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それでも、初撃の油断は後々まで繋がる。
それが大きければ大きい程。
[くすりと笑って首を傾ぐ。思い返すのは交わした言葉]
あの人は無口だけれど甘い人だから。
付け入れば崩すのは存外楽なのかもしれないですよ?
[言葉は酷く、辛辣に]
[口を噤むのに瞬き、合点がいったように苦笑する]
どちらにしろ、俺たちの会話は推察に過ぎない。
情報らしい情報になんてならないと思いますよ。
だからこそ、初撃のために、種を入口に落として来たのですけれど…。
[酷く残念そうな呟き。
それは実際に闘ってみたかったのだと言外に告げるよう]
…うふふ。付け入る、なんて。
私はまだ、「本当に」ただのお嬢さんでしかありませんから…。
…確かに、そうなのですけれど。
と、いうか、自分の力で得た情報とも言えるなら、活用しても問題はないのですし…。
[それでも伏せられた紫紺は、難しく考え込むよう]
―廃墟・屋内―
…ふぁ
[目覚めて伸びをして。軽く頭を振ればすぐに意識は晴れる]
さて、っと。
[立ち上がって、袋を担いで外に出る]
誰かをお誘いしましょうか、それとも誘いを待ちましょか、ってな。
[ふらふらと、あてもなく。だけど何かを探すように歩いて]
―廃墟・広場―
[暫く歩いて比較的開けた場所に出る。
広い場所が落ち着くのは風という性質ゆえかも知れず]
[くるりと見渡して]
[近くの壁に凭れて携帯食を齧りながらカードを眺める]
……どうしたもんかね。
[考え込むようにしながら。
辺りに心地いい風を吹かせながら]
……強いというのは撤回しよう。
貴方は随分強かだ。
[騙された、なんて笑う。
こういうのは騙される方が悪いのだとわかっているのだけれど]
「まだ」、か。
ロザリーは「ただの」お嬢さんでは居たくない?
[目を細めて首を傾げる。
何処か眩しいものを見るような、ソレ]
ここで深く考えて居ても仕方無いですよ。
もしもその情報によって彼女に不利益が生じるなら、それはそれで謝るしかないんじゃないかな。
[起きたものはどうしようもないのだと言う様な。
そんな苦笑を浮かべて]
…そういえば、鳥の…って、どなたなんでしょう?
[鳩ならばあの奇術師も出すだろうと思いつつ、他の印象が強いだろうから。
そう気付き、今更ながらに首を*傾げた*]
―廃墟―
『吊るされた男』『太陽』は落ち。
『隠者』『審判』は未だ戦地に立つ。ですか
[勝者が決まったであろうビルの戦いの後にふらふらと歩いて
そして現在カードを片手に情報を改めてさらう。あれからの動きはないようだが]
もうそろそろ第三幕の開始ですかねぇ〜
[口にしてトランプを切って数枚を手に取り目を細め]
私もそろそろですねぇ〜…ではいきますか
[それはトランプの指し示す方向か。単なる気まぐれか。向かう先は廃墟の広場]
─廃墟・中央近辺ビル内部─
んー、と。
それなりに収穫はあったかな。
使える水があったのは、運が良かったぁ……。
[言いながら、ビルの内部を一巡りして見つけたチーズを一欠片、口に放り込む]
しばらくは、ここ拠点にするとして……さてと、どーしよう、かなあ。
さすがに、今日は動きたくないし……。
他のヒトたちの、様子見、かな?
―屋外―
[ゆっくりと歩く様は、人気の少なくなったこの場ではどう写るだろうか。
男は何処に向かうわけでもなく、ポケットに手を突っ込んだまま彷徨い続ける]
やりやすけりゃあ良いが。
そんな相手はもう居ないしねぇ…
ま、まだ傍観決め込むのが良いかも知れん。
皆が皆そうだったらどうしようもないが。
[ポツリと呟いて]
しかし…やれやれ。賑やかなこったな。
[周りには誰も居ないというのに、男は頭を掻いた]
[風が近づく気配をつれてくる]
……来た、か。
[それが示す方向に目を向ける。
小さく口笛を鳴らす]
やっぱり、避けられない、って事かね、これは。
[だけどそれはどこか嬉しそうで]
―廃墟 広場―
[自然の風とは少し違う風がふく空けた地にて『風刃』はいた]
おや…これはこれ、カルロスさん。
…いやはや妙なものもあるようで…これもまた一つの導きですかねぇ〜
[それは占いの導きか。興味のあるカードの持ち主がそこにいたり。とあるわけだが
呟くような言葉の意味はカルロスにはわからないだろうけれど]
ところで、そろそろあなたも、端役に飽きてきてませんか?
[首を傾げるのにこてりと逆に]
俺もわからないな。
鳥を連れた人には会わないままだったから。
[『月』のマスターなら知り得るだろうか。
返らない言葉に聞くのは躊躇われ。落ちるのは沈黙か]
─廃墟中心部・高層ビル屋上─
カードば使こた時だけ使える力、のぅ。
癒しの力っちゅーたか。
やはし、あん子ば力ば受け継いどるんかの。
[それは『あちら』には届かない呟き。愉しげな声色は懐かしさも含む]
そーろそろ動き始めるかいのぅ。
ワシも移動ばしとくか。
[腰かけていた建物の縁から立ち上がり、大きく伸びをした]
[向かってきたのは『手品師』
ならばちょうどいいとばかりに壁から離れて]
導き、かもなぁ。
俺もちょうどあんたに会いたいと思ってたとこ。
[へらりと笑って、そう返す。
言葉の意味よりもここに当人が居ることが大事だから]
まぁねぇ。
主役は無理だと思うけどなぁ。
取りあえず、こもってても仕方ない、か。
様子見しやすいように、外にはでとこ。
[小さく呟き、外に出る。
奇跡的に残っていた非常用の貯水設備を運良く発見できたおかげで、不自然な紅は綺麗に洗い落とされていた]
……さって、と。
どこ行こうかなぁ。
[ばさり、音を立てて翼が開く。
ともあれ、まずは高いところへ、と思い、ビルの屋上へと舞い上がった]
おやおや、そうでしたか。では待たせてしまいましたかな?
ま、待つのはいい男の仕事ですよ〜。
[あちらも待っていたという言葉には少し驚いたように目を瞬かせ言って]
ええ。ですねぇ〜
主役になりそうなのは、今では天使さんでしょうか?聖騎士さんもロザリー嬢を元にした台本もありそうでしたが、二人して落ちてしまいましたしねぇ〜
[なんとも世間話をするように口にして]
ところで、『世界』をくれません?ああ、ついでに『運命の輪』もですかねぇ〜
[唐突に本題にいった。直球だった]
しかし。あの頃から、随分変わったモンだ。
格闘術がずば抜けたヤツか。
機械で攻めるヤツか。もしくは銃が主体だったってぇのに。
今じゃ、変わった力が使えないのに裏社会に居るってぇのは珍しいぐらいだ。
[はっは、と小さく笑えば]
世代交代と言うべきか。
…まだ若いって言う子も居たかねぇ。
[小さく呟けば、集音機に指を当てた]
よっせい。
[奇妙な掛け声と共に無造作に建物から飛び降りる。結構な高さであるはずなのだが]
…お、嬢ちゃんやなかー。
[かけた声は果たして聞こえたか。舞い上がるエリカとは反対方向、つまり自由落下しながら暢気に見上げた]
……ふえ?
[昇る途中で聞こえた声に、思わず動きを止める。
声の主はといえば、こちらが向かう方とは逆向きに落下して行く所で]
…………。
[しばし、滞空して、沈黙]
ちょっ……高さ、普通じゃないからっ!
[最初の一言がそれなのか。
思わず上昇から下降へ動きを変えた]
ううん、今来たとこ。
…って言えばいいのかこの場合。
[いい男、には敢えて反応せずに、次に聞こえた言葉に一つ突っ込む]
なぁ、一人忘れてね?
[だけどそこはそれだけ。
次に告げられた言葉に今度はこちらが軽く瞬いて]
あぁ、カードねぇ…どうぞ…
って言うと思うか?
[言葉は軽く、だけど表情は闘いに赴くそれ。
「手品師」がここに来た理由などそれしかないから]
同じ言葉をそっくり返したいんだけど。
あぁ、貰うカードの名前は『愚者』と『力』だけど。
[『声』の答えは望めないから、『檻』に朽葉色を巡らせる]
[初回に半数までふるい落とされたマスターたち。
誰かしら知るだろうと予想してのことだったの、だが]
……っ、
[とある女性から思い切り睨み付けられて終わって、しまった]
うはー、速かー。
[落下中も何とも暢気]
エイキチ、頼むけぇ。
[地面が近付くその最中。肩の小猿に声をかけ、小猿は応じて男からぴょいと離れる。次の瞬間、小猿は四翼を備えた銀の狼へと変化した。エリカから見れば男自身が転じたと錯覚するだろうか]
…さぁて、反応はどぎゃんもんかねぇ。
[男は仮面の下でほくそ笑む。銀の狼は四翼を羽ばたかせ、ゆっくりと地面へ降りた。狼の足へとぶら下がっていた男も地に足を付け。それと同時に狼の姿は霧散、地面には男の姿だけとなる]
いえいえ、それは私の台詞じゃないですかね?
[と突っ込みについては、なんだか冷静にそんなこといい
一言だけ告げられた言葉には首をかしげ誤魔化すように笑みを浮かべるのみで]
おや、いってくれませんか。残念。『力』でしたらまだいいですが、『愚者』はできれば持ってたいですねぇ〜。好みなので〜
…とはいえ、対価としてはそれぐらいは当然ですね〜
ですがよろしいでしょう?カード三枚や四枚もっている相手よりも、二枚もっている相手とやるほうがいいでしょうしね
そして勝ったほうはめでたく四枚になる。悪い取引でもないと思いますよ〜
それになによりも…つまらないよりいいでしょう?
[色々と理由を述べながらも、最後にいった言葉が一番重要であろうという態で]
というわけで…お手柔らかに?
[にこりと闘いの前だというのにいつもの営業スマイルとともに、右手を前に構える。
そして左手の中にトランプが数えるのも馬鹿らしいほど現れ滑るように左手から右手へと移った直後に銀縁のトランプはカルロスの前面に直進。側面後方には孤を描きながら次々と風を切って連射される]
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