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─翌朝・宿屋・食堂─
[朝の彼女の部屋における見せられないよ的なあれこれは省略するとして。
煙草を銜え、階下へ下りてくる。]
おーす、おはよう。
…………あー? まだそれぶっ倒れてんのか?
[そう言いつつ、昨晩ダーヴィッドを転がした場所へ向かうと、突如がばとダーヴィッドが身を起こす。]
ひゃっ!?
[驚き、思わず可愛い悲鳴が漏れてしまうが、それを気にすることなくこちらに向き直り捲くし立てるダーヴィッド。]
はぁ? ひ、姫ぇ!? いや、俺は別にんなメンヘンなもんじゃ……
[だが、一向にこちらの言葉を聞かずに捲くし立てるダーヴィッド。]
いや、だから話を聞けよ。このスカポンタン。
[だが、やっぱり一向に話を聞かずに自己完結で飛び出していこうとするダーヴィッド。]
…………やっぱ、片付けた方が良かったかもしれん。
[そう言って、ひとつ深く溜め息を吐いた**。]
―修道院―
[厨房を借りて青年は菓子を作る。
何にするか迷いつつもラング・ド・シャに決めたのは
口腔で溶けるような食感を好ましく思っていたから。
出来上がりを口にして味を確かめてから小分けにしてゆく。
少年達に其れを配ると残りは布袋に仕舞いこんだ]
――…さてと、今の内に作業しとくか。
[青年はワイン樽が眠る地下の部屋に移動する。
奥にある苦蓬の酒、瓶の数を確認するのは常の事。
減ってないことに安堵して]
あー…、指示しといたのに。
終わってねぇし。
[空のままの瓶を眺め肩を落とした。
荷を置いて青年は瓶とコルクを手に取り
誰か訪れるまで作業に勤しむ**]
―宿屋 食堂―
……ね、ゼル。私達も後で一度帰りましょう。
服、着替えてこないと。
[昨日と同じままの服は居心地が悪かったので、
夫の手を引き、そう相談した。
それが何時になるかは、まだ分らない。
それまで暫くは、ここに居る人達の話を聞いたりして*過ごした。*]
イレーネさんが僕達と混ざるのは大歓迎なのだよ?
女の子は何時までも、女の子なんだから
[>>429ことりと頸を傾ぎ何時でも引き込むつもりなのだと伝える。
母になろうとしていたイレーネにしてみれば苦笑いされるかも知れないけれど。]
…ン、でも僕は寧ろだね
遠くまでボールを投げれる肩を持った男の子が羨ましかったんだ
それに女の子と一番仲良くなれるのは男の子だよ?
[誰かを支えてあげたいと思った幼い頃の記憶。
娘だけでは支えきれない所もあったから、その願望は強かった。
だから、ある意味ではイレーネのような立場にあこがれる部分もあって。]
…うん、だからこそ、僕は彼らを識りたいんだ
[話は変わり、お礼の声にはふるふる頸を振るったけれど、去り際、深く大きく頷いた。]
っとと…じゃあベッティ、ちょっと行って来るのだよ。
あ、と、団員さん、団員さん達がやって呉れないのなら、
僕が準備をしに出かけても別段問題は無いのだよね?
[宿を出ようとした時に団員達に呼び止められるとそう応えて。どちらにせよ口実が欲しかった娘は動向を拒否せず、其のまま一度は外に出る事になるが、雑貨屋では無く先に自衛団詰所へと脚を運ぶ*]
─自宅─
[必要なものを自宅へ取りに戻ると、執事達はやはりぎこちない態度で応対してきた。
何も言わずに家を出たはずなのに、嵐が来た時のように探そうとはしなかったらしい。
自分をどのように感じているかは明白だった]
しばらくは宿に部屋を取る。
お前達は好きに過ごすが良い。
[執事達にそう言い放つと、さっさと自室へと向かい。
着替えや未読の本などを鞄へと詰め込み。
机の引き出しに仕舞っていたカエルのパペットも荷物に加えた]
Москва слезам не верит.
Без труда не выловишь и рыбку из пруда.
Волка ноги кормят.
怖がってばかりじゃダメだ。
大丈夫、きっとゼルギウスが見つけてくれる。
Двум смертям не бывать, а одной не миновать.
遅いか早いかの違い…。
そうだとしたら、精一杯のことをやらなきゃ。
[紡がれる語は母から教わった言葉。
自分を奮い立たせるようにしながら決意を固め。
荷物を詰めた鞄を持って自宅を出た]
─ →宿屋─
[大きな鞄を持ったミハエルの姿は他から見れば目立っていたことだろう。
けれど、苦労しながら運ぶその姿に手を差し伸べる村人は居なかった。
村全体に容疑者が誰なのかが伝わっていることが窺い知れる]
[宿屋に着くと一旦部屋へと荷物を置きに行って。
食堂へと戻って来るとベッティに声をかける]
食事を頼めるか?
実のところ、朝から何も食べていないのだ。
パンとサラダとスープだけでも良い。
[朝食をも抜いていたために空腹はピークに達していて。
とにかくお腹に入れようとベッティに注文した。
ただ、肉は食べることが出来そうに無かったために簡素なものになってしまったが]
[注文したものが運ばれたなら、しばらくは食堂で腹を満たし。
ゲルダが戻って来たのなら、先刻の話をするために部屋へと誘う*だろう*]
― 詰め所 ―
そんなに怖い顔しないでよ
只、お爺ちゃんと二人にして欲しいだけだよ
[遺体が安置されているらしき部屋の前で娘は見張りをしていた団員に話を持ち掛けていた。鋭い視線が今にも体を貫こうとしていて。]
…参ったな、でも、この際仕方無いのかも
[どこか覚悟を決めた娘は、はぁ、と一息つくと、スカートの裾を摘み、腿に刻まれた聖痕――嘗ての自衛団長と揃いの銀の刻印を団員達に晒した。]
…構わないよね?
あ、それとこの事は箝口令をしいて欲しいよ
お爺ちゃんから何もきいて無いはずは無いんだ
[呆気取られた団員らは暫しの逡巡を見せるが、最終的には娘に道を開けた。]
有難う
[そう感謝の意を伝えると遺体が安置された室内へと入り娘は亡骸と対峙する。]
…お爺ちゃん、
こんな事になるなら、もっと甘えておけば好かったよ
[俯きながら独り言呟く儘、冷たい体を抱きしめた。]
僕の本当のお爺ちゃんなんでしょ?
知らないと思って居たかな…
煙草も吸いすぎ気をつけてって毎回いってたのにさ
…父さん母さん、エドガーも
お爺ちゃんも…みんな僕を置いていってしまったね
―修道院―
[冷やりとした地下の酒庫で青年は瓶を傾ける。
深い色の液体を見詰める眸。
その口許が満足げに綻んだ]
流石に今から一杯、なんて、叱られっかねぇ。
[満たされた瓶に栓をして木箱の中へと詰めてゆく]
来るかもしれねぇってんで用意はしたが
今日は来ねぇかもしれねぇな。
[酒庫に籠もるのにも飽いたのか
両の手を上げてぐーっと伸びをする]
さあて、どうすっかねぇ。
―修道院図書室―
[厨房で紅茶を淹れて青年は図書室に向かった。
机の上には二冊の本が並んでいる。
カップを置き椅子に腰を下ろす。
砂漠を越えて来たという珍しい書物を手にした]
遠い土地の書物、か。
是はどんな知識を与えて呉れるのか。
嗚呼、愉しみだな。
[新たな知識を前に青年の眸が愉悦の色を湛える。
日が暮れる前には宿に戻る心算で
それまでは此処で至福の時間を過ごす事にした**]
―朝の後・宿屋食堂―
うん、重いものは俺が運ぶよ。
嵩張りそうなものがあればナーセルも連れてくし。
でも一緒に行くんじゃ駄目なの?
[ゲルダ>>427に首を傾げた。
速攻で食事を終わらせるのにだって慣れている。見抜かれて、味わって食べるようにとでも言われただろうか。
自分も今さっき一人になりたがったりしたから、一度断られれば食い下がることも出来なかった]
分かった。じゃあ後で。
……向こうは少し遅くなっちまうかな。
[ゲルダを見送ってから、焦りすぎたかなと頭を掻く。
ワイン一本では足りなくなりそうというのは変わらないのだが。
内心で先にライヒアルトに手を合わせておいた]
―雑貨屋―
詰所に寄ってたの?
また何かされたりしたんじゃないよね。
[雑貨屋の前でゲルダと合流した。
先に出ていたはずの理由を聞けば眉を寄せる。
自衛団への感情は最悪状態だし、ゲルダの様子が少し変わったように思えた。その理由までは他に思いつけない]
―村の通り―
なあ、ゲルダちゃん。
団長さんって何考えてたんだろう。
クロエちゃんの話だと、形だけ作っておいて後は一人で片付けてしまおうとしてたみたいに思えたんだ。
[荷物運ぶ帰り道、ゲルダに話しかける]
そんなの、結社の人間だからって無理しすぎじゃないか。
銀の武器は用意させたのにさ。
そんなに信じられなかったのかな、俺達のこと。
[答えを期待していたわけでなく、頭の中だけで考えを纏められなかっただけだったりした。
だから返事に詰まるようならそれ以上は話さないつもりで話して]
― 詰め所/安置室 ―
…お爺ちゃんが人狼を討たねばならなかった気持ちは解ってるよ
でもさ、僕はあの中に狼が居るなんて未だに思えないんだ
……甘いかな
[不器用で、厳しくも優しい思い出の中の祖父に問う。クロエのような力なんて無かったけれど、孫らしい事一つしてあげられなかったけど。]
何時か云って呉れたよね
「人を先ず信じなさい」って
だから僕、…狼さんとお話がしたいんだ
[娘に息づく心の根には祖父の想いが植えられていて。]
御伽話の狼さんはいっつも悪い敵役で、
村人達を困らせてきたけれど…
どうしてそんな事するのかは書かれてないでしょ?
だから僕は…”識り”たいんだ
[娘の頸元に掛かる白雪の髭が、冷たくて悲しい。自衛団長の亡骸を抱きしめ耳元に零すは切なる願い。其れだけ云い終えてそっと手を離した。
部屋の外で待って呉れた自衛団員に「もう好いよ」と告げて、自分の無理を通した事へ詫びを入れようとした矢先、突然向こうから非礼を詫びる言の葉を聞き娘は翠の眸を瞬かせた。]
ああ…そんなこと好いのだよ
でも出来れば僕の大事な人達にこんな事しないでね
[何時か自分の手を引いた団員だと解れば、困った様に笑み返した。詰所を出て雑貨屋へ戻ると事情を聴いた老婆に叱られはするが、自分を心配して呉れたのだと伝わると感謝と共に抱擁を。宿に行くと云えば、矢張り引き止められてしまうが其れだけは折れる事が出来ない一点を貫く事になり。
暫しの後にベッティと約束した物を用意して雑貨屋の前に運ぶと、ユリアンにお願いしに宿へ戻る事となる。]
― →宿屋 ―
ただいまなのだよ、思ったより手間取ってしまってね
[御免ねと謝りながらユリアンに歩み寄り。]
仕入れ時だったから片づけて無い所もあってさ
でももう雑貨屋の前に出して置いたから、
大丈夫そうな時にお願いするのだよ
[ユリアンに頼み共に雑貨屋へ向かい。
程無くして戻れば娘はミハエルの元へと向かう*]
―宿屋―
[荷物はベッティにも聞きながら中まで運んで。
次はと宿を出てすぐに見張りをしていたらしい自衛団員に捕まった]
もっと武器の数はないのかって?
持ってたら最初の時に届けてるよ。
使わせない気だったら最初から持ってきて無い!
[食い下がる相手を朝と同じように睨み付けて怒鳴る。
怯えの勝っている団員には良く効いた。
他の団員が来る前に振り払うと修道院へ向かった]
―修道院―
どうも。例年と同じ酒の仕入れに来ました。
こんな時かもしれませんが、俺達はこれで生活してるんで。
ライヒアルトさんとも約束してあります。
[応対に出てきた修道士に告げる。
案内される後ろについて中へと*入った*]
─宿屋・食堂─
ベル兄よりもってことは無いだろうけど。
私のことも大事だって思ってくれてたら嬉しいな。
[蒼鷹に視線を向けて微笑み、そのままゲルダへと顔を向け。
彼女が何か思案するような様子にはどうしたのだろうと思うも、無理に聞こうとはせず。
ぽふりと柔らかく抱きしめられると、ぱちり瞬きをした。]
私が優しいんじゃなくて、ギュン爺ちゃんが優しかったから、だよ。
…うん、だね。
[そういって苦笑するも、自分を想ってくれる幼馴染に感謝して。
自衛団長の立場を思いやった話し振りの彼女には、小さく頷いた。
ゲルダとイレーネの会話には邪魔にならぬよう少し離れているとベッティから声をかけられた。]
あ、勿論良いよ。何作ろっか。
[彼女の性格を思えばこんな時に座ったままの方が落ち着かないだろうと思い快く了承して。
厨房へと向かい、二人で準備を始めた。]
―修道院―
[読書に耽っていれば扉が叩かれ来訪が知らされた]
――…嗚呼。
[ぱたんと本を閉じて立ち上がる。
カップの中身は疾うに空になっていた。
応対をした修道士に茶器の片付けを頼んで
ユリアンに向き合う]
早速現物見て貰うかね。
[図書室を出てユリアンを地下へと案内する。
ワイン樽が並ぶ其処の一角にある木箱を指し示し]
ワインは昨年と同じだけ用意した。
苦蓬のは昨年の五割増しだ。
[多くと頼まれていたからそう告げて席を勧める]
ん?
…そんなことないよ。
ベッティだって、いつもいっぱい助けてくれてる。
ゲルダやブリジットも、勿論だけど。
私はベッティやみんなが居てくれるから、こうして普通にしていられるんだよ。
ベッティこそ、頑張り屋さんだから。
辛かったり、悩んだりした時は…教えてね。
私、さりげなく気遣うとか出来ないから、傍にいたりするしか出来ないけど、一人で抱え込んだりしちゃイヤだよ?
[不意にベッティから声をかけられ、首を傾げるも。
その言葉は自分を気遣ってくれるもので、胸の奥をじわりと温かくしてくれた。
この優しい幼馴染の胸にも何か抱えているものがあるのなら、一人辛い思いはしてほしくないと。
その返答はどうだったろうか、肯定でも否定でも何も言わずその背を撫で。
その後はわざと他愛ない話をしながら二人で食事の準備をした。]
―宿屋・食堂→厨房―
[厨房に行く前のこと、行ってくると言うゲルダには気をつけてなと見送り、
クロエと料理にと行く前に戻ってきミハエルに軽食をと頼まれて、ユリアンからの注文もあれば]
わかった、ちょっと待ってな。
[クロエと厨房に行った後、サラダとパンとコーンスープを用意して一度食堂に]
皿は後で片付けるからそこに置いといてくれ。
[そうして厨房に戻った後、クロエに話しかけるのはそれからのこと]
─宿屋・裏口─
[無理しないでね、というクロエには、何も言わずに笑むに止めた。
無理をしない、というのは容易い。けれど、それはかなりの高確率で嘘になる。
だから、何も言わずに、側を離れて裏口へ。
椅子の一つを止まり木代わりにしてそこに留まった蒼鷹は、クロエとゲルダのやり取りに、こきゅ、と首を傾げていたり]
…………。
[一人、外に出て、壁に寄りかかる。
遠巻きにする自衛団員の気配は感じていたが、特に気にはせず。
煙草を出して火を点け、立ち昇る紫煙をしばし、ぼんやりと眺めた]
[食事の準備も済んで食堂に戻れば既にゲルダの姿は無く。
ベッティからゲルダは雑貨屋に行ったと聞かされれば知らず安堵の表情を浮かべるか。
ゲルダもここに泊まることになったと聞けば、自分もしばらくはここに泊まった方が良いだろうか、と思いベッティに願い出た。]
ね、ベッティ。
昨夜泊まらせてもらった部屋、しばらく貸してもらえる?
…あ、ありがと。助かる。
えっと、お代は…え、いいの?あぁ、解った。
うん、それじゃ遠慮なく。
[宿泊費がいくらか聞こうとしたら、ベッティから経費は自衛団に回すと言われ苦笑しながらもそれに甘えることにして。
ふと、そういえば台車をここに置きっぱなしだったことを思い出し。
こんな事態になって仕事など出来そうもなく一度置きに戻ったほうが良いだろうと思い、またしばらく泊まるなら着替えや身の回りのものも取って来た方が良いかとも思い立った。]
あ、えっと…私、ちょっと着替えとか取ってくるね。
直ぐ戻るから、私の分のご飯とっておいてくれると嬉しいな。
[そういうと、外に出て置きざりのままだった台車に蒼鷹を入れてきた籠を乗せ洗濯小屋へと向かった。
蒼鷹も来るならば、また籠に入ってもらうか。]
―修道院―
遅くなってごめん。
[空になった茶器をそそくさと下げていく修道士に肩を竦める]
子供らは無邪気だけど、他はそうもいかないんだね。
[苦笑しながら地下まで連れて行ってもらう]
昨日貰ったのは味見たよ。
去年のも悪くなかったけど、今年のはまた当たりだね。
[苦蓬は5割増し。ならば]
うん、それだけ貰えればありがたい。
日が暮れる前に全部積めるかな。
[勧められた席に着く]
そうか?
自分ではなんか、特別にしてる気はしてないんだけどな。
[料理の準備をする手を止めることはなく、トントンと包丁がリズムを刻み]
私はほら、動いてないと多分死んじゃうからな。
辛かったり、悩んだりか……
[少し考える風に、それでも手が止まることがないのが毎日の慣れゆえか]
乙女の悩みつったら、恋の悩みくらいなもんだな。
[けらけらと笑いながらそう言い、話はそんな女の子の会話に摩り替わっていくだろうか]
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