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(……これ以上、は)
[目をそらしてはいけない、と。
そう、思った。
過去に居合わせた閉ざされた空間であった事、その全ては思い出せない。
だから──この哀しみの影にあるものは知らないまま。
ただ、終わりにしなくては、という願いからそう、思い定めて]
……アーベル。
[月のいとし子に眠りもたらした者へ、呼びかける]
……ここじゃ、寒いから。
彼女も、部屋に。
……エーリさんも、そのままには、できない、し。
[ちゃんと、ねむらせよう、と、提案して。
亡骸を部屋へと安置した後は、いつものようにお茶を淹れたり、聖堂の掃除をしたりと忙しく動き回って、その日を過ごした。**]
ー 前日 ー
……なんで、彼女だったんだろう?
[月のいとし子だったカルメンの死を聞いて。
呟いた問いに、明確な答えは返ってこなかったか。
その後は、簡単に食べれるものを用意してすごした。*]
[アーベルに止めて欲しいと願ってから。
エミーリアの声>>3:171もまた届いていたのだけれど
その時は彼女に何も言葉を返せなかった。
どこか憧れるような、そんな眼差しを感じていたから
本当はそれを壊したくないとも思っていて
そんな眼差しを向けてもらえるような存在でないと知りながら
それでも、彼女が向けてくれた好意が、嬉しくて。
彼女にも獣の姿は見せたくはなかった。
人のままでいたかった。
これまでの関係を壊したくないと思いながら
にんげんのいのちを喰らい壊したのはカルメン自身。
罪は重く償いきれぬもの。
獣を抱える自分にはそんな我儘はゆるされない。]
[獣の姿をみればエミーリアは少なからず衝撃をうけるだろう。
それを思えば、また心がきりきりと痛むけれど、
――彼女が見続けていたとしても
御伽噺の幕引きにもう一つの自分を晒す事は欠かせず
己の意思で選んだ道を違えることは出来なかった。]
[カルメンの名は老尼僧が与えてくれたもの。
レアンの名はその魂に刻まれていたもの。
月の綺麗な夜には知らず獣の姿になって
ちいさな頃はみんなそうなのだと思っていた。
けれど図書室にある御伽噺を老尼僧に読み聞かせてもらって
人狼という、人とは違う存在があるのだと知った。
母と慕う彼女とは違うのだと知った時はさびしくて
めでたしめでたしで終わる御伽噺のように
人狼である自分は退治されてしまうのがこわくて
理由も言わずわんわん泣いたカルメンを
老尼僧は「だいじょうぶ」の言葉を繰り返し撫でてくれた。]
[エーリッヒがくちびるだけで綴った言葉。
心のどこかで信頼をよせていた彼に
「だいじょうぶ」の言葉を貰えて想いは強まる。
不安を拭うその言葉。
助けてほしいと願っていたカルメンにとって
それは心を支える特別な言葉のひとつだった。**]
―前日/聖堂―
[突き立てた刃を引き抜く。
未だ勢いを落とし切らない赤が溢れて、彼女を、自身を染めていくけれど、厭うような気持ちの隙はなかった]
[彼女は何か言っただろうか。
――耳鳴りが酷くて、何も聞こえない]
[初めて彼女を知ったのはどれ程前だったろう。
老尼僧の奏でるピアノに裾を翻し舞う姿を覚えている。
ある年を境にぱたりと姿を見なくなったことを気にしてはいたけれど、問い問われるのを厭うようになっていたから聞けず終いで。
月日を経て酒場に顔を出すようになり、そこで見掛けもしたけれど、艶やかに彩られた顔立ちに気付けなかった。
気付いたのはこの白に閉ざされて、暫くしてからで]
……カルメン、
[せめてそちらでは幸せに]
[紡ぎかけて、やめる。
そんな言葉、エゴ以外の何だと言うのか]
[マテウスとイレーネが姿を見せないならば、伝えなければと彼らを探す。
伝えられるのは同じ事で。
イレーネがマテウスに告げた言葉は、きっと知らないまま]
[動かなければと、思いながら]
[殺させない為にと、思いながら]
[酷く重い身体は再び刃を手にできないままでベッドに沈んだ*]
―翌朝/客室―
[目覚めは今日も良くはなかった。
カーテンの隙間から射す光は白に弾けて目を焼くほどに。
焼かれ開かれた意識は厭うように光を遮り、やがて目蓋を押し上げる。
仰向けのまま両腕で起き上がり、変わらぬ部屋の光景に息を吐いた]
[自身が動ける安堵に零れたそれは、けれどすぐに翳る。
彼女の言葉を信じているから、思考を過るのは自分ではない誰かに訪れた――]
[きつく手を握り込み、頭を振る。
払うことなどできないけれど、靴に爪先を滑らせ、赤に彩られた上着に袖を通した]
―→談話室―
[だからと言って、ひとつひとつの部屋を確認したくはなかった。
逃避のように歩みは皆が集う談話室へと向かう。
真白に包まれた場所に建つここは酷く静かで。
その静かさが好きだったけれど、今は]
[取り留めのない思考を払うことも出来ずに扉を開く。
光が射し込む部屋は寝不足気味の瞳には痛くて。
僅かに顔を顰め、掌を翳して]
[漸く、気付く]
――ッ 、
[ソファに横たわる影。
力無く投げ出された手足。
それらを彩る、髪よりも一層鮮やかな]
エミーリア!!
[喉を引き裂かんばかりに飛び出した声は、けれど通りも高くもない。
どれだけの空気を震わせられたかもわからないが、そんなこともどうだってよかった]
[駆け寄らなくてもわかる、けれど駆け寄らずにはいられない。
胸元を染める赤は疾うに噴き出す力を失っている。
顔からは血の気の一切が引いて。
縋るように触れたからだは氷のように冷たかった]
ど、……して
[問う声も酷く空虚に響く。
『まだ終わらない』と知っていたのだろう?
脈打つ蒼の生み出す熱が、嘲る声のようにさえ思えた**]
─前日/イレーネの部屋─
[イレーネが目を覚ましていたのなら、赤を乗せた上着を着る身では部屋に入るのは少し躊躇いもしただろう。
瞠られた瞳には真実への動揺が齎したものと思い込んで、違和感としても捉えられないまま]
[色が移ってしまうから、と立つままだから。
上げられた顔>>28は見下ろす態となる]
……うん。
カルメンははっきりとは言わなかったけれど、シスターとエーリッヒはカルメンじゃないみたいな言い方だった。
誰か聞きたかったんだけど、さすがに教えてくれなかったよ。
[誰を殺せばいいかを教えろと言っているようなものだと。
自覚をしていた蒼花は小さく苦笑を零した]
─ 翌朝 ─
[如何に娘を護ろうと思っても、夜通し起きていることは出来ず。
そのことに少し悔しさを覚えながらも最初に確認するのは娘の安否。
無事を確認したなら安堵の息を漏らし、その頭を右手でゆるりと撫でる]
まだ終わっていない可能性が高い。
全員無事かどうか、確認しなければ。
……動けるか?
[身体の具合はどうかを問い、ついて来るか部屋で待つかは娘に任せ、マテウスは廊下へと出た]
──…ッ!
[直後、左手を襲うのは昨日目覚めを促したのと同じ痛み。
右手で左手首を掴み、握り拳を作って痛みが引くのを待つ。
しばらくして痛みは引いていったが、左手には疼くような熱が残った]
昨日と、同じ…。
やはりどこかで…。
[呼吸を整えながら呟き、廊下で一度視線を巡らせる。
この付近に新たに漂う匂いは無い。
ならば周辺ではないのだろうと当たりを付ける]
………今までと、違う。
人狼に襲われたのではないのか?
それにこの傷口は───
[男には見覚えがあった。
二日前にも見た傷跡。
思い浮かぶ姿はただ一つ]
― 聖堂 ―
[撫でるように動かすその手に、跳ねるような感触>>+11が伝わった気がして、瞬いてそっと手を離す。
亜麻色の陰から、見慣れた、だけど、どこか懐かしくも思える姿>>+12
ゆっくりと体を起こすのを、目を細め見つめて、こちらの姿を捉えたと知れば、微笑んで視点を同じ高さにあわせて]
……俺が、わかる?
[と、一言訊いて、そっと見つめた。
「消えないで」
と、願うように伸ばされた手>>+13が止まり、躊躇うように握られて、カルメンが一つ問う。
問い掛けに答えるかのように、そっと、その手に触れる。
消えたりはしないことを、ここに居ることを伝えようと]
わかるかい?
俺は、ここにいる……消えたりはしない。
だいじょうぶ、だから……
[この言葉を、音にせずに伝えたのは昨日の事のはずなのに、遠い昔のようで。
ふと、老尼僧の口癖もそうだったな、と思い出す。
子供の頃、聖堂に預けられた幼いカルメンが泣くのを、そう言って宥めているのを見たのを覚えている。
あの時は、それとわかって言った訳じゃない。
少しでも、不安をぬぐえればいい、と、そう思っていたから]
[老尼僧が殺された時、俺はもう、カルメンが人狼と知っていたから、初めは演技なのだと思っていた。
だけど、お互いを大切に思っているのは知っていて、カルメンは、あんなふうに大事な人を殺したりはしない、とも思っていて。
そんな疑問が、俺を、俺の気持ちをカルメンへと向かわせた。
悲劇が起こることを嘆く声も
縋るように揺れる瞳も
安堵に震える体も
時折、何か言いたそうにしている口元も
そして、何かに耐えるように伏せられた目も、全てが嘘とは思えなかった、から
ああ、カルメンは、耐えているのだ、と、そう思った。
そして、老尼僧を殺したのは、もう一人の人狼なのだとも悟ったのだ]
[俺は狂信者で、本当なら、その背中を押して衝動を解き放たなければいけなかった。
だけど、心の中で育つのは、まったく違う思い。
支えたい、と
側にいたい、と
悲しませたくはない、と
狂信者は、人狼にとって役に立つようにと願い、動くと、そう言われて……いや、刷り込まれて、来た。
だから、この感情もそうなのだと、「俺」の感情ではないのだ、と、
俺の中の「狂信者」の物なのだ、と……
カルメンが人狼だから惹かれたのか、そうではないのか、俺にはわからなかった、から
だから、思っていても、何も言えずにいた。
人狼とか、人とか関係ない……「カルメンだから」
それに気付いた時には、もう、伝える事は出来なくなっていたけれど]
だいじょうぶ
[もう一度、言葉でカルメンに伝える。
手は、そっと触れさせたままで
彼女に、ちゃんと伝わるだろうか、なんて、少し不安に思いながら**]
─ 前日/談話室 ─
……『まだ終わらない』。
[アーベルが伝える、カルメンの言葉>>23を小さく繰り返す。
一時伏せた天鵞絨が向かう先にゆれるのは、藍玉抱いた銀十字架]
……なら。探さないと。
[そ、と音に変えた言葉に答えるように、藍玉が微かに煌いたのは、誰かの目に留まったか]
見出して……止めないと。
[それが自分の『役目』である事。
無意識、拒んでいた認識が、内側に落ちる。
けれど、その場ではそれ以上の言葉は紡ぐ事はせず]
……誰か、教えてくれるなら。俺もそれ、聞いてみたい。
[エルザが漏らした呟き>>20には、小さくそう、呟いていた。*]
[訳の分らぬまま聖堂を出て。
憧れの人が獣へと変わるのを見なかったのは、幸だったのか、不幸だったのか]
カルメンさんが、人狼……?
[娘は見なかった。故に、決してその事実を認めようとしなかった。
あの綺麗な人がそんな化け物の筈がない。
そもそももっと怪しい奴がいるのに、どうして彼女を殺したのか。
彼女自身がそう言ったのだと、そう望んだのだと知らないから、誰に何を言われても、例えその末に獣の死体を見せられたとしても、最後まで首を縦には振らなかった。
最期まで、信じなかった。
信じる訳にはいかなかった]
― 談話室 ―
[娘は少しだけ顔を上げた。
良く似た顔が眠るそのすぐ隣で、体育座りで蹲って]
……。
[誰かが呼ぶ声も聞こえていないのか、反応らしきものは見せない。
ぼんやりとしていた目にはやがて涙が浮かび]
…… ッ、く………、
[膝に顔を埋めて、声も出さずに泣き始めた**]
─ 深夜 ─
そうか……お前がレアンか。
[安置されているカルメンの頬を指でなぞる。
当に冷え切っているはずなのに不思議と温かさを感じる。
それが例え暖炉の火のせいであってもレナーテには違う"なにか"にしか思えなかった]
お前も……私とは違ったのだな。
[幾度も同じような場を生き残り、その度に骸を積み重ねてきた。
そしてその数だけ同属達を失った。
ある者は力に溺れて人間に打ち果たされた。
そして多数の者たちが獣として目覚めるのを拒み、人間としての死を選んだ。
今、目の前で眠るレアンのように。]
なあ、レアン……私は何を間違えたんだ?
─ 深夜 ─
[胸の前で手を組み、祈りの真似事をする。
レアンの魂が二度と獣に囚われない様にと。
姿だけはあのシスターの様に、神に届けと祈りの真似事を。]
……レアン。
すまないがお前の望みは聞いてあげられない。
それこそが…私がこの世に在る意味だから。
[こんなのはいつものこと。手にいれようとして零しただけ。
だから、もうここには何の用も無くなった。
あとはいつものように終わりを迎えるだけ。]
───始めよう。
[それから1時間もしない内に、女を一人手に掛けた。]
― 客室 ―
じゃあ、なんで……?
[何故苦しいのかと、父>>13に訴える。
酷く冷静に、苦しいのなら苦しくないように考えて動けばよいと言う声が聞こえる。自分だけに聞こえる自分の声に、だって、と抗えば先ほどの冷たさとは別の、嫌な熱さが身体を駆け巡る。
それでも優しい思い出は色褪せず、それを手放すことは出来なかったから、父の手を力なく握り続けた]
……うん。みんな、おなじ。
[イヴァンが死んだ時のことが頭を過った。
せめても安らかに。エーリッヒも、カルメンも。
死に繋がる道を選んだカルメンの思いは、その場近くにすらいなかったから知る由もなく。その覚悟も知らないまま、ただ自分が思うままに娘は祈りながら、逃げて。
閉じられた瞼の下は、僅かに濡れていた]
─ 翌朝/自室 ─
[目覚めが訪れたのは、夜明けの直後。
まだ淡い光の中起き出して、首から外した銀十字架と向き合う]
……命の滴の盟約によりて、請う。
彼の者に祝福授けし光の源、示す事を。
[紡ぐべき言葉は、ごく自然に口をついていた。
これまでは無自覚に力が発動して、信じたいと願うところへ力が無作為に飛んでいたけれど。
今は、自分の意思で、力を向ける先を定める。
とはいえ、これという宛があるわけではなく。
考えた末に向けたのは、皆に危険とみなされ、自身も危ういものを感じていた旅人で]
……っ!
[浮かび上がるイメージは、今までとは違うもの。
温かい陽射しではなく──冴え冴えとした、月光。
旅人の姿は、その光に護るように包まれて見えて]
…………『みつけた』。
[落ちた認識を、小さく口にすると同時に、イメージは消え失せて。
後に残ったのは、言葉に表せない、高揚感と]
……ってっ……。
[それに飲み込まれるのを厭うかのような、頭痛。
思わず上げた声に、小鳥が案ずるような鳴き声を上げた]
……ん、大丈夫だ。
それより……。
[ここで一度、言葉を切って。
天鵞絨は、思案するように伏せられる]
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