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ミッキー、もう終わったんだよ・・・。
ミッキーはちゃんと反省できます。だって、人間だもの。
[自警団に向かって訴えるように言った。]
ユージーン、こんなお話を聞かせたこともあったかねえ。
むかしむかし、兵隊上がりの若者が墓の番をしていたある夜のこと。
墓の前で座り込んでいる墓守に、一匹の悪魔が話しかけた。
「おい、そこをどけ。おれはその墓に用がある」
「どかないね。自分はここを守るのが仕事だもの。しくじったらまた、明日から腹ペコ暮らしに逆戻りだ」
それを聞いた悪魔は、じゃあこれでどうだと一握りの金貨を持ってきた。
「こんなもんじゃ、足りないな。どいてほしけりゃ、この軍靴一杯の金貨をもってこい」
よしきた待てよと悪魔は告げて、ヒュウッと姿を消した隙、墓守はもぐら穴の上へとその靴を立てといた。
「さあこいつでどうだ。そんなちっこい靴なんて、二つ埋めても余りある」
袋一杯の黄金は、けれどあっという間に靴の底へと消えてった。
長い兵隊暮らしのあいだ、軍歌の底にはでっかい穴が開いてたからねえ。
悪魔は何度も姿を消して、何度も金貨を持ってきた。
けれども靴は埋もれず夜が明けて、悪魔はあきらめどこかへ逃げてったそうさ。
「悪魔を化かす人間なんて、こんな恐ろしい奴の相手はもう嫌だ」ってね。
墓守はたいそう感謝され、一生の寝床と一生かかっても使いきれない金貨を手に入れた。
……むかしむかし、天と地と、人と人でないものがもっと近くにあったころ。
そんなお話もあったのだそうだ。
他愛のない、ただの御伽噺さね。それも、これも。
おやめ、その子は人間だよ。
あんたらも人殺しの化け物になりたいのかい。
ミッキー。おまえもだ。
命を粗末にするんじゃない。そんな形で、あの娘たちが生きてた証しも捨てちまうつもりか。
[ 自警団員は小さく舌打ちすると、気味の悪いものを見る眼でミッキーを見下し、蹴飛ばして去っていった。]
……なんで止めるんだよお!
なんで止めるんだよお!!
シャーロット! ネリー……ッ!!
な、なんで、俺だけ……!
[ 自分で命を絶つだけの勇もなく、醜い顔を醜く歪めてひたすら喚き、吼え、泣き続けた。]
[しばらくたってから、リックに突き放されたか、おやすみの挨拶をしたのかは分からないが、皆のところへ戻ってくる。上機嫌だった]
…っくしゅっ!
[あれ、上着はそういえばいつから着てなかったのだったっけ?]
死にたいなら止めませんけど。
[ぽつりと呟いて。
今度こそ、テントに戻ろうと思う。
ようやく、いつもの生活に戻れるのだから。
もう何も気にせずに*集会所から遠ざかる*]
[上機嫌は雪のように解け去って、泣き崩れるミッキーを見つめていた。
その傍らにひざをついて、ミッキーを見つめる]
ミッキー…ちょっとだけ、分かるかもしれない。
オレにも、護りたい人たちがいたから。
[疑っちゃったけどね、と苦く呟く]
なにが正しくてなにが正しくないのか、それを考えるのは若い者たちの仕事さ。
婆はただ語るだけ。そう、むかしむかしのお話を。
[それだけ語ると老婆は筆を取り、また黙々と巻物へ向かう。
この物語を何かの形で残すのが、*自分の最後の仕事だろう*]
ええと…
[話が出来るデボラを探そうとしたけれど、既に巻物にまた向き直っていたので、仕方なくカミーラを見つめた。]
立てますか?
>>37>>38>>39
[ 拳を握り泣きながら立ち上がった。大気を震わす慟哭は止まらない。次から次に溢れる涙を拭おうともせず、心底から泣くためだけに泣いていた。セシリアの手は取らなかった。ギルバートからクッキーを受け取らなかった。今はただ、からっぽになるために泣いていたかったのだ。]
[後日、彼はセシリアと共に墓参りに行くだろう。ギルバートに感謝の言葉を告げに行くだろう。ただ、今は独りで*泣き続けている*]
[黙ってミッキーを見つめていた。しばらく考えてから、クッキーをミッキーの傍らにおいてやろうとする。
…ハンカチは上着のポケットだったような気がする]
[カミーラの背に手を回して、立ち上がるのを支えた。
それから、ミッキーを見つめる。
確かに、シャーロットとネリーは死んでしまったけれど、ミッキーは1人ではなかった。
支えてくれる人達がいる限り、ミッキーは大丈夫だろう。
今はただ───死を悼む姿を、自らの感情にのっとって涙を流すミッキーを見つめていた。]
[ふと、窓の外を見る。
島が見える。嘆きの島が。
目の前で嘆くミッキーと、遠く海に浮かぶ嘆きの島を見比べる。
あの場所に、人狼と言われた二人の娘は葬られたのだ。
自分が、送って]
[潮風が吹いて、キャロルの長い髪を乱す。
やはりミッキーにかける言葉は見つからない。今でも、混乱したままだ。ただ、自分の持っている銃は…人殺しの道具は重くて、ミッキーがそれをミッキー自身に向けるのも、自警団に殺されるのも、彼が人狼の協力者であっても、似つかわしく無い…と感じた。]
[大切な約束は護れたのかもしれない。けれど、今はまだ、いろいろなものが重過ぎて]
なあクラーク。オレは、護れたのかな…。
[返事がないと分かっていて、宙に問いかける。そのまま島をじっと*見ていた*]
[襲撃はなかった。
場に安堵の空気が満ちた。
慟哭するもの、喜ぶもの。
わたしは、釈然としない思いのまま、そっと集会場を出た。]
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