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─ 地下 ─
[扉を開けるのに一旦骸を下ろしたりしながら、安置室となりつつある倉庫の扉を開け、ヘルムートの手を借りカルルの骸も安置する]
……増えちゃったねぇ。
[最初は老婦人の部屋を片付けるまでの仮置き場の予定だったのに、いつの間にか倉庫自体が安置場所になっていた。
ここの方が気温が低く、部屋に置くよりも良いと言うのも確か。
そのまま安置場所になったのも已むを得ないところだった]
─ 深夜 ─
[暑さの減りにくくなった夜。
エーリッヒは自室とする客間を抜け出し、2階のテラスから空を見上げていた。
嵐の空模様はとっくにどこかへと行き、夜空には少し欠けた大きな月が海を照らしていた]
[その色は酷く、紅い]
……あの時と同じ、ね。
[囁くような声は女性のもの。
もう誰も聞くことのなくなった聲と同じ声]
足も完治したことだし……昔みたいに、外から行こうかな。
[呟いて、テラスの手摺りの上にしゃがみ込み、外から目的の部屋を探す。
暑さに窓を開けているのなら侵入も容易い。
仮に閉められていても、この屋敷の窓の外からの開け方は熟知している。
子供の頃ここで遊んだ時、窓から入り込むなんてことは結構ざらにあった]
[夜になり鋭敏になった鼻で目的の人物の居場所を嗅ぎ取る。
途中、別の香しい匂いが邪魔をしたが、強い意思で振り払った。
そうして、テラスの手摺りを蹴り、各部屋の窓のひさしを足場にして目的の部屋へと近付いていく]
…………
[かたり、と窓が開く音が小さく響き、エーリッヒは窓枠に足をかける。
身を捻り窓から部屋の中へと滑り込むと、そこは化粧の匂いが漂っていた。
あまり得意ではないその匂いに、僅かに顰めっ面になる]
[部屋の主───ヘルガはエーリッヒの侵入に気付いていたか。
気付かれたにしても、声を上げられると困るため、即座に近付いて左手で彼女の口元を掴み、口が開けないように押さえつけてしまう]
……恨みはないんだけどね。
私が生きるためなの。
[暗闇の中、紅い月明かりが差し込む部屋に女性の声が響く。
なるべく苦しませないように、と。
右手を獣の爪へと変化させて、ヘルガの胸──心臓目掛けて思い切り突き刺した。
拘束から逃れようとするヘルガがエーリッヒの左腕を掴みにかかっていたが、胸へと突き刺した衝撃で一瞬その動きが止まり。
次いで左腕にしがみ付くように爪を立ててきた。
ワイシャツ越しに食い込む爪に顔を顰めるも、振り払うことはせず、右手で心臓を握り込む。
ぐるり、と手首を返し引き抜くと、深く空いた孔から鮮血が飛び散った。
ヘルガの胸と、右手に掴まれた心臓から紅い液体が零れ、ベッドと床を塗らしていく]
[左腕を掴んでいたヘルガの手から徐々に力が抜けて行き、力なくベッドの上へと彼女の腕が落ちていく。
それを確認した後、心臓を彼女の腹部へと置いて、エーリッヒは身を震わせた]
[その身が変化し、金色の毛並みをした大きな獣が現れる。
深い翠を宿す瞳は女を一瞥した後、先ずは腹の上に置いた心臓を牙で噛み砕いた。
ぺちゃり、くちゃり、と食餌する音が小さく響く。
命の源を喰らい尽した後、今度は腹部に爪を立て、引き裂き現れた内腑を腹へと収めていく]
ん……ふぅっ、
ふふ、わるくない味。
[恍惚とした笑みで食餌を続け。
やがて内部を喰らい尽くした後、口の周りの紅を舌で舐め取り手足や毛並みに付いた紅も舐め取って、入ってきた窓からするりと外へ出て行った]
[後に残るのは、腹部を空にし、心臓を抜き取られた女の骸。
ベッドと床には血溜りが出来、女の爪には彼女とは別の人物の血が付いていた。
誰かの侵入を示すように、窓が開け放たれ、カーテンが風で大きく揺れている**]
[安置の後は、図書室の片付けを、と。
思いながら階段を上がる。
対なる者と言葉を交わしたのは、どの時か。
いずれにせよ、告げられた結果には、と一つ息を吐き]
……そうか。
まあ、それは気づいていたのだけれどね。
[彼の人の宿す蒼には気づいていたから、そう告げて]
いずれにせよ……これで、終わってくれるならば。
それが、何よりなのだがな。
[ほろ、と零すのは偽りなき本音。
ともあれ、その後は図書室の片付けを手伝い。
次に足を向けたのは、広間]
─ 広間 ─
[広間に入り、真っ直ぐに向かうのはピアノの元。
蓋を開け、無言のままに鍵盤に指を落とす。
最初に紡ぐのは、これまでも奏でていた鎮魂歌。
その旋律が大気に溶けた所で、ふ、と視線を窓越しの空へと向けて]
……さて。
覚えている、かな?
[そんな呟きを漏らした後、鎮魂歌とも幻燈歌とも異なる曲を奏で始める。
それは、いつかの音楽祭で奏でたもの。
場に満ちた音の調和の心地よさに、つい、予定に全くなかった出来たばかりの曲を演奏した事は。
果たして、少年の記憶に残るや否や。**]
─ 二階/客室 ─
[広間での演奏の後、部屋へと引き上げて。
これで終わればいい、という願いを抱きつつ、その日を過ごす。
連日の事、疲労は深かったのか訪れた眠りは深く。
夢も見る事なく沈んでいた淵は、不意に揺らされた]
……っ!?
[何の前触れもなく感じた衝撃に、文字通り跳ね起きる。
妙に心拍が上がっているような心地がして、数度瞬いた]
な……んだ?
[滲んでいた汗を拭い、荒い呼吸を繰り返す。
言葉に出来ない、嫌な感触。
何かが欠けたようなそれは、何を意味するのか]
……まさか……な。
[対なる者同士は、少なからぬ共鳴を起こすらしい、とは伝承のどこかに記されていたか。
それが、見出す者、見極める者にも適応されるというならば。
そんな、巡る可能性を否定するように頭を強く振ってから、部屋を出る。
汗を落としに行く心算──だったのだが]
……?
[とある扉の前で、足が止まる。
その向こうから微か、異様な臭いを感じたような気がして]
……これは……。
[ここ数日、幾度となく接し、つい慣れてしまいそうになっているそれ──血の臭いに。
反射的に、その部屋の扉に手をかけていた]
[扉に鍵はかかっていたか、否か。
かかっていたならば、強行突破で派手な物音が響いたろうが。
ともあれ、扉開いて踏み込んだ先にあったのは──あかいいろの、広がり。
そして、心臓と内腑を失った女性の姿。
開け放たれた窓から吹き込む風がカーテンを揺らし、揺らめく影をその上に描き出していた]
……っ……まだ。終わらん、という事、か。
[最初に口をついたのは、そんな一言。
直後に、つきり、と。
どこかが痛むような心地がしたのは気のせいだったか、どうか。
確かめる術は持ち合わせていない。
ただ]
……苦しい思いをさせて。
すまなかった。
[厨房で、己が在り方を告げた時の様子を思いだし、小さく紡ぎ。
嘆息の後、深紫を伏した。**]
─ 食餌後 ─
[夜中の内に大浴場へと向かい湯を浴びる。
血の匂いを取るのは勿論、左腕に付いた傷を洗い流す意味もあった]
…………
[ちゃぷ、と湯の中に沈む胸の辺りには、2本平行につけられた古い傷。
普段は包帯の下に隠れているもの]
…ありのままに生きられないってのは、本当に酷い話だ。
[名を奪われ、性別を変えられ、生き方を変えられた。
その上で殺されるために生きるなど、受け入れられない。
己は一度生き延びた。
だから今度も]
────生き延びてやる。
[女性の声で低く吐き出される強い意志]
[湯から上がる身体は男性にしては細く、シルエットだけ見れば女性そのもの。
それを渇いたバスタオルで包み、胸に包帯を巻き、普段の服を着る頃には男性のシルエットへと変化していた。
長年で身につけた、体格の錯視。
そうして”エルナ”は”エーリッヒ”となる]
[朝になればまたあの女を発見されるだろう。
人狼はまだいると知れる事柄。
あと少し。
あと少しで全てが終わる、と。
左腕の傷はワイシャツで隠しただけのまま、自室とする客室へ戻って行った*]
─ ヘルガの客室 ─
[深紫を伏し、佇んでいたのはどれほどの時間か。
このままにはしておけない──そんな思いと共に、動き出す]
……さすがに。
このままで晒しておくわけには……な。
[また、地下に安置すべきだろう、と。
そう思い、リネン室からシーツを取ってくる。
その間に、部屋を訪れた者はあったか。
やって来た者に問いを向けられたなら、小さく息を吐き]
……血の臭いが、したんでな。
嫌な予感がして、訪ねてみたらこうなっていた。
……まだ、終わってはくれない、という事らしい。
[どこか硬質の声でそう説明して。
持って来たシーツで亡骸を包もうとして──ふと、違和感を覚えた]
……これは。
単に、血を浴びたにしては……。
[左の爪を染めるあかは、他とは着き方が違うように見えた。
惨状のさいに散ったいろを浴びただけとは違うような。
何かに突き立て、掻き毟ったようにも見えるそれは、飛び散ったものを浴びた結果としては不自然に見えて]
抵抗の痕……とみえなくもないが。
[単純に考えるなら、襲撃者に抵抗した痕──とも見えるが]
本当に、そうだとしたら。
……女性というのは、やはり、強いな。
[場違い、とは思いながらもついこんな言葉が口をつく。
そうでもしないと、そろそろやり切れない──というのも、少なからずあるのだが]
……さて。
まだ、終わっていない……と、なると。
選択肢は、二つ、か。
[蒼花を宿したクレメンスが人であるのは、明白。
と、なれば残る二人のどちらかが、という事になる。
さて、どちらか、と。
思考を巡らせながらも、今は、亡骸を休ませる方へ意識を向けた。*]
― 二階 客室 ―
う、ん……?
[男は、どれくらい眠っていただろうか。
重い体を無理矢理ベッドから引き剥がし。
着替えようとしたところで、ぼろぼろになったシャツと薄汚れたズボンに気がついて。]
……しまったな。
着替えも持ってくればよかった。
[と、呑気な事を口にした。
仕方ないので、ズボンはそのまま履き、上は、カソックを直に着るという実力行使に。
そして、部屋から出て、階下へと向かおうとした所でヘルムートと出会ったか。]
……今度は、誰だ?
[ヘルムートの様子に、短く問うたものの。
人数が減った現状では、顔を合わせてしまえば容易に解ってしまうけれど*]
─ 客室 ─
[眠りは深く、目覚めは普通通りに。
大きな欠伸をした後、ベッドから降りて身支度を整えだした]
…あー
[ふと、左腕を見て、胸に巻く包帯のスペアを軽く巻いておく。
言い訳考えておかなきゃなぁ、と心中で呟きながら、ワイシャツの袖を下ろして部屋を出た]
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