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……何かあったか?
[それが一番最初の感想だ。
彼がキョウヤと出会ってから早六年になるか。小学校五年生の時に京都からこの町に引っ越してきて以来の付き合いだ。キョウヤはこれまでも彼の突拍子もない発言と、天然ぶりに振り回されていたのは自覚していたが(自覚していただけで、直せなかった)、その中でもこんな、
・・・・・・・・・
まるで人を遠ざけるような内容の連絡を寄越したのは見た記憶がなかった。
……尤も、彼の事なので忘れている可能性が高いのも否めない事実であるが]
……キョウヤを探す。
[彼はそうソレに言って、キョウヤを探すべく町をうろつき始めた]
ん――
[ 不意に視線がゆるりと動いて、地に水平になる。
規則性のない風が、一定の流れを持ったかのように、
彼のすぐ傍を過ぎっていった ]
為すべきこととか言われてもさ。
判断基準が無いんだよね、こっちには。
[練習終わって、シャワーを浴びて。
本来まだ使えない時間なのにというのは、取り引きで交代した掃除のついでだったとかなんとか。ある種の職権乱用]
にしても…あっついな。
イライラするったらありゃしない。
[どこぞの誰かとは反対に、属性的にも弱いのかもしれないですね。普段はそんなこと考えたこともありませんが]
もう虱潰しでも何でもいいや。
とにかくどうにかしよう。
[トントントン、とリズムを踏みながら学校へ向かう。
多少の疑いを掛けている二人、そのどちらの連絡先も知らなかったから、事務室にでも入り込んで調べようかと。濡れたままの髪から飛び散った水滴が光を弾いた]
―神社―
[呼び出した側は、もちろん居ました。
つーか待ちすぎて退屈の余りちょっくら探検しちゃれとか思わんこともなかったが、それで擦れ違ったら目も当てられないので石段見える木陰で体育座り待機していたとか]
……やっぱ時間もっと狭めとくんやったなー。
[元の性格からして、待ってるのは性に合わず、ひざ小僧に何度も何度も突っ伏しちゃー起きるの繰り返し。
視線は神社入り口に釘付けだったので、先に来ていたサキに気付く事はまったく在りませんでした。警戒心なさすぎですな]
[親友の心情の動きなど知らない。とりあえずマリーとデートでもしてこい。とかなんとか。
とにかく石段を登りきればそこには既にリカがいて近くまでいき]
よっ。璃佳。待たせたな…しっかり今日もあっちーなぁ。
…ああ、久鷹だけど。マリーとデートだから無理らしい。
[真っ赤な嘘をさらっと吐く]
ま、天魔ってのがやばい存在ってのは一応わかったんだけどなぁ
[困ったもんだという態]
[延々えんえん待って聞かされたのは無常な一言(しかも嘘)でした]
あんのバカップル!
や、後から呼び出そうとしたんうちやけどな。
せやかて昨日もいちゃついとったんやし、ちょっとくらい時間割いてくれてもえーやん!
[この暑い中、ケータイない身にわざわざ伝えに来てくれたキョウヤに当たってもしゃーないと思うも、口が止まらない止まらない]
─七曜学園・校門近辺─
[校門前までやって来て、ふう、と一つ息を吐く。
これから、屋上まで登って、と考えると、ちょっと憂鬱かも知れないが。
……まあ、他に入り口ないんだから仕方ない、とかなんとか思いつつ、校舎へと向かう]
……後で、出入り口は増設しとくか……。
[最初からそうしろ、とも言うが]
しゃあねえだろうが、あの二人呆れるほど仲いんだからよ
[バカップルとかには半端ない同意を返すが]
っつーかそれわざわざ告げに来た俺だって結構な手間だぜ……ま、それ以外にも三つぐらい用事があって来たんだけどな
まず一つ、おれ自身にキョウヤんよばわりは百万歩譲っていいとしても、広めるなや
[それは電話した相手にだったり。
そう言いながら一歩璃佳に近づく]
二つ目。蒼龍がすっげーむかついてその気分転換
[というか気晴らしだけど。と内心呟きながら、また一歩]
んで、三つ目なんだが…
俺は、ダチやるって聞いて、はいそうですかって素直に聞ける性質じゃないんでなっ!!
[念じると同時に右腕に出るは、漆黒の柄とそれに絡みつくように蒼龍の装飾が施された、銀の刃を持つ戟
ダンと音が鳴るほど地を蹴りつけて間合いを詰めて、リカめがけて刃で横斬りに斬り払わんと、戟を振るった]
―自宅―
[行ってらっしゃい、といつもの笑顔で従妹を送り出して。
ばたん、と扉が閉まる音と共に、小さく吐息を零した。]
…急ぎの用事、ねぇ。
[どうやら粗方の内容は聞こえていたようです。盗み聞きは良くないが仕方がない。
いつもならば賑やかに電話しているのに、突然こそこそとし始めたら…気になるに決まっている。
最後の皿を片して傍のタオルで濡れた手を拭うと、ポケットの中から携帯を取り出した。]
――まぁ、自分から動いてくれる分には構わないのですが。
[本当は自分に愉しい事が回って来るならば万々歳だが、
仕事が減るなら、それに越したことは無い。]
ん、タイムセールの時間だ。
出かけよ。
[…自分の生活もあるし。]
……めーんどくせぇ、なあ。
[ ぼやきつつ、鞄をごそごそと漁りだす。
やがて、ちゃき、と取り出したのはサングラス。
フードを外して、代わりに装着。
――どう見てもヤの人です。ありがとうございました。]
―学校―
さて、来たはいいけれど。
忍び込むしかないかな、こりゃ。
[職員室では理由が言えないから拙いわけで。
そんな理由で事務室に裏から入り込もうとしてるとか]
あ、失敗。宝条先輩はともかく、我妻のはマリィに聞いても分かったかも。夜のうちに聞いておくんだった。
[今更なことを呟きながら、ピンを片手に取り出した]
[ ふっと、眼を細める。
黒のシェイド越しの瞳は、碧から黒へと色を変え。
ひゅぅと風が彼を中心に巻き起こり、何処かへと飛び去った ]
[あ、ちょっと言い過ぎたな。
とか思ったのはキョウヤが一歩近づいた時でした。時遅し]
あー、うん、手間かけたんはうちが悪かった。あんがとさん。
キョウヤんはキョウヤんやもんでつい、その…そんなアカンかった?
[一個目の内容からして文句だったんで、後の二個に備えて慌てて立ち上がる。尻に付いた土を払い、手も払って誤魔化し笑い。
蒼龍はうちのせいやない!と思うも、お口チャックで保身を図る。
そうして、三個目。
言葉と共に現れる戟、眼鏡の奥で目が金色に染まる]
――っあほんだらー!
ダチやったらヤツ止めんかいっ!
[音が鳴るほどの踏み込みに、背にした木を避け斜め後ろに飛ぶ。
着地と同時に手を天に伸ばす。黄龍のよな長い剣穂が風に靡いた]
[すたすたと、校舎内に入る。
それと前後するように、屋上には紅鴛がふわり、と飛来して]
……取りあえず、出入り口は各人に反応するように組み上げればいいから……。
後は、外殻を強化して……。
[ぶつぶつと呟きつつ、階段を登っていく。
ちなみに例によって、人がいるとは思ってもいない]
[ 幾許かの時を経て、風は彼の元に戻る。
見出したものを報せに。
何かを受け入れるように、手を伸ばした。
ひゅるぅる、と渦を巻いて、消え失せる。
近づく気配には意識を払っていなかった。
今見られたとて風は霧散しているものの、
力を用いた残滓として、瞳の色はすぐには戻らない ]
[少し離れた場所から聞こえる言い合いの声と、属の波動に瞳を開ける。若干だるそうなのは、自分の相克である木の上で休んでしまったためかもしれない]
…だる。
じゃなくて。
[自分が漏らした言葉に突っ込みを入れつつ。感じた属に眉を顰め、一段下の枝へと慎重に降りる]
……なっにやってんだよあいつら……!
[枝葉の隙間から見えたのは五神と判断した己の親戚と同じ四瑞の従妹が相対している姿]
キョウヤん呼ばわりはせめて家のほうに電話するときはやめてほしんだがな
[外れたのは仕方ないかと思う。己と同じように力を得てるらしいわけで、穂先が木を削りとったが、とりあえず気にしないことにした。責任はとるらしいし
振り払った戻しの動作の間に璃佳も武装召喚を終えている
くるりと手首で戟を一回転させ、穂先を璃佳に向け構え]
んなもん言われんでもわかってる…何かする前に電話来たんだけどな。
ま、感情があるぶん割り切れんと思って許せ。
[璃佳の指摘は尤もだと思いつつ居直る。実際先を思うと頭が痛いが、今は目の前のことを済まそうと前へ。払う動作は木が邪魔と。
剣を持つ腕の肩と腹部を狙った二連突きを放つ]
[財布と、携帯。いつもの様に必要なものだけを持って家を出る。
強い日差しの照りつける道を辿って――分岐路で、左へと曲がる。
丁度学校を挟んで真逆に位置するスーパーへ行くのなら、
学校を横切った方が、多少なりとも早い。]
――暑、
[学校の門を潜って。つ、と首筋を伝う汗を拭いながら、手近な木陰へと入る。
いつも学校を横切るのは、こういう面でも便利だから。
アスファルトの上を歩き続けるより、何倍もマシだ。]
[舞い降りた紅鴛は、吹き抜ける風にゆるく首を傾げたか。
主の方は、何の気なしに階段を登り、扉を開けて──]
……っと、あれ?
[誰もいないと思った空間。
そこにある人の気配に、怪訝そうな声を上げ]
ん、おっけ。
こういう時に携帯あればもっと楽なんだけどな。
[警報装置のついてない扉は予め調べてあったとか。
何のためにとか聞いてはいけません。役に立ったんだし]
さて、呼び出しやすいのは同級生だけど…おや?
[メモ用紙から目を上げれば、用事のあった人物が。
忍び込んだ意味なくなったとかも言っちゃダメ]
お暑い中ご苦労様です!
[ポケットにメモ用紙を捻じ込んで、木蔭にいるタマキの方へと移動しながら声を掛けた]
−自宅−
[一晩にわたる交渉の結果、ようやくデジタル赤ひよ子と融合することをものすごくしぶしぶ了承し。
ストラップがなくなった代わりに左の耳に赤い石。
手持無沙汰そうにそれをいじくったりしていたのだが]
…。
[あのよくわからない説明の結果どうしていいのかもわからないわけで。
軽く頭を悩ませていたが、ガタン、といすから立ち上がれば財布と携帯に手を伸ばす。
脳が疲れているときには糖分に限る。
目指すは学校のそばの和菓子屋。
チョコかき氷が食べたい、なんてそんなことを思いながら、リビングで爪磨きだの宿題だのしている姉達に出かけてくる胸だけ伝えて、玄関を出ると自電車に乗って目的を目指し]
−→学校付近−
[ほんの一瞬、意識はどこかに散歩していたらしい。
それでも、その呼び方はすぐに意識を呼び戻し]
諸悪の根源、はともかく、ミックんいうな!
[突っ込み所はそこなのか]
しっかし、この暑いのに……酔狂だな。
[自分は完全棚上げ発言]
[キョウヤが戟を構える頃には、こちらも手にした剣を構え終え]
まあ、あだ名の件は考慮せんコトもないけど、もう一方は聞かれへんわ。
この手のんが時間経ってようなった例ないんくらい"知ってる"やろ。
[普段のだるそうな態度のせいで、ここまで友情に厚いと思わんかったんは迂闊としか言いようがない。
居直る態度に舌打ち一つ。
前に動くキョウヤに合わせ、動体視力を駆使してかわそうと睨む]
――くっ!
[一段目の突きは半身引いてかわすも、前に出る前に来る二段目。
咄嗟に剣を刃と刃の間に入れて止める。
同じ非運動系でも男と女。競り合いは不利と刃を引き地を蹴った。ふわりと浮く体]
せいっ!
[気合一声、空を蹴り戟を持つ腕を狙い刃を立てに振るう]
――おや、そちらもご苦労様です。
…えっと、五十嵐さん。でしたか?
[従妹の知人だというのは記憶にあったが、しっかり覚えているわけではなく。
近付いてくる少女に、こんにちは、と頭を下げながらゆるりと笑みを向けた。
ポケットに何か捻じ込んだのは見えたが、然程気にする様子もなく]
夏休みに学校とは、もしかして部活ですか?
[部活に入っていないとは知らないために、不思議そうに問い]
はい、二年の五十嵐です。
テニスのお手伝いは昼前に終わったんですが。
ちょっと調べたいことがありまして。
[別に校内では隠してることでもないので、サラリと答え。
あと数歩の距離まで近づいたところで足を止めた]
宝条先輩、そちらも外に出られないクチですよね。
それでも昨日遅れてきたのって、何か知っていたからですか?
[明るく爽やかに。両手はまだ横に下ろされたまま]
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