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―客室―
[目覚めると共に、息を一つ吐く。]
・・・・良かった。
[開いた双眸は蒼ではないけれど、紅でもない。視なくて済んだ。つまりあれからは恐らく誰も。]
[けれど次には眉を寄せ、膝を抱えた。]
・・・・まだ。
皆、取り戻さなきゃ。
[緩慢な動作ではあれど、しっかりと床に足を着けた。]
―・・→廊下―
[視線を外に向ければ、外は疾うに夜闇に包まれていた]
さて、どうしますかね。
[目前に置いた白――
件の客人の部屋から拝借して来た楽譜を、ぱらりと捲る。
五線の合間に踊る黒の符を、手袋をしていない指先でなぞった]
―――…、
[ふわり、と。
青の髪を揺らすと同時に、紅玉が薄らと開かれる。
運ばれてきた覚えの残る旋律に、僅か目を細め。
薄く開いた口唇から漏れる呟きは風へと霧散して。
その小箱が曲を奏で切るその前に、その銀の蓋は閉じられた。
――歌姫の声が、魅惑に満ち溢れるものであるのは認める所だが
紅の瞳を持つ此の魔にとって其の音色は、さして重要な物でも無い]
―ホール―
[工房での一仕事の後、服を着替え、ホールに戻る。
屋敷内は重苦しい雰囲気。事情はある程度伝わっているのだろうか?
確認する気もないままに、妙な昂揚感を抱いたまま布に包んだものを横において休息をとる。]
どんな賽の目出るのかな…
[わざわざ招待先にまで持って来るという事は、思い入れのある品か。
そんな事を考えながら、緩やかに指先は黒と白との合間を舞い、叩く。
旋律を紡ぐにつれて、窓辺に飾られていた花が微かに光る。
やがてそれはまやかしを解かれ、純白の薔薇へと姿を変えた。
そう、それもまた、造られた――紛い物に過ぎない]
[ふわりと花弁がほどける様に、少女が――魔が目覚める。
それは魂を奪う旋律が風に運ばれ、霧と化して散ったからか]
………あぁん……唄…が……
[途切れた旋律の先を、甘く切なく想いながら睫毛を震わせる]
─庭園─
[聴こえて来た旋律に、音楽室の方を振り返る。
今、この邸にピアノを弾く者はいたろうか、と。
そんな事を考えつつ、夜空を見上げ、ふわり、遊ばせていた羽根を風に乗せる]
……さて。
囚われの姫君は何処におわしますか……。
[冗談めかして呟く。
その『囚われの姫君』に、囚われた者を解放するためにその行方を追う、というのも、何やらおかしなものを感じるのだが]
―廊下―
[部屋を出るまでは良かったのだが、次第に足は重くなる。止まることは未だないけれど。]
[不完全な紫の眸は伏せられた。]
何か、できるのかな。
[呟く声は蒼と黒と金の魔を思うか。自らより余程強大な力に対し、太刀打ちも役に立つことも可能な程の力はない。或いは完全な魔となれば――如何かは分からないが。]
[拒絶するかのように緩く首を振り、階下へと降りる。]
綺麗ー…
エーリッヒさんって、凄い人だったんだ…
[…こう、場違いな声が許されるのも実際の肉体がこの場にない為か]
[ぴく、と。
常人を遥かに凌ぐ聴力が拾った音に、僅かに瞼を震わせる。
屋根の上へと微か風に乗って奏でられる音色は、聞き覚えの残る音。
それ自体は然したる事ではないが ―――しかし、此の旋律は]
―――…面倒な事を、
[紡ぐ言葉は裏腹に、口端を上げて紡ぐ声は何処までも愉しげに。
風へと乗るかの如く、その足は空へ一歩を踏み出して。
瞬間、 青年の姿を借りた其れは、風へと霧散する]
[ざ、ざざざ、ざあぁ、と。
舞い散る花弁は、数日前のように、室内を舞う。
異なるのは、一枚切りではなく、複数である事。
漆黒のピアノの周囲を巡る白は、黒へと染まりゆく。
細めた己の瞳の緑もまた、昏みがかっていくか]
「人をあやかす魔たる貴女こそが、歌に魅せられている」
[散る直前、執事の手痛い指摘に耳を傾けはしたものの。
その手を取るのを迷ったように――そして終にはオルゴールに魂を奪われてしまったように、魔の少女はその魅縛から逃れる事は出来ないままだから]
……ふぁ…ん、……行か…ないとぉ……。
[オルゴールを――その唄を求めて、ふわりと風に乗る]
[風にひらひらと裾を舞わせて、魔は緩やかに蒼を探す。
ふと、視線が長い髪の少女を捕らえ、その様子に幾度か瞬いた]
―庭園―
[ざぁ、と。風が抜ける。
一段、強い風を纏い。たん、と小さな音を立てて蒼の魔が地へ降り立った。
風が止み終わる後には、はらりと、青い髪が頬へと掛かって。
降り立った青年の紅の光が見据えるのは、
割れた硝子窓の向こう側。]
……おでまし、か。
[蒼の魔の姿に、小さく呟く。
その口調も声も変わらず彼のものだが、翠は冷たく。
二つの狭間。
そこに揺らめく存在であると、その組み合わせが物語り]
……旋律にひかれた……か?
[紅が見つめていた先に気づいて、ふと小さな呟きをもらす]
[最後の一節を弾き終え、ゆっくりと目蓋を下ろす。
鍵盤から離した右の手を緩く持ち上げれば、薔薇は其処に収まった。
棘は肌を傷つける事もなく、其処に在るのが当然であるかのように。
黒に映る映像は、傾いでいく世界。
耳に届く旋律は、ない。
朧げな残滓から読み取れるのは、その程度で。
音色を紡ぎ終えた後には、ただ、暗闇と静寂とが残った]
[金の光に僅か目を細めるも、視線は直ぐにへと正面へ戻り。
闇に溶ける色を纏う室内へと向けられる。]
―――…御機嫌よう。
[投げ掛ける声は、誰へと向けられたものだったのか
微かに浮かべる笑みは、僅かに冷淡さを浮べ。]
…何故、其れを持っている?
[室内へ近づく事もせずに、ただ曖昧な問いを]
[音色を気にはすれど、外に吹き抜ける風を宿す魔が感じ取ったか。踵を返す先は外へ通じる扉。]
―庭園―
[少し離れた場所で、蒼の姿を見留めて立ち止まった。]
[隠れこそしないのは無駄なことと理解しているからか。様子を伺うように、2つの影を視線で追う。]
[室内に向けて投げられた問いが意味する事は理解の外。
故に、そちらには何も返さず。
……ふと、空間に増えた気配に気づいて、翠を軽く、そちらに向ける。
肩の真白がゆらり、尾を振って。
案ずるような真紅の瞳を、そちらに向けるか]
おや。好い夜ですね。
[椅子から立ち上がり、カタン、と蓋を閉じる。
黒薔薇を口許へと添えれば、笑んだ口許が隠れた]
少々、拝借しまして。
[半ば閉じるように細めた眼には、様子を窺う色。
月光を受けたモノクルは、輝きを弾いて煌めく]
[――突風が収まった時。
少女が染めた紅薔薇は、幾枚の花弁を時ならぬ嵐に奪われたか]
[風に舞った紅は、地に落ちる時には力を失い…元の白へと戻る。
それは他の白や黒に混じり、もう何処にあるかはわからない]
…?
[ふと、誰かが自分のことを見ていた気がして。
振り返ってみれば花びらの舞い。
その綺麗で…儚い光景に少女は目を細める。
…本当の意味も知らずに]
…全く好い夜だ。―――今し方まではな。
人の物に手を出す様な、中々の手癖だとは。
[意外だった、とくつり浮かべる笑みは、あくまで愉快気に。
それでも孔雀色を見据える瞳の紅は、微かに昏さを湛え]
言った筈だ。
―――…"起こす"のは、勧めないと。
[此方には聊か不都合が多すぎる、と。
本当にそう思っているのか、臆する事無く告げて]
[翠が此方に向けられるのを感じ取ったか、軽く首を傾けるような仕草を取る。白い生き物に対しては少しだけ紫を細めて見せるも、声を返すことも其処から立ち退こうともしない。]
[響いていた旋律は止み、黒い執事の声へと変わる。室内へと視線を向けた。]
[旋律は止まり。不自然なほどの風が抜ける。
そして使用人達も庭園へと目を向けている。
もてなす客人も減ってしまったのだし、使用人もさすがに人だから気にはかかるのだろう。
そこにまじって...は庭園を盗み見る。
そこにはぽつぽつと、魔と大別される者達が…やはり感心はこちらなどには向かない。
それはとてつもなくありがたい]
……不都合?
[その言葉に、ゆるく、瞬いて]
起こす起こさない、という事は、完全に融合してはいない……と。
[その点は自身も変わらない訳だが。
しかし、それをいとも呆気なく明かすのは、何故なのか、と。
疑問と共に、やや、表情には険しさが浮かぶか。
紫を向けられた真白は、その意思を感じてか。
鳴き声を上げる事もせず、真紅を蒼き魔へと向け]
客人に対しては礼を尽くしますが、
そうでなければ、手段は選ばないもので。
それに真正面からぶつかり合うというのも、芸がありませんから。
[――ひゅ、と。
黒薔薇を相手方に向かって、真っ直ぐに放つ]
申し訳御座いません、天邪鬼なもので。
魔なのに鬼とは、奇妙な話ですが。
[くすくすと笑う様子は、傍目には悠長に映るか]
[嵐が収まれば、少女は再びその姿を取り戻す。
それが儚く見えるのは、身に纏う紅がより透明度を増して…薄紅へと移り変わってゆくからか。
肉体との鎖を持たぬ魔は、存在の拠り所なく消え行くのを待つだけ]
[それでも未だ――魔は消えてはいないから]
…ぁらぁ……どうしたのぉ…?
[長い髪の少女へと、小首を傾げて微笑む]
[舞いが終われば…其処には少女が居て。
何処か、面影がある…そう思いつつも、誰だったかは思い出せずにいた]
うぅん。
別に、何かあった、って事は…無い、かな。
[小さく微笑んで]
ただ、魂抜き取られちゃって…ね。
それだけは、少し…弱った、かな。
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