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へんなかんじ?
[リディの言葉に、首を傾げかけ…て、]
……て、おい?!
[今までのざわめきとは違う感覚が襲う。機鋼の力が…いや、機鋼界そのものが、動いた、と感じた]
勘弁しろ…よお…
[そして、この界が閉ざされたことも]
[雷撃王の気より産まれ出で、別個の存在となった今でも、根幹の繋がりは断たれずにいた、その気の断たれた故に]
[中枢から感じた、力の波動。それは、辿るまでもなく]
……っ!? 機鋼王!?
[届かぬのは承知の上で、叫ぶ。
それに答えるように弾ける機鋼の力。
だが、現れたのは、今呼んだ王ではなく、その側近と頼まれる機精]
機精殿、一体何が……!
[問いに、機精は珍しくも取り乱した様子で答える。
機鋼王に起きた異変。最後の言葉。
そして、界が閉ざされた事を]
……って……何の、冗談っ!
――……………、
[天を仰いでいた眼差しが地に下ろされる]
[傍から見えるのは凪いだ海の青ばかり]
ん、
[追ってきた少年の姿を認め]
[不思議そうに首を傾げる]
――…、
[アーベルを追いかけていた足を
ぴくりと、止める。]
[何だろう。何か。 何かがおかしい。
今まで感じていた「違和感」みたいなものが、一瞬――]
ていうかね、何かこう、鼓動……?
[大きな力(それは機鋼のものだといまでは知っている)が、何度か激しい動きをみせて、次に界全体が動いた。そういった風に、リディには認識された]
なんな訳……。
[ユリアンに説明を求める]
さぁね。
その頭は何のためについてんの?
[自分で考えろとばかりに切り捨てる言葉と、猫が尻尾をくるんと持ち上げて背筋を伸ばし中の何かを見るのは同時だったろうか]
…シシィ、どうしようか。
[めんどくさいなぁ、と煩わしそうにぼやきながら猫の背を撫でた]
[前髪を掻き揚げた状態で動きが止まる]
[はっきりとは分からないが異変を感じる。この界に存在する風が僅かにざわめいた。この世界に詳しくない自分にも分かるくらいに]
…何か…起こったのか?
[視線は無意識に異変を感じた方向へと]
「……ああ」
[屋敷の前。佇む従魔がか細い声を上げる]
「……ダメ、だよ……」
[その言葉は、果たしてどこへと向くのか]
「……こわれる……から」
[呟きは夜風に紛れるよに、消えて]
ありがと。
[にこと微笑み、置かれたグラスに手を伸ばし、ワインを一口。]
[そうして、女の視線には相変わらず平静を装ったままで。]
――あら奇遇ね。
こちらも、あまり穏やかではないようよ?
[言い放ったその時に、感じた。揺れる、力。今度は露骨に眉を顰め。]
今の……何?
……まあ、これはこれで面白くはあるんだけどね。
[そう言って、こちらも話を濁す。
その時、突如何もないところからギュンターが現れ、先ほどあったことをオトフリートに話す。]
……それって。つまりは……
お前が気にすることじゃない、あの餓鬼が未熟なだけだ。
[苦笑を零す少女に、黒犬が鼻を鳴らして。
と、現れた機精と、時竜の会話を捉えて、僅かに眉を寄せた。]
…フン。想像以上に、随分と面倒な事になったな。
[後で、あの餓鬼にも伝える必要があるだろう。
尤も、あの方は――既に気付いていらっしゃるだろうが。
そう思いながら膝を突いたブリジットへと、黒の身体を歩み寄せる]
おい、大丈夫か。
[雷撃の精霊力が、機鋼のうねりに呼応するように波打ち、一瞬、膨れ上がって…しかし、かろうじて、外には放たれずに、急速に身内へと収束する]
……感謝します……翠樹王……
[片手をバンダナに添えて、はあ、と大きく息をつき]
…ん!?
[スプーンくわえたまま、その力に反応。
自分が扱う封呪に似て、それより遙かに大規模な。]
…封鎖結界?
[構成を読もうとするも、暗号化されたそれは解読不能。]
「私はこれより、他の者たちと共にファクトリーの調査に参ります。
何かありましたら、お知らせいたします故」
[では、と一礼するや否や、機精は姿を消す。
単独では危険、と押し止める間もないままに]
ちょっ……というか、ファクトリーへの行き方……!
[行き方を教えてくれ、という言葉は届く事無く。
機精の姿はかき消すように消えうせる]
……あー……っとにぃ。
[額に手を当て、前髪を乱暴にかき上げつつ。
口をつくのは、ただ、苛立ち]
正確には、判らないけど、ね。
多分、機鋼王殿に、何かあった……
[リディの問いに答えて、外へと視線を向ける。その鋼の目に宿る光は、普段よりも鋭く見えたかもしれない]
この界が、完全に閉ざされたみたいだ。
[声はいつもと変わりなかったが]
……、う?
あ。アーベル。
[気配を辿って、ぼっとしていたところにアーベルの短い声。
…ダメだ、気配を意識的に辿ろうとすると、オレだと時間が掛かる。
傍から見たら、ぼーっとしてるだけに見えるらしいから。
メーアは上手いのに。……ちぇ。]
突然、どっかいっちゃったから。
どしたの。
封鎖……?
[片手で胸元を掴み、片手でユリアンの(伸ばされかけて途中で引き返した)手を掴もうとする]
機鋼王に?
それで何か……違う、ライデンには聞こえなかったの?
う、うん。
大丈夫、私は…。
[そう言いながらも黒犬に縋るように掛けた手は震えたまま]
ちゃんと自分を保たなくちゃ。
このままじゃ不安定になっちゃう、もの。
ん――……
[左腕は身体の横に下げたまま]
[右手を緩やかに持ち上げて、]
なんだろう。
変な感覚、あったから。
でも、今は、……無い?
違う、
変わった?
あ、そ。
[そっけない一言を月闇に返す。
すっかり苦くなっただろう紅茶のポットを手に取り、カップに少し。
そしてそこにたっぷりのミルクを注いで銀のスプーンでかき混ぜながらライデンを見る]
…大丈夫?調子悪いなら、面倒くらいは見てやるよ。
[あくまで上からの物言いだが]
完全に寸断されてしまいましたね。
こんなことができるのは、王本人くらいだと思いますが。
そんなことを決意させてしまった犯人は何者でしょう。
[思ったよりも深刻ですね、と呟き]
[リディに手を掴まれるに任せて、ゆる、と、少し緩慢な動作で顔を上げる]
聞こえなかった、て?
何か、聞いたのか、お嬢…?
だから鼓動ー……
[ぺし、とユリアンの手を離し、腰に両手をあてた]
ふん、ライデンに訊いたリディが間違ってたよ
ていうかライデンに頼ったりしてないし!
…大丈夫なら構わないが。
[口ではそう返すものの黒の身体に掛けられた手の震えを感じたのか、
咎める事無く、少女の傍へと座り込んで。]
影輝――…あぁ、『均衡』か。難しい力だな。
[続く言葉に、何処か納得したのか
独り言の様に、小さく声を上げる。]
[――天を見上げる]
何か――起こったであろうか…?
[心の内を巡るざわめきに、私は水面を揺らして空へ出る。
長い尾がしなやかに揺れ雫を散らし、濡れた鬣は長い首を覆う。
大きく身を震わせて水分を払い、私は天を駆け屋根を越えた]
[情報を得ようと風を繰る。このエリアでざわめいた風達からも教えてもらい。探る過程でダーヴィットやユリアンの呟きも風から得られたか]
封鎖結界?
この界が完全に閉ざされた…?
この世界に閉じ込められた、ってことか?
[周囲で次々に紡がれる言葉を頭の中で整理していく]
[この事態は機鋼王が行ったこと。それをしなければならない何かが起こったらしいことまではまず理解出来たか]
[素っ気無い返答は聞こえない振りをしながら。]
閉ざされた……?
……私達が、ここに呼びこまれた事と何か関係でもあるのかしら?
[妙な喉の渇きを感じ、グラスを飲み干して。]
[……ズキン]
[あるはずのない右腕の痛みに、無意識に左手は右腕に。見えざる右腕が叫ぶのだ。]
「腕ヲ盗ンダアイツノ力ダ」
[それは機鋼界に来てから絶え間なく疼き、その主張を強くしていっていた。]
……クソッタレ。
[それは誰の耳にも届かないような小さな呟き。]
変な感覚。…んー?ついさっきなら、あったけど。
変わった?何が?
[それより、アーベルが動いたのは早かった気がするし。
こてりと、首を傾げる。やっぱり、難しい。
と、続く言葉に僅かに眉を寄せる。
届く声に――何故か痛みの声が混じらないけれど、
やっぱり見ていて気持ちの良いものじゃない。血が滲むとか、強すぎだと思う。]
……握ってたって。
痛くない?大丈夫?平気?
……っとに……どいつも、こいつもっ……。
[苛立った声は、どこへ向かうのか。
ため息の後、額から手は離されて]
……ま、平たく言えば。
俺たちはここに閉じ込められました、って事だね。
[ミリィに答える声は、どこか疲れていたかも知れない]
[払いのけられた手に、少し笑って]
ん、お嬢は強いしね。
鼓動、か……機竜……そう、なのかな?
オトさんなら、何か知ってるかも…
[やはり、彼にしてはゆっくりとした動作で立ち上がる]
機鋼が相手なら、雷撃は便利だと思いますけど。
これで終わりということはないでしょうし。
ちょっと頼りないかもしれませんけどね。
[2人を交互に見ながら]
[ハインリヒにむかい]
そのようですね。
王本人が封鎖したとなれば解除できるのも本人だけかもしれません。
戻るための難易度が跳ね上がった気がしますねー。
[手の中の鏡へと視線を戻し、楽しげに]
[ユーディットの言葉に振り向いて、肩を竦める]
相手って言ってもね、機鋼が敵ってわけじゃないと思うし。
まあ、お互いに若干影響はあるだろうけど。
[むしろ、敵であってくれるな、と内心思っているのは見え見えか]
[状況は、話に聞いたアレとか、いつだかのアレとかに良く似てるわけで。]
全属性力集めて…って呪式は結構あるからなぁ。縛るのも、解くのも。
大きな事やらかすときの媒介にってのも理論上はあるし…
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