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―― 広間 ――
おお、それは危ないところでした。時空竜殿に感謝しなければいけませんねえ。
[時空王の物騒な台詞には身震いする素振り。けれどオトフリートに向けられる目はやはり笑みをたたえたまま。無論リックの不信の声にも動じることはない]
ああ、そういえば、愛しい命竜の子は元気でしょうか?焔竜殿。
近々竜郷に様子を見に行こうかと思っていたのですよ。
[更に問題発言をかましてみたりもするわけで]
精霊界とか、すごい体験をしているんだね。
さすが、探偵さん。
[くすくすと笑って、歌を聞きながらもう少し、ぐっと身を乗り出した。
ユリアンは呼んでたけどねと、それは口にはせずに、そのまま手に力をいれて、とんと床を蹴る。
くるりと回転して、窓から落ちた。――というか、外へと降りた。当然、無傷でしっかり立っているが、足元にはもし転んだときのために、葉が重ねられているのだが。]
何だか、分かるような分からないような…。
[眉を寄せて説明を聞いていたが]
わぁっ!
[時空王の登場に驚いてミハエルの背後に隠れた。
今の状態では微妙に隠れることになってもいませんが]
[とてとて麒麟の傍に近づく。紫ふわもことちま竜と麒麟、
三者を見比べて、ふわもこは危険で、ちま竜は面識がないので
麒麟の方に手を伸ばし、撫でようとして――止まる]
あ、そうだった。撫でていい?
[とか聞きながら、返事がかえって来ぬうちに、頭を撫で始める。
しかしやはり先ほどと同じ震えを感じ、手をどける。
代わりに前足をとり、ぎゅっと握った]
まあ、起きだして間もない属ですから。
[よく分からない、という評価に苦笑して]
とはいえ、こういう状況で一番使えるのが俺の力なのも確かな事。
……むしろ使いすぎるくらいで、丁度いいかも知れん。
[ある意味時空属性過多です、この空間]
……無駄な事を聞きましたか。
[それから、時空王に向けてぽそ、と呟いてみたり]
[やがて、オトフリートが探索の為に部屋を後にすると、幼い機竜を守るように寄り添って聖なる声を響かせる麒麟の乙女に、一見穏やかな視線を向けて微笑む]
さて、では、私も、時空竜殿のお手伝いをいたしましょうか。
[ティーカップを置いて立ち上がると、瞬時にその姿は、彼自身の影の中に溶けて消えた。それは、今の彼が、以前身体を借りていた人間の形を模してはいても、人とは違う魔そのものであることを示していた]
[ふわもこーずと、保護者たる麒麟の歌。
それで、だいぶ落ち着きは取り戻せたか。
心の魔が広間から消えると、はふ、と一つ息を吐き]
……ヘンな感じなの。
[ぽそ、と呟いて。
麒麟の傍に来た若者の様子をぼんやりと眺める]
……な、ならば精々、王へ御手間を取らせぬに奮うのだな。
[むしろ正確なところでは手間を取らせる立場が逆であるがそんなことは知らない]
時空王、此度はこのようなことへ巻き込まれてしまったと聞いて案じて居りましたが、ご無事で何よりです。
[むしろ張本人らしいが]
[しばらくしてそっと麒麟の足を離し、
聴こえてきたハインリヒの声に振り返って返事]
昔はね、もっと酷かったんだよ。
僕が風の力持ってたことに気づいてなかったせいもあったけど、
無自覚に嵐を呼びまくっていたこともあったしね。
いくら疾風王様が手加減してくださっても
ひよっこ精霊使いの僕が挑戦することすら、おこがましい。
……って、あれ?
[麒麟に目を奪われている間に、幾人か広間から消えていることに
やっと気が付く]
いつの間に、ベアトリーチェやリックやクレメンスさんは
ここから出て行ったんだ?
[旋律を紡ぐ傍ら、時折ゆるやかに尻尾が揺れて。
やがて近づいてきた気配に、私は長い首をもたげて僅かに傾ける]
――…っ ――…
[伸ばされた手に震えるは、人間に深く刻み込まれた心の傷ゆえ。
申し訳なく思い首を竦め――代わりにとられた前足に目を丸くした]
探偵だから、って訳でもねぇと思うがねぇ。
どうも巻き込まれやすいらしい。
[大きめの溜息が漏れた。自ら落ちるように窓の外へと身を躍らせる様子に、あ、と声が漏れたが、この界に居る以上ただの子供でもないだろう、と言う妙な確信により窓へ慌てて駆け寄ることは無かった]
[窓から視線を広間へと転じると、ユリアンが麒麟と化したナタ・リェに近付いていた。ナタ・リェが己が種を恐れることを知るが故に、撫でようとする様子を止めようかとも思ったが、ユリアンがナタ・リェに危害を加えることは無いだろうと、制止するのは止めておいた。ナタ・リェにも、敵意無き人間に慣れて欲しいと思ったが故に]
てことで、おはこんばんちわ
[読めない笑顔で挨拶。そして、ピッと指を立て]
発生の理由も何も。今回のコレは偶然に偶然が重なった事故
偶然発生してた時空間迷路にあのセレス坊の能力が干渉した結果がこれだよ
まあ、どうもその際に変な巻き込まれ方した子達がいるよう……だけどね
使いすぎるくらいって。
…ナタ・リェさんがまた困っちゃうよ?
[オトフリートにボソリと言いつつ。
王に手間取らせるな、というミハエルにハッとなった。
頼る気満々だったみたいです]
ええ、と。
こういう場合って、どうすれば良いのでしょう。
時空王様ならご存知、ですか?
[若き精霊たち、それぞれの言葉には苦笑のみを返し。
それから、時空王の言葉に僅かに異眸を細める]
……変な、巻き込まれ方?
干渉食らって、空間と位相的同化でもした……とか?
そいつぁまた。
コントロールも出来てなかったんか。
それだと仕方ねぇっちゃ仕方ねぇのかね。
挑戦っつーより、向こうが誘ってくるかもな?
俺がそうだったみたいに。
[ユリアンに返しながら、かっかっかっ、と楽しげに笑う。続く問いには一度広間を見回して]
リックならさっき窓から出てったぜ。
他の二人は知らんなぁ。
[実際ベアトリーチェに関しては面識も無かったかもしれない]
……ベアトリーチェは、『行った』よ。
巡るべき輪に、行くべき場所に。
[風を纏う若者の言葉に、ぽつり、呟く。
『輪転』の作用、それを感じたのは、近しき属の領域故にか]
―窓の外/地上―
[葉は再びリックの身体に戻るが、少しはその場にのこったまま。
そうして矢張り先程の感覚を気にして、そちらの方向へと向かう。
その先にクレメンスの姿と、もう一人の姿。
ぴたりと動きを止めたのは、記憶の持ち主とは違い、リックは彼に決してかなわない自覚があるからで。]
そのように、警戒なさらないでください…と言っても無理でしょうねえ。
御噂は聞いておりますよ、アーベル。
あなたは、実にユニークな存在だ。一度お会いしたいものと思っていました。思わぬ所で願いが叶いました。
[にこにこと心から嬉しそうに笑う]
……君は僕を知っていようが、僕は君を知らない。
[不快とも愉快とも言えない、奇妙な感覚]
友好的な態度を取って欲しいと言うなら、
その浮かれた気を放つのを止めて貰いたいものだね。
[幹を背に、右手を己の左脇へと回す]
[下から掬い上げるように笑みを見た]
[ミハエルの言葉にバッと何処からともなく取り出した扇子を広げると]
んー、苦しゅうない苦しゅうない
というより、無事も何も、ねぇ
[と、オトフリートに同意を求めてみる。てか何の同意ですか、と]
[そしてブリジットの問い掛けには、顎に指を当て]
んー。どうしたらいいか、ねぇ
[……ぴこーん(電球点灯(ぇ]
…………手っ取り早いのは、この空間を形作るコアにされた子をどうにかすること、じゃないかなぁ(にこにこ
[……時空王様。貴女、さらっと問題発言しましたね(汗]
空間と重なる?核になる…?
[ミハエルと一緒になって後退しながら、目を閉じた。
僅かな間、集中するように]
…ふえぇ?
[物凄く複雑な表情になった]
そうか。ベアトリーチェが無事にそこに『行ける』といいな。
でも、少しだけどまた会えてよかった。
[セレスの声に、毛布だけ残っているソファーを見やる。
そしてハインリヒの答えに眉を潜めた]
窓から!「また」無茶をしにいったのか――
いや、何でもない。
[とそこで思考を止める。「また」も何もリックとは初対面。
どうやら誰かのことと混同してしまったようだ]
まあ、その二人が何処行ったかだけわかればいい。
クレメンスさんがなにしようと、どうでもいいや。
どうせ、またろくでもないことを企んでいるんだろうから。
ど、どーにかって。
どーするんですかぁっ!?
[時空王の問題発言を聞き、思わず反射的に返してしまった。
絶対つっこまない方が良かったのに]
ああ、これは失礼。私は心の魔と呼ばれる者。名は、そうこの姿の時はクレメンスと、お呼び下さい。
どうぞ御見知り置きを。
[リックからアーベルの方に視線を戻して、今更の自己紹介]
ふむ、私の放つ気が、神経に障りますか?
どうも、この空間は私に合い過ぎているようで、ついつい、浮かれてしまうのですよ。
[くすくすと嗤う。浮かれた気は収まるどころか、更に強くなったかもしれない]
[神父殿の微笑にも、風人の手と前足の握手にも、歌は途切れず。
"ヘンな感じ"と呟いた彼の仔を慰めようとしていたなれど]
……そう。あの娘は、行かれたのですね…。
[いつの間にか揺らめき消えていた同属の気配。
その理由が彼の仔から紡がれるを聞き、首を曲げて見上げる]
落ち着かれましたか?
[穏やかな視線でセレスを見、次いでその腕の中の菫色竜へと視線をずらした。ほんの少し、潰れてはおられぬかと心配しつ]
……その同意がなんなのか、はともかくとして。
俺の憶測は大当たり、そして、対処法もそれで当たりなんですかと……。
[頭痛がした。めっちゃ頭痛がした]
[オトフリートの言葉にジッとオトフリートの目を見つめ]
…………
[じー……]
…………………………(にこ
[満面の笑み。言外での肯定。意地が悪………げふんげふん]
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