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[真直ぐに向き合う琥珀に。
紅緋は揺れて。
労るような様子がない事が、逆に、安堵を呼び込んだか。
ほろ、と。
紅緋から雫がこぼれ]
……逃げるものでは……たぶん、ないの。
こわがるものでも、きっと、ないの。
[でも、と。
掠れた声が、こぼれ]
風漣には……こわいことなの。
やさしいものは、こわいこと。
…涙零せるならば、泣くが良い。
心の澱を流してくれよう。
[紅緋から雫がこぼれるを、琥珀は静かに見つめたまま。
拭うことなく頬伝うに任せて、擦れた声に耳傾ける。]
…そうか、そうじゃな。
冷たいは怖いが、優しいも怖い。
[想うことでもあったのか、琥珀はどこか遠くを見やる。
ややあって紅緋へと視線戻せば、琥珀は僅か潤もうか。]
ただ冷たいなれば、こちらも心凍らせよう。
されど、優しゅうされれば情移り、離れられれば…何をやいわん。
…我も、未だ優しいは恐ろしきかな。
[ぽつりぽつりと言の葉零すも、涙の雫は零れはせぬ。]
[泣くが良い、と。
言われるまでもなく、というところか。
紅緋からは、先ほどまで堪えていた雫が零れ続けて。
それは、既に抑えるには至らぬ様子]
うん……つめたいの、かなしい、けど。
やさしいのは……あったかくても、いたくて……だからっ……。
だから、いらないのに……たくさんは、いらないのに……。
[ほろほろほろろ。
雫と共に、止め処なく。
零れ落ちるは、押さえしこころか]
ああ、まあ、ちょいとね。
おかげで、身体が痛い。
[くす、と笑って、首を回す]
坊達も、何やら困っているようでしたがね。
[視線は、未だ虹佩く空へと移る]
それは御疲れさんだね。
[手の甲を口許に当てて真似するように笑いを零す]
皆、惑い、迷っているのだろうね。
ゆくもかえるも、心次第とは言えど、
己があり、他がある以上、心揺れずには居られぬ。
[言うまでもなきことであったか。
雫はほろほろと零れ、ぱたぱたと藍白の小袖に沁みてゆく。]
あったかくても、そなたには痛いであったか。
なれば…つらかったの。
くれるというを拒むは難しや…。
[零れ落ちる涙も、こころも、琥珀はただ見守るのみで。
その場を動くことなく、零れ落つ言の葉に耳を傾ける。]
……なにも、かえせぬから。
やさしいことばにも、あたたかさにも、なにも。
風漣は……何者でもない子で。
ただ、あやかしの力を持つだけの子で。
[だから、と。
その後に言葉は続けられず。
ふわり、被せられた月白の陰。
ただ、ほろほろと雫を零して]
昔は、ですかい。
[答えを期待してはいなかったのか。ただ、そうとだけ繰り返して、男は童子の運んで来た茶に口をつける]
お前さまに惚れられる男は、そうそうざらには居そうにないやねえ。
[大人の丈であるそれは、風漣が被ってもまだ踝まであるだろう。
そは赤子を包むがごとく、母が子を抱くがごとく。]
こわいであれば、傍に居よう。
…我は、優しゅうはないからの。
[傍にあると言うた時点で、矛盾しているやもしれぬ言葉。
されど本人はいたって本気で口にしておる様子。]
……じゃがの、そなた返せと言われたか。
言われたでなくば、返さねばならぬではなかろ。
無理にかえそとしても、いらんと言われるやも知れぬぞ。
[紡ぐ言葉に耳傾けて、言うはどこかがずれたこと。
されど、それもまた真の一面やも知れぬ。]
…風漣は風漣じゃ。何者でもなくはない。
あやかしの力持つなれば、なおさら何かを出来る者であろ。
俺ですかい?
さて、惚れる女子は多けれど、所詮しがない旅烏。
添うてくれるような物好きな方には、ついぞ出会ったこともなし。
[けらりと笑って謳うよに]
[傍に、という言葉に、ひとつ、まばたきつ、えいかを見つめ。
ほんとに? と、微かに震える問いを投げる]
……かえさなくても、よいの?
風漣には……よく、わかんない。
[小さく呟き。
最後の一言に、紅緋はまた、まばたいて]
風漣は、風漣……。
[それは誰かに言われたか]
あやかしの力……御霊や、力を見るだけだよ?
[それだけで、何かできるの? と。問う声は不思議そで]
ああ、いつしか我に心配りてもおったな。
我はそなたに優しゅうなどしてはおらんかったはずじゃが。
そなたは母上殿に良い言葉をもろておる。
それを大切にして生きておる。
…なれば、今のままで優しくもあたたかくもあるじゃろ。
口の軽きおのこと思われるが常かい。
それも損な質だねえ。
ふらりふらり、
つかみどころのないように、
逃げゆくように見えるのかも知れぬけれど。
さあて、損かどうかは、存じませんが。
口の軽いは、真実ですしねえ。
つかみどころのないように、見えますかい?
試しに掴んでみてはいかがで?
[ふざけるように、腕を差し出す]
母様の、お言葉……。
[そう言えば、いつかえいかに言っていた、と。
今になって、思い出す。
最後の言葉、別れの間際。
それは決して忘れまいと。
抱えた鞠に、そう誓いをかけていて]
……今のままで……。
[小さく小さく、繰り返す。
零れる雫は、*いつしか止まりて*]
そうしてみようか。
[戯れに細腕を伸ばして触れてみようか]
何方も、気を楽にしてゆかれれば好いのだけれどね。
はてさてどうして、そういうわけにもゆくまいか。
[触れた手に目を細め、続く言葉には、さて、と首を傾げる]
気を楽に生きるが出来る人ならば、そもそも鈴には呼ばれぬのではないですかねえ?
[リーン、リーン、と今もまた、遠く鈴の音は聞こえよう]
[瞬き、見つめてくる紅緋を、琥珀は応と言うよに見返して、]
はてさて、返せと言われたならばわからぬがの。
少なくとも、我は返してもらう要はない。
[ゆえに傍に居るも構わぬことと、言わずとも通じたろうか。]
[名を繰り返す様子には、しばし静かに見守って。
問いにはやや思案するよに首傾けて、言の葉ぽつりぽつりと紡ぐ。]
御霊や、力見る…そうか。
体離れし御霊には、会いたくとも会えぬものじゃから…何か出来るやも知れぬ。
力を見れるのであれば、力も貸してもらえよう。
やれ、我にはすぐには出てこぬが、なんなりと試みるも良かろうて。
[大事に鞠を抱く姿を、琥珀は静かに見つめやる。
小さく呟く童の心には、何か思うものがあるのだろうと。]
[さあと涼しい風が吹き、さやさやと木の葉が鳴る。
鈴が鳴るにも似た虫の声も聞こえたろうか。]
[やがて、風漣が戻ると言ったなら、連れ立って館へと戻ろうか。
もし森を抜ける途中で仔うさぎに呼ばれたならば、緑に目立つ臙脂を見つけ、*眠る子背負うやもしれぬ*]
[ゆらりと腕を降ろし、あやめの言葉に、僅か目を伏せたろうか]
もう一度、と、思ったことなら、ありましょうかねえ。
[その言の葉は、ぽつりと零れ落ち]
へえ。
[短く返した言の葉は其の先を促すよう]
誰そ、逢いたきものか、
何ぞ、見たきものでも。
[藍墨茶の袖の内にて腕を組み相手を見る]
逢いたいと言えば、逢いたいか…
見たいと言えば、見たいものか…
ですが、俺の思ったものと、見えるものとは違っているのやもしれません。
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