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―中央部・廃墟群―
[しばし、空へと向けていた蒼を、下ろす。
連日、戦いの舞台となっている路地は、今は静かで。
その静寂が、重いように思えるのは何故なのか、と思いつつ、投げ出した靴を履いてピアノの元へ。
傷は微かに痛むが、自然治癒でもどうにかなる、と。
そんな風に思いつつ、ぽろん、と音色を一つ、紡ぐ。
続き、紡がれる幾つもの音。
それはやがて旋律を織り上げ、*眠れる世界へ響いて行く*]
…………っ
[かすかな取っ掛かりに脚を引っ掛け
少女は転んでしまう。両手で体を起こし
血のにじむひざから砂をはたき、
ふらり、なんとか立ち上がる。]
[激しい頭痛ととのに、身体に違和感を感じる。
おくすりを飲まなくなってから何日経つだろうか?
そんなことをぼんやり考えつつ、
少女はおともだちを抱えて*再度歩き始める*]
[耳に届く日碧の声。
それ故に消炭の瞳に浮かんだのは強い哀しみと僅かな絶望。
だから脇腹へと背から突き立てられた白刃を避けることができなくて]
……ッ…
…ァあ、そうかよ。ちく、しょ。
[背に突き立つ刃を引き抜くと、己の血に濡れた指先をその指先を青い輝きの上滑らせ、抜いてやはり血にまみれた刃を持つ手、青い輝きに重ね]
――――開始策略式。
並列循環 融合 融解 再構築―――再生。
[ぐにゃり、と刃の影うごめきそれは青い輝きに溶け込んで。
再び青い銃口を彼に向ける]
雷帝・改 白槍 花弁連符
[射出される弾はヒトツだけ。
けれどそれは言葉ひとつでぶわりと膨らみ弾け細かくて鋭い――日碧の刃の性質を確実に受け継いだ攻撃になる]
――…へぇ、
[青の輝きに、僅かに翠を細める。
回避を試みようとして、脚に奔る紅と痛みが思考を遮って、小さく舌打ちを零した。
咄嗟、右脚のホルダーへと手を滑らせて。節に指を掛けて一気に引き抜く。
じゃらりと金属音と共に、三節の繋がった棍棒が解き放たれた。
迫り来る刃を受け流そうとすると共に、棍棒の先へと、組紐を絡め引き鳴らす。
神楽の韻を一際高く響かせると同時、4つの刃が銀を煌かせて上空へと奔った。
――ちかと、月光を反射して。
二度目の韻。
真垂直に――相手の頭上目掛け、白銀が降り注ぐ。]
…――っ!
[同時、襲い掛かる複数の刃。
喰らったら致命傷になるだろう部分へは辛うじて弾くも
左腹部、右肩へ奔る激痛に、眉を寄せて]
───ちくしょ。
[確実に青少年の中に残る、迷いと混乱。
それゆえに猫と呼ばれるほどの動きを自らの心が鈍らせ、四撃、二撃は防いでも一撃は青い輝き支える二の腕へ、終撃は同じ側の頬へ。
ぜい、と肩を揺らした激しい呼気を飲み込んで、叫ぶ]
……ちく、しょ。…ちくしょう………っ!!
…何で…何でお前なんだよ!!
[強く強く、翠を睨み返すと青い輝き翳す。
その銃口は残る迷いの中日碧の左胸を狙う。
決まりの言葉はなく、泣き喚く子供のような強い強い叫び]
──雷帝!
[連続で放たれる魔弾五連、ぐにゃりとその起動揺れたかと思えば描かれる五角形の起動。
其れは互いをまっすぐに光の線で結ぶとひとつ輝き]
[響く大気をひどく揺らす咆哮、現れるのは青白い雷の龍王]
[睨むように向けられる黒を、真直ぐに見据えて。ゆると、瞬いた。
青の銃口が、狙いを引き絞る時ですら――
浮かぶ表情は、 無色]
……何で俺かだなんて。
君が知る必要は、 ――無いよ。
[静かに紡ぐ言葉は、咆哮に掻き消えた。
白金を揺らして、腕を振り上げる。
――組紐が、ゆるりと空へ弧を描いて。]
onomikekat onomikayah.
...ukarakebus
――『掃討せよ』!
[リィ、 ン、 ]
[咆哮の中、高く響く音。妙に、耳に届いて。
今し方青年へ紅を描きながら地へ突き刺さった白銀の煌きが
月光を受けながら、再び立ち上がる。
――その切っ先は真直ぐに相手へと、四方取り囲んで]
[雷の龍が掻き消えた理由を、青少年は後で知ることになる。
それは純粋な、避雷針の原理。
龍は青少年を守るように現れた刃を受けたいくつかの球体へと分かれて降り注ぐ。
ゆえに機械は壊れ、爆発し。
その中で軽く聞こえる、誰かの倒れるような音]
…李雪?!
[どうにかこの場所へと足を運んだ少女の精神力は限界だったのだろう、残り一本の刃を肩に受けた痛みも忘れ、青少年は昏倒する少女のほうへと足は自然と向かう。
目の前の怒りすら忘れて]
[自らが飲み込まれる前に、青年の昏睡を狙って放たれた四つの刃。
――だからこそか、青年へと届くより前に
掻き消えた龍神に、僅か目を見開いた。
転がる球体と少女に、事を悟ったか一度翠を細めて――
しかし無言のまま、チリン、と一つ鳴らす。
射抜いた四つの刃が対象から抜けて、ゆるりと手元に戻り収まった。
白青龍が消えて身の安全が一先ず保障された。
…それに、大元の目的は違えていないのだし、
これ以上、刃を振り翳す気は起こらずに。
――尤も、まさか白青龍が消えた理由こそ、知る由も無いが。]
――…、…
[駆け寄る青年を一瞥して。
感情の色は見えないまま、金を揺らして踵を返す。]
[地に伏せた体を、しばらく見下ろしたあと、傍らに膝をついてその頬に指を滑らせると自分の血の軌跡が描かれる。
僅かに眉根がよった。
先ほどまでの怒りの矛先の姿が遠ざかるのも気がつけないほど、気がつけば自分も消耗していたのだろう]
…何で出たんだよ、バカ。
来んなって、言っただろ。
[消炭が揺れる。
視界が、僅かに濁る。
ざくりと響く、新しい足音。回収班。
彼等は無言のまま回収していく。
自分自身が弱りきった今、青少年には回収班に抗う気力も力もそれほどなかった]
[自分以外、誰も残らない廃墟。
ぐらりと視界が傾いだと思ったら、月の輝く空が見えた。
少しだけ歪んでいると思えば次の瞬間には*背に瓦礫の感触*]
[かつりと、足音が響く。
反響して、静寂の戻った廃墟街には酷く煩かった。
一つ溜息を零して、手に握ったままだった三節を
右脚に括られたホルダーへと、収め直す。
今し方まで然程感じなかった、身体へ走る紅を
意識した途端――強く痛みが走った。
思わず、眉を寄せる。]
――嗚呼、
[後で処置しないと。
独りごちて、ゆるりと、翠を伏せた。
…動けなくなるのは、困る。]
――…っ、
……何、で…ッ!
[――先ほどの光景を思い出して、ぎりと噛締める。
吐き捨てるように呟いた響きは、苛立ちか、あるいは]
[握り締めた組紐が、強く食い込んだ。]
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