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警察官 パトラッシュ は 司書 ナターシャ に投票した。
執事 ジョエル は 研究生 ノブ に投票した。
奏者 マイルズ は 研究生 ノブ に投票した。
メイド エリカ は 司書 ナターシャ に投票した。
研究生 ノブ は 奏者 マイルズ に投票した。
小説家 アヤメ は 執事 ジョエル に投票した。
学生 レッグ は メイド エリカ に投票した。
司書 ナターシャ は 執事 ジョエル に投票した。
執事 ジョエル は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、警察官 パトラッシュ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、奏者 マイルズ、メイド エリカ、研究生 ノブ、小説家 アヤメ、学生 レッグ、司書 ナターシャ の 6 名。
[アヤメも、レッグも。
パトラッシュも、マイルズも、ノブも。
皆、自分なりに良く知っている相手だったから。
銃を向けることすら、出来なくて。
そうなると残るのは、エリカと、ジョエル。
こんな理由で銃を向けて良い筈などない、そう思いながらもそれでも、時間を告げられれば]
…─ごめん、なさい。
[謝罪と共に、銃口を向けた]
―集会場・広間―
[両の手で、打ち込んだのは―――一番遅れてきた人だった。
パンッと乾いた音が鳴り、銃弾は彼女を掠め頭上へと飛んだ。
外れた事に感慨はない。
それよりは、周囲の動きに目を見張る。]
[確信など無かった。
そもそも、どんな人なのかも知らない。
ただ、女性に銃を向けることなど出来なかっただけ。
震える指で引鉄をひき、放たれた光線は─…
ジョエルの胸を、貫いた。]
…───っ…!!!
[それと同時に、自分の身体を掠っていったのは誰が撃ったものだろうか。
瞬時に走る痛みと、人を撃ったショックで其の場に崩れ落ちた。]
─集会場・広間─
[告げられた時間。
銃口が向いたのは、先に違和感を覚えた眼鏡の青年]
…………。
[言葉は何もなく、トリガーを引く、けれど。
やはり、慣れぬ射撃は正確さを欠き、銃弾は青年を捉えきれなかった。
ただ、同じ相手へと向かう銃弾は自分のそれだけではなく。
とっさ、その射線を追って視線を巡らせ──]
―集会場・広間―
[睨むことで意気を上げようとする。
けれど受け流すかのような相手の態度に少し戸惑ってもいた。
時間を告げる音声に銃を持ち上げ引き金を引こうとして]
…っ。
[謝罪の声に意識が逸れて照準もぶれる。
行動そのものは止めようがなく、眉間をポイントしようとしていたレーザーは、狙いから大きく逸れてメイドの横へと伸びた]
─集会場・広間─
……な。
[言葉が、失せた。
目に入ったのは、崩れ落ちる、見知った姿]
……ジョエル……?
[零れたのは、戸惑いを帯びた、声。
そちらに集中した意識は、自身へ向かう一撃への対処を遅らせる]
……っつ……!
[左の肩を掠める、熱。
服が裂け、ふわり、真白の破片が舞い散った。
小さな小さな、鳥の羽毛]
[観察して、標的に定めたのはノブだった。
理由は単純、ここに来る前からどこか様子がおかしいと感じていたから。
正直なところ対象は誰でも良かった。
自分が生き残れたらそれで良かった。
だから、他者を撃つことに躊躇いは一切無かった]
[銃を掴もうと右手が動く。
一斉射撃の時間が訪れると同時に銃を引き抜き、照準を合わせた]
………っ!?
[瞬間、身体に衝撃が走る。
貫かれる感覚は二ヶ所から。
声は出ず、衝撃に吹き飛ばされるかのように身体が傾ぐ。
自分の銃の引き金を引けたかは、分からなかった]
―集会場・広間―
[周囲の様子を見ようと視線を走らせると、すぐ横に熱いものが走る。]
っ………。
[予想はしていた所からの一撃。
ちらとそちらを見た。怒りも怯えもなく、ただ事実を確認するように。
そして意識はすぐまた別の方向へ――――
人の倒れる音がした。]
………え。
ジョエルさん………ジョエルさん!?
[倒れたのは―――10年来の同僚だった。
慌てて駆け寄り、倒れたその身を抱き起こす。
だからマイルズを誰が撃ったのか、不覚にも見逃していた。]
ジョエルさん、しっかりして下さ………
[抱えた同僚はまだ動いただろうか。
特殊な武器がつけた傷跡はふさがる事はなく。
流れる血は止まらない。]
─集会場・広間─
[外した。グッと息を飲むが今はそれよりも]
…ラッシュ。
[兄が狙った相手が司書であると知って、眼を何度か瞬いた。
表向き冷静に銃をしまう兄の姿に、自分も深呼吸をする]
…や。それがラッシュの判断だろ。
後からどうこう言っても仕方がない。
[上着の下に銃を戻す。
それからゆっくりと、司書の方に近寄ってゆく]
ナターシャさん、大丈夫か?
[もう一人、彼女を狙ったのは、自分が照準した相手。
視線が一瞬絡む。事実を確認するだけの色に戸惑いは隠せない]
『現在の生存者は、
パトラッシュ=ワイアット
マイルズ=アコルデ
エリカ=ズューネAfK0586
ノブ=メドウズ
アヤメ=ジョウノウチ
グレッグ=フォスター
ナターシャ=ロング
以上7名
まだPSI反応は残っています。市民の皆さんは引き続き義務を果たしてください』
広間に無機質な機械音声が、ただ情報だけを伝える
[誰が撃ったのだろう、頭を掠めた傷は深くはなくとも血が流れ視界を遮る。
それでも、自分のした結果に目を逸らすことはしまいと、彼と、彼に駆け寄る人達を見据え。]
…─私が、殺したんだ…。
[その呟きは、自分に言い聞かせるようだった。]
─集会場・広間─
[痛みで一瞬途切れかけた意識は、エリカがジョエルを呼ぶ声によって現実へと繋がった]
……っ!
ジョエル!
[そちらに駆け寄り、呼びかける声に返事は、あったか、否か。
傍らに膝をついたなら、流れる色にこちらの肩から赤と共に零れた白がふわり、と舞い落ちた]
─…私は、平気。
レッグくん、は、怪我…してない…?
[レッグから大丈夫かと問われれば、緩く頭を振って逆に問いかけ。
そこに被せるように響いた機械音声に、知らず唇を噛んだ。
今奪った命が、サイキッカーであってもそうでなくても。
こんなものが義務だなんて、思えるわけがなかった。]
[ジョエルを抱いたまま、主を探しに視線を上げれば、主の方も様子がおかしい。
負傷している――駆けつけなければならないのに、その場から動く事は出来なかった。]
ぼっちゃま!
[代わりに声をかけ大事ないか確かめる。
そうしている間に、腕の中の熱はゆっくりと流れ溶け落ちてゆく。
主が近づいてくるのが見えれば安堵はする、するが。
―――違う痛みは治まらない。]
ぼっちゃま、ジョエルさん、が…!
[治療しなければと傷口を押さえるが、貫かれたのは胸の真上。
どんなに押さえても血が止まる事はない。
青い顔、今にも泣き出しそうな表情で主を見上げた。]
─集会場・広間─
[告げられる、無機質な声。
まだ終わらない、という事実に、ぎ、と唇をかみ締める]
……いっそ。
先に死ぬなとでも、命じておけばよかった……ですか。
[吐き捨てるような低い呟きは、近くのエリカには届いたか**]
─集会場・広間─
血が。止血しないと。
[とりあえずはハンカチを取り出して、司書の傷口を押さえようとする。背後をちらりと振り返る。倒れている執事と傍に駆け寄る伶人とメイド。
聞こえてきた言葉に司書へと顔を戻す]
各々が命を狙った。
ナターシャさんも狙われた。
結果がどうなっても…同じだよ。
[同じだ。自分に言い聞かせたように。
司書に向かってもそう言った。気休めにしかならなくても]
……………。
[気付けばそこは自分の骸の傍。
倒れ伏す自身を見下ろす]
…は、はは、はははははは…。
[流れる赤、血の気の引く自分。
常の無表情が崩れ、驚愕と困惑の色が浮かぶ。
翠が見開かれ、引き攣ったような笑いが零れた]
なん、だよ。
何あっさり死んでんだよ、俺。
嘘だろ…?
[ひゅ、と息を飲んだ。
同僚が駆け寄り自分を抱き起こすのが見える。
動かぬ躯、それを見詰める自分]
─集会場・広間─
[泣き出しそうなエリカの様子。
感じているであろう痛みは、わかる。多分、共有しているから。
けれど、それを表に出す事はなく]
……こうなって、は。
医療システムを使っても、無理、です、よね。
[途切れがち、短く、言葉を綴る]
……とにかく、空き部屋を一室借りて、そこへ。
ここに転がしておいたら、恨まれそうですし、ね。
[告げる表情は、乱れた露草色の影で、はっきりとは伺えそうになかった**]
[現実を受け入れられず、両手で頭を抱えて狂ったように叫び声を上げた]
[生き抜くことだけを考えていた。
そのために主を護ることすら放棄した]
[それなのに]
ちく、しょう。
ちくしょう。
ちくしょうちくしょうちくしょうちくしょう!!
生き抜くと決めたのに!
他を屠っても生きると決めたのに!!
何で俺なんだ、何で他の奴じゃねぇ!!
[今まで押し込めていた感情が爆発したかのように喚き散らす。
自分の声で、主が呟いた声は掻き消えてしまった]
良い、よ。
汚しちゃうから…ね?
それに、これくらい…痛くない、もの。
[レッグの手をやんわりと抑えて、止血しようとするのを止めた。
罪滅ぼしというわけではないが、命を奪われた者、大切な人を失った者の痛みに比べれば大したことではないと。]
―集会場・広間―
[銃を構えて対象に向き直る。
相手の銃口がこちらを向いているのは見えていた。
思わず首を竦めたが、そこから放たれた銃弾が身体を貫くことはなく。
指先に力を籠めようとしたその時、
右腕に鈍い衝撃]
……あ、れ
[意図せず引かれた引き金、発射された熱線が何処へ行ったかを目視することはできなかった。
銃が手を離れ、地面に落ちる。
その音を遠く聞きながら、崩れるように座り込んだ]
─集会場・広間─
大丈夫。俺の方には来なかったから。
[一度横に首を振って頷く。
無機質な音声には一瞬だけ眉を顰めた]
…なら、医務室に行こう。
痛くないわけは、ないだろ。
生きてるんだから…。
[やんわりと止める手に眉を寄せて言った。
それは残酷な言い方かもしれなかった。けれど生き残った者には生き残った者の為すべきことがあるはずだと]
―生前 集会場・広間―
[自分の撃った弾はナターシャを掠めるだけに、最後に引き金を絞る瞬間生まれた躊躇。
それが狙いをはずした原因なのだろうと思いながら、
レッグの視線を受ければ見返すままに、そのままリボルバーを腰のホルスターに戻し]
ああ、俺はそう判断した。そのつもりだった……。
[小さく呟くような返答は誰の耳にも届かなかっただろう。
自分がはずしたことは事実であり、その原因は躊躇からうまれたもの。
ナターシャが撃った光線は、ジョエルを狙ったものらしく、ジョエルが倒れている姿が見える。
そこに駆け寄る主と、同じ主に仕えるメイドが駆け寄る姿が見える]
この方法は…どう考えても……
[馬鹿げている、最後に続く言葉はでず。その前の言葉の今の喧騒の中聞き取れたものはいないだろう]
―集会場・広間―
[弾自体は外れたようで、けれどそれに抉られた傷は深い。
熱を持つ傷を押さえる指の隙間から血が零れて行く。
下唇を噛んで痛みに耐えながら、意識の外にあった銃弾の元を辿れば、そこにいた人物は]
……。
[己よりも多量の血を流して倒れていた]
―集会場・広間―
[レッグに怪我はないと知れば、良かった、と微笑み。
医務室に行こうと言われると、自分には必要ないと首を振り]
私は良いわよ、本当に…
これくらい、平気。
[それでもハンカチを手に握らされれば、むげに断ることも出来ず感謝の言葉を向けて]
[一頻り叫ぶと感情が抜け落ちたかのように放心状態に陥る。
翠は生者の様子を見詰めていた]
………………。
[動く生者を追い、翠が小刻みに動く。
自分は死に、彼らは生きている。
その事実に徐々に擡げて来るのは、羨望と嫉妬の念]
…………ハッ。
───全員死んじまえば良い。
[ぽつりと呟かれた呪詛の言葉。
無表情の仮面が剥がれた顔には、壊れたような笑みが*浮かんでいた*]
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