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[激しい憎悪の中、ぽつりと浮かび上がる悲哀にも似た]
……逃げ…
[それは唇から零れたか、零れたように思っただけか]
[緋の闇に沈んで行く彼女が知る故はない]
[ネリー][血に染んだ侍女服を纏った女性が]
[生まれたばかりの獣に抱かれ]
[息絶える迄の刹那]
[庇護していた少女を][霞みゆく眸で見詰め]
[弱々しく震える唇で][何か告げようとしていたのを]
[終に彼が知る事は無い。]
……悲しいことだわ
[意識の浮かぶことはあぁ…
わたしの意識はその光景をみている。]
もう戻れないのだわ……
わたしもあなたも
[わたしとは違う、
それでも異端である者。]
生きている限り
戻れなかったのだわ
[まるで夢の中のように少し遠い光景。
あぁそれもそうだ、わたしは彼の腕の中にいるはずなのだから]
[不思議な感覚だった。
わたしは夢の中で現実をみる。
悲しいこと。
彼らをわたしは止めることができず
わたしは彼らの狂気を見るしかできず]
殺してあげられれば良かった……
[あぁわたしだけでよかったのに
かなしむ人はみたくなかった。
優しい子たちが、そうしてしまうのを見たくなかった]
[ゆらり
張りつめていた空気が揺れる
切り裂く銀は
しかし少女には荷が勝ちすぎたか
其れを掠めるだけで]
[撃たれた青年は
わずかに血を流し
ナイフを取り落とすも不可思議な笑みを浮かべ]
…あぁ、あいつが
[腕に抱いた女性の命を喰らったのは
紛れもなく彼なのだと
確信せざるを得ない
獣の…]
[また新たに空気が動く
霊視の巫女…その彼女が落ちた刃を
しかし其れは獣には向けられず
彼を撃った少女の命を奪う]
…あぁ、信じた物を守るために。
[其れが間違いであると誰が責められるだろうか?]
[ 歯車は何処から狂い始めたのか、或いは最初から狂っていたのか。広間は生命の証と揺れる焔とで緋く彩られ、其処に在るのは狂気の宴。人間には毒、獣には美酒を思わせる、噎せ返る程の甘い馨り。
護り手の少女の視線の先には、恐怖にか足を竦ませ震える幼子が。然し其の声を聴き留めたのは巫女だけであったろうか。
何時の間にかカーテンの向こうからは零れる月の光。少女へと緩やかに向けられる黒の視線も叉其の色を宿す。]
……武器庫では、どうも?
[ 柔らかに紡がれた科白に、少女は其の意味を理解したろうか。]
壊れたものは戻らない……
[わたしはそれでも
あわれみは覚えられずに]
あなたたちはしあわせで、
しあわせを求めて
だからそれしか…………
[*わたしはただ、ゆめのかなしみの中に涙をこぼす*]
[そしてまた新たに空気は動く]
[動いたのは男の命を奪った彼
緑の髪の少女に襲いかかり
押し倒し
何か囁いた後で
手にした刃でその首を掻き切り
目覚めた獣は血を啜る
その刃の正体を知り
自嘲]
[少女の目前では、いくつかのことが同時に起きていたけれど、ヘンリエッタが見ていたのはただ一人。
彼女の姿が、琥珀の目をした男の影に隠れ見えなくなった時、少女は弾かれたように動いた。
唇からもれる叫びはただ、その名のみ。]
[彼は言っていた
『あんたがトビーを殺したおかげで記憶が戻った』
と。
そして彼は男を殺し
血を貪り
そして己の牙となる刃を手に入れる]
…奴を目覚めさせたのは、俺か?
そして牙を与えたのも。
[自嘲の笑みは
やがて声を伴い
くつくつと笑いながら
広間を見つめる]
[――嘆く彼の上に、赤い雨が降り注ぐ。
それは、既に死した身である彼を染める事は出来なかったけれど。
命の雫であるがゆえか、揺らめく身体へ仄かな温もりを残し、通り過ぎて。]
……っぅ、…っく……ネリー…さ……ん……
[呻けども、声にならず。声になったとしても、嘆きは届かない。]
[――そして、茶色の髪の青年が、少女の命の泉溢れる喉元へと口を付けるのを見れば。ついに耐えかねたか、涙溢れる目を硬く閉じて、]
[ぴちゃ][ぴちゃ]
[濡れた音だけが、耳へと届く。]
……ゃだ……やだよぉ………
元の…お兄さんに……戻ってよぉ……ねぇ………!?
[目を固く閉じたまま、彼の知る”お兄さん”へ戻ってと、何度もうわ言のように繰り返す。
言葉も祈りも――青年には届かないと知っているけれど。]
[――やがて、音も *途絶えるだろうか。*]
[幼き姿を見つけ、目を細め。]
大切なものは守れても、己の身だけは守れぬか。
…己が身を盾にしたとて、倒れれば次はあの子だというのに。
けものから人をまもるのが私たちの役目。
自分をまもることを考えてはだめ、だって。
[“施設”で教えられたことを、ただ口にした]
[少女の問い掛けに答える為、視線を。]
ここは、死者の集う安息の地。
ま、天国じゃないみたいですがね。
[*くすくす*]
…お前もそう言うのだな。
守る為なら死んでもよいと。
その後に残したものがどうなろうと知ったことではない…か。
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