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[アルカも村に戻ってきていて
宿屋にも顔を出していたのを思い出す。
護衛を頼まれた際に
女の子の遠出は危ういと護身術を教えたけれど
アルビーネには己の身を護れなかった過去がある。
己が彼女に教えて良いのだろうか、とそんな風に考えながらも
アルカは教え甲斐のある子で必要とされるものを一通り教えた。
彼女は無事だろうか、と心で案じる]
―広場―
あっ…!
[咄嗟に踏み出したのが痛めた方の足で、そのままべち、っとこけた]
……?
[まるで、なぜ転んだのか理解できないとでもいうような表情で、
半身を起こし、包帯を巻いた足を見ている]
― 診療所 ―
[起きた出来事を一通り話して、幾つかヒューゴから質問などもあったかもしれない
話しをしながら、ヒューゴから聞かされたのは『封』のこと
難しいことはわからなかったから説明を請えば、ポラリスが話していったのだと教えてくれた]
ポラリスお姉ちゃんが?
[自分が来るのと入れ違うように帰っていった人の名前を聞き返して
ふと、思い出すのは泉で出会ったときの事
何かを知っているように見えた、から、彼女がそういう話に詳しいことにはあまり驚かなかった
けれど]
影響を受けている人を、眠らせる……
お姉ちゃんには、それがわかるんだ……
[その話を聞いたときに、少し困ったような表情になったかもしれない
夢の話とあわせて、問われたなら誤魔化そうとはするだろう]
――…『蝕』が凶事なんて伝承の類。
ああ、でも…………
[それよりもこの村には親しまれている逸話と伝説が残されていて]
……本、取り置いてくれるって言ってたし。
ちゃんと読んでみた方がいいのかな。
[前日、本屋に行った際にクレイグからの言葉>>91を思い出し
思い悩むようにぽつぽつと独り言ちる。
その時は「これが読み終わったら」と選んで貰った本を掲げて
暢気な返事をしたものの、先にした方が良さそうとも思えた。
強い護衛なんて言葉>>97には少し照れたような様子をみせたが
アルカの事となれば「戻っているよ」と声を返しもして
見送る彼に会釈を向けて、見えた表情に笑みを零した]
─ 村の通り ─
探してた?
[目の前で急停止したソーヤの言葉>>109に瞬きを一つ。
探されている理由がいまいち掴めなかったけれど、続けられた言葉に、ぁ、と声を漏らした]
…うん、大変なことが起きてる、で良いと思う。
今、皆にそのこと伝えに回ってたんだけど…眠ったまま起きないって人が沢山居たの。
昨日『蝕』があったことは知ってるよね?
そのせいで泉の『封』が不安定になっちゃって…誰かが『封』を破ってしまったみたいなの。
それで、封じられてたものが解放されてしまった、みたい…。
眠ったまま起きない人が居るのは、多分、『封』が破られたからだと思う。
[曖昧さは残るけれど、知り得る話はソーヤに伝える]
―広場―
[何が起きたのかわからないという表情のまま、ぱち、と瞬いた後、
急にびっくりしたようにあたりを見回した]
い、いてて……
ボク、なんで転んでるの…?
[よたりとしながら立ちあがり、片足で立って包帯を巻いた足首をさする]
村もそうだけどさ…ボク個人にとってもなんか変な日だよ…。
[首をかしげながら広場に面している次の店を覗き込む]
― 村内 ―
あれ。……夕方か。
[道中。ふと空を見上げて、今気付いたかのように言った。
あの後結局居眠りしてしまった所為で、寝惚けて時間を勘違いしていたらしい]
クレムには明日って言った気がするけど。……まぁいいか、出て来ちゃったし。
[と、配達は続行する事にした]
─ 村の通り ─
そ、っか。
[返された肯定>>114に、は、と一つ息を吐く]
ウチのじっちゃんとばっちゃんも、おかしな感じで眠っちゃってた。
あと、クレムに聞いたんだけど、テレーズ姉も眠ったまま起きないって。
[他にも眠っているものがいる、という話に自分が知り得る事を伝えて]
うん、泉の事とかも、クレムから聞いた。
……つまり、今まで寝てたのが起きちゃって、それを何とかしないと、って事だよ、ね?
[伝えられた事を自分なりに整理して。
それから、少しだけ迷うような間を明けてから、もう一つ引っかかっている事を口にする]
でも、さ。
その……封じられてたものって、一体、何なの?
俺、泉の話って、聞く機会あんまりなくて、どういうものだかよくわかってないんだよね。
[医師の実家を出て、は、と息を吐く。
胸元で手を組みゆるく目を伏せる]
――――。
[無事でいて。
そんな想いを向けるのは医師である彼で
護りの力も彼の為に今なお在る]
―広場―
[明らかに日が落ち出した頃、ベンチに座り込んで膝を抱えていた]
ぜんぜんわっかんない。
封印が解かれると寝ちゃうわけ?
やっぱその…『魔』とかいうやつのせい?
[漠然と、よくないことをもたらすのならそっちだと思った。
村のために自ら眠りについたというその存在が本当にそんなことをするかというと疑問だ。
だが、人のために祈りをささげていた『祈り子』とやらがそうかというと、そうとも思えない]
わっかんないけど…お腹空いた…。
僕はいつも、心配かけてばかりだからなあ...
ねえ、テレーズ姉さん。貴女にも、ソーヤにも...
[眠る女性(ひと)に、小さく声をかけて]
でも、もうすぐ......だから......
[目を開ける。
蒼かった空はいつしか朱へと変わっていた]
……ん。
先ずは、知らせないと。
[ヒューゴの両親のことを彼に。
それから彼の安否の確認を、と思い歩み出す]
― 診療所 ―
[それから少しの間話しをして、ヒューゴが往診に出ると言うなら、もう一度家族や宿屋の事を頼んで診療所を後にする
もし、自分の事について聞かれたなら]
リィは大丈夫、なんでもない、から。
[そう言って、それ以上聞かれる前に立ち去るだろう
その様子が「なんでもなくはない」と気付かれてしまうかもしれないけれど、そこまで気持ちが回らなかった]
ん……家に、帰ろうかな……どうしよう
[家に帰ってもみんな眠っているから
誰か起きている人と一緒にいたくて、村の中を歩いて行く]
『人』を護ろうとして叶わず身を投げた『祈り子』と、『人』を慈しみ封じられるを望んだ『魔』。
泉にはそのふたつが封じられていたの。
『魔』がどうして封じられるのを望んだのかまでは分からないのだけど…そのふたつが泉に眠っていたのは、確か。
そして、そのふたつの『封』を保っていたのが、祭壇と睡蓮なの。
[封じられていたものと、それらを封じていたものについても伝えた]
多分、『魔』も『祈り子』も、解放されていて、誰かに宿ってる。
『魔』は人との共存を望んでいたと言われているから…人を眠らせているのは『祈り子』の方じゃないかな、って思ってるの。
だから、『祈り子』に影響された人を、これで封じないと…。
眠ったままの人は増える一方だと思うわ。
[手にしている睡蓮の花を持ち上げて、ソーヤへと見せる]
封か...
[やり方なら、自分も知っている。自分が怪しい人を見つけたと言ったら、誰か信じてくれるだろうか?それとも、いっそ自分で...?]
― 広場 ―
うん、久しぶり……
大丈夫って?
[ベンチから立ち上がるアルカの方に近づいて行く。
言葉が気になって、その足の方にはすぐには気が付けず]
ぱったり寝ちゃったって……道理で静かな訳だ。
にしても、どうしてまた……
変な流行り病とかじゃないよな。
[齎された知らせに難しい顔をして、首を捻る]
― 村のどこか ―
[診療所から、村の中心へと戻って、人影が少ないことに気づいて]
……やっぱり、みんな寝ちゃってるの、かな?
[先程診療所で聞いた話を思い出してぽつりと呟く
アルビーネは寝ていなかった、ポラリスもヒューゴも起きてる
そうして、クレムが起きていることも知っていた
後は誰が起きているんだろう?と考えながら歩いて行く]
……『祈り子』と、『魔』。
[封じられていたものと、封じていたもの。
それらの話は、記憶にちゃんと刻んで]
誰かに宿ってるって、えと、つまり、憑りつかれてるとか、そーゆー感じ?
それ、探すだけでも大変そうだなあ……。
[続いた説明に、うわあ、と声を上げて。
見せられた睡蓮──見覚えのある花に、一つ瞬いた]
それ、泉の睡蓮……だよね。
というかさぁ……姉は、大丈夫なの?
それ持ってて、危なかったりしない?
[封じる手段を持ち歩いている、というのが、封じようとしている相手に知れたら危ないんじゃ、と。
過ったのは、そんな事]
─ 診療所 ─
『魔』と、『祈り子』。
そのどちらもが、自由になったということか。
[ポラリスの説明>>79は、うろ覚えだった伝説の内容まで網羅してくれた。
足りぬ情報を粗方埋めた上でポラリスが現状の整理を出来る様に促し、男を見つめる彼女の視線と言葉>>81を受け止めて]
止めるには、どうすればいい。
俺にも出来ることはあるか。
[ポラリスにしか出来ないなら彼女に頼るしか無いが、そうでないなら自分も手伝うと言って。
ふと自覚が無いまま自分が影響を受けている可能性も過ぎったが、それは口にせずポラリスからの頼み>>88に頷いて]
ただ話を聞いただけだ、礼など要らん。
お前は今出来ること、することを優先しろ。
─ 診療所 ─
[礼を言う彼女に頭を振り「気をつけろ」と声をかけて見送った後、自分も増えた情報を整理するつもりでいたのだが]
エリィゼか、どうした?
[然程の間も無く聞こえた声>>87に、思考は中断されて。
少女から、家族と宿屋の主人に起きている変化を聞けば男は眉を深く顰めた。
夢を見てからという呟きが耳に届けば、それにも微かに目を瞠り]
変なことというのは、何のことだ?
[具体的に聞きたいと問いかけたが、答えは曖昧に返されただろう。
エリィゼの家族たちが不自然に眠りこんでしまった理由に話題が移ればそれ以上夢については追求はせず]
どうして眠ったままかは診察してみんことには解らん。
が、もしかしたら眠り込んでしまっているのは、『封』とやらが破られた事が関わっているかもしれん。
─ 診療所 ─
[そう話して、ポラリスから聞いたことについて話した所で、テレーズの名を挙げたときのことを思い出し]
…ポラリスに聞けば、眠っている理由も解るかもしれん。
[彼女は他人が影響を受けているかどうか解るらしいことをエリィゼに告げると、困惑が見て取れたが。
現状を受け入れ難いのか、それとも別の理由があるのかはこの場では判断がつかず、なんでもないと言って診療所を出ようとするのを呼び止めて]
エリィゼ。
自分で思うよりも、一人で解決できることは少ない。
何かあったら誰でもいい、信頼できる相手に頼れ。
[そう言って、この場を離れる少女を見送った]
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