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フィグネリア に 1人が投票した。
ヴィクトール に 2人が投票した。
ニキータ に 5人が投票した。
ニキータ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、 イヴァン が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、 フィグネリア、 ベルナルト、 ヴィクトール、 タチアナ、 アリョール、 アレクセイ の 6 名。
―広間―
[嘆息を吐いた。話し合いは平行線に近い。
動いた方が早いだろうと思う程度には]
――…大切な者を喪うよりは、せめて。
[すっと壁から背を離し、服の内側で握るのは与えられたナイフ。
広間の入口…ニキータの方向へと向かって]
[ニキータが二階で何をしていたのか。
他に疑わしくないと言われた者は誰だったか。
――疑い合って、全滅したら。
そんな話も耳に入ってはいたが、今は意識は向かない。]
――…君がさっき、言っていたこと。
[ショールを纏うタチアナもまた、此方に身を寄せてきた。
はにかむだけの気力も無いまま掛ける言葉は
彼女にしか届かぬ程小さな声。
といっても、内密に問う為、というよりは
単に力の籠った声を出せそうになかっただけだった。]
何故。
ニキータさんは違うと思ったんだい。
[小さな声を聞き取るためにベルナルトへと意識を向けていたから。
広間の動きには気づかなくて。
届いた声にゆるりと瞬き]
――分かるから……としか、いえないわ――……
アタシには、そうだとわかるの、それだけ……
[根拠もなにもない。
御伽噺のように証拠になるものもない。
ただの感覚でしかなくて。
だからこそ、明確に声を挙げることはしなかった。
――その結果を、これから知ることになるのだけれど]
―広間―
[躊躇う事は無かった。
人を刺そうと言うのに、何の躊躇いも。
ニキータがこちらを見ていたかは、長い前髪に隠れて見えなかった]
――…っ!
[一息で、ナイフを抜き去り、ニキータの身体に差し込む。
それに呼応するように、ニキータの手元が動き、そこからナイフが引き出される。
構わず、深く抉る様にナイフを動かすけれど、その間にこちらも手傷を負う。
互いの血が滴る。
利き腕に鋭い痛みが走る。
踏鞴を踏んで後ろに下がったとき、ニキータが崩れるのが見えた。
長い様で、ほんの一瞬の短い出来事]
[誰を。
誰を選ぶにしても今の自分には手を掛けられない。
ナイフは部屋に置いたままだ。
アリョールが動いたのが視界に映って、はっとした]
……!
[飛び散る赤が、アリョールが手にかけたのだと言うことを示していて、持っていたカップをテーブルに落す。
はっとしてイヴァンを見た。
彼は、信用していたから。]
アリョール!
ニキータ!
[ アリョールのナイフがニキータの命を奪いさる。]
!
[ 崩れ落ちるニキータに一番早く駆け寄ったのは、誰だったろうか。
ヴィクトールも駆け寄るも、直ぐにもう亡くなっていることには気付いただろうし、先に駆け寄った者がいればそちらからも知らされる。]
―広間―
[僕が、という声が聞こえる。
周りを見ていた視線が、ヴィクトールに固定された。
何を言っているのだろう、と。
そんな事はさせないと、ぎりっと奥歯をかみ締める]
俺がやる
[引き継ぐように言葉を受ける。
だからか、アリョールの動くのに気付くのが遅れた。
ベルナルトとタチアナの話も、殆ど耳に入っていない]
――…アリョール
[ニキータが崩れ落ちる。
血のにおいが広がる。
何か言おうとして言葉にならなかった]
[崩れ落ちたニキータは、もうそれほど長くないことが知れた。
ふと頭の中に甦るのは、母の言葉。
「覚えていて」
「死んだ人狼からは甘い果物の匂いがするのよ」
何度か聞かされた言葉。幼くて忘れてしまっていた。
ニキータの体からは、そんなものは匂わない。
アナスタシアと同じ、血臭だけだ]
―広間―
[ニキータと話していたイヴァンが誰よりも早くこちらへ駆けつけたようだった。
その気配を、利き腕を抑え、荒い息を吐きながら感じ取る。
若干意識がはっきりしない分、それが本当だったかは分からないが。
駆けつけた誰かが、ニキータの死を示したようであれば、掠れた声で呟く]
守りたい、相手が居るのなら――…早く、覚悟を決めた方が良い。
自分で動かないのなら、
他人の選択肢、に。
巻き込まれるだけだ――…。
[崩れたニキータへと、視線を一度向ける。
動かないのだろう。もう死んだのだろう。
それをちらと確認すると、アリョールの方へと彼は近付いた]
……大丈夫か?
[問いかける声は、少し、最初だけ掠れた]
ニキータ、さん……。
死んでしまったの?
[真っ先に駆けたのはイヴァンで。
フィグネリアはその場から動けなかった。
ヴィクトールが走り寄るのも視界に映る]
……ニキータ、さんは……人狼じゃ、ないわ。
たぶん。
[理由を問われたら。納得してくれそうな理由は何もない。
匂いがしないと言ったところで、わかっては貰えないのだ。
何より、自分自身でもその言葉が本当だったのかどうかわからないのだから]
[その「もしかしたら違うのでは」、を口に出す前に。
その場に響く叫び声と、迸ったものの香りに気付く。
顔を向ければ確かに其処には、染める血の色と
地に崩れ落ちたニキータの姿があって――。]
…………、
[脚は、動かない。駆け寄ることはできない。
その惨状から咄嗟に目を逸らし、息を吐いて。
近くに居る筈のタチアナへと、暗い色帯びた瞳を向けた。]
―広間―
[吐く息が微かに熱い。
痛む右腕を持ち上げて、唇を指で叩く。
生温い血液が、唇に付いた]
痛い、が。
動くなら、大丈夫なん…だろう。
[少し、血溜まりから離れ、壁を背に腰を下ろす。
気怠げに視線を上へ向け、アレクセイを見る]
――…頭が、大丈夫か、ということなら。
それについては、君自身で判断してくれ。
[ベルナルトに、小さく頷きを返した時に、血の匂いを感じて。
イヴァンの声と、血の匂いに視線を向ければ]
――っっ
[倒れたニキータの姿に、口元を抑えた。
アリョールが怪我をしているのを見れば、なにがあったのかはなんとなく判って]
どう、して……
[もっと、ちゃんと言えばよかったのかと、蒼冷めた顔でただ、その様子を見ていた]
[偽善者は嫌いだ。
そうだと感じたから害意を向けた相手。
近くあれどナイフは持ってきてはいなかった。
無論、ナイフなど無くとも死に至らしめる方法は知っているから
持ち歩かずとも良いだろうと思っていたのもある]
……。
[アレクセイの声が聞こえて、はっとする。
彼が大事とする相手と知りながら
害意を抱いた事に対して苦いものがこみ上げる。
嫌いなのは自分自身。
村で生きる為に波風たてぬよう偽善的にいきていた己が嫌いだった]
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