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[いくら声を張り上げても、全て霧に遮られている気がしてならない。それでも止めるわけにはいかずに呼びかけ続ければ、やがて喉は痛む。
ふと霧がゆらぎ、影が見える。
はっとしてその姿を見つめれば、飛河の姿が見えた。>>45
声に気づいて戻ってきてくれたのかと思ったが、そう思うには、彼女の表情はあまりにも冴えなかった。]
「なんで」? 戻ってきたのではないんですか?
[それに対する彼女の返答は、礼斗の声に答えるというよりは、独り言のような言葉で]
それは、……どういうことですか。
あなたはここに居てください。
[まだ混乱している彼女の両肩に両手を置いて、その瞳を覗き込む。
それから霧を一睨み、意を決して霧の中へと飛び込んだ。
今の飛河は、とても冷静な思考をしているとは見えなかった。人は平衡感覚を失うとまっすぐに歩けないというし、彼女の「カーブした覚えは無い」という言葉は信じるには少し足りなかった。
その点礼斗は、まだ何が起こっているかを知らないゆえに落ち着いている。
白い視界の中を、なるべく足元を見るようにして走った。
そうして霧の中をゆけば、やがて大きな影がうすらぼんやりと見えてきた。
は、と顔を上げる。
そこには未だ、飛河の姿があった。
彼女の元に再び近寄る。]
これは一体……。
飛河さん、何があったのですか。何を見たのですか。
[なるべく口調が攻撃的にならぬよう、はやる心を抑えながらゆっくりと問う。]
[そのまま、視線は下に落ちた。
事切れた綾野も、駆け出して行った珠樹も、このままにしてはおけない。
頭では分かってはいるのだが、身体の方はそうは動かなかった]
……。
[手の内で小さな灯りが明滅している。
恐る恐る片手を持ち上げて、スマホの画面を見て、 口を開く]
…… 『鷹津 聡は 人間のようだ。』
[そう呟いてから、顔を上げた]
“占い師”がいる、ってことは。
“人狼”もいる、のか……?
[その場にいる者への問いかけなのか、独り言なのか。
亘の表情は固い]
─ 玄関外 ─
[問う声>>46に緩く顔を上げる。
けれど、説明をするには頭の整理が追いついていなくて。
答えられないで居るうちに、礼斗はここに居ろと言って霧の中へ飛び込んでいった>>48。
両肩に置かれた両手の感覚が、少しだけ珠樹の意識を混乱から引き戻す]
……なによ、これ
逃げられない、逃がさないとでも言うの?
[礼斗が霧へと飛び込んだ後、震える声で呟き、両手で身体を抱き締めるように両腕を掴んだ。
身体が震えているのが分かる。
止めようと思っても止まらない震え。
は、と短く呼吸を繰り返していると、霧の中へと飛び込んだはずの礼斗が再び近付いて来た]
……顔、洗いに行って、お風呂の脱衣所に居たんだけ ど
家の中なのに、急に、霧が立ちこめて、
なにか、物音がしたと思って、振り返ったら……
かっ、香月、さんが 血塗れで、しん で───
[目の当たりにした光景を思い出し、声を詰まらせながらも礼斗の問いに答える。
混乱したままにしては説明出来た方だと思う。
問われるなら一人だったことも答えるが、自分が疑われるなどと言うことは頭に無かった]
な……なに、その。
まるっきり、シスメな文章。
[一拍間を置いて、零れたのはこんな一言]
そりゃ、俺は人間です、けど。
……その言い方って、まるで……。
[占い師のシスメじゃ、と。
言おうとした言葉は、亘の口にした二つの単語にまた途切れた]
……え、なに。
マジで、リアル人狼……で。
香月さんが、初回襲撃された、とか、そーゆーこと?
[思い出すのは、広間のパソコン。
人数的な合致、一人目の死と、自分に対する『占判定』。
合いすぎる符号に、一瞬、眩暈のようなものが感じられた]
[霧の中を走って、なぜこの場所に戻ってきてしまうのか理由は分からない。
こんなことはフィクションで起こるべき出来事で、礼斗の知る日常からはかけ離れすぎている。
だがここで混乱を表に出してどうする?何も変わりはしない。
飛河が語る言葉を、相づちをつきながら口を挟まずに聞く。
そして彼女が言葉につまれば、もう分かったと首を横に振った。]
香月さんが、何者かに殺されたという事ですね。
僕は、先ほどまで彼女と一緒に大広間にいたはずなんです。
ですが、一瞬意識が飛んだと思ったら……彼女がいなくなっていました。
あれが「霧」だったのでしょうか。
飛河さん、あなたは誰かと一緒にいましたか?
[ずれかけた眼鏡をかちゃりと動かして位置を直す。
最後の答えには「1人だった」との答えが返ってきた。]
[状況を見てみなければ何とも言えない。
言えないが、この時点では礼斗は飛河を疑えない。
加害者が複数いる可能性は、まだ残っているのだから。]
お願いがあります。
僕をその場所に連れて行ってくれませんか。
それに、今……単独で行動するのは止めた方が良い。
酷な事を言っているとは思います。
あなたは目を瞑っていて良いから。
[ここで下手に屋敷内を彷徨って、誰かに背後から――という展開はまっぴら御免だ。
ショックを受けている彼女には悪いと思うが、頼み込む。]
[道中ふと思いついて、後ろから案内をしてくれる飛河を振り返り、口元に笑みを浮かべながら眼鏡を外して手渡す。]
良ければ、かけます?
魔法の眼鏡ですから。
[ただのPC用眼鏡だ、かければ視界が黄色がかって見えるがそれ以上も以下も無い。
礼斗にとっては日常と非日常―オンオフを切り替えるためのスイッチではあるが。]
それにしても、僕は「juju」さんのことを高校生さんかと思ってたんですけどね。
どうもお世話になってます、「ro0okie」です。
[ついでに正体も明かしておいた。
これが彼女に取って何の判断材料になるかは知らないが。]
―浴室前―
[飛河に案内されるままに目的の場所へたどり着けば、そこには既に駆けつけていた人たちの姿がある。]
失礼、僕にも見せていただけますか。
[そう言って間をすり抜け脱衣所に至り、香月の遺体を見る事に。
それは、想像していたよりもショックの大きなものだった。
は、と息をのむ。
映画やドラマでみるような作りものではないと眼前に突きつけられた。
血のにおい。
とても長くは見てられない。死因など探っていられる余裕は無い。
どう見ても香月は死んでいる。その事実は変わらない。
口元を押さえて吐き気を堪え、廊下に飛び出した。]
─ 浴室前廊下 ─
人狼を見つけて、処刑するか……
さもなければ全員食われる、って事だ、な。
[やや躊躇いはあったものの、亘はその言葉を口にした]
聡くんは違う、らしいのは分かったけど。
他はな、何を元に判断したら良いのか……
[ゲームのように発言を一覧で見れるわけでもない。
裕樹は未だその場にいたか、悩むように視線を巡らせる]
─ 浴室前廊下 ─
……なんでこーなった、はそろそろ追及するだけ無駄な気がするから、ちょっと置いといて。
[そこに思考を向けるよりも、現状の打開策を追及すべき。
ぐるっと回った現実逃避は、開き直り、という境地に到達していた]
……一先ず、菊地さんの事は信用、します。
この人数で騙りとか、さすがにないでしょーし。
[100%ない、とは言い切れないが。
それでも、一つの基準になるのは確かだから、そう言って]
……確かに、判断基準になるもんないですよ、ねぇ……。
[悩むように視線巡らせながらの言葉>>62に、同意して。
続いた言葉>>65、その言わんとする所は察しが付くから何もいう事はなく]
─ 浴室前廊下 ─
[じゃない、という返答>>68に滲むのは苦笑。
押し殺すような声と先ほどまでとは違う雰囲気に僅か目を細めるものの、今は、そこには触れず]
……わけわかんないけど、離れられない、か。
本格的に、リアル人狼、ってとこなんかねぇ、コレ。
[ため息と共にこう呟いて、僅かに目を伏せる。
この状況がリアル人狼なら、やるべき事は単純。
……もっとも、単純なだけに、厄介と言えるのだが。
亘がメールの話をする>>65ならば、大丈夫なのか、との思いを乗せた視線を向けるものの。
この状況では伏せていても埒が開かないのも事実なので、それ自体を止める事はしなかった。**]
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