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なあ、何か方法はないのか?
『人狼』を見つける方法は?
今の話だと居るんだろう?『闇の者』に対する『神の使途』も、この村に……
殺しあう以外の方法があるんだろう?なあ、居るなら教えてくれよ……
[ぽつり、ぽつり、落とす言葉には少しずつ苛立ちが混じる]
なんとか言ってくれよ、ギュンターさん!
[知らず、立ち上がって上げた声は、自分でも思わぬ大きさで、言ってしまった後で目を閉じて首を振った]
……悪い、少し頭に血が上りすぎた……
………頭、冷やしてくる。それくらい、いいだろう?
[視線は自衛団長に向けてそれだけ訊いた。そうして、返事を待たずに談話室を出る。
誰かが声を掛けたり視線を向けても、気付かないままで*]
─ 談話室 ─
>>213団長に食ってかかった男が出ていくのを見つめ。
>>211余所のヤツという声を聞きながら、目を伏せた後]
…ギュンター小父様が嘘を吐いているとは思わないけれど、だからってはいそうですかって受け入れるには難しい話だわね。
なんにしろ、もう少し時間をもらえないかしら。
此処にいる分なら、問題ないでしょう?
[そう言い募ると同時、踵を返して談話室を後にする。
静止があったとしても、気になるならついてくればと返すだけで足は止めなかった]
─ 聖堂・ピアノ前 ─
[談話室を出ると、先程は足を向けられなかった場所へと歩いていく。
昨日調律したばかりのピアノに指を滑らせる姿は、昨日と違いシンプルなパンツとセーター。
いつもならもっと化粧を濃くしてバランスを取るが、そんなことも今は気にかからない]
…こんなことなら、昨夜も弾きに来ればよかった。
[昨夜、廊下から聞こえた声に出る事を止めてしまったことを悔いて、呟く。
薪を取るついで、寝物語代わりに何か一曲と思っていたのに、何故止めてしまったのだろう。
もっと貴女に聴いてほしかったのに]
─ →厨房 ─
[談話室を出た後、向かったのは厨房。
半ば逃げるように駆け出してきたから、他にも談話室を出た者が居た事には気づかなかった]
……なんで、こんな、ことに、なる……?
[駆け込んだ先で零すのは、掠れた呟き。
肩に乗ったままの小鳥が、ピリリ、とか細くないた]
……あ。
ごめん、見ててもらえばよかった、な。
[その声に少しだけ、気をやわらげて小さく呟いて。
直後に、唇をかみ締めた]
─ 聖堂・ピアノ前 ─
[それだけじゃない。
自分が出ていたら、もしかしたら尼僧を助けられたかもしれない。
凶行を止めることはできなくても、尼僧の代わりに殺される事位はできたかもしれないのに]
…いやね。
後悔ばかり上手になる。
[胸の内に落ちる重りはそのままに、せめて安らなる眠りにつくように、と。
老尼僧が一番喜んでくれた、円舞曲を奏で始めた**]
―談話室―
[雪に閉ざされた聖堂に残された人々が
自衛団の召集で談話室に揃う頃。
自衛団長からなされた話に途惑いの表情を浮かべた。]
中央教会?
[どうしてその名が出てくるのか。
疑問に思えばその理由が続き、聞き入るものの
御伽噺や歌にきくような世界の話に思えて怪訝そうに眉を寄せる。]
『人狼』が、シスターを殺した、と?
[確認するように呟くと、
涙の跡のこる顔を両の手で覆い、重い息を吐き出す。
その間にもこれからの指針が団長の口から語られていた。]
─ 談話室 ─
[次々と談話室を出て行く逗留者。
団長はそれをただ見遣るだけだったし、マテウスもまた引き止めることは無かった。
団長もまたある程度時が経てば談話室を出て行く]
…………
[皆が混乱するのも無理は無い。
マテウス自身、何を為すべきかを理解出来て居ても、覚悟までは抱けていない]
…イレーネ。
[そこでようやく娘の傍へと歩みを進め、声をかけ様子を窺った]
─ 厨房 ─
……『人狼』……か。
[図書室の蔵書には、それに関わる内容の説話や御伽噺も多い。
それだけに、その言葉は目にする機会も多いけれど]
現実にいる、とか。
……ない、だろ。
[口にするのは小さな否定。
直後に感じるのは不自然な息苦しさ。
否定する事を赦さぬような感覚に、きつく眉が寄った]
ほんとに……何なんだよ、もう。
わけ、わからなすぎだろ。
[はあ、と大きく息を吐いた後、気を取り直すように首を左右に振った]
─談話室─
[最初は静かだったのに、次第に棘が混じり始め。
最後には跳ね上がるように空間を裂いた声>>226。
比較的静かな音に包まれる場に走った声に思わず肩が跳ねたのは、驚いただけでは、無く]
(……何、だ?)
[どくり、酷く強い脈が自身の内から響いた、気がした。
発したのは左胸ではなく、熱を持つ背]
[その疑問も、近くで発された言葉>>229に打ち消された]
……よく、わかってるよ。
[長年通っているとは云え、自分はあくまで余所者。
それでも、老尼僧には世話になり、感謝だってしている。
自身にも殺す理由はない。けれど、口には出せないまま]
[それは何人目となるのだろう。立ち上がり、そのまま談話室の扉を押し開いた]
[そうしているうちにもばらばらと人は減る。
なお、物心ついた頃には既にあの姿だった常連客>>227に対しては、未だに戸惑い混じりな接し方をしている。
宿だけではままならない生活の為普段は出稼ぎに出ている母親との会話の中、何気なくばらされた真の性別に衝撃を受けたあの日から{6}年。
綺麗なお姉さんという幼い頃からの認識はそう簡単に拭いきれないまま、今部屋を出る彼を見送る際にもやはり複雑な顔をしていた。
ともあれ]
……だから必要ないっつってんのに。
[殺し合うという言葉を受けての周囲の様々な反応。
未だ余所者にしか疑いを向けていない娘は、納得行かないというように口を尖らせた]
─ 談話室 ─
[ギュンターとやらの話、それぞれの反応、そして皆が席を立つ様子を伺う。大小あれどそれぞれが驚きの様子で思考を停止している者すらある。そんな皆を見てレナーテは口許を綻ばせた]
──呑気なモノだな。
[そう呟くと厨房のほうに視線を向け席を立ちライヒアルトへと声をかける]
私も手伝おう、空腹は精神衛生上よくないからな。
─ 談話室 ─
[エーリッヒが薄くない笑顔>>193を見せてくれると、入っていた肩の力が抜けて笑みを浮かべることができた。
それがあったから、父は仕事中なのだからと、どうにかでも我慢することができたのだと思う]
中央教会?資格?
え…と…?
[団長の話が始まると>>185顔を上げてじっと聞いたが、最初はまるで要領が掴めなくて緩く首を傾け、団長の傍で目を見開いている父>>204を見た。
その父が、ライヒアルトが、エーリッヒが、他の人達が疑問を投げて答えを得るのを黙って聞く。そこから少しずつ理解してゆけば、顔色は青白くなっていった]
……ぅ。
[別人のように低いエーリッヒの声>>194が聞こえ、ビクリと背筋を引き攣らせる。そのまま震えが止まらなくなった。
悲鳴を上げないように両手で口を塞ぎ、浅い呼吸を繰り返す]
―談話室―
[成すべき事が何であるかはすぐに浮かばなかった。
エーリッヒの低い声音>>194にピクと肩を揺らす。
顔を覆っていた手は胸元へと落ちて
物騒な言葉に不安の表情を露にした。]
そんな、こと……
[十字架を掲げる神の家には不似合いなもの。
この中に、老尼僧を殺した『人狼』がいる。
マテウスの呟き>>206にそんな考えが脳裏をめぐっていた。
視線には気付かぬのは苛立つ行商人の声>>213が響いたから。]
殺しあう、なんて……
犯人がわからないのに、……あぁ、わからない、から。
でも、そんな乱暴な遣り方は……っ、
……本当に、それしか方法がないの?
[自衛団長の顔を見詰める間に、件の行商人の姿は見えなくなっていた。]
―談話室―
[エミーリアの言葉>>229に行商人が居た場所に一度目を向ける。
すでに其処には居ないが、良い噂はきかない人と認識していた。
老尼僧は分け隔てなく接していたし、噂は噂ともいい聞かされていたが
苛立つような姿をみればこわいと思ってしまう。]
村の人が、なんて、考え難いもの。
あんな、惨いこと……、っ、
[己の言葉に十字架に串刺しとなる養い親の姿を思い出す。
こみあげるものを堪えるように手の甲で口を押さえた。
人の仕業とは思えない。
聖堂内へと運び込まれた時には老尼僧はシーツに包まれていたから
傷跡までは目にしていないが、団長が人狼を結びつけたのも
理解できるような気がした。]
[あまりに自身は、あっさりと受け入れていた。
殺し合わなければならないなんて、否定すべきなのに。
あの人たちを殺せるはずがないのに]
[長い時、短い時。
異なる長さであっても親しみを持った人々]
[それを、けれど、『人狼』が居るのなら]
[……『人狼』が居るのなら?]
…………やっぱ、おかしいだろ。
[そっと、掌が左胸を覆う。
襲う違和感が酷い。確認をしたい。
確か浴室に鏡はあったけれど、それで見える位置ではない]
[誰か、と、思って。けれど、彼女には頼めない。
さすがに女性の前で晒すのは相手に失礼だろう、と]
― 談話室 ―
[お伽噺だ、と心の内で否定するたび、違和感が内面を揺らして。]
……あ。
商品、確認してもらわないと……。
[昨日、背負子から降ろしたきり、そのまま放置していた商品を思いだして。
逃避するように近くに寄って、昨日の短剣のように余計なものが入っていないか確認をし始める。]
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