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……時間、な。
なるほど、眠っている間に取り残された可能性は否定できんか。
[周囲から聞こえる声。
聞こえる音。
小さく呟いて、また一つ息を吐く。
その内、開かない蓋をめぐる様子>>118,>>119に気がついて]
……人手がいりそうか?
[ゆっくりとそちらに近づき、声をかけ、開くのを手伝う。
出てきた女と青年のやり取りには、口を挟む事はなく。
先ほどの思索に、しばし、沈む]
[どこかで会った。
それは間違いない。
考えられる可能性は、一つ。
そこを起点に、記憶を辿り]
……確か。
アーベル、だったか。
写眞家、の。
[言葉少なに、呼びかける。
確か、あれは、『早朝の青』と『真昼の蒼』が咲いた時に。
それを見に来た青年]
……知り合いもいるらしい、とは聞いていたが。
本当に、会うとはな。
[零れる言葉はため息まじりではあるものの。
天鵞絨色の瞳に宿るいろは、自称『園芸家』にしては珍しく*穏やかなもの*]
消防士 ダーヴィッドが村を出て行きました。
15人目、騎士 ダーヴィッド がやってきました。
[周りが静かで騒がしい。
でも確かに人が動いている音、気配。
だが、しばらくは何が起きているかわからず、まだカプセルの中にじっとしたままだった。
やがて、誰かの悲鳴、そして、割れる音。
叩く音、歩く音、空気の流れ……。
それらが認識できるようになったとき、自らの上の曇った蓋に手をかけた。]
―――…
[未だ少し目眩がする。
忙しなく動く人々を、死の香り漂うなかで見守った]
通信も、駄目。
[ひとりの女が口にしたことを形を変えて繰り返す。
ブリジットはいつの間にか
髪のひとふさを編み終わり、指先で弄んだ。]
騎士 ダーヴィッドが村を出て行きました。
15人目、消防士 ダーヴィッド がやってきました。
[起き出している人々をついっと眺めてから、隣のカプセルをふと見遣る。
赤い、errorマーク
覗けばそこには……石化した人。]
………ッ
[思わず息を飲むが驚きの声はたてなかった。]
これは……いったい……ッ
[身体が自分のじゃないような感覚に襲われながらも、拳を開き閉じを繰り返した。鈍痛が走るが、微かに眉を寄せただけ。]
[確か冬眠る前に見た風景は、無機質な輝きを放つ数百のカプセルが並べられたもの。
今も、その形は変わらず…だが、圧倒的に違うもの、それはそこらじゅうに這う、深緑の植物。]
……………
[しゃがんでその蔦をしばらく観察してから、壁際に寄る。]
これは、かなりの時間が経ってるな……。
[蔦の繁殖が半端ではない。]
村の設定が変更されました。
……また、誰か 起きたの。
[新たな影はいばらの茂みに歩み寄る。
時間が経っている――その言葉に眉をまた寄せた]
…時間に取り残された
可能性、ね…
[そう謂っていたのは
黒髪の青年だったか。
つと滑らせた指先にいばらの棘は噛みついた]
っ …
[弾かれたように手を引っ込める。]
>>140
[ふと気配を感じそちらに目線を走らせた。]
……どうした。
[見ると、まるで特製にあつらえた人形のような女性が、茨に手を伸ばし……撃たれたように引っ込めたのが見える。]
………。
[近づいて、その手を見る。]
何が、なんて
誰もが聞きたくて
誰もが答えられないのではなくて?
私たちはただの患者なのよ。
[漸く凭れていたカプセルから身を離し赤い髪の青年を流し見た。
立てる。歩ける。
取り残された?
――嗚呼。冗談では、ない。
そんなはずは、]
エントランスを
見に行った人が居るわ。
何かあれば
伝えに来るでしょう。
…… …
[自分を抱くように組んだ腕はそのままに]
[頭の中に響いてくる聲が誰のものであったか思い出せないまま、
重い、病の身体を動かそうとしてもうまく動かせなかった。
それが病のせいだとはまだ気付いていなかった。
身体は薄布だけなのか冷え切っていた。
それでも何とか瞼を静かに開けば
――天井が近い。]
[ひやりと首元に違和感を感じた。]
[それと同時に、「これ」が「何」なのかと考えた時]
―――。
[彼女の凍りついていた時は、動きだした。]
……いばら?
[周囲の声に、ようやくそれに気づく。
繁る緑は、馴染み深くもある、いろ。
天鵞絨色を僅かに細め、壁に近づき、傷つけぬよに、傷つかぬよに、触れる]
……少なくとも。
俺の知り得る限り、短時間でここまで繁茂できる種というのは、ない、な。
……相当、放置されていた……と見るべき、かね。
>>142
……エントランス……。
[女性の言葉に見回して、壁の一部が開いているのを確認する。
ああ、そう、確かにあそこから入ってきた。そういう記憶がある。]
わかった。情報をありがとう。
>>143
[そして自分もそちらに向かおうとしたが、指先を握りこむ仕草に……]
…失礼……見せてもらえませんか?
[手を出すように促した。
なぜなら、ちらりと赤いものが見えたから。]
怪我をしたのでしょう?
…
[青年の礼には
常葉の眼を細め緩く頷く。
それからひとつ瞬いて]
…… 棘が刺さっただけよ。
[握り込んでいた手を
少しだけ開いた。
引っ掻いたような傷に滲む赤。
点滅するerrorランプに重なる。
いばらを忌々しげに見て]
―――放置。
[言葉繰り返し、
其処にあるのは畏れの色]
…そんな。
…そんなはず ないわ
―――放って置くなんて
赦されることではなくてよ……
……――
[唇を引き結ぶ。
おそろしい考えに飲み込まれてしまわないように。
気をまぎらわすためか、水を向けるのは黒髪の青年へ。]
…植物について詳しいようね。
貴方、学者かなにか?
>>148
大したことはなさそうですね。だけど、どこかで洗えるといいのですが……。
[とりあえず、自分の上着の縫い目に少し手をかけ、そこを裂くと、続いて横にビッと破り取った。
そして、女性に手をこちらに向けるように手まねきをする。]
僕はダーヴィッド・フォスター。消防の仕事していました。怪我は放っておけないんですよ。
[不機嫌な様子には丁寧に受け答えをする。]
>>146
[男性がまた茨に近づいていく。しかし、彼は細心の用心をはらっているようだ。]
その茨は、何か特別なバイオ科学の産物…とかではないということですね。
[専門家らしい言葉に耳を傾ける。]
…いつまでもこうしちゃ居られないよね。
[ぐしぐしと顔を拭って、収まりの悪い髪をタオルでバンダナのようにまとめる。]
黙って座っててもおなかはすくし、お風呂だって入りたいもん。
…それに、外がどうなってるか確かめなくちゃ。
[破れた天窓から差し込む日差しが、割れた床に芽吹いた緑色を照らす。]
[時間に取り残された。
自ら口にした言葉が、やけに信憑性を帯びてきた気がした矢先の、問い>>149]
……『学者』じゃねぇ。
『園芸家』、だ。
[天鵞絨色が、険しくなる。
知る者が見れば、いつもの事、だが。
知らぬ者には、いささか唐突な変化]
……知り合いに、そんな研究をやっていたのもいたが。
それが完成した、と仮定しても、時間の経過は少なからずあるはずだし……何より。
[赤髪の男の問い>>151に返す声も、一方的な不機嫌さを帯びて]
それを、わざわざここに繁茂させる理由が、わからん。
[怪我をしたらしい様子に、痛そうに顔をしかめる。]
気をつけてね?
そこから、硬化してっちゃうかもしれないし。
ほっといたら多分良くないよ。
[薬や手当ての道具も探さなきゃと思った。]
― 大広間 ―
[足取が緩やかだったのは、
盲目の少女が後ろについて来ているからだけでなく。
此処に収容されている中では、重いほうに入る病状の所為。]
(抽選に申し込みが出来たのは、Lv.2までだったかな……)
[後ろにつける少女が、茨に足を捕らわれないよう、
無意識に気を配りながら、そんなことを思い出す。
そして、訪れた大広間。]
嗚呼、そうだ……。
僕達は、此処に集められて……。
[広がる部屋の様相
――時が経っていても、置物などの位置は変わっていないそこ、
霧が掛かった脳裏が僅かに晴れる。]
[一つの装置に向かう姿
背からは面々が会話する声が届いている]
……
[内容から驚く仕草も無い
見える光景、面々の様子から
決して置かれている立場が喜ばしい事では無いと
おおよその見当はついていたから
ただ目前の赤を灯す装置を見上げている]
続々と…お目覚めかね。
[新たに目覚めた数人には声を掛けただろうか。
音を鳴らした青年がカプセルを開ける様子には、
黒髪の青年が手伝いに入ったようなので見守るに留まった。]
これは最悪な目覚めとなるのか…、
目覚めたこと自体が幸運となるのか。
すぐ傍のカプセル、巻きつくように荊の食い込んだ跡。
蔓と棘によって断ち切られた生命線(スリープモード)――、
もう石と化した主の首元、首輪の数値は最高レベルに達していた。
思わず、自分の首元に触れる。まだ数値を確認していなかった。]
[眠りに着く前の出来事が
おぼろげに、けれどぬるま湯の様な暖かさで
記憶の底でゆっくりと流れ始めていく]
……
[ゆっくりと振り返り
赤を灯す装置を背にすると、
面々を一望して、声を聴いている]
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