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次の日の朝、自衛団長 ギュンター が無残な姿で発見された。
そして、消え行くもの。
運命の輪が回りだす。
紡がれるのは、如何なる結末への道筋か……。
現在の生存者は、自衛団員 マテウス、司書 ライヒアルト、役者 エーリッヒ、娼妓 カルメン、読書家 ミリィ、雑貨屋 エルザ、湯治客 アーベル、編物好き イレーネ、ピアノ奏者 オクタヴィア、旅人 レナーテ、行商人 イヴァン の 11 名。
― 談話室 ―
[親子が2人連れ立って出て行くのを見送る頃には、談話室には何人が残っていただろう。
深々と息を吐いた]
……人狼、かぁ。
そんな酷かったのかな、シスター……
[老尼僧の死に始まり、団長の話、出入りする人の空気はずっと重いままだ。
去り際に微笑みを返してくれた人も、少し前に遺体の無惨さを仄めかしていて]
だったら尚更、アイツだと思うんだけど。
[行商人を疑う言葉は依然変わらないのだが。
それでも周りの様子を見るに、少しばかり揺らぎも出てきた様子で]
……食事、まだできないよね。
[そう呟くと、一旦談話室から外へ。
誰かに問われるならば、図書室へ本を取りにいくとだけ答えた]
─ 厨房 ─
[ボーっとした面持ちで食後に厨房で食器を洗う。結構な人数分だが警備兵をしていた頃に比べればまだまだ少ないほうだ。料理──味付けのできないレナーテの当番はいつも後片付けだったのだから。]
……『人狼』。
[狼なのだろうか?人なのだろうか?どちらにせよ只の与太話でないことは"確か"なのだ。]
人か魔か……。
[片づけを進めるレナーテの隣に誰かがいただろうか。そんなことはあまり意識せずレナーテは一人つぶやいた]
― 客室 ―
[自分の手とは異なる、大きくてゴツゴツした手。
部屋で腰かける時にも手を借りれば、肌にチクリと何かが引っかかる。覗き込むとまだ出来たばかりの擦り傷があった]
痛くない?
お薬、見つけたらつけてね。
[見上げると、聖堂で転ぶと老尼僧がつけてくれた軟膏を思い出す。もう聞くことはできないのだと、少し声を震わせぎみに言って、見つからなかった時のおまじないに、そっとキスを落とし]
じゃあ、少しお休みする。
[手を離して布団を*引き上げた*]
─中庭→客室─
うん、何か妙に熱持ってる感じで。
でも痛いわけじゃないんだ、今のところ。
……さすがに女の人の前で脱げないから、さ。
[すぐに向きを変えてついてきてくれた>>4のに苦笑と共に告げる。
その言葉で『寒い』の意味も通じただろうか]
[扉を開き、室内へと滑り込む。
部屋の扉を閉めるのはエーリッヒに任せて。
火を熾しては行かなかったから其処も冷えてはいたけれど、外よりはマシだとそのまま前開きの衣服を解き始めた]
左肩の下辺りになるとは思うんだ、け、ど……っと。
[外す釦は途中までで、右手で払うように左肩から背に布を落とす。
晒された、丁度左の肩甲骨に乗るような位置。
熱を持つという言葉に反さないように赤く染まるその中に。
それでも際立つ、花開く、蒼]
─ 厨房→談話室→聖堂・外 ─
[じゃがいものポタージュとパン、それから作り置きのザワークラウト。
今の状況で無理なく食べられそうなのはこのくらいか、と用意して]
……少しでも食べる気が回復したら、もう少ししっかりしたもの作るか。
[なんだかんだと言いつつ、料理自体は気が紛れるから、そう呟いて。
配膳準備も手伝ってもらいつつ、談話室に戻った時には、どれほどの人がいたか。
誰か居るならば食事の用意ができた旨を伝え、そうでなければメモ書きを残しておいて。
当の自分は、後でいいから、と言い置き、向かったのは、外。
小鳥は傍を離れようとしなかったから、そのまま連れて行った]
― 談話室 ―
[中庭にいた2人は既に移動した後だったか]
……なーんか、好きになれなかったんだよな。
昔っから。
[そう時間も経たずに戻ってきた娘の手には本が数冊。
絵本、伝奇本、聖書の解説めいたもの等様々なれど、いずれの表紙にも『人狼』の文字が踊っている]
ま、親父に散々脅された所為だと思うんだけど。
狼にさらわれるぞーとかなんとか。
[だからあまりこの類の話は読んで来なかったのだ、と、零す言葉を聞く者はいたか。
そうしてしばらくの間は、本を広げてその文字を追う]
[そんな会話をしている間にも客室へと辿り着き、空いている手で扉を開けた。
休むならベッドが良いかと、イレーネを座らせるために手を貸して、離そうとした時に訊ねかけられる>>5]
ん?
…あぁ、大したことは無い。
[案ずる声に小さく笑みかけて、右手でイレーネの頭を撫でた。
イレーネの手の中にある左手には、擦り傷と共に赤い点のようなものがいくつか]
後で探してみる。
──ゆっくりお休み。
[おまじないに頬を緩めて、手が離れたところで娘の頭に口付けを落とした。
布団を引き上げるのを見届けてから、ベッドを離れ暖炉の前にしゃがみ込む。
昨日使われなかったために火種は当の昔に消えていて、改めて火を熾し薪をくべた。
しばらく燃えるであろう量を入れ、一度イレーネへと振り返ってから部屋を出る]
― →客室 ―
……熱?
[小さく問い返しながらドアを閉めた。>>6
熱があるのなら、確かに外気に晒されるのは拙いだろう]
風邪、ってわけじゃなさそう、だな、その様子だと。
……確かに、女の子には頼めないか。
[目の前で服を脱ぎ始めるのになるほど、と納得して、言われるままに示されたその背中を見て……]
え?何だ、これ……
[熱を持っている、と言う言葉に違わぬ色の中に咲いた、蒼
まるで、花のような……]
……なんか、蒼い痣みたいになってる、けど。
アーベル君、ここ、どこかにぶつけた?
[浮かんだ疑問はそんなことで、取り合えす確認のために一つ、問う]
[思いがこみあげて、演奏が終わる前に立ち去る。
今度は余裕なく、急ぐ足が少しの音を立ててしまった。
玄関の扉を抜けてぐると回り道し井戸へと向かう。]
―→井戸―
[雪深い外の気温はぐっと冷え込む。
カタと歯が鳴るが気にせず水を汲んだ。
水面を覗き込むとそこに映るのは自身の顔。]
ああ、ひどい顔。
でも、化粧してなくて、良かった。
もっとひどいことになるもの。
[腫れっぽい目尻を指でなぞる。
水桶に手を浸せば、映る輪郭は揺らぎ崩れた。]
……何か、いいましたか?
[こて、と首を傾げて聞いてみたものの。
なんでもない、と首を左右に振って、答えてはくれなかった。]
……なんだったんだろう?
[ただただ首をひねりながら部屋に着くまで*歩いている。*]
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