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少なくともアタシ的にはディープインパクトよ。
あははー、素敵な親子愛よね。
……お父さんからすれば、レナさんはいつまで経っても可愛い子供なのかしら。
[エルザとした会話を思い出してつぶやく]
[あっさりと請け負う言葉も、続く条件に]
報酬……そこが問題なのよね。
……例えばこの街の裏通りだとしたら、一日幾らくらいになるのかしら?
……その、『ここでは』って強調は何なんだよ。
[ゲルダの物言いにぼそり、と突っ込みつつ]
それは知ってるけど。
人と鳥で比較したり張り合うのもどーなんだよ?
[隼に向けられる、睨むような視線に、呆れた声を上げる。
もっとも、笑う様子に、ちょっとだけ不機嫌そうな様子は見え隠れしていたが。
なお、当の隼は、やっぱりわかっていないようで、きょとり、としていたり]
[アーベルに向き直る頃には、真剣さを含んだものになる。
明確には示されずとも、口振りで察しはついた]
じっとしていられないのはわかるけど。
……、夜くらいは帰ってきなさい。
[足を突っ込むな、とは言わない。
軽く目を伏せただけだった]
あ、ああ。
本当、すまないね。
[少女に再び謝りつつ、手当てを受ける。
心身ともにいろんなダメージを受けていた]
殺気ですか。
ぼくにはそれすら分かりそうにないですね。
[案外あっさりと頷いた剣士に、しかしその道中を思ってか、苦笑いめいた表情をした]
?
[エルザに一瞬浮かんだ物思う表情に僅かに首を傾げるが]
そうですね。あらゆる方向からバレますよね
まあ、迷惑は被っていないから大丈夫ですよ
[強い香り。発生源は此処らしい。
けれど花らしきものは見当たらず、視線を巡らせた後に香水かと気づく。
練習に励んでばかりいるエリザベートには、あまり縁のないものだった。着飾らないだけはなく、化粧をまともにするのは演奏会などの必要時だけ、艶やかな髪も無造作に放っているくらいなのだから]
……うーん。
本当に、何もしていないのよね?
[あまりの強さに若干不安になったようだった。]
香水屋でもいたのかしら。
ん、ああ。
[カヤの疑問の声。一つ、瞬いて]
俺が『爺様』なんて呼ぶの、他にいるかっての。
……良くない噂聞いたから、その事でちょっと話、聞いて来たんだよ。
[新たな行方不明者の噂は、大分広まっているだろうが。
やはり、道端で大っぴらに話せる事でもないので、適当にぼかして]
……うん。
なるべく、そうする。
[目を伏せる、姉の言葉。
先の別れ際、ハンスに言われた言葉がふと、掠めた]
まあ、お袋の件があるから、もう自分の知ってる奴を死なせたくないんじゃねえかな。
……親子だから気持ちは分かるんだがね。
けど、そのわりに、親父の助けにまだなれないってのは悔しいかな。
[さらりと紡ぎだされる親と娘の想いの丈。
だが、仕事の話になると、すぐに頭は切り替わり]
この街の裏通りを一日拘束かい?
大体150Gってところかな。
[5Gでリンゴ一つ買える位の値段だと思ってほしい。
宿屋の1泊が100Gぐらいである]
良くない噂?
なに聞いたんだ?
[足を出しながら、アーベルの言葉にきょとんと見上げ、ボカした空気も読まずに首を傾ける。
エルザの疑問には、うん、と大きく頷いて]
ローザって香水屋が居たんだ。
ほら、俺一個貰った。
綺麗だろ?
[言いながら上着のポッケから瓶を取り出して振って見せる。
綺麗な硝子の瓶の中、透明な液体がたぷりと揺れた]
噂は噂、よ。
確証はないんだわ。
[カヤとアーベルの会話に口を出す。
行方不明。謎の失踪。
だからこそ「確証」が出ることはないとも言えるのだが]
ああ、そうなの。
確かに、綺麗だわ――お金、大丈夫?
[カヤの取り出した瓶に疑問が晴らされた直後、
つい、そんな疑問が浮かんだのは所帯染みている所為。まだ嫁入り前の娘としては、ある意味情けない]
[アーベルの言葉にきょとりとして]
……だって、別の場所のことまで私には把握できないし
[つまり他で何かやらかしてる可能性あるとみてるわけですね
わかります]
っと、私そろそろ行かないと
お祭りのことでちょっと話してこないといけないんで
[そう言ってぺこりとお辞儀
そして立ち去り際に、ああそうだ、と呟くと]
……帰る家があるなら、そこに帰った方がいいよ
[アーベルに対し、肩越しにそれだけ言う
僅かに覗けた顔は、少し寂しそうな色を*浮かべていた*]
[ライヒアルトの苦笑いの意味をいまいち理解してない様子で、少々的外れめいたことをレナーテが言った]
いや。
殺気に関しては、実際に感じてみれば結構分かるもんなんだよ。
首の後ろ側がピリピリした感覚なんて、そうそうないからね。
ただ、それに反応できるかどうかってだけさ。
―――感じてみるかい?さっきの侘びに今ならサービスで無料にしてやるよ。
[鎧は着てなくとも、剣だけはいつも腰にさしている。
その剣に軽く手を当てながら、そう問うた]
[足を踏まれかけている事には気づかずに。
いや、腕の隼は気づいていたのだが、当人はそちらに意識を回す余裕がないようで]
姉さん、そこまで言うか……。
[ぼそ、と呟いた後。
首を傾げるカヤの様子に、音を散らす風を巡らせて]
結構、噂、広まってるみたいだけど。
……旅人が一人、行方不明になったらしい。
他にも、それっぽい人がいるから、爺様、警備強化に余念がないみたいだった。
金は、払って無いぜ。
あ、いや、そうじゃないんだ、アレじゃなくて。
貰ったんだ!何なら、証人も居る!
[と、視線をゲルダに移した所、彼女が去る所だったから
手を振って、またな、と声をかける。
やけにそわそわしたのは、スリをして捕まったりした時を思い出したせい。]
と、ああ。
それじゃ、またなー。
[立ち去るゲルダにひらり、と手を振るものの。
立ち去り際の言葉。
向けられた表情と共に、その意を測りかねて、一つ、瞬いた]
今のレナさんでも助けにならないなんて……どれだけ強いのかしら。
[とりあえず想像できる範囲を超えている。目の前の剣士の胃袋も十分に破天荒だ]
150G……何とかならない額じゃないわね。
あ、ええ。相場は大体わかったわ。ありがとう。
[金額を聞くと右手の親指の爪を噛みながらつぶやいた後、レナーテに笑いかけると、修道士とのやりとりを眺めている]
ええ、また。
[お祭りのこと。彼女にも任があるのだろうかと考えつつ見送る。
弟に向け零れた台詞に、表情こそ見えなかったが、ゲルダの纏う空気に変化があったように感じられて、暫し、小さくなる背を見つめていた]
[なんだか不自然に笑う様子のアーベルの足の上に
力いっぱい、だん、と一度自分の足を落とそうとしてから
その紡がれた言葉に、翠の目玉を見開いた。]
そんな噂、立ってんだ。
まー祭りのせいで特に気になるだけなんじゃねぇのかなぁ?
[首を傾けて、からからと。]
そういうものですか。
[実際に受けたことがないから、いまいちピンと来なかったようだ]
…い、いえ。
結構ですよ?
[剣に手が掛かるのが見えて、少しばかり後退り。声も上擦った。
今の彼ならそのまま剣の錆になりかねない]
狼少年の話って知ってる?
[大人しく返された了承の意には、何も付け加えなかったが、
弟の呟きを耳ざとく聞きつけ、口の端を上げて言い放った。
平時の行いを知れ、と暗に言っていた]
[音が散漫になるのを感じる。
風と親しいわけではないけど、それだけは分かった]
ああ、そうなの。
[カヤの発言に、一つ頷きはしたが。
翠眼は、そわそわとする少女をじっと見つめた]
アレって、なにかしら?
証人が必要になるようなことでも、したことがあるの?
[失踪事件の話題が続いても、視線は動かない。
怒っているのでもなく、諌めるでもなく、質問を重ねる。
アーベルならば、散々問い詰められたことは記憶に深く根付いているだろう]
アタイなんて、精々山の3合目を登った程度さ。
親父でやっと8合目くらいにはたどり着いたんじゃねえかな。
頂上はまだまだ遠いよ。
[優しげな笑みで答えた]
まあ、相場っつうか、アタイ個人で請ける仕事は、大体アタイの胸先三寸なことが多いんだけどな。
一応、メシに一緒に行く仲だからサービスしてんだぜ?
[仕事の話には、片目をつぶって答えた]
い、いやほら、えーっと、小汚ぇからさ、俺。
強盗とかスリとか疑われるんじゃねえかなって!
べ、べべ別に過去に何かどか、別に、ねぇよ!
[質問責めてくるエルザに、しどろもどろで何故か背中を汗が伝う。
思わず、アーベルの後ろへと隠れようとした。]
ま。そういうなって。
人生でこういうのを試しに受けることなんて、まず無い出来事なんだからよ。
恐怖は飼いならせば、良い武器にもなるしね。
[上擦った様子で後ずさりするライヒアルトに笑いかけるが―――次の瞬間に表情は一変。
愛嬌があり、人を惹きつけていた顔が、獲物を刈り取る捕食者のそれになり、殺気が膨れ上がる]
『―――っ!?』
[道行く人々が、周りの感覚の変化に息を飲み、近くに止まっていたカラスが身の危険を感じた様子で、慌てて飛び立った]
ハァ―――ッ!
[触っていた剣を掴むと、一瞬で抜き放ち、ライヒアルトの首元へ伸び―――]
―――と、まあ、こんな感じか。
[その首元に当てられた、巨大なスプーンを持って、レナーテが笑った]
……それだけなら、いいんだけど。
[詰め所前で聞いた話。
そこから感じた確信は、表情を陰らせて。
姉の言葉と笑みには反論のしようがなくて固まっていたから。
カヤが後ろに隠れるのを、止める間もなく]
……ちょ、おま。
なんで、俺の後ろに回るんだよ?
[矢面に立たされて、ちょっと焦った]
[そのスプーンはどこからともなく出てきたかというと、そういうわけでもなく、レナーテの手元を見ると、それはやはり先ほど持っていた剣であることは間違いが無かった]
……しっかし、今回はスプーンか。
色々なもんになるね、お前。
[そう呟き、自分の剣の変化した姿を見つめる]
あははー。どんな道でも、極めるのは至極困難ってことね。
だから面白いのかしら。低い山に登っても、そこからの景色はたかが知れてるわね。
[アタシは商人の山にまだ登り始めたばかりね、と]
ええ、わかってる。ありがとう。
こっちからは、それ以上負けて欲しいなんて言うつもりはないわ。
……ふーん?
[笑っても怒ってもいない顔。
じいっと見つめたまま、カヤに顔を近づける。
隠れようとするのを認めると、身は引いたものの]
そういう風に慌てるのは、
悪いことをしたって思っているからじゃないかしら。
自分のしたこと、ちゃんと見つめないとだめよ。
[人差し指を、親指で押さえる。
離れた位置ではあるものの、カヤの額辺りに高さを固定して、ピンと弾いた]
っ、ってっ!
[額を弾かれ、小さな少女は背を反る。
両手で押さえ、うー、と呻いて]
…―なんか、この、逆らねぇ………
[低く低く、アーベルの背に更に隠れて唸った。]
[目の前の女剣士の表情の変化と、ぴりり伝わる殺気に、身の毛が弥立つ]
なに、これ……
[息を飲もうとして、飲み込めない。その空間だけが止まったような感覚。速すぎる動きは目にも止まらず、気付くと喉元にスプーンを突きつけられた修道士の姿が目の前にあった]
[半開きにした口から空気の漏れる音。やがて]
スプーン?
[事態が飲み込めず、不思議そうな視線をレナーテへ]
だな。
どの道も険しい道のりでショートカットなんて無いってところも一緒だな。
高いほど、登りがいもあるし。
ま。どの道を登ってる人間にしろ、助け合うことが出来るからなお楽しくなるもんさ。
だから、良かったら、雇ってくれよな。
アタイもいつまでこの街に居るかは分かんないから、早めにね。
[周囲の注目が集まる中、彼はと言えば]
…。
[見事に固まっていた。
幸い、意識が飛ぶまでのことはなかったが。
無言のまま首元を見て]
…スプー、ン?
[そこにあった違和に気付くまで、数十秒を要した]
[姉とカヤのやり取りに、口を挟む事はしない。
というか、出来ない。
ここで何か言うのは、自分もきついと身に染みているわけで。
とはいうものの。
この状況で挟まれているのも、結構辛いわけで]
……ええと。
姉さん、そろそろ、練習所行かないと、まずくない?
[とりあえず、当たり障りのない提案を*投げてみた*]
……逆らえないってことは、
アーベルと同じタイプってことかしら。
[唸るカヤを見つめたまま、二、三度瞬いた]
悪いことしたときは、ごめんなさいって言わないとだめよ?
そのままにしておいたら、取り返しつかないことだってあるんだから。
[少し身を屈めていた体勢から起き上がり、アーベルの提案に頷く]
そうね、そろそろ行かないと――
むしろ、もう始まってるでしょうねえ。
私は用事頼まれていたから、まだいいけど。
うん。スプーンだね。
[ベッティとライヒアルトの言葉にダイレクトで返した]
いやなんつーか、アタイの剣は一応魔剣って呼ばれてるもんの一つなんだけどさ。抜いてみるまで何が出るかわかんねえんだよ。
それが今回たまたまスプーンだったってことだよ。
まー、前後の状況に左右されやすいし、メシ食ってたせいでスプーンにでもなったんじゃねえかな。
[結構他人事のように話すが、思いっきり信頼の置けない武器である。
こんなことだから、剣士としての腕よりも、ケンカの腕のほうが高くなるのである]
ま。あんまり気にすんな。ははっ。
[そう笑いながら鞘に収めると、鞘よりも巨大なスプーンの先が変形するかのように鞘に吸い込まれていった]
…俺は仕事サボッたりしねぇぞ。
[アーベルと一緒、という言葉に文句を言って。
続けられた言葉には、ぐ、と言葉を詰まらせた。
一度胸元で、手をぎゅ、と拳に握り。
そしてふたりが何処かへ行くなら背を見送り、
自身はまた、露店等をぶらりとしてから家へと帰る*心算で*]
それはまた、随分と……個性的な剣ね。
[レナーテの説明を聞くと、思わず笑いが漏れる]
そうね、気にしない方がいいのかしら。
[鞘へと戻る魔剣を、不思議そうに見つめていた]
はい、はい。
[カヤに向けるのは、にこやかな笑み。
再び持ち上げられた手は、
カヤの頬辺りへ伸び、撫でるように通った。
それじゃまた、と軽く手を振り、練習所へと行く。
着いたところで弟とは別れ、団長への報告に*向かった*]
ええ、一歩ずつ自分の足で登って行くしかない。いっぱい経験積んでくのが、結局は頂上への近道ってことかしら。
[女剣士の言葉に頷いて]
……助け合うこと?
[一瞬ぽかんとなった後、笑顔]
そんな風に考えたことなかったわ。でも素敵な考え方。
ええ、是非。できるだけ早くお金用意するわね。
ははは。
確かに個性的だ。
けど、これはこれで武器携帯禁止んところに持ってっても、「これはおもちゃです」で済ませて持っていけるところは便利なんだよな。
まあ、その後にまた変な形で出てこられたら全然意味ねえけど。
―――さて、そろそろここらへんの露店のメシ全部食ったし、店まで送ってくぜ、ベッティ。
[気付けば、レナーテのそばにあったゴミ箱の中が串やら箱やらで満載になっていた]
なるほど。
面白いものですね。
[鞘へとうねり収まる珍しいものに興味を魅かれたのは事実]
…では、すみません。
ぼくはこれで。
[しかしあまりに色々とありすぎて、疲労感がピークに達していたのもまた事実。
そして彼は、剣への興味よりもこの場を去ることを選んだ。
取り敢えずの目的地は、広場にある*空いたベンチ*]
おう。
またな、ライヒアルト。
また一緒にメシに行こうぜ。
後、もう少し鍛錬しておくようにな。ははっ。
[別れの言葉を口にするライヒアルトに笑顔で手を振った]
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