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─第一階層 通路(艦橋)─
理論上でしか物事を計れない者の考えることだからな。
[気楽にやってくれると溜息をつくエリカに、微かに忌々しげな色を乗せた声でこたえ。
軽く頭を振ると、移動しようという声に頷いた。
無邪気な様子のオーフェンには、この後何が起きるのかを理解した時大丈夫だろうか、と表情を曇らせ。
どうするのかと案じる視線をカルロスへ向ける。
が、自分でもどうすることが良いのか解らぬために何を言う言葉も無く、視線はすぐに外された。]
―第一階層・通路→―
[エリカの言葉に苦笑を漏らしながら]
いつでも損をするのは現場で動く人間の役割だ。
[特に現場での実働指揮を含めた任務の多い自分はそれを嫌というほど味わってもいる]
よし、行くか。オーフ自分で歩くんだぞ。
[甘やかす時間は終わり、少し厳しい目の言葉でオーフェンにつげるとその手を握り横並びに歩いていく]
[自分は皆よりも後ろ、一番最後を歩きながらオーフェンにだけ聞こえるように声を潜めて語りかける]
オーフ、大事なことだからしっかりと黙って聞くんだ。
これから俺たちは殺しあう必要がある。
[包み隠さず告げる事実は子供でも理解できる内容で、それだけにショックを与えたかもしれない]
生き残るために、俺たちに与えられた手段は今はそれしかない。
それでも生きるために、それに縋るために皆もきっと思いは変わらないだろう。
オーフにも俺は生きていてほしい、だから俺もそれに躊躇をするつもりはない。
[握る手をわずかに強めて]
渡された銃口を…誰かに向けて撃つ必要がある。
[子供に決断させるには余りにも酷な内容、けれどもそれを避ける手段はない]
それをやらないと皆殺されるんだ…。
─ 第一階層・通路→第二階層 ─
ホントに、ねぇ。
やってられんわ。
[リディアとカルロス、それぞれの言葉に大げさなため息をつく。
現場が苦労するのはどこも同じか、と思いながらエレベーターへと向かい、そこから二層へと]
まぁ、大人しくやられたくなかったら、っていうのは、一番わかり易いやり方だけど、ねぇ……。
[それだけに難しい、とぼやきながら、向かうのは集会室]
─第一階層 通路→ ─
[カルロスが自分に返した笑みは、何とも言えないもので。
何も返すことが出来ず、微かに目を伏せると親子から視線を外し集会室へと向かう為に移動を始めた。
自分の言葉を聞いたノブが納得したように頷くのを見れば、そちらに同じように頷きを返して。]
そうだ。
と言っても、担当分野が違えば何もわからないという可能性もあるが…
[そう言いながら、微かな希望を捨てたくなくて最後まで言い切ることはしなかった。]
─ 第一階層・通路 ─
[何となくリディアから見られている気が>>165したが、少し首を竦めただけだった。
苦手意識はまだ解けていない。また怒られる?と薄らと受け取っていた。
ノブに髪を混ぜられると>>169、ここだけは父親に似た癖のる跳ね髪は、さらにあちこちへと向く。
擽ったそうに笑っていた。
大人たちはどこかに行くらしい。子供はそれに従うのだ。
父親の釘指し>>167には大きく頷いた。]
うん!大丈夫、足まだ平気だよ。
[義足のメンテナンスは受けてあった為、まだ暫くは壊れる事はなさそうだった。手を引かれ、一番最後を歩いてく。
途中に転がる死体はなるべく見ないようにしていたら、傷口やら凄惨な場面、という物ははっきりと目に入らず、本当に人形が転がっているように思えて恐怖は未だ薄かった。]
― 第二階層 集会室 ―
すぐに来るといいよね
[スティーヴの言葉にそう返し。]
おっ、皆
[そのうち見知った顔がたくさん入って来ると、ニッと、いつもと変わらない笑顔を向ける。違うのは、鳴り続ける電子音‐vuuuu‐。]
これで全員だっけ
[ひそりと語られる声は>>168届き、しっかり聞いてはいたがぽかんとしていた。]
なんで?
[細かい事を聞けば、それにも説明はされただろう。
偽者と本物の話、偽者がまだこの中に居ると聞かされれば理解は早く、驚いた様子で前を歩く大人を後ろから見つめていた。]
まだ偽者がいるの?にーちゃんとかねーちゃんの中に?
えっ?
[父親がそうしていたので、真似するように声は潜めていたがそこは子供。
驚いた拍子に上げる声にその配慮は無かった。]
本物じゃないなら仕方ないんだよね…。
でも誰が偽者なの?
[偽者を撃つ、と言う事に躊躇いは薄い。それはエリカに銃口を向けた動作にも現れている。
大変だとか、急がなきゃとか、そういった言葉は今が常時では無い事を子供にも分り易く伝えていた。
問題は…本物かもしれなくても撃たなければいけない、という事だった。]
─第一階層→第二階層 集会室─
[エレベーターホールから第二階層に降り、集会室へと向かう。
その途中にも当然死体があり、その傍でアメーバ状の生き物が息絶えているのもいないのも、入り混じって倒れていた。
一体あと何人、PMCに寄生されているのかと考え、唇を噛んだ。]
―第二階層・会議室―
今のところ見分ける方法はなにもない。
疑わしいと思う、いや思わなくても誰かを撃たないといけない。
それを皆がしないと、まとめて皆殺される。
[それから少し間をあけて]
これから先、悔やむことも嫌な思いもいっぱいすることになる。
それでも、オーフ、お前は俺の息子だ。
だからこそ乗り越えてくれると信じている。
人を殺すのに鈍感にはなるな、常に痛みは共にあるものだ。
[そう語りかけながら、まだ事件が起きてから一度も吸っていなかった煙草が吸いたくなるのを感じていた]
その痛みだけは、絶対に忘れるな。
[子供には少し難しく、理解できない話だったかもしれない。
それでも伝えるべきことは早めに伝えておこうとあまり多くを教える時間は無いようにも思えたから]
―→第二階層・集会所―
[エレベーターが開いたなら当然のように乗り込んだ。
ボタンの位置が低い身長に優しくない為、普段もなるべく人間と共に乗るようにしている。
勿論中でなされた会話も聞いていたことになるが、特に反応は示さずに扉を見つめていた。
ジョエルの電子音に紛れ、キュルキュルと小さな機械音が流れる]
[第二階層着いたなら一度立ち止まって、耳をぴくりと動かす。
その時点では、先行く二人のたてるもの以外に物音は拾えなかったが。
丁度届いた通信に従い、後を追って集会所へ]
[皆が会議室に集まった頃]
『まもなく皆様に一斉射撃を行ってもらいます。集まってください』
[どこにという指示までは抜けているのは、慌てて作られたことを感じさせるだろうか。
船内に響く機械音声は事務的に、ただ殺しあうことだけを薦めるもの]
─第二階層 集会室─
…待たせたか。
[集会室の中には既にスティーヴとジョエルの姿があった。
パトラッシュも一緒に居たかどうか。
微かに息をついて、中にいた面々に声をかけた。]
スティーヴ、早速で悪いが。
PMCに寄生されている判断材料になるような情報は、持っていないだろうか。
― 第二階層 集会室 ―
[全員が集まるまでは黙って煙草をふかして。
纏まって現れたのを見ると、煙草を口許に当てた状態で面々の顔を見遣った。
顔は知るが名を知らぬ女性が二人。
子供は消去法で血縁が居る者の片割れと判ずる。
顔が分かれば問題ないか、と名を改めて問うことは無かった]
─ 第一階層・通路→第二階層・会議室 ─
え……本物でも、撃っていいの?
[人を撃ってはいけないという基本的なことは無論分っているが、それでも撃たないといけないという事に、始めは瞬く。
それから前を歩いている人達を後ろから、きょときょとと見てからようやく眉を顰めたのだった。
父親の言う言葉は黙って聞く。言われた事を飲み込むように。
どこまで理解出来たかは本人のみぞ知る。
ただ会議室に着くまでやや俯いたまま、父親の手を強く握り一言も口は聞かず黙っていた。]
―第二階層・会議室―
[自分達以外の三名の生存者と合流をすると、そちらにひらりと手を振る。
ジョエルとエリカの会話に、途中自分が作り上げた死体のことを少しだけ思い出す。
会議室に着くと煙草の箱を取り出し隅の方に移ると一本咥えて火をつけた。
息子が自分がそれを吸う姿を見るのは仕事帰りの後にまれに見せる程度のもの]
そう急かさずともな…
[聞こえた放送にそう呟く]
[提案という声に、そちらを見た。]
………ジョエル…?
[自分を壊すよう提案するジョエルに、目を瞠ったものの。]
………お前は、それで良いのか。
[そう、問いかけた。]
―第二階層・集会室―
[集会室に入って間もなく、他の人間も姿を見せる。
その中にリディアの姿を見つけたなら、垂れた尾を一度はたりと揺らした。
微かな機械音は相変わらず流れ続けている]
[フランはまだ怯えていただろうかと、視線をさまよわせてその姿を探し出し見つける。
その様子はどうだったか、なんとなく探してしまったのは命を結果として助ける結果になった為か]
自己犠牲で解決をするような事態ではないけどな。
[煙草を咥えたままレーザーガンを手にし、まだその銃口はどこにも向けていない。
何かを聞くようなことは自分からはしない]
[本人の意思であるのなら、それを向けることは躊躇わない。
既にもう人を殺して生き延びた身なのだから。
けれど、もしも人工的に造られたから己の意思と関係なく申し出たこと、ならば。
手をかけてきた身には、辛いことだった。]
─ 第二階層・会議室 ─
[放送は、集まれ、ということしか分らなかった。
パトラッシュとジョエル、名前は聞いてないけどさっき会ったおっちゃん、などの姿が見えたけど駆け寄れなかった。父親の傍が一番安全だと思っていた為に。
ただパトラッシュとジョエルとの間を、視線がいちど泳いだのだがそれもほんの一瞬。
ジョエルの提案には、少しだけびくっと動きが止まった。
銃はまだ、ぽけっとの中にある。
それを取り出さなければいけないと、手をそこに突っ込んだ。]
― 第二階層・集会室 ―
ホントに勝手。
[機械音声に眉を顰めた後]
は…?
[ジョエルの提案にポカンとなった。
呆然としながら、手はレーザー銃の感触を確認している]
[アンドロイドの言葉は聞こえていたが、反応は特に示さず。
煙草をふかしたまま、右手で電子銃を握り直す。
今はまだ持ち上げることはなく、身体の横に下げたまま]
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