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[ジョエルとの軽口のかけあいも途切れ、
しばらくの間、静かに広間に佇んで、広間のみんなの動向を眺めたたり]
後5人か…、
終わりもそう遠くないな。
[それはどのような結果で終わるのかは自分にはわからないが]
―― 集会場・広間 ――
……
[己が身体を見下ろす意識。
後れ毛がふぅわりと揺れて
他の意識へも視認出来る様になる、だろうか。]
……嗚呼。
ラッシィ?
[ゆっくりと顔を向けた先に
見知った姿を見れば、柔和な笑みを見せた。]
[自分と同じく肉体をもたぬものになったアヤメ、
こちらに気づき笑む様子に]
憑き物が落ちたかのようだな。
[アヤメにそう告げながら]
やっと開放された、そういうようにも見えるな。
ん。
[少し、瞬いた。
そのままを直に見透かされてしまったから。
そして、苦笑い。]
ラッシィは凄い、ね。
流石、元警察官。
[元、だなんて冗談を言いながら其方へ歩み寄る。]
元か…、今は無職というか、職業は幽霊とでも言えばいいのか?
[歩み寄るアヤメにそう告げながら]
その感じだと、アヤメは……ということか……?
[尋ねながらも、アヤメの口からの返答は聞くつもりはなく]
なんにせよ、お疲れというのが、今は一番あうか?
…。
[質問には答えられなかった。
只一度、眸を伏せて。
ゆっくり開くと]
……ラッシィも、お疲れ様。
[彼を撫ぜようと手を伸ばす、癖のように。
だが、ぴたり、とまり]
ねぇ、一言だけ、謂いたいの。
[微笑した。]
[質問に窮する様子には首を横に、言わなくてもいいというように]
ああ、俺は何もしていないがな。
[そういって、こちらに伸ばされとまった手に視線を向け]
なんだ?
[視線を微笑むアヤメの顔に向け、アヤメの言葉を待つ]
―集会場・治療室→広間―
[そうして一通り治療の世話を終えれば、主が使っている部屋まで送り届ける。]
今日はゆっくりお休み下さいませね…。
私は……ジョエルさんが居る部屋にいますので、なにかあったらそこに。
[自身は個室は取っておらず。
主の目印に何処に控えようか迷って、結局見分けのつきやすいだろうそこにした。けれど部屋には戻る事はなく。
暫く外に控え立ったままで、主の音を含め周囲の音を探る。
物音が立たなくなってきた頃合を見計らい、広間へと向かった。
広間には、主を二度続けて撃った人が居た。]
[運んだアヤメの元へはついて行かなかったのか、それとも戻ってきたのか。
暫くの囁きの後
パンッという音と、人が崩れ落ちる音がした。]
うん。
[私の意識が何故まだ此処にあるか。
きっと彼にも、そして、他の意識にも。
何故、此処に、在るか――。]
あのね。
[其れは未だ、『心残り』が在るから。]
一つ、謂い忘れてたなぁって。
礼を言われることなんか何ひとつ俺はしていないぞ。
ただ、その場でするべきだと思うことをしてきただけだ。
[礼の言葉を残していったアヤメに、そう呟いた言葉は届いたのか届かないのか、自分にはわからなかったが、もう一言付け加えて呟いた]
ただ、礼の言葉は受け取っておく。
それで気が晴れるなら、何よりだ。
[いつか似たようなことを言ったようなそんな感覚を*覚えながら*]
―集会場・広間―
[撃った理由は実に単純。
執拗な程に隠された彼の片目が、それ。
昔々ならまだしも、今はアンドロイドも亜人も、当たり前のように生活している。
他星から移住してきた異星人だって、姿形が違ってもそれぞれ日常に溶け込んでいる。
今更他者と違う部分があったところで、多くの人は気にも止めないだろうに。
少なくとも彼はそう考えていて、だからこそ]
……おかしいよね。
[隠すなんて。
呟きは、『義務』を果たす音達に紛れた]
[深い眠りに削られて、問い質す時間はなかった。
だから昨日から思考は変わっていない。
『隠すのは、疚しいことがあるから』
もしこの一撃が外れたならば、その時は問い質してみようかと、後の青年と同じことを考えていたのだけど、
そんな彼の思考は一秒後には消し飛んでしまっていた]
……え?
[そちらを向いた瞬間、耳の真横を抜けていった衝撃と、隣でゆっくりと倒れて行く女]
[レッグが近くに来たのは見えていたし、額を軽く叩かれる感触もあった。
でも周りの音はなんだか遠かった。
それは必ずしも精神的なものでなく、ただ衝撃によって鼓膜が破れてしまった所為なのかもしれない。
半ば放心していたのは確かだったけれど]
アヤねーさん……?
[撃たれたこと自体には、恐怖こそ覚えても、驚きはなかった。
『義務』はそういうものだと理解しているし、己だって疑わしいと思えばきっと銃を向けていたから。
ただ、つい先日まで笑い掛けてくれた隣人、それがもう動くことはないと理解したとき、]
―集会場・個室―
[広間を出てジョエルが眠る部屋へと向かうと、銃を手にしたまま空いた椅子に腰掛ける。
すこし疲れた様子でぎしりと深く腰掛けて、手にした銃を自らの額に当てた。
目を閉じ、そのまま引き金を引こうと。
したが指は動かない。
頭の中で『Verbot』の文字が走り、アラートが鳴っていた。]
[目を開け銃を降ろせば、アラート音は消えてゆく。
やっぱりというような表情で、微かに息を付いた。]
………ズューネには死ぬ自由もない。
死ねないのなら、生きるしかない。
[手にした銃はホルターにしまい、再び目を閉じ身体を休めた。]
[パトラッシュの返答、アヤメとのやり取り、ノブの死。
それらを眺めながら、ふふん、と鼻を鳴らした]
お前を殺したかもしれない奴、分かったみてぇだな?
[問いはパトラッシュに対して。
翠は10年来の同僚を映していた]
死ねないから生きる?
ふん、殺されれば良いじゃねぇか。
[自分の骸がある部屋で自殺を試みた同僚を見て。
聞こえないと分かっていながら同僚の耳元に顔を寄せ、嘲りを含んだ言葉を*囁いた*]
─昨夜/集会場・個室─
[やることがなくなると、兄の持ち物から銃の取り扱い説明書を引っ張り出して読んだ。
兄がやっていたのを思い出しながら、説明書を確認しいしい整備らしきことをやってみる。
いつもと勝手の違う作業は楽ではなかった]
あ、ふ。
[欠伸が出る。
ずっと警戒し続けることなんて出来ないから、と眼を閉じた。
考えた以上に深い眠りとなった]
─翌朝/集会場・広間─
[目が覚めても暫くは動かなかった。
誰かがみればぼんやりとしているようにも、考え事をしているようにも見えたことだろう。
ようやく動き出したのは腹から小さな音が鳴ってからだった]
あー。そういや昨日もマトモに食ってないもんな。
こんな時でも腹って減るんだな…。
[持ち込まれた食料については知らず、ただ書置きのようなものを残すなら広間だろうと思って覗いた。
食事の前に、することが増えてしまった]
…どうしたんだ、モニター。
[頭まで覆うように掛けられた毛布は人の形に膨らんでいる。
理解はできてもつい逃げるような発言が先になった]
─翌朝/集会場・広間─
……そうか。
[伶人の説明を一通り聞き、毛布は捲らずモニターへと近寄った]
ここまでの威力。
扱うにも楽な銃じゃないはずだ。
[虹彩が縦に切れた瞳でじっと睨む。
同じ弾頭かまでは分からないが、兄に残されていたのもまた高威力な銃特有の弾痕だった]
……マイルズ。
お前の銃、見せてくれ。
[配給品以外も調達できる状況では確証とはなり得ない。
それでも確認するために伶人を見て*言った*]
─回想・昨夜 集会場・広間─
─…そうね、何、やってるのかしらね…
[マイルズを撃った銃をみて、レッグからエネルギー切れを指摘されると、弱々しげに微笑み。
アヤメを抱きかかえたまま動けない自分に声をかけてくれたのも、レッグだった。]
レッグ、くん。
…ありがとう、─…お願いして良い?
[彼がアヤメを撃ったことは知らないが、躊躇いをみせるその表情に罪悪感を感じながらも手伝いを頼み。
空いている個室のベッドまで運ぼうと。]
─回想・昨夜 集会場・広間─
……そう、ね…ダメね、私。
皆、同じよね…。死んで欲しく、ないわよね…。
[無機質な音声が伝える無慈悲な事実に青褪めれば、レッグから苦い呟きが向けられて。
その言葉に、目を伏せて涙を堪え、頷いた。
もう誰も殺したくなくて、わざとエネルギーを補充しなかった自分を責められているような、そんな気がして。]
―集会場・個室―
[目を開けると時はどれくらい過ぎていたか。
視界にまず同僚の死体が目に入り、片方の目がゆっくり瞬く。
空調の風にでも流されたのか、同僚の前髪はすこし乱れていた。それを手を触れずに直した。
触れるのは、少し怖かった。]
…死体なんて、見慣れたはずなのにね。
[誰かの死を特別に悼むのは初めてかしら、などとぼんやり思っていた。
それから、広間へは行かずに外へ出る。]
―集会場外―
[死が満ちた静かな世界。
死体が作るオブジェは光と影をつくり地に佇み、鉄錆びと甘い肉の臭いが漂う静かな世界。
その光景を懐かしいと思いながら見ていた。
消された過去の大半は、PSIと一緒に戻ってきて。
自分が何をして罪人となったのか、今は大体思い出した。]
…この世の悪魔に鉄槌を。
我らは正義の剣となりて、
御エゥアハの名の元に、
築きあげよ、聖なる道を。大義の為の礎は、
やがて楽園への道とならん…
[歌うように呟けば、口元には普段からは似つかわしくない皮肉な笑みが浮かぶ。
そうやって作り上げたものは、聖なる道などでは無かった。
それに気付いたのはあまりに遅すぎたけれど。]
―回想・昨夜 集会場・広間―
[レッグともしも手伝ってくれるならノブの手も借りてアヤメをベッドまで運び。
二人が広間へ戻るなら自分がアヤメの元に残り朝までついて。
ノブが残るというなら二人のみにしてあげようと退室するが、広間に戻る気になれず、廊下の途中で座り込むとそのまま*眠りこけた*]
―回想・了―
……今更、殺した相手が一人二人増えようが同じこと。私の罪は変わらない。
…私が、私として生きられる為なら……
あは……はは…
あははははは…は、っ。
[冷たく掠れた笑いを浮かべかけて、片手で顔を覆った。]
…………っ。
…呑まれないように、しないと。
[力を持つものは力に魅入られ、驕りやすく溺れやすい。サイキッカーに犯罪者が多いのは、本能みたいな物だと思っていた。]
[落ち着きを取り戻したら、いつも通りに広間に集まり。そこにある新たな死体に悼むように目を*伏せるだろう*]
─回想・昨夜─
……そう、ですね。
[演奏会の話に、思い出したのは幾つかのメール。
ついこの間の、日常の様子。
この事件がどのような決着を迎えたとしても──二度と、取り戻す事は叶わない。あらゆる意味で。
医療室につくと、大人しく治療を受け。
渡された食料を少しばかり口にして、薬を飲んだ]
……ええ、わかりました。
[ジョエルのいる部屋に、との言葉に頷き、個室に入る。
先に言われた言葉の通り、傷が発熱しているのか、妙に熱いような心地がした。
起きているのが苦しく、横になると間もなく眠りに落ち──そして、翌朝。
広間で、探していた青年の、物言わぬ姿を見出す事となる]
─集会場・広間─
[ひび割れたモニターの前、佇む時間はいかほどか。
呼びかける声に、ゆっくりとそちらを振り返る]
……ああ、レッグくん。
見ての通り……ですよ。
何者か……恐らくは、サイキッカーなのでしょうけれど。
ノブくんを撃ち抜いた弾丸が、そのまま背後のモニターに突き刺さって、この有様……のようです。
[問いに答える声は淡々と。
冷静な響きは、冷たさも帯びて]
銃器には、明るくはないのですが。
相当に反動なども大きいかと思われます。
[威力の話には、頷いて同意した後、自身の銃──扱い易さに重点を置いた、自動拳銃を見せた。
請われるならば、無造作に手渡しもして]
もっとも、これだけでは物証足り得ないかも知れませんが。
……ある意味、彼を殺す理由は、ありますからね、私。
[殺されていたのは、自身を二度狙った相手。
他者からすれば、殺害動機としては十分なものと見えるだろう、と。
そんな考えから何気なく口にしたその言葉が妙に引っかかるような心地がした]
……理由。
殺す、理由……?
[呟いて、しばし、目を伏せる。
自分を狙われた事が動機となりうるなら。
同じものを動機とし得る者がいるのでは、と。
それは、最初にここの状況を把握した時に思い至った事にも繋がって]
…………。
[軽く、唇を噛んだ**]
―集会所・広間―
[倒れた身体の隣で座り込んでいた。
周囲で為される会話にはまるで関心を示さず、天井を見つめていた]
『シゴ』って、ほんとにあるんだ。
[感心したように、まるで他人事のように、台詞を吐く]
……けど、なんでかなぁ。
[首を傾ぐ]
[瞬間のことは覚えていなかったけれど、事を終えた後、立ち去る背中はちゃんと見ていた]
おれが、音の人をうったからかなぁ。
[部屋を出る時、メイドの片目がこちらを見ていた。
思い返せばそんな気もして]
だったら、ひどいよねぇ。
『ギム』をはたそうとしただけなのに。
[不満気に口を尖らせた。
そこにはやはり、罪悪感の類は見当たらない]
まぁ、いっか。
[ずれた眼鏡に傷はない。
掛け直す所作は生きていた頃と変わらない]
もうかんけいないもんね。
[幼い口調には、何の感慨も*なかった*]
ああ、ごめんなさいじゃないってことは。
そっちの可能性は高そうだな。
後は他にいるかどうかだ。
[エリカに殺されたノブの遺体を見つめながら]
使われたのが同じマグナムのようだしな。
隠すつもりは薄いのか、それともあえてなのかどうなのだろうな。
[ジョエルに答えながら頷き]
向こうが死んだら、問いただすさ。
その前に思い出すかもしれないがな。
―集会場・広間―
サンキュ。
でも、ちっと無用心だと思うぜ。
[手を伸ばせばそのまま渡してくる伶人に肩を竦めて苦笑する。
借り受けた自動拳銃を弄りながらその言い分を聞いた]
物証にはならんね。
この銃を使ったとは限らんし。
でもまあ…ラッシュの時みたいなんはともかく、一発必中ってのはなかなかできねえと思うんだよな。
俺もそこまで詳しいわけじゃねえけど。
[息を吐いて伶人を見て。
そのまま銃口を向けた。まだ安全装置を外していないのだが]
先輩、続けてマイルズを狙ってたっけ。
殺意を覚えたとしても不思議はないな。
[レッグが銃の整備をする様子を眺めながら]
ああ、そこは、そう、そうだ。
[口を挟んでも聞こえなどしないのだが]
その手の旧式のものはしっかり整備しとかないと不発など起きかねないからな。
―集会場・広間―
……けど。
それってアンタだけか?
[銃口を向けたまま、問う。
悩める伶人の姿に腕を下ろした]
今は撃たねえよ。まだ。
けど、どう選ぶかによっては。
マイルズでも、撃つ。
俺は、他者の命も使って生かされている。
なら叶う限り生きなきゃ…謝ることも出来ないからな。
[ほら、と伶人に銃把を差し出し返そうとした]
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