情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
あら、ドミニクさん。
忘れてしまいしまたの、あの子の事?
[木こりの声に、笑いながらこんな事を言います。]
それにしても、女将さん、どこに行かれたのかしら。
御用なら、長引かなければいいのだけど……。
[中々戻ってこない女将さんがちょっと心配になってきました。**]
そうか。
礼になるかは分からないが、何かあれば言ってくれ。
[旅人はドロテアにそう言って、お茶を飲んでいます。
すると、扉が開く音がしました。]
おや、村の人だろうか。
旅の者で、ここにはつい先程来た。
ルイと言う。
[旅人は席を立って、ぺこりと挨拶しました。
たずねられましたので、きちんと名乗りもします。]
……行っちまったか。なんだったんだ?
ああ、旅人か。オイラは木こりのドミニクだ。
[残ったルイに名を返し、荷を渡すのが先と厨房へ。
薪束を下ろして戻ってテーブルに着きます。]
…あの子? ドロテアさんは知ってるのか。
女将ならさっき裏にいたから料理を頼んどいた。
食前のお祈りは神様のついてる牧師さんにまかせる。
[ドミニクと、うしろに牧師がいるならそちらにももう一度頭を下げてから、旅人は席に座りなおしました。]
そうだな。
出歩くには少し遅い時間だ。
[心配そうなドロテアの声を聞いて、旅人もかちこちと音をたてる大時計を*見上げるのでした。*]
ルイさんですか。
私はこの村で牧師をしている、メルセデスと申します。
たいして見る所がある村ではありませんけれども
……なんて言うと、村長さんに怒られてしまいますね。
住んでいるのは、良い人ばかりです。
どうぞ、ゆっくりしていってください。
[牧師は旅人にそう言うと、頭を下げました。
テーブルについた木こりの言葉が聞こえると、
牧師は苦笑を浮かべた後、神へとお祈りを*捧げ始めました*]
おや、老女 ゼルマ が来たようです。
[笹の葉先に夜露が結ぶ夜明け前、一人の老婆が森の中をゆっくりと歩いておりました。後ろにはやはり年老いた黒猫がまぁるい目をして従います。]
今夜は蒸すわねぇ。天気も崩れるかしらね。
[そういうと、リウマチで思うように動かなくなった右の膝頭をさすります。
痛みが治まりかけた頃、遠くにぼんやりと小さな明かりが見えてきました。]
あらまあ。はて、誰かしらねぇ。
[今度は腰を伸ばしてから明かりのほうに二、三歩近づきました。]
[やってきたのは噂好きな一人の男でした。夜明け前の森の中で、思わせぶりに、身体いっぱい使っておおかみの話を聞かせます。老婆はなぜかそれを聞いてうれしそうです。]
はいはい、ホラント。あんたの話は面白いけど、あたしの知ってる昔話も聞いておくれでないかい? まだ村の誰にも話したことのないとっておきの話さ。
あれはこのゼルマがこの村に嫁に来る前、隣村に住んでいた頃の話さね。その頃の私はこれでも美人で通っていたのさ……。
[黒猫がにゃぉん、と短く啼いてホラントが呆れ顔ですたこら行ってしまったことを知らせます。それでもしばらくしゃべり続けてから老婆は言葉を止めました。]
ふふっ、ホラントはこの手で追い払うに限るね。ああ、でも教えてくれてありがとうね、ヴァイスや。
[ゼルマはショールを掛けなおすとまたゆっくりと森の中を歩き*始めました。*]
[ゼルマは村の一軒宿でカップやらお皿をキッチンに運びます。何人か泊まりのお客がいるようです。
もう日が高く上っているというのに宿は静まり返っています。]
女将さんもいないし、ドロテアもまだかしら。静かすぎるわね。
[この村にしては普通の、けれども旅する人の目にも粗末と映るであろう朝食を用意し、ナプキンを被せておきます。]
早起きの人が居なくて助かったわ。
[老婆は洗濯を片付けようと*奥に入っていきました。*]
おや、少女 アナ が来たようです。
ホラントお兄ちゃん。
きょうは、どんなおはなしをしてくれるの?
虹のねもとに埋まっている夢のうた?
ひとりきりの月の零したしずくのうわさ?
黒い森で暮らす双子のものがたり?
それとも、
それとも。
〔やがて始まるおはなしに、
まぁるい眼はきらきら光る。
楽しいことならばわくわく、
悲しいことならばしょんぼり、
こわいことならばびくびく。
それがどんなおはなしでも、何度聞いたおはなしでも、
いつでも、ちっとも、変わらない。
* アナはホラントの、いちばんの聞き手なんだから。*〕
〔朝になって、アナがやってきたのは、村の宿。
ここにはいろいろな人が集まるから、よく遊びに来るみたい。
けれども、今日は静か。
きょろきょろとしていると、ひとりの老婆が来て、机に何かを置いてくれた。〕
わあ。
ありがとう、ゼルマお婆ちゃん。
〔冷え冷えのグラスに、ほんの少しだけ緑に色づいた水。
その正体はすぐわかって、アナは頬を緩めるんだ。〕
[その少女の微かな笑顔に満足してゼルマもまた微かに笑顔を作った。]
ああ、いいんだよ。
[老描も機嫌よさそうに目を細くしている。]
〔ありがとう、
もう一度、お礼を言ってからアナはグラスに口をつける。
冷たくて甘い水は喉を通り抜け、からだの中に落ちていく。〕
今日はお天気悪くなりそう。
ヴァイスが顔を洗ってしまったから?
それとも空に悲しいことがあったから?
〔アナにとっては高い椅子。
つかない足をゆらゆらさせながら、窓の向こうの外を見る。
今にも泣きだしてしまいそうな青灰色が広がっていた。〕
[トントン、軽快な足音が階段に響きます。]
ヒールはやっぱり窮屈ね、こっちの革靴の方がとっても楽。
でも一番は裸足ね、久し振りに草原を少し走りたい気分。
[背伸びをしつつ、覗いた窓を覗くと今にも振りそうな雲行き。]
雨……?
この季節はしょうがないのかな。
[残念そうに窓の外を見て、首を傾げます。]
[ロビーには、老婆と少女がいました。
ツィンカはお辞儀をしながら、挨拶をします。]
おはようございます。
本当に静かですわ、怖いぐらいに。
男性の方で出掛けている方も多いですし、何も起こらなければればいいんですけど……。
[席に着きテーブルに用意された食事を口にしながら呟く。]
今日は少し母のお墓参りに行きますの。
帰って来るのが夕方になるかもしれませんわ。
皆さんに伝言して下されると嬉しいですの。
[朝食を指差し。]
少しパンを頂いて行きます。
ちょっとお墓がある所まで遠いので、お腹が空いた時に頂きたいので。
[バケットの中に、花とパンと紅茶の入った水袋を詰めます。]
では失礼しますわ。
あ、おはようございます。
〔きちんと足を揃えて、膝に手を突いてご挨拶。〕
あれ? ええっと……
〔はじめましてを言おうとした声が止まり、
お客の顔を見て、アナは眼をますます丸くする。
うろうろ、視線が何かを探すように、さまよった。〕
〔閉まってしまった扉をじっと見て、眉根を寄せるアナ。〕
ゼルマお婆ちゃん、あの人、旅の人?
〔質問にはどんな答えが返ってくるのやら。
空っぽになったグラスを持って床に下りると、
自分でかたづけると言い張って、
まるで自分の家のように宿の奥へ駆けていく。**〕
[やがて軋む音を立て、木はゆっくりと倒れました。
空いた隙間から曇り空が覗きます。]
天気が良くねえな。
湿気る前に運んじまおう。
[カーン、カーン。
枝葉を払う斧の音が響きました。**]
[昨夜の話です。]
牧師殿か。
村に泊めてもらうのも、ずいぶんと久しぶりだ。
おことばに甘えて、しばらくのんびりさせてもらうとしよう。
[旅人はメルセデスの丁寧なことばに、小さく頭を下げました。
そうしてお茶を飲み終えた頃、旅人はおやすみなさいを言って、泊まる部屋に向かいました。]
[次の日がやってきました。
森のほうから、木こりが木を切る音が聞こえます。]
天気が悪いな。
雨が降りそうだ。
[目を覚ました旅人は、空の色を見て言いました。]
おや、だれかいるみたいだ。
主人が帰って来たのだろうか。
[旅人が髪を梳いていると、ロビーのほうから声が聞こえます。
髪を銀色の馬のしっぽのようにまとめてから、旅人はロビーに行くことにしました。]
[旅人がロビーを覗き込むと、黒猫が一匹、椅子の上に丸くなっていました。
それと、忙しそうにしているお婆さんが一人。
小さな少女は、まだ宿の中にいるでしょうか。]
失礼。
宿の主人は帰っているだろうか。
昨夜から泊めてもらっている者だが。
[静かな宿を見回しながら、旅人は問い掛けます。]
何か手伝うことはあるかな。
[それから、そんな風に*申し出もしました。*]
―村の外れのお墓―
[サァーと広がる黒い雲は激しい雷と雨を呼び、一気に周囲の気温を下げます。
ツィンカは慌てて雨宿りの出来る近くの岩場に逃げ込みました。]
変な天気。
こんな事あまりなかったのに……。
何かの先触れ?
[頭を少し両方に振りました。]
あれはホラントのいつもの嘘。
人狼なんて、御伽噺よ。
[暫くすると激しい雷と雨は止みました。
でも暗い暗い雲はまだ空を覆ったまま。
ツィンカは急ぎ足で宿に帰ります。]
もう泥だらけになるなんて……。
[宿に帰ると靴と服の裾が泥だらけになっていました。
ツィンカは少し困った様な顔をして湯殿の方に代わりの服を持って向かいました**]
[ゼルマはちょっと不機嫌な顔で夕飯の支度を続けている。
宿の女将は「ちょっとお願いね♪」と言って出かけたまま昨夜から帰っていない…。 ]
お客さんを放ってどこに行ってしまったのかしらね。時たまあることだけども…ねぇ。まだ誰も戻ってないわよね?
[老猫は相槌を打つように にゃぅん、と啼いてロビーを巡回しにいく。
ゼルマも夕食の支度を急ぐことにしたようだ。]
[宿屋に来られた牧師様。
お使い途中だったのに、すっかり忘れていた事を思い出して。]
あらら、わたくしったら……申し訳ございませんっ!
[大慌てで謝ったり、宿屋のお手伝いをしたり。
それから、お勤め先へと帰ったのでした。]
[そして、次の日。
朝のお仕事を済ませた後、キッチンに漂うのはあまい香り。]
きっと、これが食べたいのでしょうから。
腕によりをかけて作らないといけないわね。
[作っているのは、黒い森のさくらんぼトルテ。
得意なお菓子の一つです。]
[やがて、天気は下り坂。
空は、少し不機嫌な様子。]
少し、嫌な天気ですわね。
せっかく、ツィンカが帰ってきているのに。
[小さな声で呟きながら、家の中のお仕事を済ませると。
出来上がったキルシュトルテを持って、宿屋へ向かうのです。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新