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―――あ
そっか…もうこの時期なのね
[何処か遠い貌を娘は浮かべて。
あのまま側にいたのなら大人になっている筈の弟を想う。記憶の中の彼はまだ子供のまま*]
―工房―
ゼル。
[最愛の人に声をかけられると振り返り、告げられる言葉と細められた深紅に、緩やかな笑みを向けた。]
本当?よかった。あなたに比べたら私はまだまだだから。
少し華やか過ぎるかなと思ったけど……。
捧げものだから大丈夫よね、きっと。
[そういい、台に置かれた燭台に目を向けると視界の端に鼻腔を擽る香りの元が置かれ。
それに手を伸ばす前に、腹部に感じた感覚に、青を細めた。]
随分大きくなったよね。
やっと半分……無事に産まれて来てくれるといいんだけど。
[崩された表示に、こちらも嬉しそうに笑む。
愛しい人との初子への想いはお腹に抱えているぶん大きく。
どうか産まれてくる子に祝福を。そんな願いを祈るように込め、燭台は作り上げられていた。]
あっ、でも今日は天気がいいし、洗濯は私が……
[あまり頼りっぱなし、させっぱなしもと、口癖のような言葉にこちらもいつものように返す。
いつものやりとり、繰り返し。
特に日に弱い夫を気遣って、外に出る用事の半分は自分がと、申し入れたが上機嫌な夫は聞いていたかどうか。
勢い良く外に出てはすぐに溶解して戻ってきたひとに、少し呆れたように息を付いた。]
ああ、もう、また…
外に出るなら帽子、被っていかないと。
[そう言って一度細い指を差し叱るように注意した後、苦笑しながら、入り口近くに掛け置かれていた外出用の帽子を取って、頭に被せて。]
日が辛いなら、買い物と納品は私が行こうか?
体なら大丈夫。少しは動かないと、逆に体に障るもの。
[それとも一緒に行こうかと、村で採れる宝石のような青い瞳で見上げ、尋ねた。*]
―修道院―
[焼き上がったばかりのクッキーはピスタチオが練りこまれたもの。
四角く整った形をした其れは作り手の性格が窺える。
青年は一つ摘み其れを口にほおりこむ。
サク、と良い歯ざわりの後、口腔は甘味と香ばしさで満たされた]
……悪くない。
[紅茶を淹れようと茶葉の入った瓶に手を伸ばすが
其れに触れる手前でその手は下ろされた。
青年の柳眉が微かに寄せられる]
補充しそびれてたな。
仕方ない、後で買い出しに出るか。
[面倒そうに呟く青年が其れを他者に頼む事はない。
気づいた事は全て自分でするのが身についていた。
青年はクッキーを紙に包み小分けにすると
先ずは泣いていた少年のいる部屋へと向かった]
[開かれた扉からは少年達の愉しそうな声が聞こえた。
遊びたい盛りであるから大人しく聖書を読んでいるとは思わない。
怪我して泣いていた少年も今はケロリとして遊びに興じている。
見る限り後で痛みが増したなんて事はないようだ。
軽く肩を竦め青年は一つ咳払いをした]
あー…、元気なのはいいが本も読めよ。
ほら、差し入れだ。
[青年が彼らくらいの歳の頃は
同じように遊んでいたしこっそり修道院を抜け出しもした。
要領が良い所があり大人には読書好きで勤勉に見えたから
咎められる事など滅多に無かったが――。
少しだけ懐かしそうに目を細め青年は一人一人に包みを渡す。
わー、と少年達からあがる歓声に青年はふっと笑った]
祈りの時間までに食べちまえ。
これのせいで飯が食えねぇなんて事がないようにな。
[青年は軽く手を掲げて未だ騒がしい部屋を辞する]
[時の流れが悲しみを癒やすとしても。自分の中では未だ時が止まってしまったかのよう。もう大きくなることのない弟を想い物憂げな横顔のままにカウンターへまた顔を埋める仕草。]
ン…
[誰か来るまでになるか思考の海へ意識をたゆたわせ*]
―雑貨屋―
[修道院を出て愛飲の茶葉を手に入れる為雑貨屋へと向かう。
その道すがら青年が見掛けるは難しい顔の自衛団長]
――…悩み事か?
[訝しげな表情で青年はポツと零すが
面倒事を嫌うのか自衛団長に声を掛ける事なく通り過ぎる。
雑貨屋の扉を開ければカランと響く音。
カウンターに伏せるゲルダの物憂げな表情が映りこむ]
よ、お前さんも何か考え事か?
嗚呼、茶葉切らしちまったんだ。
いつもの頼むよ。
[歩み寄りテーブル越しに話し掛ける。
腕に残る微かな痕に名残を感じるが微かに目を細めるのみで
からかう素振りは無かった]
[クッキーの入った小さな包みと紅茶の代金を
ゲルダの前に置いて]
ほら、土産。
甘い物、嫌いじゃ無かったよな。
[修道院の子供たちに渡すのと何ら変わらぬ調子で
そんな言葉を紡いだ。
彼女が商品を出す間ゆると店内を見渡す。
青年の視線が向くのは必需品ばかりか。
何か買い忘れはないかとそんな思案をするようだった**]
やあ
ライヒ君じゃないか
[来客を告げるベルが店内に響く。細い頬杖から貌を離すと客人の名を口にする。物憂げな表情から常の笑みに変わる頃、彼の用件を察し愛飲の茶葉をカウンターに出した。]
…そんな所だよ
弟の墓参りにいかなくちゃって考えてただけ
―工房:Horai―
ごめん……―――
[子どもを怒る様な妻の指差す仕草に、
叱られた犬のごとくシュンと頭を垂れる。
けれど、頭に外出用の帽子が被さると、
おずおずと視線をあげて揺れる青い眸を紅の眸は見た。]
一緒に行くよ。ちょっと待ってて。
今日はお天気がいいから、色眼鏡も取ってくるよ。
[掛かった言葉に尻尾が見えるのならば、
はちきれんばかりの振りようで男は応えた。
工房の奥から色眼鏡と、
納品物を入れる肩掛け鞄を慌てて持ってくる。]
あ、そう謂えば、そろそろあの子が注文に来てくれる頃かも。
[ゲルダの店の分の納品物を鞄に詰めながら思い出すのは、
齢14にして父親から仕入れを任されているという少年のこと。]
今年は、君の分も注文もらえると佳……ううん……―――
君の腕が認められるのは嬉しいけど、
身重の身に無理はさせたくないし。
[出来上がったばかりの燭台と、妻の膨らんだ腹の間を
視線が何度も行き来する。
まだまだだと謂う妻の作品は、
職人になってからの年月の差――知名度だけが問題で、
夫という欲目を抜きにしても素晴らしいものだとゼルギウスは
彼女にもよく謂っていた。]
[ぶつぶつと独り語とを零した後、はっと我に返って]
あ、お待たせ。準備できたよ。
[ちゃきっと色眼鏡を装備すると、慣れた仕草で片手を差し出す。
子どもが腹に居るからというだけでなく、
それはもしかすれば、幼いころからの癖なのか。
どうにも、昔からゼルギウスはイレーネにべた甘だった。]
[カラリ――と、音をたてて閉まる工房の扉の脇。
かかる工房の名にも、その甘さは滲み出ている。
Horai(ホーライ)――ギリシャ神話の3姉妹を示す工房名。
3姉妹の1つにイレーネの名がある。
工房名を決めたときに、超直球な告白だよね
と、突っ込みを入れたのは誰だったか。
遠い異国の言葉の響き、蓬莱(ほうらい)にも重ねてるのだと
真っ赤になって当時は否定したとかしなかったとか。
幾多重ねる意味
―――……それはどれも、永遠の平和や愛を群青に願うもの。]
―村の通り―
[さて、妻はいつも通り差し出した手を取ってくれたか否か。
そして、燦燦と輝る太陽の下、
少しばかり噂した少年と逢えるか否か*]
―雑貨屋―
[カウンターに置かれた茶葉はダージリン。
満足げに頷きを向けて青年はゲルダから品を受け取り
飾り気のない布袋へと仕舞いこむ。
弟の話となれば青年は微かに目を細め]
……嗚呼。もうそんな時期か。
逢いに行ってやるといい。
そうだな、此方でも祈りを捧げておくよ。
[肩に掛かる銀の十字架を軽く握った]
[茶の誘いに一寸迷うような表情が過る。
けれど、次の瞬間にはふ、と笑みを浮かべ]
折角の誘いだ。
有り難く頂くとするよ。
[ゲルダに頷き一つ向けて留まる事にする。
帰って遣らねばならぬ仕事は無論あるのだが
誰かに咎められるほど長居はせぬ心算――
要領よくあるのが青年の在り方だった**]
”お前さん”と言う事は、他にも物思う人が居たのかな
[紅茶缶を包みながら問うのは先ほどのことで>>56
紙袋に仕舞い終りライヒアルトに手渡すと貰ったクッキーの包みを覗きこみ]
僕…ピスタチオ、好きなんだ
ライヒ君はこういうの、相変わらず得意なのだね…
[娘は淡く笑むと何処となく尊敬のまなざしを送る。
青年が必需品を探す様子には「ごゆっくりどうぞ」と言の葉を添えた。]
夏場は仕入れ先の目録に眼を通すのが忙しいんだよ
他の季節に後回しする訳にもいかないし
…もう少し掛かるから、弟にはごめんねって伝えて呉れれば嬉しい
[十字架を手にする彼を見、そんな甘えごとを伝えた。
娘の心境は如何程か計り知れないもので。]
この間立ち寄った行商さんが呉れたのだよ
少し好いものの茶葉らしくてね
[売り物ではない茶葉の缶を指し悪戯っぽく笑む。何処か少年のように振る舞う娘は子供の内緒話のようにひそりと青年へ打ち明けた。]
皆には内緒だよ?
[ティーカップに琥珀色の液体が注がれ店内には花や果実のような甘い香りが広がった。]
甘い香りの紅茶は許せるかどうかは分からないけれど
変わった物も偶には好いと思うのだよ
[屈託なくほほ笑むと青年の意見を求めた]
自衛団長が、な。
声は掛けなかったがえらく悩ましい顔をしていた。
[ゲルダの問い掛けに軽く答えるのは
通りすがりの自衛団長の考え事などさして気にせぬ風]
好きなら良かった。
得意、と言えるのかな。
まぁ、作るのは苦ではないが……。
[ゲルダから向けられる眼差しに軽く頬を掻いた。
照れ隠しであるのか曖昧な笑みが浮かぶ。
結局他に足りぬ物は無かったのか
陳列される物に触れる事は無かった]
忙しいなら仕方ないと理解して呉れるだろう。
嗚呼――…、伝えておくよ。
[言伝を請け負いゆるく頷く]
[ひそりと囁かれた言葉に青年は興味をひかれる。
ゲルダの注ぐ琥珀色を見詰める翠が緩やかな弧を描いた]
へぇ、それは愉しみだな。
[広がる香に期待は増し
誘われるようにカップへと長い指先が伸びる。
軽く含めば甘い香りが口腔に広がった]
美味しい。
これならお茶請けは必要無さそうだ。
[クツと咽喉を鳴らし意見を求める娘に笑いかける]
有り難う、ゲルダ。
[束の間の贅沢な時間を呉れた彼女に礼を言い
青年はカップの中で揺れる琥珀を味わう**]
自衛団長なら店にも来ていたよ
煙草を買いに来たにしては、少し様子が可笑しかった気がしたけれど
[甘い紅茶を口にしながら先ほどの彼へと想い馳せ。娘を見る目も少し変っていたかもしれないが真意は見えぬ儘。ピスタチオのクッキーをひとつ口に頬張ると甘さと香ばしさが口腔に広がり。世辞ではなく素直に美味しいと御得意様の青年に、にんまりと微笑む。]
手作りを貰えるのは嬉しい
温かみが有るというのかな、作った人の気持ちが在るじゃない?
…作るのが苦じゃないのなら、またおねだりしちゃおうかな
[今日は紅茶だと言わんばかりに勧めると座っていた椅子の背凭れに身を預けた。]
…弟の御墓掃除にも行けてないから、怒ってないと好いのだけど
ライヒ君が伝えて呉れるなら好かったよ
済まないね
[甘い紅茶の琥珀色に娘は自分の姿をゆらりと映し伏し目がちな貌を合わせる。
カップの中も空になればカウンターにコトリと置いて。]
御茶受け要らずでも、僕は甘いもの多いほうが好いな
ライヒ君、またよろしくね
[くすくす笑んでねだりの言の葉を送り。
青年のカップ持つ手を子猫のようにつんっと突いた]
お礼なんて好いよ
喜んで貰えたなら淹れた甲斐もあったものだよ
[カウンターに両肘付け、手遊びながら翠の眼差しを送り。
目許だけで笑むと、マルコポーロと書かれた紅茶缶の蓋に触れた]
[カップも冷めたころ合い、
品物の目録に眼を通しながらも思考の隅には弟の存在がある。
10年前、夏のあの日を想い忍ぶのは毎年の事。
村が夏場しか他との交流を育めないことから雑貨屋も今のうちにと買い付けをしなければ成らず、店をあまり空けられないのも事実。
其れでもこの季節に墓へ足を運ぶのは如何しても憚られた。行きたくないわけでも、弟の死が吹っ切れていない訳でもない。
そんなことを想う内に目録を読む手がぴたりと止まった**]
─村の通り─
[メモから目を離し道を歩き進む。
ややあって前方から二つの人影が向かって来るのを見止めると、駆け寄るでもなくいつものペースで二人に歩み寄った]
御機嫌よう、ノイエンドルフ夫妻。
揃ってお出かけかな。
[社交用の笑みを浮かべてゼルギウスとイレーネを順繰りに見る。
重装備とも言えるゼルギウスの姿には軽く笑いが込み上げそうにもなったが、それは押し込めて]
細工の依頼をしたいのだが……時を改めて伺うとしよう。
ここで立ち話と言うわけにもいかないだろうからな。
[言いながら、視線は一度身重のイレーネへと。
彼女を気遣っての言葉と言うのは伝わるだろうか]
では僕はこれで。後程工房を訪ねさせて頂く。
[子供らしくない口調で挨拶をすると、他の細工師の工房へと歩き*始めた*]
―村の通り―
あれはHorai工房の夫婦に、湖ン別荘の坊ちゃんか。
まだこっちに居たんだな。
[見かけた顔を記憶と一致させた]
どーも。今年もまたよろしく。
[声が掛かればそんな挨拶を返して、かっぽかっぽと宿屋へ向かう]
─宿屋─
[久しぶりの帰郷の挨拶。
外を歩き回る伯父は、もしかしたらこちらの『本業』の事も知っているのかもしれないが、外で何をしているのか、の話題はへらりとすり抜けて]
ん、ああ、そんなに長居はできないと思うんだけど。
……そーゆー事なら、伯父貴が戻るまではいるよ。
[長居をしたくない、というのは、故郷に外での騒動を持ち込みたくないからなのだが。
とはいえ、自分がここの出と知る者はそう多くはない。
だから大丈夫だろう、とも思えたから、素直にこう頷いた]
―雑貨屋―
[自衛団長の様子をゲルダの口から聞けば
ふむ、と一つ相槌を打ち]
何か問題が起きたのかもしれないな。
まぁあちらさんで何とかするだろ。
[自衛団からの話は修道院の方にはきていない。
ライヒアルト当人も其れらしい話は聞いていないから
関わりのない事だとばかりの言い様。
クッキーを頬張るゲルダからその感想を聞けば]
お気に召したようで嬉しいよ。
気持ち、ねぇ……。
主への感謝なら溢れんばかりに在るかもな。
また気が向いたら持ってくるさ。
[本気とも冗談とも分からぬ音色でそう紡いだ]
墓の掃除なら心配する事はない。
此方でも定期的にしている事だ。
済まないと思う事はない。
[少なくとも青年は自分がその言葉を受け取る訳にはいかないと
ゆるゆる首を振りゲルダを軽く制し話を切り上げる]
ゲルダは甘党だな。
……嗚呼、わかったよ。
[ねだる声と仕草に降参だとばかりに空いている手を上げた。
紅茶が冷める前に其れを飲み干し
空になったカップをテーブルへと置いて]
ご馳走様。
また来るよ。
[贈り物の紅茶缶を弄ぶ仔猫のような娘に
常のように声を掛け来た時と同じ音を鳴らし店を出る]
―宿屋―
お前もお疲れさん、ナーセル。
部屋借りてくるから少し待っててな。
[宿屋の前に繋いだ旅の仲間からは元気な嘶きが返ってきた。
首を撫でて労ってから扉を潜る]
おーい。今年もお邪魔するよ。
厩舎と、親父はいないから小さい方の部屋ひとつ貸してくれ。
[食堂兼酒場にいつもの姿が見つからず、奥へと声を張り上げた。
まさかそっちに苦労の元凶までいるとは知る由もなく]
[伯父との話の後は、僅かな荷物を下ろして身軽になり]
……さあて、とりあえず、どっちから回るかねー。
[どっちから、というのは、帰郷時に顔を出そうと思った二箇所のどちらから回るか、という事。
そんな事を考えつつ、とりあえず食堂の方へと戻りかけた時。
何となく、覚えのある声が聞こえた。
ような気がした]
……げ。
[なんか嫌な予感がした]
―宿屋食堂―
お……ぅ?
[主人か看板娘に向けるつもりの笑顔が強張った。
奥から出てきたのが予想外の人物だったからだ]
なーんで諸悪の根源がここにいるのよ。
……狼。
[じと目になって賭博師を見てしまうのは仕方がないと思う。
仕入れに手間取って到着が遅れたのも、一人と一匹の旅になったのも、誰かさんが起こした騒ぎに端を発してるのだから。
呼び方がそっちになったのも、声が低くなったのも当然で偶然]
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