]
[目の前の出来事に気を取られたらしい少女の腕から、するりと猫の動きで抜け出して、たった、とエーリッヒの傍に駆けて行く]
やーいやーい、失敗してやんの、極悪人ー!
[どうせ聞こえないと思って、言いたい放題囃し立てたり]
全く、さ。王サマも役に立たないよね。
もっと情報ばら撒いてくれたら、俺が動くこともなかったのにな。
[そしたら疑われなかったかも?なんて。
無邪気な子供に似た表情をつくり、少し熱を持った右腕を軽く振る]
そりゃ。
子供心忘れちゃ、終わりだろ。
[普段ならば反論の一つでも述べそうなものだが、今回ばかりは、肯定するような言葉を返した]
……嫌な想像ほど当たるもんさね。
[森番の青年に浮かんだままの笑みに哀しみを深くしたのは一瞬で、直に婆の顔には厳しい表情が戻る]
まったく、いい年してまァだ悪戯坊なのかい! いい加減におし!
[アーベルの言葉に、鳥はくるる、と鳴いて首を横に振った]
ええと、ええと。
エーリが……犯人さん?
[問いかける口調は、どこか困ったような、戸惑ったような響きを帯びて]
[さて、瓶詰妖精さん。
濡れ衣で連れて来られてしょんぼりしているかと思いきや、妖精王様の異空間に来られるなんて滅多にないことと喜んでいるようです。
乙女を侮るなかれ。
対照的に、漸く顔を上げた彼のほうは、歓迎の言葉に首を傾げ。
更にいなくなった筈の2人の姿が見えて、はたと瞬いた]
治癒術師 ミリィが「時間を進める」を選択しました。
治癒術師 ミリィは、研究生 エーリッヒ を投票先に選びました。
治癒術師 ミリィは、噂好き ヨハナ を能力(守る)の対象に選びました。
[すぅ、と周囲の気温が下がる。
実際に下がったというよりは、そう感じさせる“気配”。
湯の蒸気に紛れて、薄い、白の霧が周囲を漂い始める]
噂好き ヨハナが「時間を進める」を選択しました。
エーリ君が子供なのはいいとして。
ええと、ティー君ってどこにいるの?
[首を傾げてきいてみた。]
で、エーリ君は虹の天使がほしいの?
ところがどっこい、自称王様がなんも知らない役立たずだったってことだね。
人間のいい歳と、“こっち”のいい歳は違うもんで。
[口の端を上げる。
人間に向かう霧と入れ替るように、また一歩引いた。
ミリアムの問いには肯定の頷きを返す]
そういうことになるかな――
守護妖精封じちゃったのは偶然だったんだけど。
まあ、仕方ない。
いいよね、きっと、潮時ってことだろうから。
研究生 エーリッヒが「時間を進める」を選択しました。
研究生 エーリッヒが「時間を進める」を取り消しました。
さあ、“狭間”かな。
俺もよくわかんないんだよね。
あの環をくぐったらいけるかもしれないけど、帰って来られるかは知らない。
[ゆるりと首を振った。
後の問いは言葉では答えず、薄い白越しに、アーベルに視線を向けた。
表情は笑み、肯定。]
/*
そう言えば、コミットアンカー、本当はアーベルだよね。
メモでコミットしますって書いてあったから、俺かと思った。
まあ、LWだしいいよね!
人間? こっち?
お前さんまさか…取替えッ子だったのかい?
[驚きながらも前に出ようとして、阻む湿った何かに顔を顰めた]
なんじゃ、これは…湯煙にしては冷たくて…変な匂いが、
うわああああ!
[ずしりとかかる重みが腰にきて、膝を突いて苦しげに唸る]
[唐突に漂い始めた霧。
白い鳥が、警告するようにぱささ、と羽ばたいた]
偶然って……。
守護妖精様って、偶然で封じられちゃうものなのですかぁ?
[呆れた言葉は、恐らく素のもの]
って、仕方ないって、潮時って。
……どうする、つもり、なのです?
……っ!
ヨハナ御婆様っ!
[膝を突き、唸る様子に、慌ててそちらへと駆け寄る。
一度展開した呪式を、再構築できないものかと力を集めるけれど。
異なる力──守護妖精の力の残滓が強引に介入した後のためか、思うようにはいかないらしい]
て、なんなんですか、これぇ??
…狭間か。
[幾ら声を出しても誰一人咎める様子のない少年と、何やら小さくなっている少女。
胡座に頬杖をついて、何処か不機嫌に呟いた]
[ユリアンの呟きが聞こえると、にっと笑って振り向く]
そうにゃ。ここは、狭間の空間にゃ。どーゆーわけか、妖精王の作った空間と繋がってるみたいだけどにゃ。
[もともとの成り立ちが一緒だったから、とか、そういう話は知らないので口に出来るのは事実だけ]
取替えっ子……ねえ。
人の定義で計るのは難しいけど、まあ、違うって事になるかな。
今は人の身を、借りてるだけだから。
ずっと昔に会っていても、覚えてないだろうね、ヨハナ嬢ちゃん。
今とは異なっていたから。
[細める緑の眼は、青々とした葉に似る]
わしゃ、いいから、坊を、お止め!
[駆け寄って何かしているミリィに唸りながらも声を向けた。
目はエーリッヒとアーベルを見たが、それ以上は何も出来ず*]
とりかえっことは思わないけど。
[ヨハナの言葉に、少し考えて、苦笑。]
エーリ君、妖精でしょう?
……ティー君、帰ってこれると思うけど。
エーリ君は意地悪だ。
空間に穴空けたからねえ。
落っこちちゃったのかもしれない。
[運が悪い事だ、などと言うさまはまるで他人事だ]
……像見つけたら、此処からお暇するつもりだった。
[少しの間。
その先の目的までは言わず]
ボーンレス。
実体のない子でね、まるで霧みたいなんだけれど。
その癖、人に触れるのが好きなんだ。
まあ、命奪うまではしないだろうから。
[ティルの声に目を向け、一度頷いた。
苦しげな声は届く。
伸ばし掛けた手は、だが干渉できないと知って宙を彷徨った]
…妖精って、全部こうなのか。
[誰に向けたわけでもなく。
リディの声に答えるでもなく。
言葉はただ不快を滲ませる。
こちら側にも瓶詰以外で妖精がいることは失念してるかも知れないし、そもそも知らないかも知れない]
[お止め、と言われても、こちらも放っておくのはさすがにできず。
何より、他者に能動的に仕掛けるような力は、箒に込めた一部を除いて封じられている状態な訳で]
……落っこちたって……。
[情けなすぎる、とは。一応言わずにおいた]
像を見つけたら。
……でも、どうして……?
[続けられなかった先。それが気になったから、自然に問いかける]
どうして今なら?
……ミリィちゃん、どうにもならないなら、えと、どうにかしよう。
ヨハナおばあちゃん、辛いでしょう?
まあ、部屋にいっぱいあるし。
[メモ帳を先のように取り出して、ペンで円を描く。]
失礼だにゃ!
猫妖精は、あんなに乱暴な極悪人じゃないにゃ!
欲しいものは、人に迷惑かけずに、こっそり盗むのが礼儀ってものにゃ!
[ユリアンの言葉に、猛然と抗議してますが…それもどうなのか?]
う、うん、どうにかできるなら、お願いするのです。
このままだと、御婆様が大変な事になっちゃうですよぉ。
[アーベルの言葉に、こくりと頷く。
じっとり重い感触は、自分的にもあんまり良い気分ではなかったりする]
だって、だって、宝探しだって言ってたんだもん!
[猫妖精の言葉に反論したけれど、その言葉に自信が無いのは自分が一番良く知っていて。]
人に迷惑は……かかってるかもしれないけど。
それを言うならそもそもあたし達をここに閉じ込めた人も迷惑……。
[ぼそぼそと、言い訳めいた言葉を口にして抵抗を試みます。]
[ユリアンの突っ込みには、ちょっと怯んだ、が]
みゅ…でも乱暴者よりましにゃ!
盗人にも三分の理ってやつにゃ!
[自分で言うな自分で]
……で、さ。
さっきも言ったけど。
嫌いなんだよね、そういうの。
[次いだ言葉はアーベルに対して。
先程、魔法に対して見せた不機嫌そうな色はなく、淡々と言う。
微かに口唇を動かして特定のものにしか聞こえぬことばを紡ぎ、二度目に指を弾くと、霧は薄れて老婆から離れる。牽制するように、周囲を漂ったままではあったが]
《……石も少ないし。
一先ず、逃げるのが先決かな。この場は》
[見つけられてもいないのだし。
妖精たれば逆境も楽しいと思うのだろうけれど、人の身を借りている所為か、気分はあまり明るくはならない]
んん、ごめんねミリィちゃん。
描けないと出来ないんだ。
でもどうして?
[不思議そうに、エーリッヒに問い返す。]
約束だから、大丈夫だよ。
普段使わないし。
ピアスあるし。
ピアスなかったらやらないよ? 怖いし。
別に、世界を滅ぼすだとか、そんなことは考えちゃないよ?
出来るとも思えないし、自殺願望ないしさ。
だから。
虹の天使を渡してくれたら、さっさと消えるんだけど――な。
[駄目かな、と首を傾げる。
一人を捕えたばかりでは妖精の王も力を揮えないか、現れる気配はなかった]
く、悔しい……。
[けれど言い返せないのは、それなりに思い当たることがあるからで。
言葉の代わりに猫の尻尾を引っ張って気を晴らすことにしてみた。]
でも、でも、あたしとウェーバーさんがぶつからないように助けてくれたし、気絶したアンタを運んだのはエーリヒさんなんだから!
芋虫達にも注意、してたし……。
[宝を探す、彼の本当の目的は何なのだろう。
首を傾げエーリッヒを見た。]
在るべきものは、在るべき場所……に?
[言葉を小さく繰り返し。
霧が離れたなら、ほっとしたよに息を吐いて、立ち上がる。
アーベルの言葉には、気にしないで、と笑って見せた]
……それが、嫌い。
[もう一度だけ呟く。
それ以上の声は返らない。
白い霧が濃さを増す。
人の姿をした彼はその向こうに、溶け込むようにして*失せた*]
[青年から半眼で睨まれる猫妖精からのジト目を受けて、うっと再び言葉に詰まる。
とりあえず、職人見習いの青年をジト目で見てみた。なんとなく。]
みゅ?
おいらは、猫妖精の国に虹の天使を持って帰るつもりだったにゃ。
綺麗な宝物を持って帰ったら、猫妖精王に大人にしてもらえるにゃ。
[理由があるのかという問いには、悪びれもせず]
極悪人と一緒に探して、願いを叶えてやってから、くすねようと思ってたのににゃあ。
あいつが気短かだからいけないにゃ。
……そんな事、冗談でも願うなんていわれたら。
ボク、全封印叩き破ってでも、成敗しますよ?
[半眼になって、物騒な言葉をぽつり]
渡してくれれば消える、って言われても。
それで、はいそうですか、って頷くのは、できないですよ?
[そも、どこにあるかわかってない者の方が多いのだから]
[ミリィが笑ってくれたので、にこりと笑い返して。]
んん、ヨハナおばあちゃんも大丈夫だね。よかった。
エーリ君が何で嫌ってるのか、わかんないな。
ちゃんと理由も教えてくれれば良いのにね。
[いなくなってしまった向こう側を見て、ぼんやり呟いた。]
ふみゃっ!
[少女に尻尾を引っ張られて、思わず飛び上がる]
お前も、乱暴もの、にゃ〜〜〜〜
[そのまま、ふにゃりと、その場に崩れてしまう。どうやら弱点だったらしい**]
て、あららぁ……。
[霧に消えていく姿に、ため息一つ]
ほんとに、もう……。
困ったひとですねぇ……。
[呟きの後、出たのは小さなくしゃみ。
どうやら、冷気に当てられたらしい]
うう……ちょっと、あったまって行った方が、良さそうです。
[湿った紅の髪を軽く摘んで、ため息一つ]
[そんなことを呟けば、霧に紛れる金髪の青年に心配そうに視線を向けた。
その姿が見えなくなると、何かに耳をすますように*沈黙する*。]
……そうですねぇ。
ちゃんと、理由も言ってくれればいいのに。
[アーベルの言葉に、こくん、と頷く。
白の鳥も同意らしく、くるる、と*短く鳴いた*]
うん、あったまったほうがいいね。
ここ、温泉だし。
ヨハナおばあちゃんも、もう一度入ったら良いと思うよ。
おれは、ピアス取りにいこう。
一個だとこころもとないからね。
あと、シチュー作るから。
ええと、材料ヨハナおばあちゃんから貰ってもいい?
[リクエストだったよね、と笑った]
あれだよ、エーリ君はシャイだから、言えなかったにちがいないよ。
[にこりと笑って]
でも聞きたいけどね。
ねえ鳥さん、やっぱり鳥さんも……ん、なんでもない。
いってくるね。
あとで、来ると良いよ。
小屋でちゃんと、あったかいもの作ってるから**
/*
真面目に、どこにあるのか決めてないんですけどね!
そも、デザインとか全く決めてないし!
[モデルがみりたんの可能性は物凄く高いけど。
あれで、無自覚に惚気るタチだからなあ……]
[しかしこのじと目のループは何だろう。
なんて考えつつ、動けずにいたりしたが。
猫妖精の叫びに均衡が崩れて、漸く息を吐く]
…碌な奴がいない。
[猫妖精の返答も含めての感想か、霧の中に消える姿に不機嫌そうに呟いた後。
小瓶を取り出し、蓋を開けた。
妖精さんがやや警戒しながら出て来るのを見届けてから、瓶をしまう。
瓶ごと捨てなかったのはやっぱり最後の良心かも知れない。
後はもう知らないとばかりに*背を向けた*]
[像を見つけたら消えるなどと言うエーリッヒに物申したい事は山ほど合ったが、腰の痛みに声も出ない。睨むように唸っているばかり。
やがて指の鳴る高い音と共にようやく重みが遠のいて、婆は大きく息を吐いた。荒くなった呼吸を繰り返し、白い霧に紛れ消えて行く姿を皺に囲まれた目で睨む]
……ったく、あの馬鹿坊がァ。
守護妖精さんが村にくれたもんを勝手に持ってく何ざ、泥棒以外の何者でも無いさね。林檎の森番さんが耳にしてたら何と言うかねェ…いででで。
[既に居ない青年へ文句を言いながら上体を起こし、痛みに腰を抑えて蹲る。ミリィとアーベルとの間で交わされる言葉に否やはなく、ミリィの手を借りながら湯治再び*]
あァ、窓の鍵は開けてあるから材料は勝手に持ってお行き。
ツィムトが何か言うかもしれないが、これを渡しゃ大人しくなるさね。
―― 村の丘 ――
[風がそよぐ。
小高いその場所からは、村の光景がよく見えた。
事件に関わりのない人々に取っては、崖崩れによる不安と被害はあれど、いつもとそう変わりのない日々を送っているようだった。
視線を水平に戻す。
静かに佇む、冷たい石の並んだ墓地がある。
地域によっては妖精は死者の魂の成れの果てであるともいうが、生憎とここにはいないらしい]
[悪戯ものたちからの報告は、芳しくない。
元々、然程期待していたわけではなかったが。
気の短いかれらはそろそろ捜すのに厭きて、森に留まらず、騒ぎたがる頃。親の脅しが真実と、子供たちは知るのだろう。あるいは、親自身も]
お伽噺は作り物語だから夢があるんだけど、ねえ。
[楽しいことと、少女に嘯いたときの様子はそこにはない。
ぱらつく金の髪を掻きあげる]
―自宅―
[夕食は森番小屋で取り、残りのシチューは駄賃に置いて来た。
まだ痛む腰を宥めながら菓子を作っていく]
まったく肝心な時に姿見せないんだからねェ、妖精王は。
匂いに釣られて出てくりゃいいんじゃが。
[揚げたパンに詰めていくのはリディに貰った卵で作ったカスタード、栗の渋皮煮を砕いて入れたマロンクリーム、そして林檎の残りで作った今年初めての蜂蜜入りの林檎ジャム]
…ついでに辛子入りも一個作っとくかねェ。
[ふと思い立って悪戯としての定番も一個作り、二つの籠と一つの紙袋に入れて家を出る。薄茶猫も婆のいつもより遅い歩みをのったりと追っていく]
[束の間落とした視線は、墓石に刻まれた文字をなぞる。
今よりは昔、村の歴史に比べればそう遠くない過去。彼方の地から賜ったという樹に肖った姓、祖父とは異なる名。
手を開き砕けた緑を散らすと、色のない石に輝きが残った**]
―丘―
[先立った昔馴染み達の墓を横目に見ながら、林檎の森番と呼ぶエーリッヒの祖父の墓の前まで歩く。いつもより前屈みで歩いていた為に気付かなかったが、墓前には先客があった。
足を止めた婆の籠から、風が甘い香りを攫っていく]
…墓参りかい、坊。
[皺だらけの顔に苦い笑みを浮かべて、墓石に刻まれた名に皺だらけの顔の中で唯一昔と変わらない青い目を向けた。
ゆっくりと歩み寄り、散らされた輝きの上に紙袋に詰めた4種類のベルリーナーを墓前に供える。紙袋の表面には『一番手前は辛子』と薄く走り書きされた人間の文字]
残されたもんも寂しいが、残してったもんも心配じゃよなァ。
どうせまた食べとらんじゃろし、お前さんからやるといいさね。
悪戯もん避けのもついでに食べさせてしまえばいいさァ。
/*
>彼方の地から賜ったという樹に肖った姓
これが林檎なのかそうでないのかが判って無いのじゃ。
坊の正体が樹関連の何かとは思うんじゃが、それを指してるのかがなァ。読解力が欲しいのゥ。
とりあえず祖父と違う『名』なので別人の墓にしてみたが、うゥむ。
隣なのでどっちとでもなるなる。坊に任せた。[酷い婆だ]
―小屋―
[昨夜はちゃんとシチューを食べた。]
[今朝も残りを食べて、それでもまだ残ったものには、メモに書いてはりつけた。]
エーリ君は食べることっと。
よし、これで問題ない。
だいたい食事も食べないでいるとか、いくら妖精でも駄目だよね。うん、駄目。
それにしても――なんでエーリ君は嫌がるんだろう。
[メモとペンを見て、不思議そうな顔。]
使い方も、使うときも、間違えていないんだけどな。
……ピアスなくても、おれのものなら、あげるものはあるし。
……そんなとこ。
[距離は置くも、逃げはしない。
ヨハナの眼差しの向く先を追って、目を細めた。次第に深まる秋の風は冷たいけれど、鼻腔を擽る甘い香りは何処か懐かしくてあたたかい。
愚痴は聞いているのかいないのか、細く息を吐いた]
人は儚いよね。
妖精とは違う。わかっちゃいたけど。
ヨハナだって少し前はこんなに小さかったと思ったのに。
[手のひらを腰の辺りでひらひらとさせる。
青年はが老婆に対してやるには、そぐわない仕草だった]
連れて来た癖に、先にいっちゃうしさ。
[昔と変わらない、彼女の青い瞳が映すのは、 Anneliese ―― 祖父の先代、林檎の樹を伝えたひとの名]
……じっちゃも、さ。
せっかく代わりになったのにね。
したくてしたんじゃないだろうなんて、わかってる。
[独りごちるように言う]
仕方ないよね。
[さて、彼女はなんと言ったろう。
供えられた紙袋を見る。手が少し動いたが、伸ばすことはなかった。
緑を青と交えることも、ない]
そんなこと言ったって、もう出来ないじゃんか。
[わらった。笑みと見えたかは知らないけれど。
じゃあ、と短い別れの挨拶を告げ、丘を駆けて下りる*]
んん、夕食はどうしよう。困ったな。
あんまりでる気がしないし……
あるやつ使っちゃっていいのかな、いいか。エーリ君おばかだし。
[なんてつぶやいて物をあさる]
[急なことだったから手持ちの石はなく、採取場所は崖崩れの所為で使えず。
取りに戻ったところで内には人の気配]
……家主いないのに使うか。
[許可を出したのは自分だが]
[青い目を墓石に向け婆は声だけを聞いていたが、小さかったと言われてちらりと青年を盗み見た。
腰の辺りでひらひらされる手は婆が小さな子供だった頃の高さ]
連れて来た…?
[数十年の時を遡り青い目が映す名は、林檎の樹を村に伝えた――林檎の森番と呼ばれる元となった初代のもの]
[続く青年のぼやきは詳しくは判らない。
だが置いて行かれるのが哀しいのだろう事は感じて、声が掠れた]
坊、お前――…お前、あの林檎の樹なのかい?
[振り返る先、青年の指が動くのが見えたが伸ばされる事はなく。
真実を探そうとする青を緑が見返す事も無い。
わらいを象る表情だけが、婆の目に焼きつく]
死者は確かに手渡せやしないが、お前が手を伸ばせば届くのにさァ。
坊が持ってくのを嫌がるなァんて欠片でも思いやしないだろうに。
[駆けていく背にかけた声は、届いたろうか。
婆は追いかけることなく、丘を降りていく森番の青年を見送る]
随分と寂しがりやな坊さねェ。
お前さん達もさぞかし心配じゃろゥ?
……必ず先に置いて行くわたしが言っても届かんかもしれんが、放置する気なんかさらさらないさ。坊が取りに来るまで番しといてくれさね。
[薄茶色の猫が前足で緑色の欠片を突付く。今は力の残らないそれは、ツィムトの首輪の石とよく似ていた]
およし、怪我をするよ。
それじゃァ、行くとするかねェ。
どうせ最後に来るのは…虹の天使のあるところさね。
[青い目が伏せられて、過ぎるのは悪戯めいた色。
年を取っても、年を取ったからこそ、この婆は性質が悪い*]
だから食べろって言ってるじゃないか
[さっさと部屋に行くのをおいかける]
エーリ君よりも、みんなの支持は得られるに違いないよ。
のんきだっていいじゃないか。
[ふわり、瓶から溢れる光に驚いて振り向く。
戸惑うようにゆれる光の囁きは、少女には聞こえない声だったけど。]
ねえ、なんで瓶に閉じ込めたの?
[背けられた背中に問いかけた。]
ここで放しても、閉じ込められた儘なのに。
[キャットニップを引きちぎり、空になげる。
もとの場所にも、緑の茎は伸びたまま。
自分たちはこの空間に閉じ込められているのだ。]
なんの支持だ、なんの。
得られなくて結構、関係ないし。
[先に部屋に入り込んで扉を閉めた。残念ながら鍵なんてものはないのだが]
[千切られた草が地に落ちるまで目で追って、考えを纏めた。
一つうなずくと、伸びた猫を揺り起こす。]
起きて、ねえ、起きろ!
ね、守護妖精も、ここにいるんだよね?
その妖精なら、ここから出る手掛かりを知らないかな?
もしくは宝の在処。
守護妖精を探そうよ!
[言うと、辺りの茂みを引っ掻き*回し始めた*。]
馬鹿じゃないって支持。
って閉めなくてもいいじゃん。
[一週間借りていたのだから、鍵がないことも承知のうえで、遠慮なしに手をかける。]
エーリ君、馬鹿な子供の行動だよ。
ちゃんと食事くらいしなさい。
いーんだよ、
人としたら十幾つかなんだから。
[訳のわからない理屈を捏ねて、卓上の瓶を手に取る。
本当の生い立ちを知っているのは、今では自衛団長だけ。他者の記憶はそれと分からぬようぼかされていた]
……やっぱりお前、泊めるんじゃなかった。
[窓側を確保しながら息を吐く]
馬鹿なのもいいの?
[まったくとつぶやいて]
でも泊めてくれて、感謝してるよ。
お馬鹿だけどエーリ君やさしいから、おれは好きだな。
だからそこから逃げたりしたら、これで止めるからね
[にへらと笑って、胸ポケットのメモ帳を取り出した。]
そういえば何でこれ嫌なの?
ちょっと懐かしかったからとはいえ……
[ぶちぶちと小さく呟き、馬鹿云々は無視。
取り取りの色が詰まった瓶を袋に入れた]
俺は、きらいだ。
[振り返り、ゆっくり、はっきりと言う。
視界に入ったメモ帳に、眉を寄せる]
……そうやって、力を便利に使うのが嫌。
互いに干渉せず、人は人、妖精は妖精で生きたらいい。
碌なことがない。
[対価を払っているのも約束を取り交わしているであろうことも、察してはいた。それでも否定を紡ぐ]
おれはそうは思わないよ。
博愛主義なんだ。
[大真面目]
力を使うのは約束だからね。
妖精のお母さんは、おれが外にでる時に決めたんだから、良いじゃない?
ろくなこと、なくないよ。
こうやってエーリ君もとめられるし。
――エーリ君は、なにをこわがってるの?
─診療所─
[ヨハナの介助をした後、自分も温泉で温まり。
混浴利用は色々と抵抗もあったものの、硝子の天使もどうにか回収して。
森番小屋で夕食に相伴すると、診療所に戻って──そのまま、朝まで見事に意識喪失。
そして、翌日]
……ねぇ、リーリエ。
ううん、リーリエではないですねぇ。
リーリエに宿った誰かさん?
[朝食を済ませ、身支度を整えつつ、羽根繕いをする白い鳥に、こんな言葉を投げかけた]
誰も特別がいないってことじゃないか、それ。
[続いた台詞には一瞬、目を見開いた。
訝る視線を相手に向ける]
代償払って力使えって、それが約束なわけ?
……あららぁ、当たりですかぁ。
もしかしなくても、守護妖精様……かしら。
[くすくすと笑いながら、髪を丁寧に梳いて編んでゆく。
昨夜の力の介入と干渉は、昔から村にかけられていた守りのそれと良く似た波動だったから。
鳥の異変の理由は、何となくだが読めていた]
でも、ご本人ではないですよねぇ。
力の一部というか、意識の一部というか、そんな感じですかしら。
記憶や知識までは……共有していないのでしょうねぇ。
[それができていたなら、虹の天使の場所もはっきりとわかるのだろうが。
仮に出来ていたとしても、言語による意思疎通ができない現状、それを確かめるのは難しく。
治癒術師としても魔女としても見習いな現状に、小さくため息]
―森/林檎の樹―
[冷たくなる秋風に吹かれ、ゆっくりと丘を下り森へ入る。
数十年前の記憶を辿り行き着くのは、森の中ではまだ若く、同種の中では一番古い一本の林檎の樹]
お前さんが坊…なのかい?
わたしゃ未だに信じ切れちゃいないんだがねェ。
[子供の昔したように、曲がった腰で同じ位の場所の木肌に触れる。
皺がれた手は小さく柔らかな頃とは比べるべくも無い年月を刻む。
足元の薄茶猫が「ミ゛ャゥ゛」と後ろを向いて鳴き、婆は声を投げる]
――…そこに居るんだろゥ、妖精王。
ちょっと違うけど、そんなようなものかな。
おれを浚っちゃったお詫びに、力を使わせてくれるって。
危険だったら使ってって言われたよ。
ただ、おれのものをあげなきゃいけなくなるから、ほどほどにって。
妖精のお母さんは、おれのことが好きだからね。欲しいけど、手放してくれたんだって話してたよ。
旅にでる前に。
[いろいろと危険なことも混じっているが。]
で、エーリ君は、何がこわいの
何かろくでもないことがあったんでしょう?
はい。エーリ君の番。
ふみゃみゃみゃみゃっ!
[気持ちよーく意識喪失していたら、ゆさゆさ揺すぶられて跳ね起きた]
じ、自分で落としておいて、起きろって、勝手なやつにゃっ!
[ぶちぶち言いながら、頭をふるり。猫耳もふるりと震えた]
守護妖精?多分、ここには居ないにゃよ。居てもおいら達を出せる力があるくらいなら、とっくに自分が外に出てるに違いないにゃ。
[茂みを引っ掻き回すリディを、眺めて、くわあ、と欠伸]
それにそんなにちっちゃくないと思うにゃ。…て、あれ?
[引っ掻き回された茂みの中から、ころんと転がり出たのは三歳児体型]
こっちにも、いたにゃ、妖精王。
[多分外に居るのとは別の分身、と見抜いたのはやはり猫妖精の探査力かも]
ここで会ったが百年目だにゃ〜〜〜
[しゃっきん、と爪が出ました]
まぁ、だからと言って。
[きゅ、と黒の紐を結んで髪を止めつつ、呟きをもらす]
何もしないわけには、行きませんものねぇ。
……放っておく事は、できませんし。
[誰を何を、とは明確にはせず。
くるり、鏡の前で一回転してから、壁にかけた帽子を手に取り、ふわりと頭に載せた。
真紅のリボンを結んだ、黒のとんがり帽子。
黒一色の装いに、真紅の髪と、肩に止まった白の鳥が映える]
それじゃ、行きましょうか。
[小さく呟き、外にでる。
玄関先で大人しくしていた箒を一撫ですると、それは小さく縮み、手の中に納まった。
ある意味、完全装備を整え、森へと向かう]
[じりじりと後ずさる妖精王に、じりじりじりと迫りながら、にんまり笑う]
ここの、半分は少なくとも、妖精王が作ったにゃ。
だから半分くらいは壊せるはずだにゃ〜?
[きらきらん、と爪が輝く]
こーこーかーらーだーすーーにゃーーーーー!!
[四つ足の獣の動きで、しゅたっと飛びつく猫妖精、掴まってなるかと、逃げるずんぐりむっくり]
[何故話さなければいけないのかと、普段のような悪態は出なかった。眼前の青を見ていたが、目を逸らす]
別に、……ない。
ただ、
アンネはやっぱり、人間の方がよかったんだ。
…言ってみるもんだねェ。
あァ、いや、なんでも無いさね。
ちょィとお願いがあるんだが、どうだい?
[思わす零れた呟きを慌ててかき消し、甘い香りの籠をずんぐりむっくりの鼻先に突き出す。もちろん、まだ手は離さない。
妖精王は婆の顔を見て悩んだようだったが、腹が先に返事した]
うゥむ、いい返事さね。
それじゃァ早速だが、一つ目。コイツをリディ達に届けとくれ。
お前さんが間違って放り込んだんだ。これくらいしてもらえるさなァ?
……エーリ君。
はい、こっち見る。
[目をそらされたから、ふそんなことを言った。]
恋人だったの?
少なくとも、エーリ君が好きだったんだろうなって思うけど。
─森─
[一応、人目につくのは避けるように森へと踏み込む。
魔女の一族の存在は、家族を除くと師匠以外は知らない事だから。
それに、目立ってはならない理由も、一応はあって]
んん……さて、どっちに行ったものかしら。
[ある程度進んだ所で、ぽそりと呟く。
探査系は苦手です。
さがしものがどこかは、やっぱり皆目検討もついてないらしい]
[呟くような声は酷く唐突だったろう]
じっちゃだってそうだ、最期には。
寂しいって言った癖して。
[孫の存在は嘘でも、森番が子を早くに亡くしたのは本当。だから代わりをして、]
……妖精と人は違うんだ、そんなわけないだろ。
[否定。目は合わせず、それ以上は言わず。
ぱきと石に亀裂が入る。
応じるように窓硝子が砕けるのはその直後]
本当は団長さんにも届けて欲しいんだがそっちは無理そうだからねェ。せめてあの育ち盛り達にゃ食べさせてやりたいのさ。
ほれ、さっくりと送っておくれ。
[妖精王はもう一つある籠に目をやった後、しぶしぶながら手を伸ばす。籠は小さな金色の光に包まれて、ぱっと消えた。
ちゃんと届けたと偉そうに言う妖精王を空になった手で一撫でして、だがまだ菓子は与えない。飴と鞭は使い所が肝心だ]
――…さァて、二つ目。こっちが本命さね。
本物を出せとは言わない。虹の天使の偽物作ってもらえるかねェ?
守護妖精さんの親御さんたる妖精王なら、形や気配くらい良く似たもん作れるだろゥ。
エーリ君はなにがいいたいのか、おれにはわかんないけど。
そばにいたんなら、その人たちはエーリ君のことが好きだったんだよ。
寿命はしかたないじゃない。
別に妖精と人間が恋人でもおかしくは――
こら、エーリ君!
[窓が割れて、さすがにあわてた声。]
[しばし悩んだ後、とりあえず足を向けたのは、森番小屋。
都合よく戻っているとは思えなかったが、一応は、と思って]
それにしても……なんで、なんでしょうねぇ。
虹の天使を手にして、それで、どうするのかしら。
……そもそも、天使って、どんな力があるのでしょうねぇ?
[呟きは、問いのような独り言のような。
肩の鳥は、くるる、と困ったようなトーンで一鳴き。
困惑しているのは、宿っている方か宿られている方か、さて]
[目を一度固く閉じ、開いた後に憂いはない。
傷つける刃は持たず、ぱりん、と細かく散る硝子は光の雨のよう。
窓枠に手をかけ外に飛ぶ。アーベルの視界から消えた一瞬の間に力を用いたか、姿は何処にもない**]
[答えは元々期待していなかったから、困惑する鳥をぽふりと撫でて、先へと進む。
目的地を遠くに認めるのと、何かが砕ける音が耳に届いたのは、ほぼ同時で]
……あ、あららぁ?
[遅かったかしら、と。
零れ落ちたのは、どこか惚けた呟き]
[流石にそんな事を言われるとは妖精王も思っていなかったらしい。
途端に出だした文句を一通り聞き流し、もう一度問いかける]
出来るのかい、出来ないのかい?
それなら残念だが…あァん、二つもずるいって?
だが、それをいうならわたしゃ三種類作ってきたんだがねェ。
カスタードに栗に林檎。それでもずるいって言うのかい。
そもそも、お前さんがさっさと見つけてくれると期待してたのに…
[文句の言い合いの後、婆の手にはそれなりの出来の偽虹の天使。
妖精王は籠を抱え込み、ベルリーナーを両手で掴んで堪能中*]
あ、あー!
馬鹿!
エーリ君の馬鹿!!
[逃げられて、あわてて顔を出したけれどどこにもいない。]
あーもう。シチュー
――火にかけっぱなしだ。
[とりあえず、小屋へたどり着くのと、馬鹿、という声が聞こえたのはどちらが先だったやら]
……窓から出て行く、というのは、感心しないのですけどねぇ。
[零れてキラキラと光る硝子の欠片に、そんな呟きをもらし。
あいてるよ、という言葉にドアへと回った。
中に入れば、目に付くのはある意味大惨事]
あららぁ……大変な事に。
また、食べてないのですか、エーリ。
……ほんとに、困ったひとですねぇ。
[呆れたような口調は、常とかわらない]
ですねぇ、落ちなくなってしまうと大変ですし。
あ、いただけるなら、紅茶をお願いできますかぁ?
食べてって言ったのに。
わかった、紅茶だね。
えーと、たしかここっと。高いの使ってやろう
[にこにこ笑って、]
で、ミリィちゃんはどうするの?
にゃー!まてにゃーーーっ!!
[追いかけてー追いかけてー追いかけーてーーー…雪国まで着く前に、いきなりぴたりと立ち止まったずんぐりむっくり]
にゃははっ!観念したにゃーっ!
[すっかり悪役な声をあげて、飛びかかろうとした目の前に、しゅた、と差し出される甘い匂いのする籠]
ふみゃあ?
[高いの、という言葉にくすくすと笑い。
次いで、投げられた問いに軽く首を傾げる]
どう……っていうのは、これからの事ですかぁ?
とりあえず、エーリを探して止めないと、ですねぇ。
虹の天使を持っていかれちゃうのも、エーリがいなくなるのも、どっちも嫌ですし。
……それに、『約束』もありますから。
[くんくんくん、くんかくんかくん…]
ヨハナのお菓子の匂いにゃっ!!
[妖精王のことはすっかり忘れ果て]
ふみゃみゃーーっ!
[大喜びで籠に飛びついた]
[それが明らかに宛先違いの配達だとか、我が身大事の妖精王は気にしてないようで、もちろん、猫妖精が気にする筈もない]
うみゃっ!うみゃっ!
[口の周りにカスタードをつけて、お食事堪能中]
うん、これからのこと。
そうだね、エーリ君さがさないと。
探してちゃんと馬鹿っていわないとだめだね。
言ってもきかないけど。
[こぽこぽと紅茶を注いだカップをさしだす]
[自分の分も確保]
約束?
ですねぇ。
ほんとに、お馬鹿さんに過ぎますもの。
[にこりと笑って頷き。
帽子を脱いで膝の上に乗せ、カップを受け取る]
ボクの、曾御婆様に当たる方と、守護妖精様の約束なのです。
村に何かあったら、みんなを護るために頑張る、っていう。
……守護妖精様は、追われていた曾御婆様を助けて、この地に住まわせてくださいましたから。
そのご恩に報いるのは、一族の勤めなのですよ。
[そんな約束があったから、守護妖精の意識と力の残滓を引き寄せたとか。
そこまで、考えは回っていないが]
んん、よくわからないけど。
別に危険は迫ってないんじゃないかな。
護るって何から護るの?
[不思議そうに尋ねた。]
んん、紅茶おいしいね。
まあ、エーリ君はすくいようがないくらいお馬鹿だから、ちゃんと後で頭を叩いてあげないとね。
でも、そうなるとあのラブストーリーの子孫ってことなんだね、ミリィちゃん。
ヨハナおばあちゃんが聞いたら喜びそう。
危険は、ないと思いますねぇ。
護るのは、今までどおりの穏やかな暮らし、かしら?
変化がないのは、つまらないかもしれませんけれど。
誰かが欠けたり、いなくなるのは、寂しいですもの。
[にこにこしながら言って、カップを傾け]
うん、美味しいですねぇ。
[暢気に笑った]
叩いて治ればいいんですけど、ほんとにお馬鹿さんみたいですからねぇ。
ええと、ラブストーリー?
曾御婆様が助けられた時には、守護妖精様には、伴侶がいらしたらしいですけど……。
[違ったかしらぁ、と。
首を傾げつつ、頬に指を沿え]
ヨハナおばあちゃんいわく、盛大なラブストーリーだったらしいよ。
エーリ君の本では違ったけど。
[真顔。違うとか違わないとか、そんなの知ったことじゃない]
まあ、エーリ君はいなくなるかもしれないね。
おばかだから。
[紅茶を飲み干して]
叩くくらいじゃなおんないくらい、おばかさんかも。
まあさ、過保護にしないであげるのが良いかもしれないよ。
人間不信みたいだし。
愛情不信ともいうのかな。
難しい妖精だよね、エーリ君。
[白い鳥はなんか言いたげだったものの、多分、誰も気づいていない]
……ほんとに、難しいひとですねぇ。
[こちらもカップを空にして、ため息一つ]
抱え込んだって、ぐるぐるしてしまうだけだと思うんですけど。
その辺りも、ちゃんとお話するようかしら。
……その前に問題は、どこに行ったか、ですけどねぇ。
あんま詳しくは話してくれなかったからわかんないけど。
[カップを水場に運んで、]
エーリ君は教えてくれないと思うよ。今はね。
おばかだから。
[何度も言いすぎだ]
最初は怒ってあげなきゃね。
年上なんて信じられないや。
で、飲み終わった?
片しちゃおう。
それから、探そうね。
エーリ君は嫌いな方法らしいけど、使えるのは確かだし。
[メモ帳を取り出し、笑った**]
お話していただくにも、手順が必要、という事ですねぇ。
……ほんと、年上なのが信じられません。
[さらりと言って。
飲み終わった、という問いにこくりと頷く]
ですねぇ、まずは探しましょうか。でないと、どうにもなりませんし。
……あ、カップはボクが片付けますよぉ。
探すのは、お任せしますから。
[にこりと笑って言いつつ、カップを持って水場へと。
診療所でも炊事を担当しているので、手際は良かったりする]
[カップの片づけが終わった所で、アーベルの邪魔をしないようにと一度外にでる。
彼が使うのは妖精の魔法、自分の魔法とは系列を異にする。
余計な邪魔にならないように、との気遣いからだ]
……んん。
ブルーメ、落ち着かないですか?
[悪戯妖精たちの気配を感じてか、今はミニチュアサイズの箒はちょっと、落ち着きなく]
―森―
[薄茶猫の動物的勘と警戒心を悪戯妖精避けにして、木立の中を歩く。エーリッヒに対抗手段を持つミリィを訪ねるべく村の診療所に向かいかけ、漂ってきた香ばしいを少々越した匂いに鼻を森番小屋の方へ向けた]
おォや? なにやら焦げてるみたいな匂いだねェ。
火事ならやっかいだし、誰かいるならそれはそれでいいさね。
[女は度胸とばかりに匂いの方へと歩いていく。
やがて見えてきた森番小屋の外には探し人の姿があった]
おんや、娘ッ子。ここにいたのかい。
この匂いはどうしたのさね?
……あら、猫さんに、ヨハナの御婆様。
[近づく姿と声に、伏せていた目を上げてそちらを見る]
ええ、もしかしたらエーリがいるかな、と思って。
ちょっと、遅かったみたいなのですけどねぇ。
この匂いは……お鍋が焦げてしまったそうです。
…そうか、坊は行っちまったかい。
忙しない子さね。
何か、聞いちゃいない…かねェ。
[間に合わなかったと言う言葉に溜息を付き、腕にかけた籠が軽く揺れた。薄茶猫はトンガリ帽子の飾りの赤と白い鳥を狙う仕草]
鍋は残念だったねェ…って事は、アーベルはいたのかい?
ボクが着た時には、ちょうど、窓が割れる所でしたから。
[ため息をつく様子に、申し訳なさそうな表情を覗かせる。
白の鳥は猫の仕種に警戒中]
ええ、アーベルさんは中に。
エーリとも、お話されていたようですよ。
今は、エーリを探しているそうなので、ボクは邪魔をしないように、外に。
[解放された(元瓶詰)妖精さん。
お食事に夢中な猫妖精を発見するなり飛んで来て、自分にもよこせと主張しましたが。
その先に逃げようとするずんぐりむっくりを見つけて、騒音に近い歓声を上げ、その周りをくるくると回ったり、ぺたぺた触ってみたり。
妖精王の逃亡の邪魔になっているとは露ほども思っていないようです]
[それから少しばかり前]
…飯泥棒だから。
[リディの問いにはそれだけしか答えなかった。
自分でもそれが本心だと思っていたのだが、今となっては分からない。
そのまま、他とは離れて歩く。
妖精さんが文句の一つも言ったかも知れないが、振り返りはしなかった]
…見事に割れてるねェ。あそこから逃げたって事かい。
少しでも話したなら聞かせてもらいたいもんだが、
[ミリィの説明に頷き小屋へ入ろうとし、邪魔と言う単語に止まる]
ふゥむ、それなら出てくるまでちィと待つかね。
そういやお前さんはアーベルから聞いちゃいないのかい?
知ってる分だけでも話してもらえると坊を止める手掛かりになるかもしれないんだがなァ。
[立っているのも疲れたのか、切り株によいしょと腰掛ける。
猫は赤か白か悩んだ末、珍しい方――つまり赤のリボンを狙う事にした。姿勢が低くなり、ちりりと涼しげな音が鳴る]
おやめ、ツィムト。
着地し損ねても、わたしゃ今は助けてやれないんだからね。
うーみゃ?
[お食事を邪魔した妖精さんが、妖精王にまとわりつくのを見て、はた、と目的を思い出した]
ああーーっ!待つにゃーっ!!
[再びだーっしゅ!……ぶっちゃけ落ち着きの欠片もない。カスタードついたまんまだし]
[紅のリボンを狙っていたらしき猫の様子に、あららぁ、と暢気な声を上げ。
問われた言葉に、先ほどのやり取りを思い返す]
聞いたのは、簡単な事なのですけれど。
エーリが、人間不信で、愛情不信らしいとか。
アーベルさん自身も、はっきりとした事は聞けてなかったみたいですねぇ。
[話しつつ、腰掛ける姿に心配そうな視線を向けた]
そこの暗いやつーっ!ぼーっとしてないで、協力するがいいにゃーっ!!
[ひょこひょこぬらりと逃げるずんぐりむっくりに、ブチキレたか、ユリアンを暗いやつ呼ばわり]
[振り返る。
暗い奴と言われる自覚はあったらしい。
が、妖精王を見るや否やそっぽを向いた。
関わり合いたくない様子。
そんなこんなしている間に、妖精さんが妖精王の後頭部から体当たり。
一応、本人としては愛のハグをしたかったようですが]
[心配そうな視線に気付き、大丈夫とばかりに腰のせいで俯きがちな顔を上げる]
人間不信に愛情不信ねェ…坊は愛されとったと思うんじゃがなァ。
だが、結び付きが深ければ深いほど、置いてかれる方は辛かろゥ。
[祖父との思い出が詰まっているだろう森番小屋に目を向け、目尻の皺が深くなる]
……坊は墓前で、人は儚いと言ってたよ。
わたしですら小さかったのにって子供の頃の背を示してなァ。
わたしゃもう、残していく側だからねェ。
坊の気持ちは判ってやれんのだろうなァ。
じゃが、残していく方の気持ちは判る…わかってるつもりさね。
うみゃっ!今にゃーっ!
[妖精さんの愛のハグに、ずんぐりむっくりがよろめいた隙を狙って、猫ジャンピングあたーっくっ!]
[枯れた茸の作る円。その内側は虹を切り取ったような鮮やかな色彩の結晶に彩られる。
妖精の踊った跡と言われるものを模した“それ”は、異空間への口を開けたままで、ひどく不安定になっていた。
一度落ちれば、戻れるかわからぬ深い穴のように]
……この件が一段落したら、ゆっくり湯治しましょうねぇ?
[今はそれどころではないけれど、と笑って。
続いた言葉に、微かに目を伏せる]
……置き去りは、寂しい、ですねぇ。
置いていく方も、置いていかれる方も。
[何か、思う所でもあるのか、ほんの一瞬、陰りは深くなり]
人は、確かに儚いですねぇ。
永い時を生きるひとは、皆、そう言います……。
[ジャンピングアタックの影にいち早く気付いた妖精さん、驚いて逃げだしました。
結果。
ぐにゅ、とか変な音がしたかも知れない]
[変な音がしたので振り返る。
しばし沈黙]
…死にかけてないか。
[一応、死なれては困ると思ったのか。
潰れ掛けた妖精王を指差した]
勝利だにゃ!
[えっへん、とか、胸張ってますが、この状態で、どうやって外に出してもらおうというのか、謎…というか、多分考えてないわけで]
うにゃ?妖精王は、死なないにゃ。
[ユリアンの疑問には、そう答えたものの…]
はにゃ………潰しちゃまずかったかもにゃ…
[今頃気付いた]
[メモに円を描き、ことばを口にする]
[エーリッヒの居場所を]
[片耳のピアスを引き換えに、魔法の力が飛んでゆく]
――林檎好きなんだね、エーリ君は
[彼には力が伝わったに違いない]
んん、行こうか。
ピアスちゃんともう一つつけてっと。
[部屋に戻り、新しいピアスを耳に]
[それから外に出ると、ヨハナもいた]
あれ、おばあちゃん。おはよう?
腰はだいじょうぶ?
[湯治という声に微かに笑って、ミリィに視線を戻す。
微かに目を伏せる様子を婆は静かな目で見ていた]
しかしなァ、限りあるからこそ人は精一杯生きるのさね。
いつ死ぬか判らんから、わたしゃ美味い菓子を作って食べたり食べさせたりしたいんじゃし。
果実にしろ何にしろ、何時でもあれば逆に作らないだろうなァ。
[妖精王のお陰で空になった籠を置いて、ゆっくりと腰を上げる。
前掛けのポケットの中で偽虹の天使が微かな音を立てて転がった]
まァ何にせよ当の本人ひっ捕まえんことにゃ話も出来ないさね。
わたしの頭が錆付いてるんじゃなきゃ、多分いつかはあそこに戻って来ると思うんじゃが、さて。
研究生 エーリッヒは、青年 アーベル を能力(襲う)の対象に選びました。
そうですね。
……限りあるからこそ、なのですよ、ね。
[ヨハナの言葉に小さく呟いて、こくん、と頷く]
そうですねぇ、まずは話をするためにも……あら。
[直後、小屋の扉が開いて、青年が姿を見せた]
あ、アーベルさん。
エーリ、見つかりましたかぁ?
[心配したらしい妖精さん、キーキーと妖精王に向かって騒ぎ立てますが、反応なし。
完璧に伸びてしまってるようです。
それを見て取って、どうするのかと言いたげな視線を送った。
妖精さんは妖精さんで、(自分は逃げたくせに)文句を垂れているようです]
ぜんぜん大丈夫そうに見えないよ
大事にしなきゃね。
ミリィちゃんが、ちゃんとあとで治療するでしょう?
[尋ねてから、指をさす。]
えっとね、エーリ君あっち。
林檎の方だよ
[見えない何かの近付く気配。
手を伸ばすと、ぱち、と弾けるような感覚]
……嫌いだって言ってるのに。
[指を舐める。
長めの金糸が目にかかり、頭を振って払った]
[知ってはいる。
嫌いなことを、他者にさせているのは自身だということを。
矛盾している、ぐるぐる回る。
初めのときに楽しいと思ったのは確かだったのに。
いつからこういう心を識ったのだろう]
あァ…やっぱりそこか。
[溜息を付いて、二人を目だけで見上げる]
……たぶん、その林檎の樹が、坊さね。
初代の林檎の森番さん…アンネリーゼさんに連れて来られたと、そう言っとったから。
[籠をその場に置いたまま、迷いの無い足取りで歩き出す。だがその速度は遅く、薄茶猫がすぐに先導するように前に立った]
[治療する、という言葉には、しっかりと頷いた。
それから、指さされた方を、見て]
林檎の方、ですか。
それじゃあ、行ってみましょうかぁ?
[帽子を被りなおしながら、いつものよにのんびりとした口調で言って。
そちらへ向けて、歩き始める]
投票を委任します。
青年 アーベルは、研究生 エーリッヒ に投票を委任しました。
青年 アーベルは、研究生 エーリッヒ を投票先に選びました。
投票を委任します。
青年 アーベルは、研究生 エーリッヒ に投票を委任しました。
善き隣人である筈の妖精。
それにちなんで名付けられた名前はしかし、彼には災いでしかなかった。
何をやっても、届く筈のない目標と比べられ、自信は奪われ。
好きだった歌は、人前で奏でることも無くなり。
その忌々しい名も、外に行けばありふれたものであることを知ってからは、外に憧れ。
もう一度と空を望む者や、当てもない吟遊、外の世界のことばかりを紡ぐようになっていた。
同時に、外には出られないこともよく知っていた。
仕事は嫌いではなかったし、だから誰にも言ったことはないけれど。
[人の身を借りた今、それは自分であって自分でないもの。
深い緑は安らぐけれど、遠い昔に居た土地とは異なる。
少し疲れを感じて、食事を取らず力を使っていた所為かと思う。
魔力の高まる夜を陽が暮れて月の昇る頃を待っていた]
……馬鹿、て言うだけで済めばよいのですけど。
[アーベルの言葉に、ぽそり、と呟き、林檎の樹を目指す。
木々の間を抜けて進んでゆく。
梢越しの空は少しずつ色を変える。
魔力の高まる夜は、魔に近しきものにとっても、好ましき時間]
/*
裏設定出し切れなかったから、ひっそり独り言にしてみたら一発言で収まった。
ちなみに妖精さんは歌に惹かれて来て、でも声掛ける間もなくうろうろしてたら美味しそうなもの発見→以下略
だったりするかも知れない。
―林檎の樹の側―
[歩き出したのは最初でも、歩みは遅いから若者達に前は譲って、着いたのは二人の後。
馬鹿と言う気満々の様子に小さく笑っていたが、樹にもたれる姿に笑みは引いた]
……坊。
[小さく呟き、辺りの様子を伺う。ツィムトが「ウ゛ナァゥ゛」と色とりどりの石を集めた輪に警戒の唸り声を上げた]
[あたりは、昼より暗い。]
[太陽が沈んでいるからだろう。]
[月がのぼるまでもう間も無く]
あ、見つけた。エーリ君
[大きな声で呼ぶと、ひらひらと手を振った。]
[紅の瞳を刹那、空へ向けた。
それから、林檎の樹の傍らの姿へ、視線をずらし]
……ああ、もぅ。
ちゃんと、休んでないですねぇ、エーリ?
[第一声がそれというのも、どうなのか]
[気絶中に揺さぶっちゃダメなんではなかったか。
そう思って手を伸ばし掛けた次には、
…まあ人間じゃないし大丈夫だろう。
そんな思考回路が働いて、結局止めなかった。
妖精さんは妖精王の耳元でキーキー喚いているようです。
心配しているんでしょうが、きっと聞かされるほうは五月蠅いに違いありません。
自衛団長?誰でしたっk]
……御揃いで。
[ゆっくり、少し気怠けに、緑の瞳を瞬かせる。
体重を預けた状態から身を起こすと、葉が揺れて微かに音が立つ]
そこの二人は緊張感がないな。
シチュー食べろっていったのに、食べないから鍋こげちゃったよ。
一応つけておいたけど。
だっておばかなエーリ君のために、緊張感もってどうするの
大丈夫だよ、ツィムト。
……終わったら、人は後で、解放するから。
[警戒の唸りに宥めるように言うも、その内容は少しずれている]
気持ちばっかり張り詰めてても、仕方ないですもの。
[緊張感がない、という言葉にこう返して]
それに、疲れて見えるのは、確かですしねぇ。
……無理のしすぎじゃ、ないのです?
勝手に使うほうが悪い。
[まるで子供の喧嘩レベルの会話。
至って真顔なのが、可笑しくもある]
持たれても困るけどさ。
最初は祭りのつもりだったし。
楽しんでたのは、確か。
やれやれ、だから食べさせるよう言ったのになァ。
[気だるげな様子に溜息を吐いて、静かな目を向ける]
友達にそんな言い方するもんじゃないさね。
……それに置いてかれるのが嫌だからって、置いていくのも止めて欲しいさね。
[薄茶猫はエーッリヒの言葉に唸り声を潜めるが、目付きは悪い]
[妖精さんのキーキー声に刺激されたか、それともぶんぶん揺すられて脳みそ(あれば)シェイクされるのに飽きたのか、白目を剥いた妖精王が、いきなりひょこんと復活する]
あ!起きたにゃっ!
とっとと、おいら達をここから、出すにゃーっ!
[更に、ぶんぶん揺さぶろうとした猫妖精の手は、すかっと空を切った]
楽しんでたならなんでそんなことやり始めたのさ。
エーリ君はわかってない。
[むぅとしながら、一歩、二歩、近付いて]
おじいさんがなんて言ったかも、おれは知らないけど。
でもエーリ君はあいされてるじゃないか。
みんなから。それにおれもエーリ君好きだし。
[肩をすくめた]
楽しめばいいじゃない。
何やっててもさ。楽しいなら楽しんで良いんだよ。
エーリ君が何をやったにしろ、何を隠してるにしろね。
[腐っても妖精王、だったのか…むしろ分身が、乱暴されすぎて消えたのかもしれないが、いずれにせよ、猫妖精的には…]
ああーーーっ!!逃げられたにゃーーっっ!!
[じだんだじだんだ]
大人しくしてくれてたら無理もせずに済むよ?
[心配の言葉にも、悪びれた様子は見えない]
……そんなつもり、別に、ない。
[ヨハナへの否定は、両方に対して]
人間だって、悪戯されるのは困るだろ。
妖精だって、いつまでも守って、馬鹿みたいだ。
ばらばらでいいのに。
[妖精王が起きたのに気付いて、猫妖精の声に合わせて半眼で見ていたのだが。
消えたのに思わず瞬き。
理解が及んだ後には、疲れたように首を振る]
エーリ君はやっぱりおばかだ。
一緒にいたいから、一緒にいるんじゃない。
どうしてばらばらでいればいいなんて言うの。
エーリ君は、本当はどうしたいの?
研究生 エーリッヒが「時間を進める」を選択しました。
悪戯も手伝いも、言い聞かせだって、持ちつ持たれつってやつさね。それに…バラバラだと寂しいもんだがなァ。
妖精と人間が関わりあって暮らす。こんな楽しい村ないと、わたしゃ思うんだがねェ。
[妖精さんは妖精さんで、急に消えた妖精王をきょろきょろと探し。
見つからないと分かると落胆したようで、へろへろと降りた地面で悲劇のポーズ]
でも、大人しくしてたら、もっと無茶しそうなんですもの。
[さらり、返して]
守りたいものを守ろうとするのは、馬鹿な事かしら。
一緒にいたい、という気持ちは、自然なものだと思うですよ?
それは、いつも一緒は疲れるし、たまに一人になりたい時もありますけど。
でも、つながりが全然ないのは、寂しいものです。
う、……るさいな。
[出てくる言葉は酷く子供染みたもの。
感情を抑えるように、自分の手を掴む]
犯人だってわかってるなら、捕まえればいいだろ。
なんでそんなの、気にするのか。
大体、守護妖精さんだって契約とかで無しに、愛 の為に村守ってるだけと聞くしねェ。
傍から見れば馬鹿みたいでも、本人がそれでいいならいいような。
[罰のせいで云々は二百年の間にどこかに忘れ去られた模様]
置いてくつもりでもないなら、坊は何を…望むんだい?
それすら話してはくれないのかねェ。
[手の内の像は、妖精王が作っただけあってそれなりに本物に近い]
エーリ君がどーしょもない馬鹿だから。
[にっこり笑って、近付いた。]
[頭を叩きたいようだ]
みんなエーリ君のこと好きなんだよ。
恵まれてるじゃない。
望み?
……界を別つ、それだけ。
繋がりがあったって、寂しいのには、代わりないだろ。
余計に感じるばっかりだ。
喪ったものなんて、戻らない。
みゅう…こうなったら仕方ないにゃ。
[妖精王の消えた後を、猫の目で睨んでいたが、暫しの後に、決意の表情ですっくと立ち上がる]
なんで、って……。
[はあ、と。
思わず、呆れたようなため息がもれた]
そんなの、大事だからに決まってるじゃないですかぁ。
どうでもいい、と思うなら、とっくに成敗してますよぉ?
[思いっきり、素で言った]
……界を別つ。
そんなことして、どうするんですか?
それに、寂しい気持ちがあるから、嬉しい気持ちが強くなるものですよ。
喪ったものは戻らない。
なら、新しいものを築くことは、できないのですか?
[僅かに首を傾げつつ、問いかけてみた。
肩の鳥がばさり、物言いたげに羽ばたいて]
[すたすたすたと、歩く先には…]
御飯食べるにゃ♪
[甘い匂いの籠の前に、再びぺったんと座り込んで、リンゴジャムの入ったパンに齧りついた]
[彼も妖精さんも顔を上げ。
急に真剣な様子を滲ませる猫妖精をじっと見つめた。
…一瞬後、彼は何もなかったかのように目を逸らし。
妖精さんはまた飛んで行ってよこせと喚き立てます]
逃げて後悔しないってならそれでもいいかもしれないがねェ。
坊は絶対後で後悔しそうに見えるんじゃよなァ。
じゃから、わたしゃ坊が後悔せんでいいよう林檎の森番さん達に代わりに止めたいんじゃよ。
[アーベルの声を聞いて、ぽつりと呟く。
そしてエーリッヒからようやく返った答えに、大きく息を吐いた]
…ほゥら、案の定さね。
わたしゃそんな事になったら哀しむさァ。村の皆もきっとなァ。
そしたら、後悔するのはきっと坊さね。
お前さんは優しすぎる子だから。
青年 アーベルは、研究生 エーリッヒ を投票先に選びました。
投票を委任します。
青年 アーベルは、研究生 エーリッヒ に投票を委任しました。
青年 アーベルは、研究生 エーリッヒ を投票先に選びました。
[皆の言葉は届いているのか、ただ、表情には僅かの困惑。
婆の握る像に視線を注ぐ。
昨晩の事もあって疑い深くなっているのか、揺れているのか、すぐさま飛びつくような真似はしなかったが]
みゅう、仕方ないにゃあ。ほら、半分こにゃ。
[なんだか急に落ち着いた様子で、猫妖精は、妖精さんにパンを半分渡してから、目を逸らしたユリアンと、追いついてきたリディに、ちらと猫の目を向けた]
多分、妖精王は、本物の犯人を捕まえに行ったのにゃ。
だから、待っていればいいと思うにゃ。
守護妖精さんが虹の天使に何を込めたのかはしらないがなァ。
天使が祈るのはきっと、別れじゃなく皆の幸せさね。
[皺だらけの手で握られたそれは虹色の光を隙間から少しだけ零す]
エーリッヒ、お前は本当に虹の天使に別れを願いたいのかい?
[新しいものを築くだとか、後悔だとか、優しいだとか。
答えを返したとして、それは否定ばかりの、頑是無い子供のようなものだったに違いないが。叩かれた衝撃で、完全に封殺された]
……っまえは、何が、したいんだっ
[その言葉を聞いたなら、リディもヨハナの心づくしのパンに手を伸ばしたか]
でも、あの妖精王だから、失敗するかもだけどにゃ!
[それを横目に、ジャムとカスタードに汚れた顔で、くふふ、と笑った猫妖精]
すっきりしたかったに決まってるじゃないか。
だいたいエーリ君はこの世で自分がふしあわせだなんて思ってるの?
しあわせじゃなかったの?
今自分が何を思ってるのかって、口にしてみたらどうなのさ。
[たっぷりの沈黙の後]
……だと良いが。
[全くもって信用していない口振りで呟いた。
半分貰った妖精さんは一発で機嫌が治ったらしく、しっかと両手で抱えてお食事中]
……ほんとに、子供みたいですねぇ。
[エーリッヒと、アーベルの様子に呆れたような呟きをもらし。
それから、ヨハナの手から零れる虹色の光に、紅の瞳を向ける。
肩の鳥がぱささ、と忙しなく羽ばたき、くるる、と鳴いた]
おやまァ、いい音だねェ。
[イイ音立ててはたかれる姿に、婆は目を眇めて前に出る。
握った手を翳すのは、模された妖精の環]
わたしゃそんな事より、お前さんが後悔しない道を願うさね。
別れは悲しいけど人の時は短い分、新たな出会いもある。
出会いがなければ悲しいも無いが、喜びも無いさねェ。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新