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[執事の声に頷き周りを見回し、オルゴールについて話していた様子の二人と、それに答えるエーリッヒを交互に見遣って]
三年越しともなれば、色々調べたのでしょうな。
まぁ、それを話すのも奴の楽しみであろうし、今はまだ、の。
[楽しみを、と言うのには頷いて]
その為に呼んだのでしょうしの。
[執事の声に其方を向いたところで、少女の声が聞こえたか。こっそりと少女の方へ向かう。]
こんばんは。
・・・楽しみ、だね。
[小さく囁くように言って、改めて扉のほうを向いた。]
もうすぐ、オルゴォルのお披露目?
[そっと呟くように声を投げて。
彼女の目は、楽しみに思う、そんな色が。
やってくるギュンターに、席を立って]
呼んでいただいて嬉しいわ、ギュンターさん。
ふふ、お礼を言うのはこちらのほう。
気に入っていただいて、ありがとうございます。
[絵の礼も共に言われ、ギュンターの手を取って、親しみを込めてその体を抱く。]
また是非、呼んでくださいな。
それでも、今日のオルゴォルが、とても楽しみだわ。
[そして彼の姿を、彼女は見送る。]
[ホールに招待客が全員揃い、ご主人様も自室からお降りになられて、食事会が始まる
次々と正式名称が舌を噛みそうな料理を招待客に出すために、厨房も戦場、その料理を運ぶ召使いたちも東奔西走
しかし、それを招待客に悟られてはいけない。それがメイドの美学]
…間に合ったっぽいな。
[オトフリートの声に気付けば、
ユリアンのあっさりと返される言葉にけらりと笑みを返す。
邸主が席に着いた直後から、続々と運ばれる食事に
僅かに目を瞬かせるも、流石に数度目ともなると何処か慣れたもので。
勧められるアルコールに笑顔で断りを入れつつ]
ん、御大が、説明する楽しみ。
[ブリジットには、悪戯っぽい笑顔のままこう言って。
ザムエルの言葉には、ええ、と頷く]
まあ、俺もそのために色々と手伝わされましたし。
しっかり、やってもらわないと、ね。
[くすり、と笑む。
ここを訪れたばかりの頃、オルゴールの資料をいくつか持っている、と言った時の邸の主の表情を思い出して。
……と、そこに当の主が現れて。
ゆっくりと席を立って、挨拶を。
妙にはしゃいで見えるのは、決して気のせいではないな、と。
ふと考えたりもしたのだが、表には出さずに]
[ザムエルの言葉に、はぁ、と小さく呟き]
見せて、話すのが、楽しみ…
[…なんとなく分かる気がする。
可愛い人形を買って貰ったら…つい、友人に自慢したくなる…そんな、感じだろうか、と。
ふと、すぐ側に来ていたイレーネに小さく笑んで]
…うんっ…楽しみ。
[もう、すぐにでもお披露目されそうな雰囲気。
並べられる料理にも目移りするのだが…
そっと、囁くように声を出し、力強く頷いた]
[入ってきた柔和な表情を浮かべている老人。会ったことはないまでも、傍らにたたずむオトフリートや周りの反応を見れば。多分彼がギュンターなのだろう。]
お招きいただきありがとうございます。ユリアン=ハイゼルと申します。父の代理できました。
此度は父。アモン=ハイゼルが急用で招待を受けられず真に申し訳ありませんでした。
[自己紹介と、代理で来た旨を告げ一礼した。]
[漸く現れたギュンターは、いつものように人好きのする笑顔で招待者に挨拶をしていく。
それが自分の元に来れば此方も悪戯めいた笑みで]
今回は何を考えておるのだ?
[などと問うが、相手は笑うだけで]
相変わらずよの。
まぁ、その分後で楽しませてもらおうかの。
[そう返して、目の前に並べられた食事を口に運んで]
…だな。
ま、俺も少し前にきたんだけどな
[ギュンターへの挨拶を済ませた後、やはり少しは緊張していたのだろう。気軽に喋れるアーベルにこれ幸いと返答をして、続々と運ばれていく料理に目を移す]
こりゃまた凄いもんだ。
[これだけ用意して運ぶ、労働力についても考えたが、それでもしゃんとしているユーディットなど使用人を見て、どちらかわからないまま感心する。
どうやらメイドの美学というのは成功しているらしい]
[主が移動した後、ゆっくりと席に戻って食事にかかる。
元々食は細い方だが、今日は特に、食事よりも酒の方が進んでいるように見えるやも知れない。
何か考えているような、何かに思い悩んでいるような。
それでも、給仕役の者たちに声をかけられれば、ごく普通に答えはするのだが]
[優しそう…人当たりの良い笑みを浮かべる老人。
彼がこの屋敷の主だと気付くのにそう難しくなかった。
少女の近くまで来ると、ぺこり、と頭を下げると]
初めまして、おじ様っ。
お婆ちゃんが、少し遠出がキツイって行ってたから…
代わりに、あたしが来たのっ。
ブリジット、ブリジット=エイム。
よろしくね、ギュンターさん。
[そう、微笑んで…
コレは、ソレまでの晩餐で、固すぎるのは好まないと聞いていた為、結構素で挨拶をしてみたのだが。
…これでは幼く見えてもしょうがないだろうか]
[黒い燕尾服の裾を揺らして忙しなく給仕をしながらも、
やはり執事の美学なのだろうか、表情が変わる事はない]
大丈夫ですか?
[客人から見えない場所、厨房などに行けば、
他の使用人を気遣う事は忘れない]
出す順番は間違えないよう、
それからお飲み物はきちんとチェックをして。
[とは言え、注意もきっちりとするのだが]
どうよ、この豪勢な食事を目の前にした感想は。
[次から次へと運ばれる料理に目を移すユリアンの様子に
思わずくつくつと笑みを零し。続く感嘆を含む言葉に、一つ頷いて]
これだけの料理を、この人数分運ぶってのはなかなか大変そーだ。
俺だったらぜってー途中で仕事サボってつまみ食いしたくなる。
[それもどうかと思うのだが。
料理を口に運びつつ、ユーディットやらに視線を送れば一つ頷いて。
と、食の進まないらしいエーリッヒの様子に僅か首を傾げる。]
……にーさんてば、何か調子悪ぃ?
[暫し躊躇って、こそりと小声で問いかけ]
[現れた館の主、お得意さまでもある彼に会釈をする。]
・・・お久しぶり、です。ギュンターおじい。
[挨拶を返し、他の客の元へと去って行く主を軽く見遣って、挨拶を済ませた傍の少女へと向き直った。]
おじいも、凄く、楽しそう。
[少女の幼さに追求しないのは、年齢を詐称していることなど知らないからだろうか。そう楽しげに囁いて、それから勧められるままに料理を口へと*運ぶ。*]
[館の主との挨拶を終え、女も席へと誘われれる。
銀の鱗のようなマーメイドドレスの裾を揺らして立ち上がれば、半ば残された薄紫色のカクテル――青薔薇と同じ名のそれは、近くにいた召使いにより片付けられた]
…ネェン、随分と焦らしますのネェ?
そこまでされるご自慢の一品、期待に胸がはちきれそうですわァ。
[別の意味でもはちきれそうな豊かな胸元は、薔薇模様が薄く透ける深紅のショールの向こうに隠されて、覗き見る事は叶わない]
[運ばれてきた食事は、マナーよく。
端に用意されたフォーク、ナイフから取り、口に運ぶ。
彼女のデザインを気に入った人に招かれるため、そういうマナーに問題はない。]
おいしかったわ。
[料理を運んでくる使用人にそう声をかけて。]
ん……いや、別に?
[アーベルの問いに、ふと我に返ったように一つ、瞬いて]
いやほら。
俺、元々あんまり食べない方だし……特に、今日はほとんど書庫にこもりきりで、身体も動かしてないからね。
[にこり、と笑いながらこう返すものの、その傍らでソーセージを齧っていたカーバンクルはみゃうう、と何か言いたげな声を上げているのだが]
[昨晩の晩餐も少女にとっては豪華であったにも関わらず、今夜の晩餐は昨日よりも凄く見える。
ギュンターが言ってしまった後、ちゃんと対面してみたは良いモノの…少し躊躇し]
…そう?
ギュンターさん…って、良い人そう…だし…
来れて、良かったな。
[イレーネに話しかけられれば、慌てて振り返り、小さく呟くように…
…皆が料理に手を付け始めると、ソレに続くように、恐る恐る料理を取り…口へと運ぶ]
…
[美味しさに幸せそうに小さく息をつき…フォークを動かした]
お前が自慢するなよ
[などと、なにやら笑みを零しながら、自分とは違い慣れたようしているアーベルの言葉がえらそうに聞こえたのだろう。...はぶっきらぼうにそう言いつつ、後者については、確かに。と。同意して。]
そうだよなー。とんでもない労働量だし、俺もつまみ食いするな
[それはどうかな。という点までしっかり同意する。
そして、食事を口にすれば、さすがにおいしいなと思いつつ、アーベルがわずかに首をかしげたのにどうした?と思い、こっそりとその視線の先、エーリッヒを見る。
...はエーリッヒが常と違うことに気づいていないようだ。逆に内心首をかしげる]
―――…ふぅん?…元々食わないのは…知ってっけど。
[エーリッヒの言葉に、じ、と視線を向けて。
何処か腑に落ちない様子で言葉を返す。
傍で声を上げるカーバンクルの様子を見やれば、その表情は僅か険しさを増して]
……チビが心配してるのを見て、それでも笑って言えるならいーけど?
[口の中へ食事を放り込んで]
あーー……
[華やかなドレス姿のヘルガを見て別に好きとか嫌いとかいうのではなく、今まであったことないタイプなためか、呆然とする。
ヘルガのいうように、確かに自分もそろそろ見てみたいなと思っていた点では同意だったが、あれが誘惑というものなのだろうかとか、照れとかではなく、ぼけっと考えて。そのまま押し切れるのかなとか思っている。
食事もいいが、これだけ騒がれれば興味も大きくなる]
[エーリッヒとアーベルの会話を聞きながら、食事を進める。]
無理をして食べるものでもないとは思うけれど。
食べられないのではなく、食欲がすすまないだけなら、ある程度は口にいれておかなければいけないわ。
倒れてしまうわよ?
やれやれ……どちらも手厳しいな。
[カーバンクルとアーベルと、双方の様子に苦笑を浮かべてグラスの中を干し]
でも、大した事じゃないから……。
大丈夫。
[短くこう言って。
心配するな? と言いつつ、カーバンクルの頭を撫でてやる]
……大丈夫、だから。
[最後の言葉は、どこか独り言めいていたが]
[エーリッヒのほうはわかんないからまあいいか。ととりあえず食事に没頭する。
と、そこで、幸せそうに食事をとっているブリジットを見て、好き嫌いがあるか知らないが、なんで背がこんなに…とか思っている]
[食事をゆっくり愉しんでる様子で、女は話すことよりも耳を澄ますことに集中する。
今宵ばかりは宝石の獣にも気を惹かれぬらしく、その主の様子もチラリと視線を投げるだけで、特に問おうとはしない]
…ァラァ、これは随分と美味ですわネェ。
ギュンター様はいいシェフを抱えてらっしゃいますわァ。
[ローテグリュッツェを一匙口に運び、こればかりは本心の賛辞が零れ落ちる。
それがシェフの手によるものでなく、流れるように手配する執事が仕上げた品と知れば、重たげに半ば伏せていた瞼をぱちぱちと数度だけ瞬かせ驚きを示した]
[ある時は料理を運び、またある時は飲み物を運ぶ
かくして、その正体は……ただの召使いなわけで
まあ、そんなことはどうでもよく
彼女は働く。一心不乱に働く。まるで何かを忘れようとするかのように馬車馬のごとく働く
しかし、それをお客様に見せることなんてない。もちろんつまみ食いなんてするわけない。それがメイドの(ry]
や、ちゃんと食べてもいますよ?
[ナターリエに返す言葉は、どこか冗談めいて]
一応、自分の身体の事は理解してますから、ご心配なく。
[にこり、と微笑みつつ。
やり取りに気づいたのか、大丈夫なのかと声をかけてくる邸の主にも、同じ笑みを向ける]
大丈夫ですって、御大。
せっかく、あれを見せてもらえるんだし、倒れたりしませんよ。
と、いうか、御大。
見せたくて、うずうずしてません?
[それから、話題をすり替えるようにこんな問いを投げれば。
主は、図星を指された、と言わんばかりに決まり悪げな笑みを浮かべて]
[幾度目かにホールへと舞い戻り、空になった器を認めれば、
酒を注ぎ足すのではなく透明な水の入ったグラスと置き換える。
先に断りも入れずというのは、本来ならば失礼な事だが]
レーヴェ様、差し出がましいようですが、
普段よりペースが早いのではないかと。
[他者が口を出しているためか、それ以上は何も言う事なく。
主に呼ばれ、失礼致しますと客人に会釈をしてそちらに足を運ぶ。
どうやら、お披露目をいつにするかの相談のようだった。
タイミングを計り兼ねているらしい]
本来ならばお食事の後にすべきですが……
[言いながらも、待ちきれない様子は容易に見て取れ、微笑する。
客人に向けるものよりも、それは何処か柔らかみを帯びているか]
[黙々と食事を続ける。
皆の姿や、話し声も気になると言えば気になるのだが…視線を向けるだけで、特に何も言わないようだ。
…何故なら、皿の隅に…器用に野菜が退けられているからであった。
エーリッヒの事を言える立場でないのは見てすぐに分かるだろう]
…?
[ふと、ユリアンに見られていたのに気付いたのか、ユリアンに向かって軽く首を傾げて見せた]
自慢してる訳じゃないんだけどな。
[俺だって初めての時は圧倒されたしな。と肩を竦めつつ。
続く同意に、深く頷いて]
つまみ食いがこういう美味い食事とか、最高じゃね?
労働しないならこの環境も恵まれてると思うんだけどなー。
[つまみ食いも駄目だし、そもそも仕事なら働けと。
しかし、エーリッヒの言葉を聞けば、小さく溜息を吐いた。
ユリアンがエーリッヒの変化に気付いていないのは気付いていないが]
…手厳しい、じゃなくてそれだけ心配だって事。
飲みすぎると、その内潰れるぞ。
大丈夫、なら、…良いけどさ。
[よくよくブリジットを見れば、しっかりと食べるものを区別している。
それを見て、好き嫌いってここまで背の大きさに影響するのか。と勝手に得心。
やっぱりブリジットの年齢詐称は気づいていない。
軽く首をかしげ見るブリジットに]
ちゃんと野菜も食べないと、ずっとこのままだぞ。
[と、頭をぽむぽむ。
でも内心、ちょうどいい位置にあるからそれもいいかとか勝手なことを思っている]
それなら良いのだけど?
でも心配をかけるということは、あまり食べてないということだわ。
理解しているのなら良いけれど。
[エーリッヒの言葉にはそう返して。
ふと視線をずらした彼女は、そこに、主と執事の姿を見る。
口元がほころび。]
ようやく、お披露目かしら?
……俺、そんなにアルコールに弱くはないんだけどな。
[潰れるぞ、という言葉にはさらりとこう返して]
でも、心配かけてたなら……すまない。
[それでも、心配、という言葉はさすがにこたえたようで、真面目な様子で言いつつ、軽く頭を下げる]
……執事殿にもとめられたし、切り上げとくよ。
[置いていかれた水のグラスを見やって、苦笑しつつ。
それから、主が執事を呼ぶ様子に、タイミングあわせかな、と小さな呟きを]
[ユリアンの呆然とした様子に気付き、女はくすりと笑みを零す。
少年の期待に反し、押し切る事は叶わなかったものの。
それだけ皆に待ち望まれているのだと、邸宅の主の自尊心はくすぐられたことだろう]
ゥフフ、食事が終わってのお楽しみネェ…。
そのような事おっしゃるからァ、皆様今宵は小食でいらっしゃるのですわァ。
[手の込んだ美味な料理達がそれほど減らぬ方をチラリと見やり、ネェン?と使用人に艶やかな笑みを向ける]
…!
[頭ぽむぽむ。
そして、(少女にとっては)衝撃的な発言に、少しだけ皿の端に退けてある野菜を見やるが…
ユリアンに視線を戻すと]
き、きっと、伸びるもんっ。
食べなくても、生きていけるもんっ…!
[頬を軽く染め…一応、食事の席だからか、少しトーンを抑えてそういうと、ぅぅ、と皿の中の料理を見つめる。
…もちろん、料理を見ると、端にいる野菜達も見えるわけで…
フォークを持つが、動くに動けない状況らしい]
ま、自慢できるものではあると思うけどな
[料理や働きについてそう述べ、そして、初めてだと驚くのは俺だけじゃなかったってことか。とアーベルに言った後は]
だよなー。こういう場所でつまみ食いとかできれば最高だ。
そして、客人の俺らは本当いい身分だ。
[と、そのつもりもなかったが招待されたことに感謝の言葉をぼやきつつサボることもせず、的確に適切に仕事をしている、オトフリートやユーディットを見て]
ありゃ、すげぇ
[と呟く]
…いつもは弱くないだろーけどね。
精神でも身体でも、参ってるときに飲んだらすぐ潰れるから。
[小さく息を吐いて。
執事が差し出すグラスに僅か笑めば続く言葉に、
そうしとけ。と苦笑を返し。
呟きに気付いて主の様子を見やれば、僅か眉を上げる]
[執事とギュンターがなにやら相談するのを目に留めて]
もうすぐ、ですかな?
[そう問うて。
ヘルガの声に、そういう事もあるかと無言で頷く。
自身はしっかりと食べてはいるのだが]
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