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[しばし皆と連れ立って歩くと、少し開けた場所に出た。
辺りは一面の花畑。
少し背の高い紫がかった青の花が、月の光を浴びさざめいている。]
ここもとても美しい所。
少し眺めていくか?
[皆の顔を見回し、尋ねてみる。]
[投げてしまったマリオンにクスクスと笑いを零す。
そうしながらも歩き続け、見えて来る花畑]
っと、目的地って、あれ?
[右手に持つランタンを上に掲げるよにして先へと視線を向けた。
軽く揺れたランタンの灯りは周囲の影をも揺らす]
[笑う声にむう、となっていたのは束の間のこと。
木々の先、見えた花畑にたどり着いたなら]
うっわ、ここ、夜だとこーなるんだぁ!
[色々と、突っ込みどころのある歓声を上げていたり]
[イゾルテの照らす先、青紫の花が銀光に揺れる]
[闇の最中に照らされた其れ等は
生み出す影も一層に深く]
[銀糸は緩く、その目蓋を伏せて]
目的地はこの先、もうしばらく歩いたところにある。
が、ここも良い所だろう?
[にこりと笑う。
翅は月光を浴び、輝きを増した。]
[ぱちぱちと妖精の拍手を受けたのなら照れた表情。
慣れない様子で、頬を掻く]
こんなので手土産になったかは分からないけれどもねっ。
喜んでもらえたのなら何よりなのさっ!
[身につけた花飾りに柔く微笑みかけて]
もしかしたら、花守人のお気に入りだった銀の花は…こんなふうな花かもしれないねぇ。
[他の赤や白の花は、どんなだっただろうと。
妖精同士で持ち寄る花々でいつしか、宴の泉の周りは花畑の*よう*]
昼間見るのと、ぜんっぜん違うや。
月が銀色だから、余計にそう見えるのかな?
[何となく、わくわくしたよな口調で言いながら、天の月を見上げる。
木立の作る輪の向こう。
その中央にかかる月は、静かに、静かに煌めいて]
[妖精――騎士の言葉に、ふ、と表情を緩ませて]
分かりました。
とことん付き合いましょう。
[と、気持ちを切り替え、皆の後に続く。]
[柔らかな口調で語られる異国の物語。
きらきらした瞳の妖精と共に常と異なる口調に耳傾ける。
ホラントも勿論、同じように目がきらきらしていた]
・・・まあ。
少し切なくて・・・優しいお話なのね。
[聴き終えての妖精たちによる満場の拍手。
それがまばらになってから、そっと囁いた。
指先で首にかかる白の花弁を撫でつつ、余韻に瞼を伏せる]
マリオンとクルトは…
来た事があるのかね?
[月光で強調された"でこぼこ"は、優しく微笑む。
滑稽な姿は隠しもせずに、くるりと詩人と一羽を振り返る。]
ここは、君とエリーゼのようだな。
銀月と蒼い花。
[騎士とイゾルデの会話が聞こえる。]
人のあるべき姿、か。
それを定めるのは何なんでしょうね……
[気もそぞろに上の空。
当然足下がお留守になり――]
ぎゃっ
[こけた。]
[ゲルハルトの言葉に僅か、目を細める。
青は、ち、と気を良くしたような声を上げて]
[不意に、花々の中へとゆるり、踏み出す。
ランタンを持たない銀の頼りは月光限り]
[歩みは器用に花々を避けて]
[指先で花の先を掠め、さらりと銀糸を揺らして]
――…、
[紡ぐのは言葉の無い、唯旋律だけを追う声]
[しばらくはじっと花を見つめる。
その造形を瞳に刻み込むかのように]
………いやいやいや。
あいつのイメージ組み込んだら印象がきつくなる。
[花を見て思い出した友のせいで難航している模様]
[白いエプロンの下のワンピースは、奇跡の薔薇と同じ色。
月光を受けた蒼を伏せた睫の影で映し、夢見るように呟く]
もしかしたら・・・そう、ね。
まだまだ人の知らぬ不思議があちこちで眠っているのかしら・・・
[こんなに月が銀に光る夜には、不思議も素直に信じられる。
妖精同士が持ち寄る花々の香りに顔を上げ、*目を細めた*]
いやいや、お手間をかけさせてしまって――
[苦笑を受かべ、騎士に助け起こされる。]
……へぇ。
これは凄い。
[顔を上げると、一面の蒼。
光を浴びて、朧に輝いていた。]
うん。
でも月の大きい日は見つかりやすいから…っと。
[優しい声にそのまま答え、途中で慌てて言葉を止めた。
なにせここにはお医者のせんせも、弟だっているのだから]
ま、まーな?
[弟の問いに目をそらす。
危ないからダメだぞと、諌めた場所よりここは奥]
[今は弦を弾くことも無い。
唯々声だけが音を紡ぎ、闇空に流れて消えて往く]
[枯草色の肩から飛び出すは青。
銀の周囲を舞って、主の指先は其れを追って]
[舞に似た動きに、触れた青の花がひとつ花弁を舞い上げる]
[まるで、妖精が飛び立ったかのように]
[途中で止まった兄の言葉に、へー、と短く声を上げる。
口元には、にぃ、と笑みが浮かんでいて]
……なぁんで、そこで目ぇ逸らすんだよー?
[こて、と首を傾げつつ、問いかける。
ここを知っている、という時点でこっちも色々言えた義理ではないのだが]
[視線がルイを捉えると、その舞のよな動きを追う。
見惚れるよな、瞳に刻み込むよな。
ピースにせんがためにしばらく瞳はそちらへと向いた]
花……妖精……舞……。
フレアを使って周囲に花と花弁を散らす……ありきたり過ぎるな。
……銀糸、か。
[イメージを纏めようと小さな呟きが零れる]
[皆が花畑で紫がかった青の花を眺めている頃]
せっかく摘んだ花をそのままにしておくのは可哀想。
よろしければ編んでもいいかしら?
[色とりどりの花を組み合わせ、ゆっくりと花冠を作る。
けれど、妖精がくれた首飾りほどの出来栄えにはならない]
久し振りに編みましたが・・・
やはり妖精さんの方がお上手ですわね。
[…騎士のイメージとかけ離れた声と仕草。
おもむろに怪しい態度。
そして、背中から生えた翅]
…
[目を丸くし、驚き。
そして、何も言えなくなる]
か。かわいい、です、ね。
[ようやく出てきた言葉はコレ。
何が、という主語が抜けていた]
[半ば呆然としながら、皆の後に続き。
花畑へと出れば、目を輝かせた]
わぁ…
[胸の前まで手を持ち上げ、月下の華達を見つめる]
[眼前に広がる景色を言葉にする術を知らず
交じり、踊る、銀と蒼に見惚れ、動かない。]
[兄弟のささやかな闘いにも気付かぬまま、医師は立ち尽していた。]
[白いエプロンに包まれた膝に色鮮やかな花冠を置いて一息。
運ばれてきた夜露と花の蜜の飲み物をいただく。
気ままに跳ねたり踊ったりする小さな背には四枚の翅。
銀月の光を受け、きらきらと煌く様は夢幻のように美しい]
・・・・・・きれいですわ・・・・・・
皆様も一緒に見ることが出来たらもっと素敵ですのに・・・
[はぐれた人々を想いつつも、ほぅと感嘆の息を零した]
[書き留める物がない以上、全て記憶に刻むしか無く。
得たイメージを忘れぬよう努力しながら]
もっと素敵な世界って、どこのことだい?
[空色を見返す。
その力が強まるのを、自分の瞳は『視て』いた]
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