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[演技としては、真に迫ったもの。
嘘と真実を巧妙に入り混ぜて、僅かに震える声で語る。
手の甲で涙を拭い、鼻を鳴らした]
この状況で、「やっていない」なんて、通ると思います?
それに。
そんな言い訳する気あったら、さっさと逃げてます。
……ロミルダちゃん、このままにしていけないでしょう。
ま、確かに、ここは空気が悪い。こんな子がいちゃならんよな
[赤子を一瞥する人狼のその言葉には頷き、疑問に答える言葉を聞く]
誰かって誰かはこの際置いといて、そういうことにしといておくか
[「喰らえ」という言葉について、わからないものはわからんと切り捨てるようにいう]
で、だから殺しちゃったのか。
ってことは自衛団長の辺りからもそんなところなのかね?
こんな閉鎖空間で殺人するなんて人狼って自殺願望があるのか?とまで思ったぐらいだもんな
[目の前の沈痛な面持ちで涙をこぼすゲルダよりも。だ、己の湧いていた不振な思いを確認するように頷く]
[額から手を放して、ゆっくり下ろし。
それから、きつく握り締める。
蒼は、何かを見定めようとするかのように、真っ直ぐにゲルダを見る。
微妙に、引っかかるものがあるのは、気のせいか、とか。
そんな思考も、ちらほらとあるのだけれど]
そりゃ、この状況でやってない、なんて言ったら逆に問答無用な気もすっけど。
……今までは全部ほっぽってったのに、ロミっ子だけ別格なのかよ。
[ゲルダの紡ぐ言葉を静かに聞く。
声でしか判別出来ぬカルメンだが、そこにも演技を織り交ぜられてしまうと、それが偽りであると見抜くのは難しい。
弁明をしないゲルダ。
自分の意志では無いと言う言葉に、一つ問いかけた]
…ゲーダ、これいじょう、ひと、おそいたくは、ない?
[この子の安全が――…、とは言おうと思わなかったわけでもない。
それは別の想定だったけれど、図星を刺されたようで。
べ、と、軽くゼルギウスに向かって舌を出す]
…。
[それでも眼差しは三人の反応に注がれて。
ひたすらに沈黙を守る]
――そもそも。
私、ここに来るまで、自分が人狼だなんて知りませんでしたから。
最初の漁師だって、アイツがやったこと。
[ゼルギウスに答えるその一瞬は、心底、憎憎しげな目になった]
放って置きたかったとお思いで。
私が。
……何より、エリ先生を。
[低い声。悲愴感に満ちたとは、別のもの]
言ったでしょう。
終わらせたかった。
アイツを、殺して。
それまでは、逃げるしかなかった。
今度こそは、耐えようと思った。
[軽く舌を出したダーヴィッドをみて、こいつもしかして本当に…なんて少しだけ誤解しつつ]
む?…ダーヴィッドさんは何か聞くことやら。感想はないんかな?
[ロミルダが人狼にやられたというのが持ってる情報のようだったよな?と思いつつ聞く]
[低い声に、緩く瞬く。
エーリッヒに関する物言いに嘘がないのは、名だたる鈍感でも知れるわけで]
……んでも、結果として、耐えられなかった、と。
[つき。
話している間にも、痛みは止まらない。
『役割』に殉じる事を求める痛みは]
……っつーか。
場、って、なんだよ。
人狼って、いつのまにかそうか違うかわかるものなのかね…?
[ゲルダの言葉に、ふと思ったこというように。まあわからないわけだが、少なくとも漁師を殺したという言葉はそうなのだろう。
縄張り争いとか…違うか。などと思考がそれつつ、一つ一つ話を聞いて]
[頷くゲルダは見えなかったけれど。
声は本当に望んでいるもののように聞こえた。
けれど何者かが急かすような声が聞こえると言うことは、カルメンも同じ。
だからこそ望みが事実だと捉えたか]
…そっか。
ここに、いる、かぎり、おそうって、しまう。
ゲーダ、もう、おそう、いや。
なら、しゅだん、ひとつ、だけ。
[それは屁理屈にも近かったけれど。
取れる手段はたった一つだけ。
カルメンは既にそれを行う覚悟が出来ている]
[ゼルギウスに誤解されているとは、知らず。
ただ、問われたことを答えるために眼差しを向ける]
俺は…先にゲルダちゃんと。
話、したから…。
[強張ったような声を作り、嘘ではない程度の言葉を]
…だから、ずっと。考えてるだけだよ。
どうしたらいいのか、さ。
ふむふむ…そいじゃ、もう一つだけ。………言い遺すことは?
[とゲルダに無情なほどにあっさりと告げる。それはこれから行うことを暗示させるもので]
番外としちゃあ、ロミちゃんをハインリヒさんが殺したってことにして、解放されるまで待つっていうのもあるが、「喰らえ」って声はあんたの意志じゃないしろ。逆らえなかったってことだろ?
[ことの真贋など知らず、演技であるか否か。考えるでもない…いや、涙は胡散臭く感じたが、ただ与えられた情報からのことを口にするだけで]
ってか「場」って…俺いい加減わけわからなくなりそ
[なんだか違うところで愚痴った]
私に聞かれても、わかりません。
此処に来て、「声」――声ではない、何かが聞こえて。
お前は人狼だと言われた。
それだけの話。
[抱えていたロミルダを、ゆっくりと、横に寝かせる。
疑問に答えた後は、カルメンの言葉に顔を向けて]
――一つだけ?
[続きを促すように、問う]
アイツ、って、ハインさん?
[ふと過ぎるのは、いつか聞いた御伽噺]
場を壊す……条件を、崩すために。
喰らった?
[一つひとつ、自分の中で考えをまとめていた矢先。
聞こえた、カルメンの声に蒼をそちらへむけた]
エーヒュ……って、あのにーさんか。
人狼を、救う……。
[唐突な言葉に、瞬く。
話はぼんやりとしか聞いていなかったけれど。
言わんとする所に、察しはついていた]
[ユリアンとゼルギウスの後ろから、一歩、また一歩と歩を進める。
歩む先はゲルダが居る場所。
広がる真紅を踏み、声で判別した方向へと歩み進めた]
うん、ひとつ、だけ。
[問いにはその一言を返す。
そうして歩み寄ったゲルダの前。
しゃがみ込んで、ゲルダの顔に手を伸ばした]
へぇ…なのに黙ってたんだ
[ダーヴィッドさんのこわばった声に胡散臭そうな目で見る]
どうしたらって…半分は人だから?ってことか?それとも他に何か?
[昨日からのことを思い出すように重ねて問う]
[エーリッヒのその言葉は、語った事は。
直接聞いていたわけではない。
だから。
カルメンの言わんとすることは、理解出来ず。
ゼルギウスの言葉には、まだ、答えない。
ただ。
近付いてくる盲目の少女を見やりながら、影になる位置で――手を動かす。
ポーチは付けたままだった]
…俺としては、現世利益以外信じたくないんだがね。
今のゲルダちゃんに、幸せになってほしいわけで。
[一番先に動いたのが、カルメンなのは予想外だけれど。
その目的は、予想が付きそうで。
伸ばす手を遮るために、腕を出す]
よし…絵本の不思議話はやっぱり不思議話ってことはわかった
[ゲルダ自身もいまいちわからないようにいってること。それを己がわかるはずもなく。無理矢理にでもそう理由付けて、カーラには道を空け。手は懐へといれる]
……カルメン?
[唐突な動きに戸惑いながら、蒼はその動きをたどる。
握り締められていた右手は、ポーチの中へ。
そこにある、銀の刃を確りと、掴んでいた]
[伸ばした両手はゲルダの頬へ。
途中、何かに遮られてもそれに触れてからすり抜けるように伸ばす。
服に触れたなら、それが肌では無いことに気付くから。
ゲルダの頬に触れて、濡れていることに気付くと拭うように指を動かした。
かつて自分がクロエにしてもらった時のように]
じんろー、なおる、ものじゃない。
ここ、でれて、も、おなじような、じょうきょう、なったら、おなじ。
でれて、も、ゲーダ、かくれて、すごさなきゃ、ならない。
かわいそう。
ゲーダ、くるしむ、やだ。
だから、ゲーダ、すくう、の。
[そのまま両手はゲルダの首へと落ち。
包み込んで締めつけようとした]
考えながら喋れる程、器用じゃなくてね。
[舌で唇をなぞりながら、短く反駁して。
いたむように細められた眼差しがゼルギウスへと向けられる]
…そうだけど?
それに、俺、ハインリヒのにーさんのこともさ。
ゲルダちゃんのことも好きだし。
[好意と呼ぶには、その感情が歪つだと知っているけれど]
……あは。
[笑いが零れた。
今までの全てを無為にするように。
聊か――わざとらしくもある笑いを]
そんな同情は要りませんし、生憎と。
[手が落ちてくるまでの間に、座り込んだ姿勢から片膝を突いた体勢へと。
ポーチから取り出したのは鋏。
逆手に握り、伸びた腕に突き立てようと]
死ぬ気もありません。
…はぁ…またここでも庇うんだ…
[ダーヴィッドの行動を見て、すたすたとカーラ同様に歩を進め]
いや、ダーヴィッドさんは器用だろ。ま、それはともかく。
ハインリヒさんやゲルダさんの幸せを願うってことは今の状況でいえば、他のものが死ぬ…ってこともわかってるんだろ。それとも裏技みたいな方法でもあるのかは知らんが…あったらいうよね
ってことで、寝とけ
[下された結論は邪魔。
カーラの腕を遮るために伸ばす腕の横、側面より思い切りダーヴィッドの頭を殴りつけようと腕を振るう]
[カルメンとゲルダ、双方の様子をじ、と見つめ。
ゲルダの手に握られたものと、その行く末に、止めていた息を吐き出す]
……カルメン、下がれっ!
[ポーチから抜き出された、刃。
鞘が払われ、銀が閃く。
左手は、引き戻すために伸ばされて]
……っ!
[ゲルダの動きは見えない、故に突き立てようとする鋏に気付けるはずもなく。
腕に熱が走るのを感じた。
絞め付けようとしていた手は緩み、反射的に、身体がゲルダから離れるように動く。
そのまま、後ろへと尻持ちを突いた]
い、た…。
……で、も。
おわらせ、る、には、これしか、ない、の…!
[死ぬ気が無い。
それはカルメンとしても同じ。
おそらく、ここに居る誰もが思うことだろう。
痛む左腕を右手で押さえながら、見えぬ瞳をゲルダに向け、キッと睨みつけた]
やっぱり、同情買うのって――むず痒いですねえ。
多少でも信じていただけたのなら、ありがとうございました。
[カルメンの引いたタイミングで立ち上がり、距離を取る]
あははは。
ありがとうございます、ダーヴさん。
でも、私。
貴方の事、嫌いですよ。
いえ、皆。
同胞すら見殺しにした女ですから?
――性悪っていうのは、正しいんでしょうねえ。
味方の少ない方につきたがる癖があるんでね。
[ゲルダの笑みを耳に、優先順位を切り替える。
器用と言われるのは、悪い気もしないものだが]
裏技ね…。
あるよ、って、言ったら?
――…じょーだんだけど。
[戯れの言葉を投げるのは、隙ができる事を期待して。
振るわれる腕の先、服の内から抜き出したナイフを掲げる]
[舞い散った新たな真紅に、間に合わなかったか、と舌打ち一つ。
ゼルギウスとダーヴィッドの様子を横目に見つつ、カルメンの前に立つ]
……死ぬ気で、ここにいるやつの方が。
珍しいんじゃね?
[ゲルダに向ける言葉は、静かなもの]
半分は、人?
全く、幻想ですねえ。
人であったのは確か。
でも、人の真似を出来る、獣に過ぎないんですよ。
[寝台を一瞥する。
起きた赤子が泣きだしていた。
けれど其処へは行かない。
更に下がり、窓辺へと。
此処は二階。高さは大分ある。
陽の高い時間では、獣と化すことも、完全には出来ない]
はっ、あるはずないだろ?ってか、あってもむしろ。あんた言う気はねえじゃねえの?
[ダーヴィッドの冗談っぽくいう言葉に一笑し、ただ掲げられたナイフには
腕を少しずらすが。ざっくりと切り裂かれ、血が滴り落ちる]
…いってぇなぁ…当たれや
[顔を顰めながらもなんだか無茶なことを言って、己も短刀を取り出し、腰を落として構え。ダーヴィッドを見据える]
…一応聞いといてみるけど。あんた。人?
[ゲルダの綴る言葉に、蒼は険しさを帯びて。
窓辺に下がる様子に、そことの距離を測る]
……で。
猫かぶりやめて、どーするつもりなんだよ?
[距離を測る。
痛みは、まだある。
その理由は、よくわからないけれど]
どうしましょうね。
名案があれば、教えて頂きたいところです。
[くすくすと笑った。
心底、可笑しそうに]
まあ、逃げましょうかねえ。
[窓を開いて。枠に手を伸ばす]
[同情を買う──演技。
ゲルダの態度でそれが知れても、カルメンはショックを受けるにまでは至らない。
偽りだったとしても、自分が為さねばならないことに変わりは無かったから]
じんろー、すくう。
なおせない、なら、ころすしか、ない。
しねば、みんな、おな、じ……。
[傷口を押さえながら、視線が落ちた。
本当ならこうならないのが一番だった。
何事も無く、皆で生活出来れば一番良かった。
けれど始まってしまった以上、後戻りは出来ない。
力を持つ者として、終わらせる義務がある。
今のカルメンにその手段が無いとしても]
……そう言われて、はい、そーですか、いってらっしゃい、とか。
[開かれる窓、枠に手をかけるゲルダ。
迷いは──あったか、なかったか]
送り出せるかっつの!
[声と共に、駆けだす。
間に合うかはわからない、けれど。
銀の刃を、繰り出して]
…。
[ふ、と。嫌いという言葉に、嬉しそうに口の端を上げた]
お礼を言いたいのは、こっちなんだけどねぇ。
[「場」を望んだことを。
つい、教えたくなるけれど。今は、目の前の対処に追われ]
は。自称チキンが被った……が、負けません。
ですよねえ。
[笑った。
酷く、楽しそうに]
―― 一つ御願いがあるんですが。
[刃が迫るのを見ながら暢気に口にする。
繰り出す刃を避け、腹に、蹴りを繰り出そうとして]
ま、護るものと見えるものだっけ?後人狼
舞台はそっちに任せて端役は横にいよーぜ
[軽い笑みを浮かべ邪魔させまいとダーヴィッドに集中する]
[半分は。それを幻想だと言い切れるその存在が。
ただどこまでも羨ましいと思う]
…さァてね。
俺は利益第一主義だから、見合うものを差し出されたら考えると思うぞ、っと!
[服で不意をつけたからか、飛び散る紅]
…人だったら?
もう人を殺したあんたに関係あるの?
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