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― リネン室 ―
[>>56 途中でゼルギウスとすれ違っても、反応しない、できない。顔を真っ赤にして、涙ぐみながら走ってゆく姿を見て、何と思われようとかまるで考えていない。]
[シーツを手にとり、嗚咽を殺すことなく、泣いた]
[>>73 ぶった一瞬、元のライヒアルトの目に戻ったと思ったが、すぐにそれは揺らいで消えた。>>74 、ローザのことを見ようともしなかった]
信じない、俺は、信じない……ラーイは、生きてる。生きてるんだ。
[>>3:171 二日前になるか。ライヒアルトの言う「叶う限り」 その期限が切れていないことを、信じたかった]
[そして、呼吸が落ち着いた頃に、涙を拭って、2Fに戻るだろう。こすった為か、目のまわりの腫れは残っているだろうが]
→2F 部屋H
― 二階 廊下 ―
[扉が開いたままであれば、幾つかの話し声が耳に届く。
今一番聞きたい声だけが聞こえない。
予想はしながら、開いている扉に向けてまっすぐ歩く]
ロザ。
[引き取られてきたばかりの頃、教会に行くと笑って迎えてくれた少女の声がしない。
まだ孤児院もなくて、子供の数も多くはなくて。特殊な環境で育てられた身体は弱くて少年達の中にすぐには溶け込めなくて。
一番最初に友人になってくれたのは、彼女だった。
相手からは子供達の一人としか認識されていなくても。この村で育った「ゼルギウス」を作った一人]
─ 部屋H ─
[向けられる言葉>>78 >>79に、ゆるり、と首が傾ぐ。
天鵞絨は揺らがない。
ただ、蒼き聖花の元には朱き狂花の立てる、哂うようなざわめきが届くか]
……元より、何もなかりせば。
全て滅ぶも、また理。
[返される言葉は、ただ、静か。
それきり、天鵞絨は『蒼花』よりそらされる。
興味を失したかの如く]
―2F 部屋H →集会場の外―
[丁度自分が出て行ってしまった為、ミハエラの変化は目にすることはなかっただろう]
[シーツを持って、戻ってきて。その場で動けそうな者なら、状況関係なく埋葬しようと声をかけた。その中にライヒアルトも当然含まれていた。拒絶しようもんなら、今度はカッと来てグーで殴ろうとしたが、それは誰かに止められたかもしれない。]
[昨日埋められたブリジッド。その横に、ローザもまた眠ることになる]
ローザねえさん……ラーイを、あきらめねーよ、俺。
[祈りというよりも、誓いだろう。
そして、埋葬が済めば、また、戻る。――すっかり習慣になってしまったかのように、広間へと。]
→広間
― ***/昨夜 ―
[目を開ける。]
[映るのは、横たわる自分自身と、それを受け止めてくれた保父の姿。]
――…良かった。
[役に立てた。無事だった。父とも兄とも慕う人。
自らの血で、彼の手と黒衣を濡らしてしまったけれど。
抱き締められたのなんて、何時振りだっただろう。]
[ずっと、あの日森で見付けてくれた保父の背中を追っていた。子守で身を立てているのは、孤児院時代にクレメンスから貰った、優しさと厳しさが故だった。
この世に生まれて、初めて得た家族とは、形も色も違うけれど。
孤児院の皆を”家族”だと思えたのは、きっと、彼を核にした其処だったから。
なんで>>14、なんて、言うまでも無い。]
……クレム兄さんだから、だよ。
[己の骸を抱く保父を、触れえぬ腕で後ろから抱く。
あの日のよう、背へ擦り寄せた頬に、もう彼の体温を感じる事は出来ない。
けれど幸せだった。この身で彼を護れたのなら、それは、幸せな終わり方だった。]
[だからいっそ嬉しい筈、――なのに。]
[保父から離れた視線は、"自分"の頬に寄せられた修道士の指先>>33を見る。
ピアノを奏でる、綺麗な五指。
幼い頃、行き場のない寂しさの逃げ場をくれたのは彼だった。]
……ありがと、
[未だ保父に反抗していた頃、覗いた教会で見付けた音とそれを奏でる少年。
鍵盤を前に真摯な眼差しで、けれど楽しんでいるような。
思わず声を上げて、演奏の手を止めさせてしまったその時は、とても勿体ない事をしたような気に成ったのだ。
それから、事有るごとに足を運ぶ子供等邪魔だっただろうに。
迎え入れてくれる彼に甘えて、唄まで教えて貰った。今も忘れない。
時には、其処に彼の姉も居た。一緒にピアノを聴かせて貰って、傍らで踊るローザを見ていた。
彼女のように舞ってみたくて、真似して転んだ自分に凹んだ事もあったような。
そんな、昔の日常を思い出す。]
(用い方の、可能性……)
[今はグローブに覆われている左掌に視線を落とす。
自分の力は人狼の力を弾くもの。
今はまだ、ミハエルに力が向かうように調整している。
しばしそれについて考え込んでいたが、エーリッヒ>>85に声をかけられ、そちらに意識を移した。
ライヒアルト達の方を気にしつつ、エーリッヒに手を貸して。
ライヒアルトに殴りかかろうとしたエーリッヒに対しては、振り上げられた腕を掴んで制止した]
[その後は集会場の外に出て、これまでと同様にローザを雪へと埋葬する。
短い瞑目をしていると、エーリッヒの誓いが耳に入って。
けれど何も言うことは出来ず、ただ集会場の2階を振り返った。
ライヒアルト達から離れた後の向こうの様子が気になる]
─ 前日 ─
[人狼という声>>0に視線を向けると、クレメンスへ刃を向けるゼルギウスの姿があった。
自分にとってクレメンスはミハエルと同じ、守りたい人。
けれどゼルギウスが口にした人狼という言葉を、見極めた上で言ったのかと勘違いしてしまい。
結果、一歩も動くことができなかった。]
───…!!!
[少し離れていた為に、あがった血飛沫>>7が誰のものかも最初は解らなかった。
クレメンスに支えられたまま動かぬブリジットの姿>>9に、ようやく彼女の死を悟る。
その死を視たローザの宣言もあっただろう。
やるせなさに目を伏せるも、ゼルの呟き>>7を聞けば驚きに見開いた。
クレメンスを見つめたままの彼から、人間という言葉が紡がれたことに混乱する。
人狼だと見たから、兄さんを襲ったのじゃないのか、と。]
─ 前日 ─
……ねぇ、ミハエル。
あんた、兄さんの傍にいてあげてくれるかい?
こんなことになって、一人ではいてほしくないんだけど、さ。
私が傍にいたら、却って気が休まらないだろうから。
[ブリジットがクレメンスの心をどれだけ和ませていたか。
ミハエル以外は信じていないと言ってはいたけれど、きっとブリジットは疑っていなかったはずで。
ブリジットを失ったことがどれだけ心に重くのしかかるかなんて、想像すらできない程。
だから、せめて信じられる唯一の彼女が傍にいてほしい、と望んだ。
ミハエルがエーリッヒを部屋へと送っていくのを見送った後、ゼルギウスを部屋へと送り。
彼が眠ってしまうまで傍にいたあと、自分も部屋へと戻っていった。]
― 今朝/2F廊下 ―
[部屋には足を踏み入れないまま、蒼花の宿主は狂気に堕ちた朱花を見据えていたが。
朱花から伝わる嘲うような気配と、全て滅ぶも理という言葉>>84とに、蔑むように目を細めた]
………ふん、実にくだらぬ。
神の加護の象徴。神の使徒。それらたらんとする者が、何を残すつもりもない、とはな。
ならば好きにするが良い。こちらも好きにさせてもらおう。
[それだけ言うと、『蒼花』の宿主は目を閉じる。こちらも『朱花』への興味を失ったように。そして…]
……………いまの、なに。
[一時的に乗っ取られてた本来の人格が目を覚ました時には、周りに誰か残ってたろうか。
もちろん、蒼花も本人も、エーリッヒが朱花をグーで殴ろうとする>>85のを止めようとはしません]
─ 部屋H ─
[『蒼花』から逸れた視線は、クレメンスの後ろから現れた姿>>86に止まる。
朱き狂花が、哂う。
哂いながら、けれど、ないてもいると。
気づいているのは──離れようとせぬ茶猫のみか。
慟哭を糧に育つ狂花に、正しき理などは既に届かぬもの。
故に、殴られそうになっても>>85 >>88、態度は変わる事無く。
埋葬のために部屋を離れる者たちを、顧みる事もなかった]
─ 翌朝・個室B ─
[目を覚まして、最初に感じたのは寒気だった。
は、と吐いた息から身体にこもった熱が逃げていく。
風邪を引いたか、と溜息をつき目を伏せる。
恐らくは一昨日湯冷めしたことと、昨日食事を取る気になれず何も口にしなかったせいで身体が弱っていたのだろう。
こんな状況で弱っているわけにはいかないのに、バカだな、と。
そう思いながらも、ここに来て失ったものは大きすぎた。
ウェンデルもベアトリーチェも、悪戯に困ることはあったけれど死んで何も思わないわけはない。
ユーディットのことだって、ミハエルの傍で、いつも彼女を支えていた姿は今だって目に浮かぶ。
そして、ブリジット。
こんなことになって心を痛めていただろうに、自分のことを案じてくれた優しい子。]
…なんだって、こんなことになっちまったんだろう、ねぇ。
あのひとが、人狼でなければ良いと思う。
そうすれば、ボクはエーリッヒさんを殺さずに済む。
他の誰かがエーリッヒさんを殺すのも見ないで済むかもしれない。
でも、もし人狼だったら。
…………他の誰かに殺させる気は、ありません。
[ただ、一緒に居たい――と。そう願う私情とは別に。
もし人狼ならば、自分を、他の皆を護る為にどうにかしなければならない、という考えもあって。
もしそうだったならば、せめて自分の手で…と。寂しそうな表情で言っただろう]
― 部屋H ―
[最初に一言呟いたきり、ローザが運ばれてしまうまでは何も言わなかった。祈るように、じっとその遺体が包まれ運び出されるのを見ていた。
運ばれてしまった後は朱花が哂う>>93のを、色の薄い緋色でじっと見つめて]
タオが泣いてる。
ライはまだそこにいるのにって、泣いている。
[動物との共感能力を、人に使えるものとして捻じ曲げたのは、歪んだ奇跡のなせる業。
蒼花ではなくなったらしいミハエル>>92に伝えて、部屋の中へと一歩踏み込んだ]
私は、花を助けるもの。
だから。好きにすればいい。
[二つの思いが一つになっているから、スラリと言えた。
言葉そのままの思いを朱花に。
憎める者の声なら届かないかと、泣いているライヒアルトに。
ライヒアルトが動けたら、少しは何かが違ってくれないだろうか]
─ 個室H ─
[向けられる緋色>>97に、天鵞絨が細められる]
……裁き受ける意思があるというか。
[綴られる言葉は、淡々と。
懐に滑った右の手に握られるのは、銀の十字剣。
ウェンデルの鼓動をとめたもの。
茶猫が鳴く、なく。
なぁ、と哀しげに]
……なれば、我はその命を消し去る。
[言い切る様は、静かな──静か過ぎる、もの]
─ →二階廊下 ─
[出来る限り急いで起きはしたものの、動作は遅く。
部屋を出て二階に上がったのは、クレメンス達がローザを弔いに連れていった後だったろうか。]
…何が、あったの。
[廊下にまだミハエルがいたなら、彼女にそう声をかけ。
誰もいなければ、独り言のように呟いた。]
[相対しているゼルギウスならば。
或いは、幼い頃を知る物であれば、記憶にあるか。
他者を傷つけるハリネズミが、決して泣かない──泣けない少年だった事。
それは、青年となった今も大して変わらない。
慟哭の声は、いつも音色に摩り替わって。
何かあると強引に一人になって──小声で、歌を紡いでいた事に]
― 朝/2F廊下 ―
[自分の意思がまったく介入していなかったが。自分の口が紡いだ言葉も、ライヒアルト(朱花?)が口にした言葉も、その光景も、全て覚えている]
………うわあ、こういう感じなんだ。
[ほぼ同一の存在となっている為に、多分ほかの人たちとは違う感覚なのだろうけれど。
それとは知らず、そう呟いた]
ライヒアルトさんが、まだ…そこにいる?
[その後、聞こえてきたゼルギウス>>97の言葉に瞬き。彼へと視線を移した]
……………花を…助ける、もの。
[好きにすれば良い、と。朱花に告げたゼルギウスを見て。
その言葉に、嘘はなかったのか――と。ではやはり、残る人狼は――と。
私情の部分が認めたくなかった事を突きつけられて。
目を伏せて、右胸の蒼花を服の上から左手で握り締めた]
そっか。
[生きてる者なんだから生きていたい。という気持ちは自分にもあったし、解る。>>+5
目の前の少女は自分よりもまだまだずっと小さいのだから。]
ベアちゃんまだ若いんだし。
そだね、死んじゃうには早かったね。
[言うほど自分も老けているわけではないのだが。
ここは年長者として、どこか残念さを含めた声色で呟いた。
戦闘能力と女装能力だけはやたら高いが、普通の人間である身の上、小さな子が死ぬのを悼まないわけではないのだ。]
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