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― 宿屋・二階→一階 ―
[一階に降りた時、視線はやはり騒然とする方に向いて。
目にした光景に、固まる。
赤に染まるデザイナーと、歌姫。
自衛団員は既に逃げ出した後だったろうか。
一目見て、彼女はもう…そう、わかったものの。]
―、なにを、している。
血を、止めなくては。
[震える声で、そう言って。
薬師の姿を探し、止血できるものを持ってこなくてはと幼馴染を見上げた。]
[そっとゲルダの肩を優しく掴み首を横に小さく振る]
それよりは手厚く葬ってあげる…手配だね。
[倒れるエルザベータと返り血を浴びているヘルムートを見比べながら]
あとは、ヘルムートがお風呂に入る準備とか、ね。
[微かに声は振るえかけるものの、落ち着けと自分に言い貸せれば自然と体は震えずにすむ。
日々の鍛錬の賜物、だと思う]
─ 宿屋 玄関口 ─
[持ち主が居なくなってしまった剣を持ったまま、僕は空いた手の袖で顔に付いた紅を拭う。
服にも付いていたせいで、拭き取ると言うよりはただ紅を広げただけになっていた]
何って。
誰かを一人処刑しなきゃいけないんでしょう?
そうしないと、自衛団も煩いですし。
[紡いだのは、僕の動きを邪魔しようとしたイレーネ>>15への返答。
悪びれた様子も無い物言いは、周囲に悪印象を与えたやもしれず]
― 宿・入口 ―
[自衛団員>>10が走り去る音が聞こえてくると何度も瞬きをした。
筋はもう残っていなかったけれど、色はまだ黒さが強かった]
ヘルさん、どうして。
エリザさんは助けてくれたのに。
[返り血に濡れているデザイナー>>10に問いかけた。
止血しようとしている加工師>>18の声が聞こえて、首を横に振った]
[誰かに詰め寄られたとしても態度は変わらない]
決めろと、言われたので。
[何故、と問われるならそんな風にしか答えなかったことだろう]
……フォルカー君、お風呂って、借りれる?
[エリザベータを凝視しているフォルカー>>17に問いかける。
彼の呟きは、僕の耳には届かなかった]
─ 宿・一階入り口付近 ─
[イレーネやフォルカーの事も気がかりだったが、友人を押さえる方に手が行った。男手でなければ止まらないだろう、というのもある。
ふいに、フォルカーが囁く言葉>>17が見えて瞬いた。
しろ、の意味は、御伽噺に明るくない..には把握できないが、再び見た夜の闇の瞳に、またか、という思いは生まれる。
死の色、そんな言葉が脳裏を過ぎった。
オトフリートが落ち着くまではそのままで。
ヘルムートへ向かわぬ兆候が見られれば、ようやく手は離した。
友人がエルザの方へ行くようなら、止めはしない。
ゲルダに呼ばれた薬師は治療をしただろうか。そも薬師は近くにいたかどうか。
血塗れたエリザベータを運ぶなら手は貸すつもりだが、不要なようであれば、溜息つくに留めた。]
[彼女のことは見定めたわけじゃない。
自衛団の言うとおり、一人が選ばれただけだと、状況が教えてくれる。
けれど、目に入る光景を仕方ないと思うことの困難さに取り乱し。
フォルカーが何かを呟いたことに気付くわけもなかった。]
[答え>>22は問いかけと同時に届いていた]
お風呂。うん。使えるようになってる。
お湯使うなら沸かさないといけないけど。
─ 宿屋 玄関口 ─
決めろと言われて、近くに居たから。
[フォルカーからの問い>>21には、そう返すだけで終わる。
目的があって手にかけたわけではないのは容易に想像がつくだろう。
ともすれば、他の人へ矛先が向いていたかもしれないと言うのも気付くかもしれない]
─ 宿屋 玄関口 ─
じゃあ、お願い出来るかな。
[風呂の用意が出来ると聞いて>>25、その支度を頼んだ。
お湯を沸かすのを自分でやっても良かったのだけれど、何分血塗れであるため余計なものには触らない方が良いだろうとの判断。
服に付いた返り血も滴る程ではないため、風呂の用意が出来たらそのまま向かうこととなる。
唯一つ、床を汚してはいけないからと、靴は脱いで移動して*行った*]
─ 宿・一階入り口付近 ─
[おそらくは冷静な方である自分は、その場から動けぬ者らを宿の中にもどるように促した。ここで立ち尽くすよりはましだろう。
毎度入り口が血塗れる宿も災難だな、とか、客入りに影響出るだろうな、などと余計な事まで思いながら。
入り口の血の始末はしておくべきかと、水を汲みに自分も宿へと戻る。
主人の姿を見つければ、桶やブラシ、布などを借りて戻り、洗い流そうとそうとした。]
[フォルカーに風呂を頼んでいるヘルムートは、血に濡れている以外は平時と変わらないように見えた。
薬師は近くにいただろうか、いたならば彼女の方がショックを受けていないかと案じて視線を向けた。
顔色が悪ければ休んだ方が良いと声もかけただろう。
歌姫の亡骸を運ぶのには非力な自分は手を貸せず。
入り口の血をふき取ったりするのを手伝った。]
─ 宿屋 玄関口 ─
[ゲルダの様子や気持ちは分からなくはないからこそ、なおのこと肩をつかむ手は優しくしながら離す事はなかった]
話とかもとりあえずヘルムートがお風呂入ってからがいいんじゃないかな?
どたばたって、そのままなし崩しにとかよくないしね?
[風呂場に向かうヘルムートを見送りながら、その説明は納得がいくとは言いがたかったけども、人狼なのかといわれるととても疑問な行動ともいえる、なんとも言いがたいものを感じていた]
― 宿入口→風呂場 ―
近くにいたから。それだけ?
[元歌姫が来ていなければ自分が殺されていたかもしれない。
その死を招いたのは自分かもしれない。
頭がズキズキとしてきて眉間に皺が寄った]
……はい。
[支度>>28を頼まれると支度しに中へと入った。
雑貨屋の少女と顔が合ったら、少しだけ皺を緩めて、大丈夫だよと頷いた。
遠巻きに聞こえていたらしい父親が既に薪を運んでいた。
焚き場へ火を入れて、湯が沸くまでじっと揺れる炎を見つめた]
─ 宿・一階入り口付近 ─
[ゲルダの手伝いは先だったか後だったか>>30
『無理はするな』と手振りで伝えながらも、こちらも散った血を拭き取りにかかる。
元から言葉は少ない。黙々とふき取って、さっさと惨劇の痕を消し去った。それでも、完全に元のようには出来なかっただろうが。]
[男手が必要な作業は自分も手伝えるなら手伝い。
ゲルダと一緒に血を拭くのも手伝いながら]
体動かしたほうが、楽なときもあるしね。
[ライヒアルトの手振りから、ゲルダに伝えようとしてることはなんとなく伝わり、口にした言葉は耳の聞こえない彼に伝わることはあったかどうか]
結構冷静なんだね?
[今いる中ではたぶん一番冷静なように見えるライヒアルトに話しかけてみる。
自分には手話なんてできないので彼から見えるようにゆっくりとしたしゃべり方で]
― 宿・風呂場 ―
エリザベータさん。
助けてくれてありがとう。
ごめんなさい。
[炎の赤色を瞳に映らせながら呟いた。
お湯の温度は手で何度か確かめて、少し熱めの温度になるとデザイナーを呼びに行こうとした**]
─ 宿・一階入り口付近 ─
[作業の途中で交わされる会話は、あまり見れはしなかっただろうが。
最中か終わりか。アーベルの視線に気づき>>34、そちらを見て唇を読んだ。
右手を動かそうとしたが、口に出して話しかけてきた所を見ると手話は読めないだろうと思い。]
荒つぽぃ事ニは、慣れてルからな。
[手を止め、そう口に出して返した。]
ああ、それは、頼もしいね。
[勤めてゆっくり、なるべく短く]
こう、ごたごたしてると、とくにね。
[そう微笑みかけてから、また再び手を動かし始める]
冷静な人は、やっぱ大事だね。
[そうしみじみと作業しながら呟いた]
[幼馴染と修道士の会話には口を挟むことなく手を動かしていたが。
ふ、と脳裏に過ぎた疑問に手が止まり。]
………彼女は、どちらだったのだろうな。
[人か。人狼か。骸を見ても解らなかった。
人であったなら。
自分が人狼を見つけられていれば彼女は死なずに済んだだろうと。]
─ 宿・一階入り口付近 ─
[ゲルダがそれでも手伝うというのならば、無理には止めず>>38
瞬きは見えたが>>39、問われなければ返さない。
アーベルが荒事に関して追求もせず、笑みながら口にした言葉に、微かに目を細めたが。]
まアな。
ぁまリ荒れルと、収拾ガっかナクなルからな。
[淡々と告げて返した。]
ぁーベルも、割ト冷静だろぅ。
[人の事は言えないとも言いながら。]
……死者ヲ見極めル者。
[ゲルダの言葉に>>41、友人の言葉を思い出してぽつと呟いた。]
ぃルのカね、ここに。
[居れば解るだろうにと思いながら。
ふと何かが、ひっかかった気がした。
なんだ?と自分で首を捻るが、今は答えが出ない。
微妙な顔したまま、暫く手は止まった。]
僕は、鍛えられてたからね。
いつか来た日の為にって、父さんに。
今でも怖いし、震えそうなくらいだよ。
[ライヒアルトの言葉にそう返しながら]
それでもやらないと、いけない状況だからね。
[向ける表情は苦笑で]
どうだろうね?
いても、出てくるかどうか、わからないけど。
─ 宿・一階入り口付近 ─
[ゲルダの視線>>44には気づいていたが返さず、暫く黙った後。]
…………シロ?
[思い出すかのように、ぽつりと呟いて落とした。
それはフォルカーが口にした言葉だったが。
白と黒、相反するもの。
それは人と狼に当てはまりはしないかと。
口にした後で、もしそれが正しければ、周知する事はまずいと遅まきに悟り。その後何か問われても口を噤んで語ろうとはしなかった。]
─ 宿・一階入り口付近 ─
[それ以外の事に関しては、問われれば口を開く。
アーベルの返事>>45には、なるほどと頷いて。]
どぅリで、たダの彫刻家にしてハ体格良ぃと。
[日ごろの鍛錬は知らなかった為そう言い。
それでもやらないと、の点には同意出来たので頷いておいた。
出てくるかどうかと、いう言葉には、そうだなと、自分から振った話題だが、先の事もあり濁した。]
そういう風に見られてたんだね、僕は。
[ちょっと意外なことを聞いたという風にライヒアルトを見ながら、話題を振っておきながら言葉を濁す様子には首をかしげ不思議そうにそちらをみたが、突っ込んで聞くことはしなかった]
[自分の疑問に対しての返答は修道士からは得ることは出来ず、困惑したままに入り口の掃除は終わっただろう。
手だけは洗ったものの、服にも赤は多少移っただろう。
着替えなど持ってきてはいなかったから、家に戻ろうと思うんだがと幼馴染に告げた。
帰ってしようと思っていることは着替えだけでなく、また一人を見定めるつもりでもあったけれど。**]
─ 宿・一階入り口付近 ─
[ゲルダの問うような視線>>48には応えない。
秘密の一旦――それは、自分のものではなかったが――をこれ以上出そうとはしなかった。
困惑する様子も、横目で見やるのみ。
表には出さないが、迷えばいい、という思いも内にはあった。
アーベルの返答には、まぁなと返す。
縁遠い者の印象なんてそんなものだ。
不思議そうな様子にも、曖昧な態度を崩さず。
片づけが済めば、道具を返して、少し休もうとした**]
― 宿・一階入り口付近 ─
ん、一緒にいくよゲルダ。
[ライヒアルトの態度にいろいろと不審に感じる点はあったが今はそれを突っ込むよりもゲルダのこととかを優先に思っており]
じゃあ、ライヒアルトさん、またね。
[ライヒアルトと別れるとゲルダと一緒に宿を*後にした*]
―その日の晩―
[目を覚ますのは妙な胸の辺りが熱くなるのを感じてのこと。
その熱源は短剣を模した銀製のペンダント、彼女のもとに近づく姿があることを告げるもの。しかもそのものは人狼であるということを]
あつっ…、父さんちょっとどころじゃないってこれ…。
[その熱はどんどん高まり、胸に軽い火傷を負いながら手で掴むとぎゅっと握る。
手にも軽い火傷を負い、後でゲルダになんて言うべきかとか考えたりもしていた]
この後は確か…
[目を瞑り、心に浮かべるのは純粋に守るべき相手の姿と守りたいと思う気持ち。
それ以外に混じり気のないよう、心は静かに沈めていく。
しばらくし、はじけるような手ごたえを握るペンダント越しに感じる。
きっと彼女を襲うとしたものは指一本すら触れることが叶わずに、自分の力に弾かれることになるだろうか。
しばらくして、向こうもあきらめたのだろう、手の中の熱が引いていくのを感じる。
手のひらの火傷は短剣の形が分かるほどになっていた]
しんどいよ、これ、思った以上に……
[そのままぐったりとベッドに倒れこむとすぐに眠りに*落ちた*]
─ 宿・入り口 ─
[その場の状況に思い切り眉が寄ったのは、団員と揉めていたのが気遣う対象たちだったから。
団員の気持ちの毛羽立ちの酷さに、状況の切迫を感じたから、というのもあるのだが]
はいはいはい、そんなに騒ぎ立てない!
君ら、じー様のやり方を踏襲するのを選んだんでしょ?
それでもって、じー様は容疑者だからって当たっていい、とか言ってた訳ですか?
[死した団長を使うのは気が引けなくもないが、団員を黙らせるには、これが一番効く、というのもわかっていた。
これで矛先がこちらに向けば、この場は何とかなるかな、と。
そんな事を考えていた所にやって来たヘルムートが、団員に向けた問い。
返された答えに対する言葉の意味は、最初はわからなくて]
……って、ちょっ……!
[その意味がわかった──目の前で成された時、上がったのは上擦った声]
待て、よ……!
[幾度も繰り出される剣と、それが広げる紅いいろ。
とっさに止めようとするより先に、腕を掴まれた。
振り返った先には、この状況でも冷静さを失していないように見える、友の姿>>16]
ライヒっ……!
[離せ、と言いつつ振りほどこうとしても、力では圧倒的に負けているため、それも叶わず]
……なん、で……。
[倒れたエリザベータを見て。
それから、ヘルムートに目を向ける。
返されたのは、常と変わらぬ態度での言葉>>22]
……そりゃあ、確かに、そう、だがっ……。
[決めろといわれた。選ばなければならない。
理性はそれとわかっているだけに、治まりつかない感情がタチ悪い。
ヘルムートがフォルカーに返す言葉>>26に、苛立ちは更に募り、ぎ、と唇を噛み締めて]
……ライヒ、離せ。
エリザ嬢、運ばんと。
[しばしの空白の後、友を振り返って低くこう告げる]
大丈夫だ……ここで、感情任せに暴走するほど、短慮じゃない、つもり。
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