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招待側にしてみりゃ、今回のやり方が『正規』なんじゃねーの?
[金の髪の青年に返す言葉には、その瞬間だけ憤りの響き。
勿論、『弱点』をそれと知りつつ抱えている自身の落ち度もあるのだが]
ま、色々と。
[不法侵入云々はさらりと流して。『現状』という区切りにかもな、と肩を竦める]
[向けられた挑戦的な視線に、薄く、笑む。
孤狼の笑み、それは刹那で消えて]
ま、お久しぶり。
嘆くかどうかは、これから次第……って事でいいんじゃねーの?
[さらり、と返しながら。
奥で身じろぐ気配に、軽く、首を傾げ]
風邪をひかせない様に、という配慮は君らしいけれど。
…小人表現は、如何なものかと思うなぁ。
[指し示された先、僅かに身動ぎした白い毛布の塊に、一度瞬いて。
そこから顔を覗かせる見慣れた猫に、笑みを向けつつゆるり首を傾ぐ]
…嗚呼、おまえも来てたの――藍苺。
[こんな主人を持つと苦労が耐えないね。
冗談交じりに小さく笑いを零して]
[俺は悪くないもーん。
そんな様子で非難の視線混じる翡翠の瞳から視線を逸らすと、ちょうど小さな女の子がもぞり動いたので生きてるなぁ、とバカみたいな安心の呟きをこぼした]
…んー、これから次第、ねぇ。
あんまり期待できねーよなぁ。うん。
[眠る少女の傍らに腰掛けて、ちょいちょいと猫の鼻先つついて遊ぶ]
これが『正規』か。
――…まぁ、そうかもしれませんね。
[僅かに混じる憤りの響きに、薄く翠を細めて。
続く青年の言葉と、知人の様子に僅かに眉を寄せる。
……少なくとも温和な関係では無いという事だけは、判った。
思わず、溜息が零れる。…この先、あまりどころか全く期待出来そうにない。]
…だって小さいしさぁ。
小さい人だからいいじゃねえの。なー?
[飼い猫に同意を求めたら、鼻先突く指先をにゃっと噛まれて自爆。
それから自分の名前を呼ぶ飼い主の隣人ににゃーん、とご挨拶。
一方、飼い犬ならぬ飼い猫に指先噛まれた青少年はといえば不満そうに猫の眉間をぐりぐりと押した。
猫がニャーニャー煩いが知ったことじゃない]
ちくしょー、お前やっぱり俺より日碧(リーピー)の味方だな相変わらずっ!
[ぐりぐりぐり。にゃーにゃーにゃー。
人と猫の攻防戦が幕を開ける]
ま……期待なんてのは、往々にして折れるためにあるもんだからな。
[どこまでもさらり、と言いつつ。
白い毛布に包まれている者に目を向けて]
……?
[何故か、感じるのは。微かな、違和感]
ま、なんにしろ、今は身動きも取れんし。
招待側が、説明してくれるまで待つしかない訳だが。
[肩を竦めて言う頃には、憤りのそれはなく。
常と変わらぬ、飄々とした態度がそこにある。
ため息をつく青年の内心などは、当然の如く知る由もなく。
人と猫の攻防戦になにやってんだか、とぽつり]
…幼くても、人に違いは無いんですから。
小人だと、…少し語弊が出ると思うけれど。
[呆れ半分に苦笑を零しながらも、
小さな友人の返す挨拶に、ゆるりと金を揺らして。
繰り広げられる攻防戦も見慣れたものなのか、へらりと笑う]
藍苺に乱暴はよくないですよ。
――日頃の行いが物を言うんじゃないですか?
[緩やかに、小さく笑う金の青年も、猫の味方。]
そ。じゃあ俺が叩き折ってやろうか。…なぁんて。
[にゃーにゃー、ぐりぐり。
相変わらずの攻防戦を繰り広げながら、猫と戦う青少年は青年のほうを見る。
そこに隙があった。
猫、青少年の手を引っかく。猫、勝利]
――説明してくれるまで、ですか。
…気長に待つしかなさそうですかね、これは。
[招待客が、あとどれだけ来るのやら――…
ゆると翠を瞬きつつ、白の毛布に包まる少女に眉を寄せた。
…意味も無く無差別と言うわけでは無いのは、判るけれど。
玄関ロビー付近に転がっていた、謎のアレもそうなのだろうか。
思案するように、口許に手を添えて]
いいじゃねえかよ、お前なー。
昔あったデカい遊技場の入場券は大人・中人・小人って区別だったんだぞ!!
[引っかかれた手を不満そうに引っ込めながら、青少年は藍苺と日碧の間で蒼消炭の双瞳揺らす]
日頃の行いって何だよそれ。
餌に変なもんやった覚えはないっ。
今日だって海老と貝紐食ってんだぜ、こいつ。
[黒猫を睨み見下ろすも猫はそ知らぬ顔して仲良し相手のほうへと一声。にゃーん]
その叩き折りの挙句にどうなるか……まで、考えてんかねぇ?
[猫に敗北する様子に、くく、と笑いつつ、空いている椅子の一つにひょい、と腰を下ろす。
先ほど感じた違和感が気になるのか、視線は毛布に包まれた少女の方へ]
……まさか……な。
[零れ落ちるのは、小さな、小さな呟き]
考えてるわけないじゃん。
考えてるように見える?にーさんには、さぁ。
[とんとん、と自分のバンダナのない頭指差して悪びれる様子なく舌ひとつ出す。
小さな呟きに、ちろりと瞳は彼を見たけれど問いかける様子もなく、ただ黙して時が過ぎるを待つばかり]
――フェイ、まさかとは思うけど。
…小人(こびと)と、小人(しょうにん)は、違うよ?
[翠をゆると瞬きながら、視線を向ける。
引っ掻かれたらしい、引き下がる手に苦笑を漏らしながらも
大事では無いと判断したのか、特に言及せずに]
日頃の行いは、日頃の行いだよ?――餌に限らず。
…今日は、随分とご馳走貰ったみたいだね、藍苺。
[美味しかった?と、一声鳴く友人に小さく笑う。
大きな友人の言葉には、全く持って聞く耳持っちゃいない。]
[その頃。
ブリジットは待つのに飽きたのか、階下に降りたものの、広間には近寄って人の気配を確認したのみで、外へと続く廊下を歩んでいた。]
今から暴れて、いざ、って時に動けないのはただの馬鹿だからな。
……多少、不本意でも待つのが正解。
[金の髪の青年にひらっと手を振りつつ、軽く言って。
考えてるように見える、との問いには]
見えん。
[きっぱり、言い切った]
……ま、冗談はさておき、怪我やらなんやらは、そこの部屋で治せるらしーぞ。
個室に医療設備完備とか、おかしく至れり尽くせりで不気味っちゃねぇ……。
[ため息混じりに言いつつ、意識の一部は、記憶の奥へと]
…う。
[黙った。自滅]
なんだよそれー、ちくしょ。
[むす、と頬膨らませてご機嫌仔猫のほうを見やれば抱きしめられてるわ、何気に日碧と意思疎通しているわで、何だか飼い主としては悔しいばかりで、不機嫌そうに仔猫の鼻っ柱をはじいた]
あーあー、つうか今日の夕飯ひさしぶりに天津飯にしようと思ってたのによ。
帰れなかったら卵が傷むー…。
[眠る少女の髪をなんとなく撫でながらも紡ぐはまるで主婦の一言]
[わざわざ個室に行ったにも関わらず、鞄は手にしたまま。
緩やかに視線を彷徨わせながら歩み、玄関ホールに辿り着く。
周囲に気を散らしていたためか、隅の壁に転がっている物体に気づいた。卵のような白。まるで、寄りかかっているかのようにも見える。
来たときにも、あっただろうか。
その場に立ち止まり、上体をやや前へと倒して、覗き込むようにする。
動く様子はない。]
…ま、もっともですね。
[蒼の青年が告げる言葉に、溜息混じりに言葉を返して。
ふと、友人の零す言葉に緩く瞬いた。]
――ああ、それは勿体無いなぁ…。
フェイの作る天津飯、美味しいし。
[是非ともご相伴に預かりたい所なんだけど、と眉を寄せる。
しかし、――即刻に此処を後にする以外に、
流石に卵の傷みをどうにか出来る気はしない。]
……っつか、そこで俺が見えない、と言うとでも。
[ぼそ、と突っ込み一つ]
まー、取りあえずはのんびりするしかねーわな……。
そういう気分になれるなれない、はさておいて、な。
[はあ、と大げさなため息をつきつつ。
まだ眠っているらしい少女を改めて、見る。
記憶に残る妹分の一人と、その姿は容易に重なって]
……なわきゃねぇと思うんだけど、な……。
[無意識の内に、小さく、呟く]
[拳で、軽くノックのように叩く。
予想よりも柔らかい――というより、弾力があった。
しゃがみ込み、膝の上に腕を預けた姿勢で、今度は、指先で触れる。やはりというべきか、通常の卵とは異なる触感。
するりと、滑り落ちる手。]
……?
[造り物には思えず、かと言って、生き物というにも不可思議な存在。
答えは見つからなかったらしく、そして、どうにかしようにも自分一人では手に余る――途中、軽く押してはみたが、如何程の意味があったことやら――と考えたようで、立ち上がった。
スカートを叩く。]
へっへーん、俺の十八番だからな!
[天津飯、大好きだし作るのも楽しいし、と満面の笑み。
しかし作りたくてもここに厨房があるかどうかなど知りもしないし、愛用の厨具だってない。
そもそも、重要なのは自分のフラットの冷蔵庫の中身だ]
…いや、あんま期待してないかなー。
[ため息つく様子を横目にさらっと一言。
猫はといえば、もそもそと相変わらず隙間でぬくぬく猫たんぽ状態]
――この前の蛇はどうなのさ。…蛇は。
[満面の笑みに、小さく苦笑しながら、ぽつりと零す。
あれが十八番だったら、願い下げだ…とまでは言葉にしないけれど。
得意料理にするには少々好き好みが分かれる部分ではありそうだ。]
――、…?
もしかしてそっちの子も、知り合いですか?
[青年の呟きに、ゆるりと瞬く。
随分顔広いんですね、と冗談交じりに言葉を零しながら
ゆると首を傾ぐ。頬へ零れた金が、さらりと揺れて。]
それで正解。
[さらりと返された言葉に、更にさらりと返しつつ立ち上がり]
……て、え?
[金髪の青年の問いに、きょとん、とする。
どうやら、呟きを聞かれた事には気づいていなかったらしく]
……知り合いだったら、出来の悪い冗談……ってとこなんだがね。
[軽く肩を竦めて言いつつ。
悩んでいても始まらない、と見に行くのはここに来た時に個人データを見せられた端末。
登録されているデータから、目当ての物を見つけ出し。
数瞬、沈黙してから、また元のように椅子に座る]
……、?
まぁ…んじゃ、お知り合いじゃないことを祈っときます。
僕のお祈りじゃ、どれ程効力あるか知りませんけど。
[小さな吐息混じりに、ぽつりと言葉を返して。
黙ったまま、再び席へと戻ってきた青年に、
ゆると傾げながらも、深く追求することは*せずに*]
蛇?ああ、あれか。
十八番とは言わないけど得意ではあるかなー。
美味くない?ちょっと骨硬いけど。
[首を捻り、ご近所さんをじっと見る。
蛇だというまでは普通に食べていたくせに今更何を、と聞きたそうな顔になっている。
それから、アーベルの一連の様子を見ていたが、その間も少女の髪をなでる手は優しく、やさしく]
[周囲は、暗い。
今出て来たばかりの建物とは異なり、立ち並ぶビルは崩れ落ちて、辺りを包む闇と相俟って、廃墟というに相応しい様相を示していた。
*恐れる素振りもなく、歩みだす。*]
……祈りとかってモンは、基本的に信じねー主義なんだけどね、俺は。
[呟きに、こちらも呟きで返して]
……考えすぎと偶然の一致……なら、いいんだが。
[軽く目を閉じて小さく呟き。
もう一度、眠る少女の方を見やってから、立ち上がる]
……さって、と。
ここにたむろしてても状況動きそうにねーし。
上に、個室用意されてるらしいから、そっち見に行ってみるか。
[身体を軽く伸ばしつつ言う口調は、常の飄々たるもの。
んじゃ、と言いつつひらり、と手を振ると、広間を出て、*二階へ向かった*]
……いっそ知りたくなかった、かな。
――そしたら、まだ平和に食べていられた気がする。
[例え、あの脊髄と堅い骨が、緩やかにうねる構造をしているな…と
食している途中に気付いたとしても、見えない降りして現実から目を逸らせたのに。
物言いたげに向けられる視線から、翠をゆるりと逸しながら
あの時の食卓を思い出して、小さく溜め息を*零した*]
―中央部建物玄関ホール―
[ブリジットが歩き去って幾らもせず、白色の物体が揺れた。
滑らかだった外見は羽毛にも似た複雑な起伏を生じ、
やがて形状そのものが外側へと膨張する。
開かれた白の中に覗く色彩は白に映える蒼。
たっぷりとしたフレアスカートが床に零れた]
――――。
[すっかり翼の形に変化した白い外殻は
はたりとフレアスカートの波に浮かぶように床に降ろされ、
そこには小首を傾げて周囲を見渡す少女の姿]
…いいじゃん、美味いのにー…。
[食べ終わってから伝えるよりは、騙まし討ちにならないからいいと思っているわけで。
八角を使ったそれは、なんとなく豚の角煮にも似た味でなかなかのものなのだが、あまり気に召さなかった様子に首をこてんと傾げてみれば猫がその状況を楽しむように*みゃー、と鳴いて笑った*]
■名前:イレーネ=ライアー Irene=Reiher
■年齢:17歳
■通り名:鷺
■武装:短刀(護身用程度)
■スタイル:特殊能力による近接戦闘、中距離も可能。特定条件下で特殊能力は無効。
■特殊能力:第三肢。背から突出したそれを自在に変形させ操る事ができる。基本形態は翼。
■その他情報:突然変異により生まれた奇病を先天的に持っている。しかし、その奇病を特殊な力により克服した事から、同病者や医学関係者には名を知られている。幼い頃から研究機関に閉じ込められていたため、常識がない。
生来持っていた能力は極々狭い範囲でしか通じない念動力と、これまた僅かな熱を操る力。その能力で奇病を克服した副産物として生じたものが、特殊能力の【第三肢】であるとされる。
肩甲骨付近から生えている白色のそれは有機物。硬度は変化させる事ができる。柔らかい時は仄かに温かく、堅い時は冷たい。気温が高いと発汗のような現象が起きる事も確認されている。
護身用に短刀が一本、上着の内側に隠されている。ただし、お守りのようなもので使われた形跡はない。
[しばらくの間、興味ありげにきょろきょろとしていたが。
両手を着いて立ち上がるとぺたぺたと素足で歩き始める。
宙に散るような声音でぽつりと呟いたのは、ひどく日常的な動詞]
――お腹、空いた。
[翼を引き摺って、玄関とは逆方向に廊下を往く]
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