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─ 翌朝・宿屋一階 ─
[意識を取り戻したのは、朝の日が辺りを照らし始めた頃。]
…………あ、れ…
こんなところで、寝て………
……───ぇ…?
[いつの間に寝ていたんだろう、最初はそんな認識だった。
違うと解ったのは、床に転がっている其を見つけたから。
胴体から切り離された、足。
二筋の傷がついた、腕。
そして、見慣れた翠の髪の───]
……わ、たし…?
[ばらばらになった、自分の身体が其処にあった。]
― 前日・宿 ―
[少女>>36とも離れて大人達を手伝った。困惑していることには気がつけなかった。
修道士>>22が問いかけられて答えた内容は、同じ思いではなかったけれど納得もできてしまった。
それが後ろめたく、加工師の側に居続けることが出来なくて、支えたり休ませたりするのは洗濯女や行商人に頼んだ]
ヘルさん。一緒に運んでくれる?
[デザイナー>>40からシーツを受け取って、彫刻家の体を包み込んだ。白が赤に染まる。赤はやがて黒になるだろう。
一人で運ぶのは無理だったから、宿に戻ろうとしていたのに頼んだ。学者も近くにいれば同じように頼んで宿の中まで運んだ]
―前日/外―
[フォルカーがアーベルの亡骸を運ぶ手伝いを申し出たのは聞こえていた。
ライヒアルト>>31の軽い頷きをみやる。
オトフリートに手当てだなんだと言われている様子に苦笑を浮かべて、『ちゃんと養生しなよ』と仕草で告げておいた。
アーベルの方へと近寄る。
ゲルダを支えるのはクロエがしていたようで、というかアーベルの死に納得を見せたあとでゲルダを休ませようとしてもゲルダに拒否されてしまった。
それはしかたのないことだと軽く肩をすくめた。
フォルカーたちがアーベルを宿へと運ぶときに自衛団員が様子を見に来たら、今回はアーベルだったことを告げ。
アーベルを運ぶ人手が足りないようなら自衛団員に手伝うよう頼み、彼らが宿へと向かうのを見送った]
―前日/外―
――嫌な事件だねえ……
[ほんとうに、と深い吐息を零す。
流れた赤は地面に吸われて黒くなっている。
それを眺めてやれやれと首をふった]
すまんね、アーベル。
あたしはアンタを見捨てた。親父さんにはちゃんと怒られてやるさ。
[生きて戻れてもそのときに殺されても仕方無いねえ、などと自己満足でしかない懺悔を呟き。
日が暮れる前には宿へと戻った。
ライヒアルトの怪我の様子などを本人やオトフリートに訊ねた後、『無理しないように』と釘を刺して部屋へと引っ込んだ]
―翌日―
[昨夜部屋に帰った後、そのまま眠りについた。
そして朝、宿に響いた少女の声>>52で叩き起こされる]
――っ、ああ……
[鈍い色の髪をかきあげて一つ吐息を零す。
大雑把に身支度を整えて階下へと降りればヘルムート>>46がゲルダの身体を整えたところで。
バラバラになっていた、とつげる言葉を証明するようなその姿に眉を寄せる]
今日になってゲルダが狙われた、のか……
[それの意味するところは。
伝承がかかれた本は学者先生がカウンターにおいたままだったろうか]
ほんとうに、終わってなかったんだねぇ……
[ライヒアルトの言うとおりかと深い吐息を零し。
騒ぎを聞いてやってきた宿の親父にまたもシーツを持ってきてもらうよう頼んだ**]
― 前日・宿 ―
[自衛団が来る前に頭痛が酷くなってきた。後のことはお願いして、一度部屋に戻って休ませてもらうことにした。
日暮れ時に井戸まで水を汲みに行った。
何人かいた村人は、こっちを見ると慌てて逃げていってしまった。
仕方がないと思いながら、重たい足取りで何度か往復した。
夜になると寂しくなってきて、少女の部屋に泊まったらダメかと父親に聞いてみた。呆れ顔と拳骨が返って来た]
だって、眠れそうに無いんだもん。
[テーブルを片付けながらの会話だった。
薬師が聞いていれば、何か良い方法を教えてくれたかもしれない。
自力でなく落ちた眠りは深かった]
― 翌日・宿一階 ―
[少女>>52の声が響いて目が覚める。
名前はまだ聞き取れていなかった]
寝坊しちゃった。
[窓の外の明るさに目を擦りながら部屋を出る。
とたんにゾクリと背筋が震えた。
顔も洗わないまま、食事スペースに向かった]
アァッ。
[悲鳴は大きな声にならなかった。
デザイナー>>46がパズルを組み立てるようにバラバラの体を揃えている。目がチカチカした。頭がクラクラする。
苦しくなって目を瞑り、忙しない呼吸を繰り返した]
― 翌日・宿一階 ―
な、んで。ゲルダさん。
守られてたんじゃ。
[少女>>53に気がつけたのも少ししてからだった。
じっと見てからようやく無事という単語に結びついて、大きく息を吐いた。その近くまで行くと、存在を確かめるように手に触れる。
フゥッと深い息が落ちた]
僕。自衛団の人に知らせて来る。
[その場から逃げ出すように集まってきた人へ言って走り出した**]
―翌日/宿一階―
[宿の親父に頼んだ後、カウンターへと近づく。
オトフリートが置いた本>>2:354はまだその場にあった。
ぱらり、とページを開いたときにフォルカーがやってきて、ゲルダが守られていた、とか呟くものだから確認するように紙面に瞳をむけ]
――これ、か。
[自衛団を呼んでくると駆け出した少年の声>>62を聞きながら無機質な文字が伝える情報を読み込んだ。
守る力を持つ存在のことを。
アーベルが死んだ翌朝になくなったゲルダを思う。
一年に半月程度しか滞在していなくても、何度も訪れているから二人の仲が良いのは知っていた]
アーベルが守れる人だったとしたらゲルダを守る、だろうなあ……
[わかりやすかった青年を思い。
見極めるものだと名乗り出たゲルダのことを素直に信じそうでもあったアーベルがそんな力を持っていて、本当にゲルダが見極めるものなら……昨日殺されず今日殺されたことの理由はつきそうで。
ただ、それが証明されたわけではないから、考えすぎとも思えるのだった]
─ 前日/外 ─
[返された答え>>22に、大きく息を吐く。
気持ちがわからない、とは言わない、言えない。
ひとつ欠けたとはいえ、殺したくないものは自分にもまだいる。
ただ、それが理由になるか、となると、また、別問題で。
ゲルダやアーベルにとっては理不尽でしかないのは、問うて確かめるまでもないこと]
……ったぁく……。
[怪我した箇所を示されると、はあ、とため息ひとつ。
理由にも突っ込みは入れたい所だが、この場でそれを問うのは躊躇われて]
……自業自得だ、無茶しいめ。
[その場は、痛ぇ、とぼやく唇の動き>>39にさっくりと突っ込みを入れるに留めておいた]
ん、ああ。
……この人手不足の状況で、何もしないわけにはいかないし、ね。
[フォルカーに助力を求められ>>56、頷きを返す]
そこの無茶しいは、ちゃんとリーゼ嬢に診てもらえよ?
……面倒、とかいうのは、却下ね。
[ヘルムートの言葉>>40を受け、友にはきっちり釘を刺しておく。
深緑の瞳が笑っていない、即ち、いろいろと感情が混濁しているのは、説明するまでもなく伝わるはず]
─ 前日/宿・二階角部屋 ─
[亡骸の安置やら何やらが一段落すると、角部屋へと戻り。
各自の名を書き連ねた紙に、自分が把握している新たな状況を追加して]
……あれ、は。
どう、見るべきかなあ。
[はっきりと見て確認したわけではない、が。
何かしら、力の一端らしきものが見えたフォルカーの様子。
手にしたペンをくるり、と回して、しばし、思案の素振りを見せる]
……同じ力を持つ者が同時に現れた、ってケースは、確か、ない。
例外が発生しているのでなければ……。
[どちらかは、とは、声には出さず、代わりに深く、息を吐いて。
そのまましばし、まとまらない思考に沈み込んだ]
─ 翌日/宿・一階 ─
[翌日の目覚めを呼び込んだのは、悼みの響きを帯びた声>>52。
呼ばれた名が名だけに、嫌な予感を感じて、階下へと急ぎ]
……っ!?
[目に入った光景>>46に、言葉が失せた]
……じょーだん……きっつ……!
[思わず零れた言葉、それを抑えるように口元に手を当てる]
……二度も、見たくねぇよ、こんなの……やってらんね……。
[は、とひとつ息を吐いて、近くの壁にもたれかかる。
きちんと括っていなかった髪がばさ、と広がり、顔色が隠れたのは、個人的にはありがたかった]
─ 翌日/宿屋 一階 ─
[昨日フォルカーに頼まれ>>56アーベルを運ぶ時、重さに負けてふらついたりして手伝わせたのを後悔させたかも知れないのは僕の中ではさて置いて。
ゲルダの身体を整えている時にベアトリーチェ>>50と、やや後にフォルカー>>61がやって来た]
ベアトリーチェ、あまり近付かない方が良いよ。
君まで汚れてしまう。
[ゲルダの傍で座り込む様子にそれだけ声をかけ。
その後はフォルカーに任せようとする。
が、彼の呟き>>62を聞いて、はたりと虚ろな瞳を瞬かせた]
……ああ、そう言えば。
昨日は、誰も襲われていないんだっけ。
[誰に言うでもない呟き。
直結するのはおかしい話だったかもしれないけれど。
ゲルダが力持つ者であるならば、護られている可能性は高かったため、彼女が護られたのか、と思考が働いた]
[その前後にはイレーネも来ていた>>59ようで、やや後に要請を受けた宿屋の主がシーツを持って来る。
それを受け取ると、フォルカー>>62が自衛団へ知らせに宿屋を出て行った]
うん、気を付けて。
[何に、と言えば自衛団に、と言う事になる。
未だ人狼が居ると分かった以上、何を言われ、何をされるかは分かったものではない。
それを見送って僕はシーツをゲルダの横へと広げた]
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