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ランプ屋 イレーネ に 1人が投票した
小説家 ブリジット に 8人が投票した
小説家 ブリジット は村人の手により処刑された……
次の日の朝、貴族 ミハエル が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、青年 アーベル、職人見習い ユリアン、シスター ナターリエ、傭兵 マテウス、神父 クレメンス、探偵 ハインリヒ、ランプ屋 イレーネの7名。
[ずっと2人の戦闘を見ていた。
そしてブリジットが悲鳴をあげた瞬間、思わず...は扉を乱暴に押し開けた]
ブリジットさん!
[と、同時に痛みによって混乱していると思われるブリジットが部屋から飛び出してきた。...はそれ以上の声を上げる暇もなく巻き込まれ、そのまま...は雪の上に落ちた]
[集会場から飛び出してくる小さな影が見えた]
[遠目にも彼女が泣いているのに気づく]
あら、おしめかしら、それともミルク?
・・・それとも悪い夢でも見たのかしら。
[子供をあやすように身体を左右に揺らし]
[小さな声で子守唄を口ずさんでいる]
─森─
ちょ……? なん……で?
[コエが返らない、どころか。
そこにはいないはず、と聞かされたモノのコエが、聞こえて。
口をついたのは、小さな、呟き]
……どこ……に。
[声は、僅か、かすれたか]
[急所を狙った剣先もギリギリのところで避けられる
これでは拉致があかない。長期戦などやれば不利なのは明白だ
だが、先程までの動きからわかったことがある。
最初に切りかかったときは、浅く踏み込んだ。だからこそ軽傷で済んだといえる。そして急所を狙えばただ退くだけ…と。
狼だからかそもそもなのか。経験が、戦闘技術が違う
だからこそ、睨みつけながら隙を作るように、剣先をゆらりと揺らして誘い、乗ってきたブリジットの喉目掛けて剣を振るう。避けようとすれども、この距離ならば間に合うまい
耳を覆いたくなるような大声量の悲鳴があがった]
[緋色に世界にコエを投げても答えはなく。
掠めたのは、嫌な、予感]
まさか。
……それ……って?
[ふるり、小さく、首を振る。
認めたくない。
真っ先に浮かんだのは、それで]
[パラパラと、雪が落ちた。
煌々と光る月以外に見えるものはなく、聞こえるのはアーベルの声だけだった。
彼自身には、違ったのかもしれないけれど]
……どう、したの?
[座りこんだままに、アーベルを見上げる]
……あは。
ちょっと、これ。
あんまり、笑えねぇ……。
[これまでは、誰が生命を失っても。
強く感情が動く事はなかったのに。
……リディを殺めた時でさえ。
血に酔っていたのを差し引いても、平静だったのに。
なのに、何故か、今は。
揺らいで、揺れて]
[右肩を抱え込んだまま。
響いた悲鳴と、その後に聞こえた呟きに顔を上げる。
最初に見えたのは、鈍く光る長剣で]
ジッ……!
[直後、翻った銀色が金色を巻き込むのが、見えた]
誰も、って。
[酷く、不安定に思えた。
壊れてしまいそうに感じた。
揺らいでいたのは視界だろうか、身を起こしてアーベルへと手を伸ばす]
[不意に聞こえてきた悲鳴に顔を上げる]
二階?
まさか、また……?
[ふらりと立ち上がる]
[キッチンにいるクレメンスは気付いているだろうか?]
[「痛い」と呟くドゥンケル
本来ならば、追撃をかけるところだったが
頑強な体に目掛けてはなった一撃は、己の腕をも痺れさせる。
そのような状態で振るう剣は鈍くなってしまうのはわかっていて、迂闊に踏み込めず
その間に扉から飛び出し、窓を割って外に逃げていって]
ちっ!!逃げられたか…
[ミハエルを巻き込んだのまで視認できず、瞳の奥の朱金の光は収まり、その場に蹲る]
[窓の外、何かが落ちる音]
[だけどここからは何も見えず]
ここにいてもわからないわね。
[クレメンスに一言声を掛けてから二階へ]
[急ぐ必要は無くなったのだろう、と男は思う。そして、この事態が、アーベルを変えることがあるのか、と]
[*二人の青年を見つめる瞳は、今は揺らがなかった*]
誰も……いない。答えが、ない。
[伸ばされる手、それには気づかずに]
……猩、グリズ、ライン……誰も。
それに。
ブリスも。
消えた……。
[最後に、緋色の世界で見たのは。
自分を呼んだ。緋色の名前──ヴィント、ではなく。
それは間違いなく、いつもの少女で]
……死んだって……コト?
マテウス、さん。
大丈夫、ですか…?
[蹲ってしまった人の傍にまず寄った]
あの。今、外に誰、か。
[朱花の一部を巻き込んだ傷は深く。
白い袖は緋色を吸い切れずに雫を落としている。
けれどそれより気になったのは]
金色…まさか。
[扉の外へ。窓の外を確認しようと。
全身の感覚が麻痺したまま、歩く]
[紡がれる名前は半分もわからなかった。
けれど、最後のひとつは、自分もよく知っている少女の名で。
――間に合わなかった?]
アーベ、ル。
[何も言えなくて、
ただ、
手を掴んで、
彼の名を呼んだ。]
[二階へ上がると一つの部屋の前で喧騒が聞こえた]
[そこに歩み寄り、中を覗く]
[血を流すイレーネと、蹲るマテウス]
…!
どうなさったんですか?
治療を…ブリジットさんかミハエルさんは?
[医療に長けた二人の名を呼ぶ。視線で探して]
[名を呼んで、ブリジットが人ではない事を思い出す]
…ああ…怪我じゃねえから安心しろ
[怪我でもなければ。剣を振るったことによる疲労でもない。
ただ凶眼を使用した後は、どうしても負担が大きくて、本当ならこのまま意識を落としたい。
だが、外に誰か。という言葉に、それをするわけにもいかずに立ち上がって]
イレーネのほうが大怪我だろうが
[剣を鞘に収め床に落ちたコインを拾う]
シスター…ッ。
[呼ばれた名に、声が詰まる。
そう、金の髪。あれは多分ミハエルが]
外、に。
ミハエルさん、落と…!
[落とされたというのは何か違うと。
だから言い直した]
落ちてしまった、かも。
[手を取られ、我に返る。
その瞬間に、感じる、痛み。
震えは、確りと伝わる、か]
……探して、くる。
[ぽつり、零れる、呟き]
……俺が、見つけなきゃ。
でないと。
[自衛団に、見つけさせたくはなかった。
それを示すのが、解放に必須といわれた事など。
当の昔に抜け落ちて]
……俺しか、いないん、だから。
[剣を鞘に収めたところで、ふらっとするが、なんとか倒れずに踏みとどまって]
ちょうどいい時に来たな。シスター
ブリジットは人狼だった。で、今ここにはいねえよ。詳しくなにがあったかは後で言うが、イレーネの止血頼む
[そして、イレーネと同じように窓の外を見に行こうと歩き]
…。
[あの赤い世界で最後に成った真っ黒い塊でもなく。][あのリアルな世界で、銀色の狼でもなく。]
[灰色の世界には、少女の姿のままで、居られた。]
…。
[両手を見る。][記憶を辿る。][赤い世界に創っていた、自分であり自分で無い者たちが一つへと集まる。]
[別れていた意識が、一つへと還る。]
[そうして己の罪をまざまざと思い知る。]
[リディの声は聞こえたが。][答える言葉は持ってなかった。]
[窓へと歩み寄る二人を見守る]
何が……
[それ以上は言葉にできない]
[それくらいに妙に張り詰めた空気]
また、血が流れたのですか…?
[目を閉じる]
[願いは届かない]
…おおかみ。
[血に染まった視界の中、一人の少女の姿だけが鮮明で。]
次は、君を調べるつもりだった。
…命救う手の君が、人狼のはずが無いと思いたかったから。
[ブリジットが人狼で、彼女が死んだと言うのなら。
それを示せば、終わりのはずだった。
自警団の拘束も解ける。解放される。
だから、彼に探させずに、……ここで、引き止めるべきだ]
[でも、]
……、わかった。
[ハインリヒはどんな表情で、見ていただろう。
それに構うことはなかった]
でも、忘れないで。
苦しくても、辛くても、逆らって、
――生きるんだって。
[死んだものは、もう還らないのだから。
そう付け加えた言葉は、小さかった]
[自分がついていって、何の役に立つだろう。この身体で、この眼で。
だから、手を]
これは。
私のせい、だから。
[マテウスに首を振る。
どうしても確認せずにはいられなかった]
私が、遅かったせいで。
また。
[窓の外を見下ろした。
ピクリとも動かない影。上からではそれしか見えなかった。
けれど]
――ッ!
[麻痺している感覚の中ですら、鋭く衝撃が走った。
堪えきれずに、崩れる]
[声が聞こえる。][灰から、赤から、透明な世界から。]
…。
[言葉は出ない。]
[ただぼんやりと、そこに居た。]
[遠い赤い世界の声まで聞こえるのは。][やっぱり狼故だからか。]
[死んでまで逃れられないのかと。][表情は翳った。]
…いない、よ。
もう…誰も…。
[ようやく搾り出すように言ったそれは。][赤い世界の彼へと向けられた言葉。]
[灰色の世界から、この声が届かないのは分かっていたが。]
[逃れられないのに。][あの世界の声に。答えないままには居られなかった。]
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